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2010年5月頃 ~ 2021年11月
映画題名リスト

『ザ・クーリエ』(The Courier)

2020年・イギリス/アメリカ 監督/ザカリー・アドラー

出演/オルガ・キュリレンコ/ゲイリー・オールドマン/アミット・シャー/ウィリアム・モーズリー

配達人は元女兵士。それにしても強過ぎる主人公にはもう笑うしかない。ちょっと乱暴なアクション映画。

『戦う翼』(The War Lover)

1962年・イギリス/アメリカ 監督/フィリップ・リーコック

出演/スティーヴ・マックィーン/ロバート・ワグナー/シャーリー・アン・フィールド/マイケル・クロフォード

1943年イギリス、アメリカの戦闘機乗りたちのものがたり。戦争ものは、もうコメントを書く気力がわいてこなくなった。恋物語があることが救われる。

『クリスマス・カンパニー』(Santa & Cie/Christmas & Co.)

2017年・フランス/ベルギー 監督/アラン・シャバ

出演/アラン・シャバ/ゴルシフテ・ファラハニ/ピオ・マルマイ/オドレイ・トトゥ

引き続き早目のクリスマス気分。フランス風の独特なエスプリ溢れるサンタクロース物語に苦笑しながら。外国人は素直にクリスマス・ストーリーを描くことが本質なんだ、と。

『サンタクロースになった少年』(Christmas Story)

2007年・フィンランド 監督/ヨハ・ウリオキ

出演/ハヌ・ペッカ・ビョルクマン/カリ・ヴァーナネン/ミナ・ハップキラ/ミッコ・レッピランピ

1985年スーパーマン・チームが作った『サンタクロース』をヘラルドが配給した。ようやく出来上がった作品を誰かがいち早く観なければならないと、ロンドンに一人旅した記憶が蘇る。内容的には今回の映画の方がはるかに素敵だ。絵本を観ているような気にさせられる。日本語版にして大きなスクリーンで親子に観てもらいたい映画だ。

『アンハサウェイ 裸の天使』(HAVOC)

2005年・アメリカ 監督/バーバラ・コップル

出演/アン・ハサウェイ/ビジュー・フィリップス/フレディ・ロドリゲス/シリ・アップルビー

「HAVOC」とは、(自然力・暴動などの)(めちゃめちゃな)破壊、大荒れ、大混乱 という意味らしい。アン・ハサウェイがプリンセスのイメージが定着し、理想の役が得られずに低迷していた時代の大失敗作だろう。

『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』(Les traducteurs/The Translators)

2019年・フランス 監督/レジス・ロワンサル

出演/ランベール・ウィルソン/オルガ・キュリレンコ/アレックス・ロウザー/シセ・バベット・クヌッセン

映画らしくて映画らしい映画を観た。『9人の翻訳家』だけで充分な邦題。こんなつまらない副題を付ける配給会社はくそくらえだ。

『バイス』(Vice)

2018年・アメリカ 監督/アダム・マッケイ

出演/クリスチャン・ベール/エイミー・アダムス/スティーヴ・カレル/サム・ロックウェル

第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュの下で副大統領を務め、「史上最強の副大統領」「影の大統領」と評され、「史上最悪の副大統領」とも呼ばれたディック・チェイニーを描いている。ダイナミックなアメリカ合衆国の政治舞台は日本なんか足下にも及ばない。

『プライベート・ウォー』(A Private War)

2018年・アメリカ 監督/マシュー・ハイネマン

出演/マリー・ブレナー/リー・ブロダ/ベス・コノ/ジェイソン・レズニック

2012年にシリアで取材中に死亡した戦場記者メリー・コルヴィンを描いている。ヘラヘラとテレビに出ている軟弱従軍記者もどきとは雲泥の差がある。久しぶりにハードな内容に圧倒された。

『ナイト・ガーディアンズ』(Nochnye strazhi/Guardians of the Night/Night Guards)

2016年・ロシア 監督/エミリス・ベリビス

出演/イワン・ヤンコフスキー/レオニド・ヤルモルニク/ルボフ・アクショノーヴァ

ロシア製偽物アクション・魔王伝説的ストーリー。こういう映画を観終わるには時間がかかるけれど、満足感は一切なく疲労だけが蓄積される。

『ルビイ』(キング・ヴィダー)

1952年・アメリカ 監督/キング・ヴィダー

出演/ジェニファー・ジョーンズ/チャールトン・ヘストン/カール・マルデン/ジョセフィン・ハッチンソン

恋多きジャジャウマ娘が周りの人の誤解を受けながらも健気に生きていく姿が哀しい。

『Mr.&Ms.スティーラー』(Lying and Stealing)

2019年・アメリカ 監督/マット・アセルトン

出演/テオ・ジェームズ/エミリー・ラタコウスキー/フレッド・メラメッド/エボン・モス=バクラック

途中でかなりの時間を眠ってしまった。泥棒成金の超出来損ないのような映画みたいな気がした。ほとんど観ていないけど。

『リズム・セクション』(The Rhythm Section)

22019年・イギリス/アメリカ/スペイン 監督/リード・モラノ

出演/ブレイク・ライヴリー/ジュード・ロウ/スターリング・K・ブラウン/リチャード・ブレイク

ど素人が殺し屋になっても面白くない。ちょっと無理があると、映画に惹かれなくなってくる。

『メリッサ・マッカーシーinザ・ボス 世界で一番お金が好き!』(The Boss)

2016年・アメリカ 監督/ベン・ファルコーン

出演/メリッサ・マッカーシー/クリステン・ベル/ピーター・ディンクレイジ/エラ・アンダーソン

こんなハチャメチャな映画を観ていると、自分の小ささが馬鹿らしくて仕方がなくなる。

『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』(My Blind Date with Life)

2017年・ドイツ 監督/マルク・ローテムント

出演/コスティア・ウルマン/ヤコブ・マッチェンツ/アンナ・マリア・ミューエ/ニラム・ファルーク

嘘から始まっても、最後には嘘を明らかにしなければ人生は始まらない。

『ジョン・ウィック:チャプター2』(John Wick: Chapter 2)

2017年・アメリカ 監督/チャド・スタエルスキ

出演/キアヌ・リーブス/コモン/ローレンス・フィッシュバーン/リッカルド・スカマルチョ

ジョン・ウィックはすご~くつよ~い。

『エントラップメント』(Entrapment)

1999年・アメリカ/イギリス/ドイツ 監督/ジョン・アミエル

出演/ショーン・コネリー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/ウィル・パットン/モーリー・チェイキン

ショーン・コネリーは昨年(2020年)10月に90歳で亡くなった。ある日、ヘラルドの社長と副社長が、彼が日本を離れる日に成田空港に近いゴルフ場で一緒にゴルフをするということを聞いたことがあった。懐かしい現役時代。

『パリの家族たち』(La fete des meres)

2018年・フランス 監督/マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール

出演/オドレイ・フルーロ/クロチルド・クロ/オリヴィア・コート/パスカル・アルビロ/ジャンヌ・ローザ

フランスの女性大統領からパリの立ちんぼまで、パリに暮らす数組の女性たちの今の姿が映し出される。女性同士の喧嘩言葉を聞いて戦慄におののく日本人男性老人。

『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』(Les Heritiers)

2014年・フランス 監督/マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール

出演/アリアンヌ・アスカリッド/アハメッド・ドゥラメ/ノエミ・メルラン/ジュヌヴィエーヴ・ムニシュ

屁でもない高校生たちが、「アウシュヴィッツ」という難しいテーマを突きつけられて、収容所から生き残った老人の生の話を聞いた時から人生が変わったように目の前が開けていった。

『フランシスコの2人の息子』(O'RIA DE ZEZE' DI CAMARGO & LUCIANO)

2005年・ブラジル 監督/ブレノ・シルべイラ

出演/アンジェロ・アントニオ/ジラ・パエス/ダブリオ・モレイラ/マルコス・エンヒケ

実話に基づく音楽成功物語。ちょっとかったるいけれど、成功物語は観ていて嬉しい。音楽がブラジルのカントリーなのが新鮮。

『パリに見出されたピアニスト』(Au bout des doigts)

2018年・フランス/ベルギー 監督/ルドヴィク・バーナード

出演/ジュール・ベンシェトリ/ランベール・ウィルソン/クリスティン・スコット・トーマス

実話に基づく。原題は「指先で(未来をつかむ)」。せめて「パリが見つけたピアニスト」としゃれてみないか宣伝部さんよ。

『ローマの教室で 我らの佳き日々』(IL ROSSO E IL BLU)

2012年・イタリア 監督/ジュゼッペ・ピッチョーニ

出演/マルゲリータ・ブイ/リッカルド・スカマルチョ/ロベルト・ヘルリッカ

イタリアの高校・学園もの。変わった先生が3人、一向に話の進まないストーリー。人生のある時期はこんなものだという示唆に富んだ話なのかもしれない。

『未来よ こんにちは』(L'avenir/Things to Come)

2016年・ドイツ/フランス 監督/ミア・ハンセン=ラヴ

出演/イザベル・ユペール/アンドレ・マルコン/ローマン・コリンカ/エディット・スコブ

字幕に寺尾次郎というヘラルドの後輩の名前が出ていた。才能のあった奴だったがもう亡くなってしまった。こうやって私のように世の中に必要ない人間は生き残り、必要な輩は早々と世をあとにしている。

『ジゴロ・イン・ニューヨーク』(Fading Gigolo)

2013年・アメリカ 監督/ジョン・タトゥーロ

出演/ジョン・タトゥーロ/ウディ・アレン/ヴァネッサ・パラディ/リーヴ・シュレイバー

ウディ・アレンの映画はイマイチ笑いがわいてこない。不思議な感覚は続く。

『X-ミッション』(Point Break)

2015年・アメリカ/ 監督/エリクソン・コア

出演/エドガー・ラミレス/ルーク・ブレイシー/テリーサ・パーマー/デルロイ・リンドー

1991年公開の『ハートブルー』のリメイク/リ・イマジネーション作品である、という。その作品はヘラルドの配給だった。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』(At Eternity's Gate)

2018年・アメリカ/フランス 監督/ジュリアン・シュナーベル

出演/ウィレム・デフォー/オスカー・アイザック/マッツ・ミケルセン/マチュー・アマルリック

狂気は最高の藝術だ、とフィンセント・ファン・ゴッホは言った。

『偽りの忠誠 ナチスが愛した女』(The Exception)

2016年・イギリス/アメリカ 監督/デヴィッド・ルボー

出演/リリー・ジェームズ/ジェイ・コートニー/クリストファー・プラマー/エディ・マーサン

ナチスの軍人にもいい奴がいたんだと。

『レッド・エージェント 愛の亡命』(Despite the Falling Snow)

2016年・イギリス/カナダ 監督/シャミン・サリフ

出演/レベッカ・ファーガソン/チャールズ・ダンス/サム・リー/ドアンチュ・トラウェ/ベン・バット

冷戦時代のアメリカとソ連のスパイ活動がイマイチ。そう少し何とかなったろうと思わざるを得ない。

『キル・ウィットネス』(The Pineville Heist)

2016年・カナダ/オーストラリア 監督/Lee Chambers

出演/ベイジル・ホフマン/ジェイコブ・ブラウン/プレスリー・マッサーラCarl Bailey

ちょっと乱暴なストーリーと映像。

『伝説の白い馬』(The Silver Brumby)

1993年・オーストラリア 監督/ジョン・タトゥリス

出演/キャロライン・グッドオール/ラッセル・クロウ/アミ・デイミオン/ジョニー・ラーエン

ちょっとかったるいつくり話の映像化。

『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(Knives Out)

2019年・アメリカ 監督/ライアン・ジョンソン

出演/ダニエル・クレイグ/クリス・エヴァンス/アナ・デ・アルマス/ジェイミー・リー・カーティス

『ラブ・アット・サンセットテラス』(Love at Sunset Terrace)

2020年・カナダ 監督/ヘザー・ホウソーン・ドイル

出演/エレン・ウォグロム/カーロ・マークス/エリカ・トレンブレイ/メイガン・ヘファーン

『ジャスト・フォー・ザ・サマー』に似た雰囲気の映画だった。同じような景色と同じような環境がカナダへの憧れの一因になっているのだろう。

『ジャスト・フォー・ザ・サマー 夏の間だけ』(Just for the Summer)

2020年・カナダ 監督/デイビット・I・シュトラッサー

出演/ブラント・ドーハティ/ヘイレイ・セールス/リンダ・ダーロウ/ターシャ・シムズ/エマ・ジョンソン

ほのぼのとした周りの人たちに助けられて、人生はすこしばかり潤った空気を吸えるのかもしれない。

『オール・マイ・ライフ』(All My Life)

2020年・アメリカ 監督/マーク・メイヤーズ

出演/ジェシカ・ローテ/ハリー・シャム・Jr/エヴァー・キャラダイン/キアラ・セトル

結婚をすることを決断した二人だったが、彼氏に不治の病が見つかり、結婚式後になくなってしまう。何かが起こるのが映画だが、何も起こらない素直なストーリー、実話に基づくとはいえ今どきこの程度が映画化されるのが不思議だ。

『楽園』

2019年(令和3年)・日本 監督/瀬々敬久(鈴木俊久)

出演/綾野剛/杉咲花/佐藤浩市/柄本明/村上虹郎/片岡礼子/黒沢あすか/根岸季衣/石橋静河

重い、暗い映画。日本映画の伝統を受け継ぐようなちんたらした進行に辟易する。こういう映画を好きな人はいるのだろう。それとは真反対の域に生きている自分の人生を感じる。

『ファイナル・スコア』(Final Score)

2018年・イギリス/アメリカ 監督/スコット・マン

出演/デイヴ・バウティスタ/ピアース・ブロスナン/レイ・スティーヴンソン/ラルフ・ブラウン

サッカー場と大観衆を使ったアクション映画。相変わらず悪者の親玉はなかなか死なない。現実味からどんどん離れていくシーンに飽きが来る。ハラハラ、ドキドキの要素が遠のいていくのが最大の欠点。

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』(Long Shot)

2019年・アメリカ 監督/ジョナサン・レヴィン

出演/シャーリーズ・セロン/セス・ローゲン/オシェア・ジャクソン・Jr/アンディ・サーキス

現役の米国務長官とベビーシッターされていた男の偶然の出逢いは、ありえないシチュエーションを作り出した。軽いコメディでありながら、言っていることはいちいちごもっとも。このあたりが、おちゃらけしか表現できない日本映画のコメディと徹底的に違うところ。

『デイライト』(Daylight)

1996年・アメリカ 監督/ロブ・コーエン

出演/シルヴェスター・スタローン/エイミー・ブレネマン/スタン・ショウ/ヴィゴ・モーテンセン

大パニック、大アクション映画。ニューヨークとニュージャージー州を結ぶホランドトンネルでの大事故。パニック映画はさほど好きではないが、観始まっていしまえば。スタローン50歳の時の映画、まだ若い。

『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』(The High Note)

2020年・アメリカ 監督/ニーシャ・ガナトラ

出演/ダコタ・ジョンソン/トレイシー・エリス・ロス/ケルビン・ハリソン・ジュニア/アイス・キューブ

歌手の成功物語はいつも観ていて楽しい。今回は、歌手をプロデュースする若い女性の物語。ほんの小さな穴からしか入れない世界に入るには、どうしたらよいかを教えてくれるようなストーリー。涙が出るほど嬉しい。

『ベン・イズ・バック』(Ben is Back)

2018年・アメリカ 監督/ピーター・ヘッジズ

出演/ジュリア・ロバーツ/ルーカス・ヘッジズ/キャスリン・ニュートン/コートニー・B・ヴァンス

19歳のベンが薬物依存症の治療施設を抜け出し帰ってきた。若くして施設に入らなければならないほどに病的になってしまった者は、本人の意志とは関わりなく世間から矯正の姿が見えなくなっている。悲劇だが本当だろう。

『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』(Tuntematon mestari/ONE LAST DEAL)

2018年・フィンランド 監督/クラウス・ハロ

出演/ヘイッキ・ノウシアイネン/ピルヨ・ロンカ/アモス・ブロテルス/ステファン・サウク

しがない美術商のおじいちゃんが死ぬ前に大ごとを成し遂げようと奮闘する。高値で取引される名画と称される絵画も、買い手が付かなければ一銭の価値もない。

『恐竜が教えてくれたこと』(My Extraordinary Summer with Tess)

2019年・オランダ/ドイツ 監督/ステフェン・ワウテルロウト

出演/Sonny Coops Van Utteren/ジョゼフィーン・アレンドセン/Tjebbo Gerritsma

一週間のサマーバカンスを楽しむため、家族とともにオランダ北部の島にやってきたサムは11歳の男の子。恐竜は何も教えてくれないけど、なんか変な映画のたぐい。

『ロード・ジム』(LORD JIM)

1965年・イギリス 監督/リチャード・ブルックス

出演/ピーター・オトゥール/ジェームズ・メイソン/クルト・ユルゲンス/ジャック・ホーキンス/伊丹十三

原作者が「地獄の黙示録」と同じ人(ジョセフ・コンラッド)だという。船乗りの下士官になりたての時に犯してしまった罪を、一生の傷として潔く生きてゆく男らしさに惚れる。

『ストリート ファイターを継ぐ男』(Street)

2015年・アメリカ 監督/ブラッドフォード・メイ

出演/クインシー・ブラウン/ミンディ・ロビンソン/マーク・ライアン/ケイト・マイナー

ロシア系マフィアのやり口が酷い。勝手にいちゃもんを付けておいて、落とし前を付けると言い出すあたりは、日本の敗戦に便乗してやりたい放題の国のあり方によく似ている。

『クライムダウン』(A LONELY PLACE TO DIE)

2011年・イギリス 監督/ジュリアン・ギルビー

出演/メリッサ・ジョージ/エド・スペリーアス/イーモン・ウォーカー/ショーン・ハリス

ミステリーに登山の要素が加わっている。ネタ晴らしになってしまうが、主人公たち5人のうち4人は死んでしまう。恐ろしい誘拐事件、罪が重いのが分かる。

『インターセクション』(INTERSECTIONS)

2013年・フランス 監督/デヴィッド・マルコーニ

出演/ジェイミー・アレクサンダー/フランク・グリロ/ロシュディ・ゼム/マリ=ジョゼ・クローズ

リュックベッソン製作、乾いたアクション映画。モロッコの砂漠で車が事故る。3組の登場人物が複雑に絡み合って、映画をわざわざ混乱させている。モロッコか~!、一度訪れておきたかった場所だ。

『コルト45 孤高の天才スナイパー』(Colt 45)

2015年・フランス 監督/ファブリス・ドゥ・ヴェルツ

出演/ジェラール・ランヴァン/アリス・タグリオーニ/ジョーイ・スタール/イマノル・ペルセ

孤高の天才スナイパーとは酷い邦題だ。銃オタクの警察官の物語。国家機密以上の国家機密があるようだが、ここはフランス。警察権が信用できないのは日本も同じ。ワクチンの嘘が蔓延るのも、こういう風潮が蔓延しているからだろう。

『メカニック・ラブ』(The Mechanics of Love)

2017年・アメリカ 監督/デヴィッド・ウィーヴァー

出演/シェネイ・グライムス/タイラー・ハインズ/ロックリン・マンロー/エミリー・テナント/ブレア・ペナー

いい加減な邦題を付けて気取っているのはどこの配給会社だろうか。英語が良く分からない自分にも違和感のある日本語題名。恋は機械的に操作できるものではない。

『米軍極秘部隊ウォー・ピッグス』(War Pigs)

2015年・アメリカ 監督/ライアン・リトル

出演/ルーク・ゴス/ドルフ・ラングレン/ミッキー・ローク/チャック・リデル/スティーヴン・ルーク

大掛かりな戦争映画ではなくテレビ映画の戦闘は、ちょっとおとなしくて観易い。兵隊さんの基本姿勢を表現しているようなストーリーとシーン。

『タイムリミット 見知らぬ影』(Steig. Nicht. Aus!)

2018年・ドイツ 監督/クリスティアン・アルヴァルト

出演/ヴォータン・ヴィルケ・メーリング/ハンナー・ヘルツシュプルンク/クリスティアーネ・パウル

ドイツ映画を観ることはなかなかない。偏見を承知で云うなら、ドイツ映画らしく濃くて、しつこくて、休まる暇がない。緻密な割には辻褄の合わないシーンも。

『アナザー・タイム』(Another Time)

2018年・アメリカ 監督/トーマス・ヘネシー

出演/ジャスティン・ハートリー/アリエル・ケベル/ジェームズ・カイソン・リー/クリシェル・スタウス

ちょっと変わったタイムスリップもの。好きな分野だけに興味がわく。巡り合った女性に会うために5年前にタイムスリップしたけれど・・・。なんとも微笑ましい。

『ロマンス・リトリート 恋のスクープ』(Romance Retreat)

2019年・カナダ 監督/スティーヴ・ディマルコ

出演/アマンダ・シュル/モーガン・デイビット・ジョーンズ/エリック・ヒックス/パトリス・グッドマン

アメリカの若いジャーナリストが正義に燃えて記事を書いても、編集長に購読者うけする内容に変えられてしまうなんて。ワクチンにまつわる嘘の噂をいとも簡単に信じてしまう輩が結構いることには驚きしかない。

『Something Borrowed/幸せのジンクス』(SOMETHING BORROWED)

2011年・アメリカ 監督/ルーク・グリーンフィールド

出演/ジニファー・グッドウィン/ケイト・ハドソン/コリン・エッグレスフィールド/ジョン・クラシンスキー

同性の親友は子供の頃からいつまで続くのだろうか。しかもその親友に結婚の相手まで紹介するかたちになってしまった。でも本当に好きだったのは・・・・。そんな恋が多いのかも。

『ピース・オブ・ケイク グランマのレシピ』(Love is a Piece of Cake)

2020年・アメリカ 監督/デイビット・I・シュトラッサー

出演/リンジー・ゴート/グレイストン・ホルト/ジュリア・ベンソン/リンゼイ・ウィンチ

主人公は女性、祖母のレシピとケーキ作りの思いをケーキ店に注いでいる。恋の相手はシングルファーザー、いつもの設定とは男と女が逆転している。シングルファーザーが5歳くらいの女の子を育てられる社会環境がアメリカにはあるのだ、きっと。

『セカンド・チャンス 甘くほろ苦い初恋』(Advance & Retreat)

2016年・アメリカ 監督/スティーヴン・R・モンロー

出演/ライリー・フォルケル/ケイシー・デドリック/ブランドン・ジョーンズ/ダーク・ブロッカー

軽いTV映画でテーマも軽い。初恋とキャリアを天秤にかけて、引き戻る勇気が彼女にはあった。甘酸っぱい恋の記憶は一体どれだけあるだろうか。

『午後3時の女たち』(Afternoon Delight)

2013年・アメリカ 監督/ジル・ソロウェイ

出演/キャスリン・ハーン/ジュノー・テンプル/ジョシュ・ラドナー/ジェーン・リンチ

とてもじゃないけどアメリカ社会の一員として定住するのはまず無理だな、という印象が襲ってきた。だから、日本村やチャイナタウンとして群れるのが普通になっているのだろう。

『美しすぎる裸婦』(Strangers of Patience)

2018年・ロシア 監督/ブラディミール・アレニコフ

出演/コンスタンチン・ラヴロネンコ/マジャ・ゾパ

絵画のタイトルに使われる「裸婦」。少々エクセントリックな写真家が一目惚れして撮り始まった。可愛いロシア女性と狂気の写真家、終わり方がよく分からない。

『ライフ』(Life)

2017年・アメリカ 監督/ダニエル・エスピノーサ

出演/ジェイク・ジレンホール/レベッカ・ファーガソン/ライアン・レイノルズ/真田広之

近未来宇宙船ストーリー。真田広之は日本人の乗組員。問題ない英語を喋っていたような気がするが、緊急事態に冷静な態度を見せているのは彼だけ。本当に冷静なのか演技が追いつかないのか分からなかった。

『フェイク・クライム』(Henry's Crime)

2011年・アメリカ 監督/マルコム・ヴェンヴィル

出演/キアヌ・リーブス/ヴェラ・ファーミガ/ジェームズ・カーン/ピーター・ストーメア

キアヌ・リーブスは一風変わった映画に出演する傾向にあるような気がしてならない。一貫性のない不思議な映画。ジャンル分けが出来ない。

『ホステージ』(Hostage)

2005年・アメリカ 監督/フローラン・シリ

出演/ブルース・ウィリス/ケヴィン・ポラック/ベン・フォスター/ジョナサン・タッカー

日本にはいない交渉人、ロサンゼルス市警の敏腕交渉人がこの映画の主人公。故あって小さな町の警察署長に転身したが、また大きな事件を担当する羽目に。警察ものというよりはブルース・ウィリスのアクション映画という感じ。

『デス・ウィッシュ』(Death Wish)

2018年・アメリカ 監督/イーライ・ロス

出演/ブルース・ウィリス/ヴィンセント・ドノフリオ/エリザベス・シュー/ディーン・ノリス

妻と娘を守れなかった主人公は、アメリカ人らしく銃の力を借りて復讐と犯人探しに奔走する。世直し奉行のような存在は悪くない。

『ウォールフラワー』(The Perks of Being a Wallflower)

2012年・アメリカ 監督/スティーブン・チョボスキー

出演/ローガン・ラーマン/エマ・ワトソン/エズラ・ミラー/メイ・ホイットマン

青春っていいなぁ~。73歳になったって、少年のような心が生き生きしていたい。

『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(Little Women)

2019年・アメリカ 監督/グレタ・ガーウィグ

出演/シアーシャ・ローナン/エマ・ワトソン/フローレンス・ピュー/エリザ・スカンレン/ローラ・ダーン/ティモシー・シャラメ/メリル・ストリープ

この物語の4姉妹のように、わが3姉妹には、心豊かに、波乱に富んだ人生を送ってほしい。

『THE GUILTY/ギルティ』(Den skyldige)

2018年・デンマーク 監督/グスタフ・モーラー

出演/ヤコブ・セーダーグレン/イェシカ・ディナウエ/ヨハン・オルセン/オマール・シャガウィー

緊急通報指令室という日本の110番の究極形は、見えない人と、事件を解決するために奮闘する警察官のはなしだった。暗くて嫌な映画に見えたけれど・・・・。

『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』(A Most Violent Year)

2014年・アメリカ 監督/J・C・チャンダー

出演/オスカー・アイザック/ジェシカ・チャステイン/アレッサンドロ・ニヴォラ/デヴィッド・オイェロウォ

清く正しく商売を全うしようとする人間が、清く正しくない業界、社会に立ち向かうには、並大抵のことではないことがよく分かった。

『パリ、憎しみという名の罠』(Carbone)

2017年・フランス/ベルギー 監督/オリヴィエ・マルシャル

出演/ブノワ・マジメル/ジェラール・ドパルデュー/ローラ・スメット/グリンジェ

権力、金、逆境を跳ね返す力、この3つが人間には必要らしい。昔の映画みたいに煙草をいつも吸っている主人公が煙たい。

『狼たちの報酬』(The Air I Breathe)

2007年・メキシコ/アメリカ 監督/ジェホ・リー

出演/フォレスト・ウィテカー/ブレンダン・フレイザー/サラ・ミシェル・ゲラー/ケヴィン・ベーコン/アンディ・ガルシア

少し先が見えてしまう特殊能力も、その過程に絡むことが出来なければ、見えていた結果だけが自分の身の回りに起こってしまう。

『夜に生きる』(Live by Night)

2016年・アメリカ 監督/ベン・アフレック

出演/ベン・アフレック/エル・ファニング/ブレンダン・グリーソン/クリス・メッシーナ

初めて恰好良いギャングの生き方を見た。

『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(The Hangover Part III)

2013年・アメリカ 監督/トッド・フィリップス

出演/ブラッドリー・クーパー/エド・ヘルムズ/ザック・ガリフィアナキス/ケン・チョン/ヘザー・グラハム

ハチャメチャな物語もこの篇では少しまともに見えたからおもしろい。

『42 ~世界を変えた男~』(42)

2013年・アメリカ 監督/ブライアン・ヘルゲランド

出演/チャドウィック・ボーズマン/ハリソン・フォード/ニコール・ベハーリー/クリストファー・メローニ

二刀流の大谷を皆が見つめる光景は、白人の中に初めて入った一人だけの黒人選手と似通っているような気がした。

『カフカ「変身」』(Metamorphosis)

2019年・イギリス 監督/クリス・スワントン

出演/エイリーク・バー/ロバート・パフ/モーリン・リップマン/ローラ・リース

カミュの「ペスト」は不条理が集団を襲ったことを描いたが、カフカの「変身」は不条理が個人を襲ったことを描いた。ということらしいが、凡人には入り込めない領域に感じる。

『赤ずきん』(Red Riding Hood)

2011年・アメリカ/カナダ 監督/キャサリン・ハードウィック

出演/アマンダ・セイフライド/ゲイリー・オールドマン/ビリー・バーク/シャイロー・フェルナンデス

童話ではないミステリーなサスペンス、ファンタジー。

『ブラッドショット』(Bloodshot)

2020年・アメリカ 監督/デヴィッド・S・F・ウィルソン

出演/ヴィン・ディーゼル/エイザ・ゴンザレス/サム・ヒューアン/トビー・ケベル

久々のアクション映画は近未来的。なかなかおもしろかったが、いつの間にか眠りについていた。

『インクハート/魔法の声』(Inkheart)

2008年・アメリカ/イギリス/ドイツ 監督/イアン・ソフトリー

出演/ブレンダン・フレイザー/ヘレン・ミレン/ポール・ベタニー/イライザ・ベネット

活字のファンタジー世界を映像化するのは夢がある。おとぎの国のはなしが目の前に現れたら云うことない。

『ブラック・スマイル』(A Stranger with My Kids)

2017年・カナダ 監督/チャド・クロウチャク

出演/アシュレイ・スコット/ミッチ・ライアン/ウディ・ジェフリーズ/ディラン・キングウェル

前味も、中味も、後味も悪い映画だった。

『パーフェクト・リベンジ』(Matar el tiempo)

2015年・スペイン/アメリカ 監督/アントニオ・エルナンデス

出演/ベン・テンプル/ヨン・ゴンサレス/アイトール・ルナ/フランク・フェイス

やらせ、美人局かなと思っていたら、機転の利く優秀なサラリーマンの勇気ある行動だった。途中で止めないで良かった、とまで言えるかなぁ。

『アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール』(La musica del silenzio/The Music of Silence)

2018年・イタリア 監督/マイケル・ラドフォード

出演/トビー・セバスチャン/ルイーザ・ラニエリ/ジョルディ・モリャ/アントニオ・バンデラス

イタリア語版ではなかったことが残念。英語版が吹き替えに感じてしまった。遅咲きのオペラ歌手の実話が気持ちいいい。成功物語に涙する自分がいる。ようやく自分が毎回涙を流す映画が分かってきた。

『ガレージセール・ミステリー2 友人の転落死』(Garage Sale Mysteries)

2013年・アメリカ 監督/

出演/ロリ・ロックリン/リック・ラヴァネロ/サラ・カニング/アンドリュー・ダンバー

引き続き2作目も観てしまった。もともとはテレビ映画シリーズなのはよく分かる。

『ガレージセール・ミステリー 探偵ジェニファー』(Garage Sale Mysteries)

2016年・アメリカ 監督/ニール・ファーンリー

出演/ロリ・ロックリン/サラ・ストレンジ/スティーヴ・ベーシック/ケビン・オグラディ

気楽な推理ものは観ていて疲れない。

『遥かなる大地へ』(Far and Away)

1992年・アメリカ 監督/ロン・ハワード

出演/トム・クルーズ/ニコール・キッドマン/トーマス・ギブソン/ロバート・プロスキー

アイルランドからアメリカに移民した青年とアイルランドではお嬢様として階級社会の頂点にいた女性との物語。一度観ていた気がしたが、最後半の早い者勝ち土地獲得レースのところばかり記憶に残っていたようだ。日本なら明治20年頃の話。まだまだ地球上の文明は開花していなかった。

『グランド・プロミス 23年後の再会』(La Gran Promesa)

2017年・メキシコ 監督/ホルヘ・ラミレス・スアレス

出演/フアン・マヌエル・ベルナル/イリティア・マンサニージャ/サム・トラメル/ソフィア・エスピノーサ

同じストーリでもアメリカ映画とどことなく違う匂いがして嬉しい。ひとつひとつの挙動に国民性みたいなものを感じるのは偏見かもしれない。DNAとやらは千年にもわたる人間性の証なのだから、違って当たり前のことなのだろう。

『エスケープ ナチスからの逃亡』(The Birdcatcher)

2019年・イギリス 監督/ロス・クラーク

出演/アウグスト・ディール/サラ・ソフィー・ボウスニーナ/アルトゥル・ハカラフティ/ヤコブ・セーダーグレン

ナチス・ドイツ占領下のノルウェーが舞台。オーストリアやフランスだけではなく北欧にまでナチスの愚行が及んでいたことは、驚きをもって私の生きているうちの記憶となっていくだろう。映画でしか知ろうとしないナチス、それ以上の事実を知ることの方がショックであろう。

『エジソンズ・ゲーム』(The Current War)

2017年・アメリカ 監督/アルフォンソ・ゴメス=レホン

出演/ベネディクト・カンバーバッチ/マイケル・シャノン/キャサリン・ウォーターストン/トム・ホランド

傑出した発明家として知られ、生涯におよそ1,300もの発明と技術革新を行ったエジソン、蓄音器、白熱電球、活動写真などが有名なところだろうか。電流戦争では直流にこだわり過ぎて交流を採用したニコラ・テスラおよびウェスティングハウスに敗れているという。様々な汚い行為もあったらしく、人格的には問題だったようだ。才能あり過ぎる人間の陥りやすい欠陥だろうか。

『男はつらいよ お帰り 寅さん』

2019年(令和元年)・日本 監督/山田洋次

出演/渥美清/倍賞千恵子/吉岡秀隆/後藤久美子/前田吟/池脇千鶴/夏木マリ/浅丘ルリ子

まったく寅さんに反応を示さなかった若い頃が懐かしい。その間に歴史的なシリーズとなっていったこの映画。ホッとする時間が堪らなくなっている。歳をとったのだろう。フラッシュバック的に映し出されるマドンナたちの姿に、自分の生きて来た時代を重ねていた。

『バッド・ダディ 史上最悪のツアーガイド』(THE CHAPERONE)

2011年・アメリカ 監督/スティーヴン・ヘレク

出演/トリプルH/ケヴィン・コリガン/アリエル・ウィンター/ホセ・ズニーガ

なんてことはない。

『ボーダー 二つの世界』(Grans)

2018年・スウェーデン/デンマーク 監督/アリ・アッバシ

出演/エヴァ・メランデル/エーロ・ミロノフ/ヨルゲン・トーソン/アン・ペトレン

不気味な映画に見えた。トロル信仰というものを知っていれば、もっと深く映画に関われたのかもしれない。肝心な要素である肉体的な特徴を、日本の無粋な検閲はぼかしという手法で映画の真髄を台無しにしている。映画世界に限ったことではないけれど、日本の未熟性はまだまだ続きそうだ。

『ファイナル・デスティネーション』(Final Destination)

2000年・アメリカ 監督/ジェームズ・ウォン

出演/デヴォン・サワ/アリ・ラーター/ショーン・ウィリアム・スコット/カー・スミス

人間の死の筋書きは決まっているらしい。

『ピエロがお前を嘲笑う』(Who Am I - Kein System ist sicher)

2014年・ドイツ 監督/バラン・ボー・オダー

出演/トム・シリング/エリアス・ムバレク/ヴォータン・ヴィルケ・メーリング/アントニオ・モノー・ジュニア

「アノニマス」という言葉が蔓延るようになってからサイバー世界は危険地帯になってきた。どこまでIT化されていくのだろうと不安な将来が見えないけれど、結局は人間がコントロールしなければ、何事も始まらないし何事も終わらない。

『ブラッド&トレジャー』(Blood & Treasure Season1)

2019年・アメリカ 監督/マシュー・フェダーマン

出演/マット・バー/ソフィア・パーナス/ジェームズ・キャリス/カティア・ウィンター/オデッド・フェール

テレビ映画。1話40分ちょい、一気に観なければ最後まで行き着けない最近のテレビ映画シリーズ。シーズン1・エピソード1からエピソード13まで一気に観てしまった。満足感は感じるけれど、壮大な劇場映画を観た時のような気持ちにはなれない。

『ファーストラヴ』

2021年(令和3年)・日本 監督/堤幸彦

出演/北川景子/中村倫也/芳根京子/板尾創路/石田法嗣/清原翔/高岡早紀/木村佳乃/窪塚洋介

『MEG ザ・モンスター』(The Meg)

2018年・アメリカ/中国 監督/ジョン・タートルトーブ

出演/ジェイソン・ステイサム/リー・ビンビン/レイン・ウィルソン/ルビー・ローズ/ウィンストン・チャオ

『素晴らしきかな、人生』(Collateral Beauty)

2016年・アメリカ 監督/デヴィッド・フランケル

出演/ウィル・スミス/エドワード・ノートン/キーラ・ナイトレイ/マイケル・ペーニャ/ナオミ・ハリス

『スカイスクレイパー』(Skyscraper)

2018年・アメリカ/中国 監督/ローソン・マーシャル・サーバー

出演/ドウェイン・ジョンソン/ネーヴ・キャンベル/チン・ハン/ローランド・ムーラー/ノア・テイラー

『ジーサンズ はじめての強盗』(Going in Style)

2017年・アメリカ 監督/ザック・ブラフ

出演/モーガン・フリーマン/マイケル・ケイン/アラン・アーキン/アン=マーグレット

『ラブ・レターズ 綴られた想い』(Sincerely, Yours, Truly)

2020年・カナダ 監督/アニー・ブラッドリー

出演/ナタリー・ホール/マーシャル・ウィリアムズ/ニッキー・ホワイトリー/シェリー・ミラー

『ブリミング・ウィズ・ラブ 幸せを呼ぶカフェ』(Brimming with Love)

2018年・アメリカ 監督/W・D・ホーガン

出演/ケルシー・チャウ/ジョナサン・ケルツ/ジョージ・ニューバーン/バリー・コービン

『NICE 2 MEET U ナイス・トゥ・ミート・ユー』(Nice 2 Meet U)

2013年・イギリス 監督/ナウ゛ィーン・メタ゛ラム

出演/アヒ゛シ゛ート・ フ゜ント゛ラ/レイチェル・ロホラン/ニティン・ハ゜ラシャル/シャム・ハ゛ット

『セクシャリティ』(Lime Salted Love)

2006年・アメリカ 監督/ダニエル・アグネロ/ジョー・ホール

出演/クリスタナ・ローケン/ダニエル・アグネロ/ジョー・ホール/デヴィッド・J・オドネル

『めぐり逢わせのお弁当』(Dabba、The Lunchbox)

2013年・インド/アメリカ/ドイツ 監督/リテーシュ・バトラ

出演/イルファーン・カーン/ニムラト・カウル/ナワーズッディーン・シッディーキー

『コッホ先生と僕らの革命』(Der ganz grose Traum)

2011年・ドイツ 監督/セバスチャン・グロブラー

出演/ダニエル・ブリュール/ブルクハルト・クラウスナー/ユストゥス・フォン・ドホナーニ/テオ・トレブス

『ビリーブ 未来への大逆転』(On the Basis of Sex)

2018年・アメリカ 監督/ミミ・レダー

出演/フェリシティ・ジョーンズ/アーミー・ハマー/ジャスティン・セロー/キャシー・ベイツ

『マイ・プレシャス・リスト』(Carrie Pilby)

2016年・アメリカ 監督/スーザン・ジョンソン

出演/ベル・パウリー/ネイサン・レイン/ガブリエル・バーン/ヴァネッサ・ベイヤー

『ベスト・バディ』(Just Getting Started)

2017年・アメリカ 監督/ロン・シェルトン

出演/モーガン・フリーマン/トミー・リー・ジョーンズ/クインズ - レネ・ルッソ/ジョー・パントリアーノ

『欲望のバージニア』(Lawless)

2012年・アメリカ 監督/ジョン・ヒルコート

出演/シャイア・ラブーフ/トム・ハーディ/ゲイリー・オールドマン/ミア・ワシコウスカ

『つぐない』(Atonement)

2007年・イギリス/フランス/アメリカ 監督/ジョー・ライト

出演/ジェームズ・マカヴォイ/キーラ・ナイトレイ/シアーシャ・ローナン/ヴァネッサ・レッドグレイヴ

『ノクターナル・アニマルズ』(Nocturnal Animals)

2016年・アメリカ 監督/トム・フォード

出演/エイミー・アダムス/ジェイク・ジレンホール/マイケル・シャノン/アーロン・テイラー=ジョンソン

『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(Demolition)

2016年・アメリカ 監督/ ジャン=マルク・ヴァレ

出演/ジェイク・ジレンホール/ナオミ・ワッツ/クリス・クーパー/ジュダ・ルイス

『奇跡が降る街』(29TH STREET)

1991年・アメリカ 監督/ジョージ・ギャロ

出演/ダニー・アイエロ/アンソニー・ラパリア/レイニー・カザン/フランク・ペシ

『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』(Rebel in the Rye)

2017年・アメリカ 監督/ダニー・ストロング

出演/ニコラス・ホルト/ゾーイ・ドゥイッチ/ケヴィン・スペイシー/サラ・ポールソン

『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』

2016年(平成28年)・日本 監督/三木康一郎

出演/岩田剛典/高畑充希/今井華/谷澤恵里香/相島一之/酒井敏也/木下隆行/ダンカン/大和田伸也/宮崎美子

『空に住む』

2020年(令和3年)・日本カ 監督/青山真治

出演/多部未華子/岸井ゆきの/美村里江(ミムラ)/岩田剛典/鶴見辰吾/岩下尚史/髙橋洋/大森南朋/永瀬正敏/柄本明

『クリード チャンプを継ぐ男』(Creed)

2015年・アメリカ 監督/ライアン・クーグラー

出演/マイケル・B・ジョーダン/シルヴェスター・スタローン/テッサ・トンプソン/フィリシア・ラシャド

『リリーのすべて』(The Danish Girl)

2015年・イギリス/アメリカ/ドイツ 監督/トム・フーパー

出演/エディ・レッドメイン/アリシア・ヴィキャンデル/マティアス・スーナールツ/ベン・ウィショー

『ディーン、君がいた瞬間』(Life)

2015年・アメリカ 監督/アントン・コービン

出演/ロバート・パティンソン/デイン・デハーン/ジョエル・エドガートン/ベン・キングズレー

『ダークサイド』(Looking Glass)

2018年・アメリカ 監督/ティム・ハンター

出演/レイ - ニコラス・ケイジ/マギー - ロビン・タニー/ハワード - マーク・ブルカス/トミー - アーニー・ライヴリー

『エリカ&パトリック事件簿 踊る骸』(Tyskungen/The Hidden Child)

2013年・ドイツ/スウェーデン 監督/ペール・ハネフョード

出演/クラウディア・ガリ/リチャード・ウルフセーテル/イーヴァ・フリショフソン/エドヴィン・エンドル

『運び屋』(The Mule)

2018年・アメリカ 監督/クリント・イーストウッド

出演/クリント・イーストウッド/ブラッドリー・クーパー/ローレンス・フィッシュバーン/マイケル・ペーニャ

『イフ・アイ・ステイ』(If I Stay)

2014年・アメリカ 監督/ R・J・カトラー

出演/クロエ・グレース・モレッツ/ミレイユ・イーノス/ジェイミー・ブラックリー/ジョシュア・レナード

『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(Tomb Raider)

2018年・アメリカ 監督/ローアル・ユートハウグ

出演/アリシア・ヴィキャンデル/ドミニク・ウェスト/ウォルトン・ゴギンズ/ダニエル・ウー

 今日は、2021年5月5日(祝・水)。

『シャザム! 』(Shazam!)

2019年・アメリカ 監督/デヴィッド・F・サンドバーグ

出演/ザッカリー・リーヴァイ/マーク・ストロング/アッシャー・エンジェル/ジャック・ディラン・グレイザー

『アリー/ スター誕生』(A Star Is Born)

2018年・アメリカ 監督/ブラッドリー・クーパー

出演/ブラッドリー・クーパー/レディー・ガガ/アンドリュー・ダイス・クレイ/デイヴ・シャペル

『ドライブ・ハード』(Drive Hard)

2014年・アメリカ/オーストラリア 監督/ブライアン・トレンチャード=スミス

出演/ジョン・キューザック/トーマス・ジェーン/ゾーイ・ヴェントゥーラ/クリストファー・モリス

『ロックアウト 20年目の真実』(Kill for Me/Lockout/No Beast So Fierce)

2016年・アメリカ 監督/ティム・マッキャン

出演/ベイリー・チェイス/キャスリン・アーブ/ディラン・ベイカー/エイミー・スパンガー

『Man on Fire』(Man on Fire)

1987年・フランス/イタリア 監督/エリ・シュラキ

出演/スコット・グレン/ジェイド・マル/ジョー・ペシ/ブルック・アダムス

『マックス2: ホワイトハウス・ヒーロー』(Max 2: White House Hero)

2018年・アメリカ 監督/ブライアン・レヴァント

出演/ゼイン・オースティン/フランチェスカ・カパルディ/ロックリン・マンロー/アンドリュー・カヴァダス

『ブルー・ダイヤモンド』(Siberia)

2018年・アメリ/カナダ 監督/マシュー・ロス

出演/キアヌ・リーヴス/アナ・ウラル/パシャ・D・リチニコフ/ユージン・リピンスキ

『ガーンジー島の読書会の秘密』(The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society)

2018年・イギリス/フランス 監督/マイク・ニューウェル

出演/リリー・ジェームズ/ミキール・ハースマン/グレン・パウエル/ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ

『ビューティフル・ボーイ』(Beautiful Boy)

2018年・アメリカ 監督/フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン

出演/スティーヴ・カレル/ティモシー・シャラメ/モーラ・ティアニー/エイミー・ライアン

『スパイの妻』

2020年(令和2年)・日本 監督/黒沢清

出演/蒼井優/高橋一生/東出昌大/坂東龍汰/恒松祐里/みのすけ/笹野高史/玄理(玄里)

『透明人間』(The Invisible Man)

2020年・アメリカ/オーストラリア 監督/リー・ワネル

出演/エリザベス・モス/オルディス・ホッジ/ストーム・リード/ハリエット・ダイアー

『ダイアナ』(Diana)

2013年・イギリアスカ 監督/オリヴァー・ヒルシュビーゲル

出演/ナオミ・ワッツ/ナヴィーン・アンドリュース/ダグラス・ホッジ/ジェラルディン・ジェームズ

『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(Grace of Monaco)

2014年・フランス/アメリカ/ベルギー/イタリア 監督/オリヴィエ・ダアン

出演/ニコール・キッドマン/ティム・ロス/フランク・ランジェラ/パス・ベガ

『大統領の料理人』(Les Saveurs du palais)

2012年・フランス 監督/クリスチャン・ヴァンサン

出演/カトリーヌ・フロ/ジャン・ドルメッソン/イポリット・ジラルド/アルチュール・デュポン

『最高の人生のつくり方』(And So It Goes)

2014年・アメリカ 監督/ロブ・ライナー

出演/マイケル・ダグラス/ダイアン・キートン/スターリング・ジェリンズ/ロブ・ライナー

『ハリエット』(Harriet)

2019年・アメリカ 監督/ケイシー・レモンズ

出演/シンシア・エリボ/ジャネール・モネイ/ジョー・アルウィン/クラーク・ピータース

『明日への地図を探して』(The Map of Tiny Perfect Things)

2020年・アメリカ 監督/イアン・サミュエルズ

出演/キャスリン・ニュートン/ジョシュ・ハミルトン/カイル・アレン/アル・マドリガル

『ジョン・ウィック:パラベラム』(John Wick: Chapter 3 - Parabellum )

2019年・アメリカ 監督/チャド・スタエルスキ

出演/キアヌ・リーヴス/ハル・ベリー/ローレンス・フィッシュバーン/マーク・ダカスコス

『ミス・マープル パディントン発4時50分』(4: 50 FROM PADDINGTON)

1986年・アメリカ 監督/マーティン・フレンド

出演/ジョアン・ヒクソン/ デヴィッド・ホロヴィッチ/ジル・ミーガー/イアン・ブリンブル

『パリ、嘘つきな恋』(Tout le monde debout/Rolling to you)

2018年・フランス 監督/フランク・デュボスク

出演/フランク・デュボスク/アレクサンドラ・ラミー/エルザ・ジルベルスタイン/ジェラール・ダルモン

小さな嘘を平気でつきまくる欧米人というイメージは、映画の中で教えられてしまった勘違いかもしれない。ちょっとしたことでどうしてあーも簡単にバレル嘘をつくのだろうと、映画を観ながらいつも憂いていた。もしかするとそんなことはないのだろうと思ってみたところで、それ以上に小さな嘘でまみれた友達関係、恋人関係などを何度も観る羽目に陥っていた。

この映画はその小さな嘘を平気でつきまくっていた男の顛末を揶揄するようなストーリーで、ちょっと溜飲がさがった。もっとも相手の車椅子に乗った女性は、最初に会った時から彼が歩けない人だとは思わなかったと知っていたらしい。健常者でない人は、健常者ではない人の振りをする人のことをすぐに気づけるらしい。

最後にはハッピーエンドで終わることになるけれど、こんな嘘つきな男は幸せを得る資格がないと断言してしまう。それにしても小さな嘘をつく人がなんと多いことか。大きな嘘なら詐欺の類になってしまうから、小さな嘘をそんなに責めるものではないよ、とお叱りを受けそうだが。保身なのだろうか、真実を知られるのが怖いのだろうか、両方とも持ち合わせていない者にとっては、小さな嘘は身を亡ぼす入口だと大袈裟に思い込んでいる自分が異常なのか。

『オンネリとアンネリのおうち』(Onneli ja Anneli/Jill and Joy)

2014年・フィンランド 監督/サーラ・カンテル

出演/アーウ゛ァ・メリカント/リリャ・レフト/エイヤ・アフウ゛ォ/ヤッコ・サアリルアマ

1960年代に発表され、フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの児童文学「オンネリとアンネリ」シリーズを実写映画化。ある日、バラ通りで封筒を拾った仲良しのオンネリとアンネリ。封筒にはお金と「正直者にあげます」と書かれた手紙が入っていた。2人はそのお金でバラの木夫人というおばあさんから水色のおうちを買い、気難しそうなお隣さん、魔法が使える陽気なおばさん姉妹などご近所さんたちと交流しながら楽しいふたり暮らしをスタートさせる。(映画.comより)

夢のようなおはなし、世界が汚れた精神を洗ってくれる。みんないい人ばかりでコソ泥をやってしまった青年にも暖かい言葉が掛けられる。こんな風に地球上の国々も優しくなれたらなぁ~、などと夢想するのはいくら何でもいい歳をした老人の志向ではない、と厳しく自分を叱るしかない。

class="in1e"こういう童話がそんなに昔話的でなく生まれる時代性と社会性はどこから生まれてくるのだろうか。日本ではとうていあり得ない。いい人がいるのだったら必ず悪い人もいる、と教えるのが日本の社会だ。どうして悪い奴がいるのかは、その社会が持っている邪悪性によるところが多い。そういう意味ではフィンランドには無駄な邪悪はないのだろうと、憧れを持つ。ちなみにフィンランド語でタクシーは「Taksi」だった。

『500ページの夢の束』(Please Stand By)

2017年・アメリカ 監督/ベン・リューイン

出演/ダコタ・ファニング/トニ・コレット/アリス・イヴ/リヴァー・アレクサンダー

『スター・トレック』が大好きで、その知識では誰にも負けないウェンディの趣味は、自分なりの『スター・トレック』の脚本を書くこと。自閉症を抱える彼女は、ワケあって唯一の肉親である姉と離れて暮らしている。ある日、『スター・トレック』脚本コンテストが開催されることを知った彼女は、渾身の作を書き上げるが、もう郵送では締切に間に合わないと気付き、愛犬ピートと一緒にハリウッドまで数百キロの旅に出ることを決意する。(Filmarksより)

ただ単に自閉症の、と書いたところでその現実を体現する術がない。それを支援する個人、組織は到底アメリカの足下にも及ばない。姿を見るだけで涙が流れてくる。それは、自閉症の人たちを悲しむものではない。のほほんと何もしない、何も出来ない自分の不甲斐なさが悲しいのだ。せめて五体満足で生まれてきた自分が、ほんのちょっとでも何かが出来れば、少しは世の中が変わるのではないかと、本気に思っている。

脚本のコンクールに優勝したというハッピーエンドに終わらないこの映画、素敵なシーンが随所にあって、いつもながら心を洗われる。それにしても、それにしても、と自分を無理に責めてみたところでどうしようもない。せめてもし天国にいけるようなことがあったら、そこでは思いっきり社会貢献をしようと思う。そうなることを願いたい。キノフィルムズ/木下グループはいつもいい映画を配給している。

『アマンダと僕』(Amanda)

2018年・フランス 監督/ミカエル・アース

出演/ヴァンサン・ラコスト/イゾール・ミュルトゥリエ/ステイシー・マーティン/オフェリア・コルブ

全編フランス語だった。淡々とした物語に、肝心な事件が突如勃発する。その事件のあらましを映画は詳しく語らないが、一人のシングルマザーが突然亡くなってしまったという事実だけを伝えるのだった。残されたのは7歳の娘と近くに住んで交流の深い母親の弟だった。誰が親権を持つかというこの映画にとって些細なこともさらりとすり抜けていく。

7歳のアマンダと一緒に遊ぶ叔父さんは定職があるようなないような、アパートの管理人をしながら街灯の木を伐採して生計を立てている。そんなことはどうでもいい。誰がこの7歳の子供と一緒に暮らすのかだけが最大の関心ごとだった。叔父さん姉弟にはけ結構とんでいる母親が現在ロンドンに住んでいる。簡単にこういうシチュエーションを作れるヨーロッパ事情がうらやましい。

あまりにも淡々と進んでいく映画ストーリーと映像に飽きが来るのはいつもの如く。ちょっと苦手なんだよね~。アクション映画のドンパチには別の意味で飽きが来るけれど、話が進まない物語にはもっと飽きが激しくなる。悪い映画ではないし、どちらかというといい映画の部類に入るんだろうけれど、フランスのエスプリを充分に感じられるほどこちらの感覚が繊細ではなかった。

『アクシデント すべてを失った女』(Secrets at the Lake)

2019年・アメリカ 監督/ティム・クルーズ

出演/ニッキー・ウェラン/アンナ・ハッチソン/アリー・デベリ/ーカラ・ロイスター

メーガンは子供を乗せて運転していたところ、酔っ払い運転車とニアミスして事故を起こしてしまう。酔っ払い運転車が救助してくれれば助かったのにそのまま逃走され、子供たちは亡くなってしまう。その後空いた家で民泊サービスを始めたメーガンだったが、ある日見覚えのある車に乗った家族が泊まりにやって来て…(Webより)

すべてを失った女とは誰のことなのだろうか?観終わってから考えたけれど分からない。該当する女性は3人か4人、でもこういうタイトルが付けられるに相応しい女性は見つからなかった。欧米の信仰に深い人たちは、自分が起こした事故やたまたま見つけた事故に対する態度が極めて人間的だ。日本人はといえば、見て見ぬふりをする例えのごとく、なるべく事件にはかかわりあいたくないと思っている節がある。だからからではないだろうが、国会で何かを責められても知らぬ存ぜぬで押し通してしまう。万が一に音声や映像の証拠を突きつけられて、初めてその非を認めるといったあんばいだ。

いくらしらを切ったとしても、神様に嘘はつけないのだろう。いい意味で宗教心のある国民とそうでない国民との差が浮き彫りになる。いさぎよく罪を認めるなんて言うことは、日本人には無縁に見えてきた昨今の事件の顛末。上級国民と揶揄されながらも裁判で車の故障を主張しまくっている人間を観ていると、その人間よりもそういう証言を平然とさせてしまう弁護士先生の非人間さを憂うるしかない。

『ロスト・フロア』(Septimo)

2013年・スペイン/アルゼンチン 監督/パトクシ・アメズカ

出演/リカルド・ダリン/ベレン・ルエダ/オズヴァルド・サントロ/ホルヘ・デリア

いかにも日本人スタッフが考えた陳腐な邦題。精一杯不慣れな英語にも意味を持たせようとしている姿がしのばれる。原題は「7階」という意味で付けてあるようだ。行方不明になったまだ小学生の子供たちの住んでいるところがマンションの7階だったことから来ている。舞台はアルゼンチンのブエノスアイレス、いつものように別居中の夫婦がいた。

妻はスペインの実家に帰りたいと、出来るだけ早く夫に離婚の書類にサインをさせようとしている。そんななか、ある日の朝学校に行くために7階のマンションから下に降りるとき、下で待つ夫のもとに子供たちの姿は現れなかった。さて誘拐か、と子供たち探しが始まる。マンションの住人を巻き込んで、映画の誘拐事件のような様相を呈してくる。

どことなくローカル色豊かな映像となっているのに気づく。アメリカ映画ならこんな風には展開しないし、もっとスピーディーに物事が進行し、観客を飽きさせない。じーっと観ているしかない観客には、結末の楽しみしか残っていない。なるほど、と思わせる事件の顛末だが、なんかすっきりしない気分だけが遺ったようだ。

『タイム・チェイサー』(I'll Follow You Down)

2015年・カナダ 監督/リッチー・メタ

出演/ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジリアン・アンダーソン/ルーファス・シーウェル/ヴィクター・ガーバー

行方不明になった父と再会するべくタイムトラベルに挑む科学者役を演じたSFサスペンス。幼い息子エロルや愛する妻と暮らす物理学者ゲイブが、突如として謎の失踪を遂げた。数年後、成長して科学者となった息子エロルは、父にまつわる衝撃的な事実を発見し、家族の絆を取り戻すべく奔走する。(映画.comより)

SF好きの私には堪らない映画のはずだったが。タイムトラベルして父親と再開するシーンに至るまでの時間が長過ぎて飽きてしまった。何度も何度もこういうタイムトラベルシーンを観ていると、最初からずーっと思い込んでいた現実感が薄れていく。やっぱりそんなことは無理なのかもしれない、という方向に自分の志向が傾きかけていくのがさみしい。

夢はあくまでも夢。夢が現実になってしまったら夢がなくなってしまう。手の届かない夢に向かって精進努力する姿が美しいのであって、名を成し功を遂げてしまった愚鈍な人間が権力の座にいることのほうがはるかに不幸だ。小さな目標が目の前にあるからこそ、人間は精を使い果たすのであって、満足した食欲を・・・・。

『サン・オブ・ゴッド』(Son of God)

2014年・アメリカ 監督/クリストファー・スペンサー

出演/ディオゴ・モルガド/アンバー・ローズ・レヴァ/セバスチャン・ナップ/デヴィッド・リントール

イエス・キリストの誕生から復活までを聖書に忠実に描き、話題を呼んだテレビシリーズ「ザ・バイブル」を基にしたドラマ。イエスの十二使徒のひとり、ヨハネを語り手に、イエスがたどる波乱の生涯を歴史と政治の側面から解明し、その知られざる一面にも迫る。イエスを演じるのは、ポルトガル出身の新鋭ディオゴ・モルガド。聖母マリアから生まれ、東方の三賢者から将来、王になると予言されたイエス。数々の苦難を乗り越えて育った彼はやがて、ガリラヤで宣教活動を始める。そして、12人の弟子とエルサレムへ向かったイエスは、人々に数々の奇跡的な行いをするが、時の権力者であるローマ政府から危険人物とみなされ、十字架にはりつけにされてしまう。(MOVIE WALKER より)

よくもこの映画を制作する気になれたなぁ~、というのが正直な気持ち。相手が大き過ぎて、とてもじゃないけど太刀打ちできないと思われる。数多くの新興宗教はあるけれど、それが2千年も続いて、しかも蔓延り続けている現実を鑑みれば、その祖となる物語をどう語っても説明しようのない焦燥感にとらわれるに違いない。

誰が何を信じようが自由であることだけは確かだ。人間は間違いなく死んでいく存在だからこそ、その死後や生きているうちの信仰の的を探しているに違いない。死んでしまえばせいぜい1か月くらいがせいのやまで忘れられてしまう。それで十分だし、それでいいのだが、なんとはかない人間の一生なのだろうと思わざるを得ない。時々思い出したって、出てくるものは涙だけで、その魂や身体に触れることさえ許されないのが人生なのだ。

『イップ・マン 葉問』(葉問2:Ip Man 2 )

2010年・アメリカ 監督/ウィルソン・イップ

出演/ドニー・イェン/サモ・ハン・キンポー/ホァン・シャオミン/リン・ホン

前作『イップ・マン 序章』のヒットを受けて制作された、実在の武術家、葉問(イップ・マン)を主人公とするカンフー映画。1作目を観ないでいきなり2作目に行くのはダメだ。それでも、大した違和感もなく観る事が出来るというのは、アクション映画に属する映画のいいところかもしれない。

1作目は1935年、この2作目は1949年の香港が舞台。武術家のイップ・マンが主人公だ。ブルース・リーの師として紹介されているこの主人公の中国拳と当時イギリス領であった香港でイギリス人ボクサーとの死闘がアクションの内容。最初は面白味を感じるが、そうそう最後まで飽きずに観ていられるほどこちらの心は揺さぶられない、残念ながら。

東洋の神秘とか言って持て囃されるアジアの武術だが、異種格闘技戦で日本の武術が優位に立つことはまずない。それは技術や心を超えた体力の差が如何ともしがたい事実を物語っている。欧米人の食べる質と量を見れば、戦争に勝てるわけがないと納得するのは必定だ。さぁ、今日もお茶づけサラサラで夕飯を済ませよう。

『小説の神様 君としか描けない物語』

2020年(平成2年)・日本 監督/久保茂昭

出演/佐藤大樹/橋本環奈/佐藤流司/杏花(柴田杏花)/莉子/坂口涼太郎/山本未來/片岡愛之助/和久井映見

2016年6月21日に、講談社の講談社タイガより、書き下ろし作品として刊行された。2018年、シリーズ続刊として上下二分冊で『小説の神様 あなたを読む物語』が講談社(講談社タイガ)より刊行された。2019年から2020年にかけて手名町紗帆の作画で漫画化。2020年4月22日に『小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー』が講談社(講談社タイガ)より刊行、同年10月2日に実写映画が公開された。(Wikipediaより)

高校生にしてプロの作家男女の二人が同じ教室にいるという設定が漫画的。これだけ数多くのプロ作家が登場してくる世の中、たまに本屋の棚を眺めてみても、読みたいと思える本が心に入ってこないのは、もともと活字に疎い、弱い自分のせいなのだと理解はしている。中古の本を売っているお店を歩いていても、なぜこんなに本が棚に並んでいるのだろうと、不思議な思いで見ているだけだ。

年に2回も「芥川賞」「直木賞」と世間をあおっている。最近では「本屋大賞」と銘打った新しい図書販売方法まで生み出している。それでも、何の興味も示さない自分の意識はどうなっているのだろう。一度、会社の旅行でオーストラリアに行ったときに、どうせ暇だろうからとその年のどちらかの賞をとった本を持って行って読んだことがあった。その本の詰まらなさにあきれ返った記憶がある。それも一種のトラウマとして、今に至っているのだろうか。

『ラブ & ドラッグ』(Love and Other Drugs)

2010年・アメリカ 監督/エドワード・ズウィック

出演/ジェイク・ジレンホール/アン・ハサウェイ/オリヴァー・プラット/ハンク・アザリア

火遊びが過ぎて仕事をクビになったジェイミーは、医薬品大手のファイザー製薬(Pfizer)で営業マンの職を得た。得意の話術で大病院に攻勢をかける彼だったが、強力なライバルのせいでなかなか結果を出せない。そんなとき、彼は若年性パーキンソン病を患う女性マギーと知り合う。持病のため恋愛関係を避ける彼女と、体だけという約束で交際を始めるジェイミー。やがて新薬バイアグラを扱い始めた彼はトップセールスマンとなっていくが・・・。(Wikipediaより)

トップ女優のアン・ハサウェイが惜しみなく女優としての肉体を誇示している。一度ならずも何度もそういうシーンが現れて、さすがアメリカと感心することしきり。医者の前でさりげなく乳房の下にあざがあるという仕草をするのも、う~んとうなってしまうようなシーンだった。日本の大女優ではとても考えられない。

今を時めくファイザー製薬が舞台になっているところもすごい。ここまで実名で映画に出てくるとは。世界2位の会社だからこそ出来る堂々とした立ち回りなのだろう。映画は最初からお茶らけて見えたが、いつものアメリカ映画らしく深刻な男と女の話になる時の真面目さとのギャップについていけないくらいだった。さばさばとした欧米の男女関係に憧れたりするのは当たり前だが、熱意と持続性がなければ、そんな社会には生きていけないだろうと懸念するしかない。

『マチルダ 禁断の恋』(Матильда/Mathilde)

2017年・ロシア 監督/アレクセイ・ウチーチェリ

出演/ラース・アイディンガー/ミハリーナ・オルシャンスカ/ダニーラ・コズロフスキー/ルイーゼ・ヴォルフラム

ロシア帝国最後の皇帝ニコライ2世と伝説のバレリーナとの許されぬ恋を描いた恋愛ドラマ。1800年代後半のロシア・サンクトペテルブルク。ロマノフ朝ロシア皇帝アレクサンドル3世の息子で、ロシア王位継承者であるニコライ2世は、マリインスキー・バレエ団の世界的なプリマ、マチルダ・クシェシンスカヤに一目ぼれし、恋に落ちる。しかし、賛否両論を巻き起こしたこの一大ロマンスは、父の崩御のよるニコライの王位継承、ニコライとアレクサンドラの政略結婚によって引き裂かれてしまう。そしてロシア帝国もまた、外国勢力の隆盛によって終焉を迎えようとしていた。(映画.comより)

ロマノフ家の処刑とは、ロシア帝国のロマノフ家(皇帝ニコライ2世や妻のアレクサンドラ・フョードロヴナ、二人の5人の子供オリガ、タチアナ、マリヤ、アナスタシア、アレクセイ)と幽閉先に同行することを選んだ人すべて(有名なところではエフゲニー・ボトキンやアンナ・デミドヴァ、アレクセイ・トルップ、イヴァン・ハリトーノフ)が、1918年7月17日にエカテリンブルクのイパチェフ館で射殺・銃剣突き・銃床で殴るなどによって殺害された事件である。

ニコライ2世とその家族は、ウラル地区ソビエトの命令により、ヤコフ・ユロフスキーが指揮するボリシェビキ軍により殺された。その際遺体は切り裂かれ、焼かれ、コプチャキ街道沿いの森の中にあるガニナ・ヤマと呼ばれる野原に埋められた。埋葬地はアマチュア探偵のアレクサンドル・アヴドーニンとボリシェヴィキ出身の両親を持つ映画監督のゲリー・リャボフによって1979年に明らかにされたが、一家の遺体はグラスノスチ時代の1989年まで公開されることはなかった。遺体がニコライ2世らのものであることは、法医学的調査やDNA調査により確認された。殺害から80年後の1998年、遺体はサンクトペテルブルクの首座使徒ペトル・パウェル大聖堂に再埋葬されたが、その際に行われた葬儀には遺体が本物であることを疑問視するロシア正教会の幹部は出席しなかった。2007年、アマチュア考古学者により第二の埋葬地が発見され、一家の埋葬地から発見されていなかったロマノフ家の二人の子供の遺体がそこから見つかった。しかし、二人の遺体は更なるDNA検査の間、国営納骨堂に保管されている。2008年、長期にわたる膨大な法的論争の後で、ロシア連邦検事総長局は、「政治的抑圧の犠牲者」としてロマノフ家の名誉を回復した。(Wikipediaより)

『With Baby ウィズ・ベイビー 赤ちゃんとともに』(WITH CHILD)

2014年・アメリカ 監督/タイタス・ヘッケル

出演/ケリー・ファン・デル・グレンド/ レスリー・ルイス/ ロリ・ココ

またまた日本の劇場未公開映画だった。映画人だってそんなに馬鹿ではないから、劇場未公開にはそれなり以上の理由がある。一体誰が観るんだ、誰が喜ぶんだ、誰がこの映画を観て泣くんだろうかという設問に答えられない映画は、劇場未公開となる運命にある。

with baby という言葉があるらしい。そんなことをこの映画を観終わった後に調べていて聞くことになったが、今はちょうどというか with コロナ というこれからの社会生活の言葉が大きくクローズアップされている。3か月の子供を抱いて、持ち歩いて、大工の仕事を続けるんだという主人公の涙ぐましさが、画面から響いてこない。難病に侵された妻を助けるために子供を作ったというこの映画の主人公夫婦だったという。その甲斐もなく妻は子供を産んで死んでしまったという悲劇の主人公なのだ。

話が進まない。堂々巡りの典型映画。同情も愛情も感じないと映画が詰まらない。妹の子供を引き取ろうと執拗に助けを申し出る義理姉の言葉を無視し続ける主人公が理解できない。素直になれば、もっと素直な人生が待っているのだろうに。そうなったら、こんな映画も出来ないか! その程度の詰まらない映画だった。子供が可哀そうだと。

『盗聴者』(La mecanique de l'ombre)

2016年・フランス/ベルギー 監督/トマス・クライトフ

出演/フランソワ・クリュゼ/ドゥニ・ポダリデス/シモン・アブカリアン/アルバ・ロルヴァケル

冴えない失業したおっさんが秘密めいた仕事を紹介されて始まったことは、どこかのアパートの一室に毎日通って、1室で一人だけでタイプを打つ仕事だった。渡されたカセットテープをイヤホンで聞きながら、その内容を文字に起こすのだ。その内容を聞いて、最初は驚きの表情をする主人公だった。

誰がいつ、何処で採取した会話なのかは分からないが、だんだんと国家的な規模にもなってくるこの仕事に危険が襲ってくるというあらすじ。日本の劇場未公開だけあって、低予算をアイディアだけで補おうとする映画作りの苦労がしのばれる。

アメリカ映画ではないところがいいような悪いような。面白くないわけではないが、徐々に飽き飽き感が。映画作りは難しい。万人に受ける映画を作りたいと思う反面、一人でもいいから絶対的に支持を受ける映画を作りたいというのが本音だろう。今時の日本の映画作りのように漫画が大いに売れて、それを映画化、しかもアニメ化するという王道だけが当たる道だなんて、不健全な映画の末路が見えるようで堪らない。

『スパイ・アプリケーション』(PRIVACY)

2012年・アメリカ 監督/ヨルグ・イーレ

出演/ジョン・シェパード/ジーナ・ブッシュ/ブレントン・デュープレッシー/クレイトン・マイヤーズ

ニューヨークの大学生・マーク(ジョン・シェパード)は、一攫千金を狙う親友のトビー(クレイトン・マイヤーズ)と共に、世界に衝撃を与えるようなアプリを作るべく日々開発に取り組んでいた。あるとき、トビーの何気ない一言からヒントを得たマークは、『プライバシーアプリ』を開発する。それは、遠隔操作でニューヨーク市民の携帯電話をハッキングして、それぞれの会話を盗聴し、カメラ機能を通してニューヨーク市内中を覗く…(Filmarksより)

映画で想像された未来はほとんどが具現化している。遅かれ早かれといった按配で実現する社会を観てくると、さすが映画と思えるものだ。その頂点にあるのが「2001年宇宙の旅」(2001: A Space Odyssey・1968年)だと思う。今や民間個人が宇宙旅行に行ける時代になって、50年前以上にあの映像を創り出した人たちに畏敬の念を覚える。

今ですら若者たちの間では、恋人のスマホにGPSを入れて楽しんでいるようだが、それが見も知らぬ誰かが国民を監視するために実行しているとしたら。独裁国家なら当たり前の話なのかもしれない。スマホだけならまだしも、身体に埋め込まれた発信機が個人をコントロールする時代が来るかもしれない。そう簡単には来ないだろうと思いたいが、意外と簡単にそんな時代がやってくるかも。もっとも、そこまで生きているとは思えないから考えるだけ無駄な気がするが。

『タクシードライバー 奔放な女』(Taxi)

2015年・ドイツ 監督/ケルスティン・アールリヒス

出演/ピーター・ディンクレイジ/アントニオ・モノー・ジュニア/スタイプ・エルツェッグ/ロザリー・トマス

なんとなく題名から来る面白さが期待を持たせるが、いつまで経っても同じような毎日の繰り返しで、一向にタクシードライバーの奔放な出来事は起こらない。奔放なのは主人公の女性タクシードライバーの精神構造で、誰とでも簡単に寝てしまうドイツ女性が映し出されているだけだ。もっとも、ドイツ女性ばかりではなく、日本に比べたらはるかに奔放な男女のあられもない姿は、数多くの映画で見ることになる。

それにしてもドイツのタクシードライバーの生態は悲惨に見える。お客を乗せるのは普通だが、非番や客待ち時の生活態度は、日本では考えられないいい加減さに見える。日本人が几帳面だからだろうか。運転手が制服を着用していることが、見た目にもきちんとしているように見えるメリットは大であろう。

現役時代のほとんど毎日でタクシーを利用していた時期がある。月曜日から金曜日まで6時になると雀荘に駆け込んでいた。社内では毎日1卓、多い時では3卓くらいの麻雀組が出来ていた。お酒を毎日飲んでいる輩と何も違うところはない。酒か麻雀かというのがヘラルドだった。その帰りはほとんどがタクシーと相成って、あ~ぁ無駄遣いをしたなぁ~と今更悔やんでも遅過ぎるというもんだ。

『カットバンク』(Cut Bank)

2015年・アメリカ 監督/マット・シャックマン

出演/リアム・ヘムズワース/テリーサ・パーマー/ビリー・ボブ・ソーントン/ブルース・ダーン

モンタナ州カットバンク。ドウェイン・マクラレンは恋人のカサンドラと一緒に都会に打って出ることを夢見ていたが、病気の父親を介護する必要があったため、計画を実行に移せずにいた。そんなある日、ドウェインは郵便配達人のジョージーが射殺される現場に出くわした。そのとき、ドウェインは恋人をビデオカメラで撮影しており、偶然にも犯行の瞬間が映り込んだ。ドウェインはすぐさま警察に証拠となる動画を持ち込んだ。ところが、警察が捜査に乗り出した頃には、ジョージーの死体が現場から消え失せていた。実は、ジョージーの射殺事件はドウェインが仕掛けたものだった。ドウェインは「証拠動画」を警察に提出し、その報奨金で都会に出ようと企んだのである。ドウェインの計画は上手く行くかに見えたが、予期せぬ人物が介入したばかりに、事態は想定外の方向へ転がっていった。(Wikipediaより)

カットバンクという題名が地名だとは思わなかった。なにか英語の意味があるのだろうと思わせるところが・・・。日本では劇場未公開、ミニ・シアターでやる問題作でもないし、かといって一般ピープルが好んで劇場に行こうという映画ではないことは確実なので、やっぱり日本の映画館で興行するのは全く難しいなぁ~。

嘘を嘘で固めていく人生の行く末を描いているようにも見える。嘘が好きな人も結構存在するけれど、どうして小さな嘘を並べるのだろうと、不思議に思うことが時々ある。そんなに他人から自分が見られる姿を偽装したいのだろうか。本人が一番知らない自分の姿、誰から見たって同じように見えているのに、本人だけがそう思いたくないのに違いない。人間の性とか言うけれど、もう死んでしまったような思考と思想で生きてきた人間には、なにも怖いことはない。

『ブロークンシティ』(Broken City)

2012年・アメリカ 監督/アレン・ヒューズ

出演/マーク・ウォールバーグ/ラッセル・クロウ/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/ジェフリー・ライト

クライム・サスペンス映画。市長選挙を目前に控えたニューヨーク。元ニューヨーク市警察刑事の探偵ビリー・タガートは、現職市長のホステラーに呼び出され、妻キャサリンの浮気調査を依頼される。実はビリーは、7年前に刑事を辞める原因となったある事件についてホステラーに秘密を握られており、ビリーもまた、それに関するホステラーの秘密を握っていた。調査の結果、キャサリンの浮気相手は、ホステラーの対立候補ヴァリアントの選挙参謀を務めるアンドリュースである事が判明する。キャサリンはビリーに単なる浮気調査依頼のはずがないと忠告するが、ビリーはホステラーに結果を報告して調査を終える。ところが数日後、そのアンドリュースが何者かに殺され、ビリーは窮地に立たされてしまう。すべてはホステラーの仕組んだ陰謀である事を知ったビリーは、反撃に立ち上がる。(Wikipediaより)

ラッセル・クロウのニューヨーク市長が似合わない。雰囲気はぴったんこのように見えるのだが、声の質と喋り方がどうも。グラディエーター(Gladiator・2000年)のイメージが強烈過ぎて、その後の映画で彼を見るたびにその映画に入り込めないでいる自分を見つけることになる。それって私だけなのだろうか。

致命的な弱みを握られてしまっては、人は生きていくことに齷齪しなければならない。この映画の主人公のようにその弱みが社会に曝されれば、じぶんの罪が罰に変わることが明確な場合は、どうやって生きて行けというのか。大概の場合は、そんなに致命的な弱みがあるはずもなく、勘違いして弱みと思ってしまっていることがあったとしても、一瞬の不利益を覚悟すれば御破算に出来る事柄ばかりだと思えばいいのだが。

『インターンシップ』(The Internship)

2013年・アメリカ 監督/ショーン・レヴィ

出演/ヴィンス・ヴォーン/オーウェン・ウィルソン/ローズ・バーン/アーシフ・マンドヴィ

ビリーとニックは、時計販売会社のやり手中年セールスマンコンビ。だが、ある日突然、二人は上司から会社が倒産したことを告げられる。その原因はスマートフォンが普及したことで、わざわざ時計を買う人が少なくなったためだった。デジタル時代に取り残され、突然職を失った二人は途方に暮れるが、ある日ビリーが驚くべき提案をニックに持ちかけてくる。それは、デジタル時代の代名詞である巨大企業「Google」が募集しているインターンシップに自分たちも参加しようというものだった。専門的な知識がない自分たちでは、まず無理だと反対するニックだったが、ビリーの熱い説得に渋々了承し、二人はインターンシップへの参加を決意する。しかし、一流企業「Google」のインターンシップに参加する学生たちは、ほとんどが天才や秀才ばかりで、時代遅れの中年コンビじゃ到底敵うわけがなかった。だが、ビリーとニックは同じ落ちこぼれのインターンたちと協力し合い、独自のアイデアを用いて勝負をかけるのだった。(Wikipediaより)

この映画は、日本では劇場公開されず、ビデオスルーとなった。こういう言い方は今風でいい。これからはこの表現を遣おう。2013年の「Google」という会社の雰囲気を伝えているのだろうか。それにしても8年前の会社にしても凄すぎる。2人の主人公が初めてGoogle社に入ったときに、目の前にある食べ物や飲み物が全部タダとは、観ている方もニュースでは聞いていたが映像になると真実度が違う。

Googleの宣伝のような映画だったが、今や日本のテレビ番組なんて、やらせのオンパレードで反吐が出るくらいだ。どれだけ宣伝費を払っているのか定かではないが、自社の製品のランキングをテレビ番組で流せるほどテレビ局は番組作りに苦労するし、スポンサー会社は金で番組を買ってしまう時代になった。何も知らない視聴者だけが本気になってその会社の製品を眺めている。価値観を押し付けられているとは気が付いていない。最近の若者は、妙に頭がよくて物分かりがいいが、ものを斜めから見たり批判的な見方をすることさえ出来ないでいる。ノー天気な社会が生まれ始まっている。(今日は2021年2月3日、節分は1日前)

『サイド・エフェクト』(Side Effects )

2013年・アメリカ 監督/スティーブン・ソダーバーグ

出演/ジュード・ロウ/ルーニー・マーラ/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/チャニング・テイタム

この監督名を聞くと「セックスと嘘とビデオテープ」( Sex, Lies, and Videotape・1989)という作品を想い出す。ヘラルドが配給した映画。いわくについてはどこかで書いているので探して欲しい。私はこの作品は観たような観ないような、自信がない。そもそもの映画好きでないことを証明するような自分の歴史だ。

抗うつ薬を処方された若い女性に襲いかかる副作用(サイド・エフェクト)がテーマだ。「鬱は未来を築く力の欠如」とか「刑事曰く、彼女は殺人犯か薬の被害者」や「私は状況と薬の被害者」といった難しい展開が頭を悩ませたが、映画らしい映画の展開に久しぶりに喜んだ。精神科医と患者の話で、鬱病のための新薬を処方されて、夢遊病者の状態で夫を刺し殺してしまった、というのが事件。という話に気を取られていたら、実はそこには新薬をめぐる既成担当医、新薬の評判を落とすことによるライバル製薬会社の株の急騰など、想像しなかった複雑な展開を見せ始めるのだった。

患者の主人公は、嘘をつき通して薬による副作用を装っていた。そんなことはつゆも感じられない映画ストーリーにはちょっとズルが感じられるが、映画のおもしろさのひとつだろう。元担当女医と患者とのレズビアン状態なども飛び出してきて、この映画の焦点は一体何処なのだろうと戸惑ってしまう。それにしても薬の副作用は怖い。毎日体験している薬のことをあれこれと考えても仕方がない。生きているだけでもラッキーと想えば、薬の副作用なんて大したことではない、と思うことが重要なのだろう。

『ヒットマン:ラスト・ミッション』(Absolution)

2015年・イギリス 監督/ヴェルナー・シューマン

出演/トーマス・スペンサー/デニス・ライオンズ/ノラ・ヒューツ/ヤーサー・セティン

同じような映画が3本も続くと、頭の中で混乱が始まる。殺人を平気で出来る人は、罪と罰に値する人なんだろうけれど、尊敬にも値するなんて言うと、webなら炎上必至。でも人を殺すなんて気持ちいいだろうね、なんていうことは禁句中の禁句。

殺し屋を主人公にしたクライムサスペンスということらしい。この3本の中では、これが一番面白かった。と言っても、ながら観に適当な映画だった。もっと静かでジーンとくる映画に巡り会いたいのだが、なかなか涙を誘う映画に出会うことは出来ないでいる。

主人公のように非情に徹することは絶対必要な人間の要素だ。ふと、お金の問題ではなく、社会に不必要な人間を殺せるとしたら、それを実行するだろうかなどという馬鹿げたことを考えてしまった。ふ~む、殺人を断るほど確かな精神力を持っていないことだけは間違いなさそうだ。

『バッド・トラップ』(Abstraction)

2013年・アメリカ 監督/プリンス・バグダサリアン

出演/ハンター・アイヴス/エリック・ロバーツ/コリーナ・リコ/リチャード・マンリケス

観終わったばかりの映画に引き続き、裏切りと忠誠のような映画だった。こちらの方が迫力があった分だけおもしろく観られたけれど、ちょっと訳の分からないストーリー展開に嫌気がさしてきたことも確か。こういう殺人を平気でするする映画に、余計な屁理屈は要らない。

それにしてもアメリカの拳銃というのは、もう罪でしかない、という思い。日本のように簡単には拳銃が手に入らない国でさえも、ヤクザの抗争には拳銃が登場するのは必至。誰でもが簡単に拳銃が手に入る国には、秩序という最も崇高な尊厳が存在しなくなるのかもしれない。国会議事堂の中で警察官に銃で撃たれて死亡するという結果事故が発生するのも、自己主張の強すぎる顛末に他ならない。

邦題のような詰まらないストーリーだが、いとも簡単に女に騙されて犯罪を犯してしまうなんて、映画にもなりやしない、と思わせる。よく分からない結末をぐちゃぐちゃと文句しても始まらない。少しでも楽しめればいいとしよう、と思いたいとこだが、おもしろくないことには文句しか浮かんで来ない。

『ヒロシマへの誓い』(the VOW from HIROSHIMA)

2020年・アメリカ 監督/スーザン・ストリクラー

出演/サーロー節子

ヘラルドOBのメンバーにこの映画の配給の話を引き受けた人がいて、そこからホームページを作ってくれませんか、という依頼が来た。この頃は率直に言って頭がすっからかんで、どうしたものかと心の中ではかなり躊躇した。頭が回らない苦しみは本人にしか分からない。それでも、安価でスピーディーにこの仕事を引き受けてくれる人はいないだろうから、まぁやってみるかと思って作り始まった。本編は関係者の特権としてネットで観ることが出来た。想像以上に美しい映像だったことが印象的だ。

速いことしか能がない、と宣言している言葉に嘘はなかった。自分でも驚くくらいの速さでホームページは出来上がっていった。簡易的に画像を多く使って、対応できないでいるタブレットやスマホへのことをなんとか胡麻化しながらクリアした。1週間も経たないでとりあえず完成したのは偉い、と自分だけは褒めてあげよう。https://hiroshimaenochikai.com/

この手の内容でドキュメンタリーというジャンルの映画には弱い。観る前から心が折れているようになってしまう。ただ、この映画はなかなか観易かった。良いことを言っている、なんて上から目線の発言は決して出来ない。誰でも分かる原爆なんてなくなればいいんだ、という素直な心を素直に表現するサーロー節子さんの行動が素晴らしい。胡散臭い左翼運動のように見えてしまうこの手の主張が、もっと素直に受け入れられる国、時代が恨めしい。

『ブラッド・イン・ザ・ウォーター』(Pacific Standard Time)

2016年・アメリカ 監督/ベンジャミン・カミングス/オーソン・カミングス

出演/ウィラ・ホランド/アレックス・ラッセル/チャールビ・ディーン・クリーク/ミゲル・ゴメス

つまらない映画だった。何度も「休止」を繰り返してようやく観終わったという感じ。そんなことまでして観続けることはないだろうに、と思うかもしれないが、そうしなければ途中でやめてしまう映画が多くなりすぎてしまって、この欄が成り立たなくなってしまう。

つまらない映画はつまらない邦題からも窺える。陳腐なストーリーと、貧弱な映画進行に苛立ってばかりでは生きていけない。自分の言い分や行動が正しいと信じている人々は、自分の思い通りの社会でない事柄をもって苛立つ傾向にある。そういう人間が大半かもしれない。

人間が他人を裏切ってまで守ろうとすることは一体何なのだろう。たかが100年も生きることのない個人が何をもって人間であることを死守しようとするのだろうか。こんなつまらない映画を観ながら、全く別のことを考えてしまう特典があるのかもしれない。

『イーストサイド・寿司』(East Side Sushi)

2014年・アメリカ 監督/アンソニー・ルセロ

出演/ダイアナ・エリザベス・トレス/竹内豊/ロドリコ・デュエート・クラーク

日本食レストランで働き始め、最初はキッチンで皿洗いや下ごしらえを担当していたが、料理人としての腕を見込まれ、和食の調理や、最終的にはすし作りまで任せられるようになる。次第にすし職人になるという夢を膨らませる主人公でしたが、アジア系でなくメキシコ系、男性でなく女性であるという人種とジェンダーの2つの壁が立ちはだかる。そんなストーリーだが、物語も映像も甘い。

学生の卒業制作8m/mフィルムのような全体にちょっと。途中でやめてしまおうと何度も思ったのだが、何故か最後まで観ることになった。こういっちゃなんだが、最初の5分で観終わってしまう映画も数多くある。はたまた、せっかく30分以上観ているのに、やっぱりやめようと観るのを終わってしまう映画も結構ある。そんな中で、最初からちょっとと思える映画を観続けた意味が分からない。

出来が悪いからこその理由があったのかもしれない。日本の文化がアメリカ、欧米でどのように扱われているのかに興味があったのかもしれない。他人の目なんてどうでもいいのに、他人の目を気にする自分の不甲斐なさに辟易する。そうやって人生を生きてきた自分が情けない。情けない以上の誉め言葉は見つからない。

『夜の来訪者』(An Inspector Calls)

2015年・イギリス 監督/アシュリング・ウォルシュ

出演/ソフィー・ランドル/ルーシー・チャペル/ミランダ・リチャードソン/ケン・ストット

イギリスの劇作家プリーストリーの代表作でもあり、何度も映画やドラマ化されているという。そんな基本的な知識もなく観る映画は新鮮だ。1912年のある夜、バーリング家では長女シーラと、バーリング家とライバル関係にあるクロフト家の息子ジェラルドの婚約を祝う食事会が行われていた。地方出身だが事業で成功した父アーサー、上流階級出身で特権意識の強い母シビル、そして酒飲みで頼りない弟エリックも、2人の婚約を心から祝福していた。

祝宴中、グールという警部が屋敷に現れ、ある1人の女性の自殺を告げる。女性の自殺には、バーリング家の全員が関わっていた。それぞれの人物が何らかの形で自殺した女性と関係していた。というあたりがこの物語のキモ。警部はそれぞれの人物に自殺した女性の写真を見せるが、一緒に見せるのではなく、それぞれの人物に一人ずつ見せていく。説明しても分かり難い。

思い当たる節があるそれぞれの人物の狼狽ぶりがこの映画のキモ。脛に瑕を持つという表現が全員に当てはまるような。もしかすると誰もが抱く傷のようにも見える。探偵ものでは群を抜くイギリスのストーリーは、こういう映画にも発揮されている。なかなかとおもしろい映画を観て満足に眠りに付けそうだ。

『目撃者 彼女が見たもの』(Eyewitness)

2017年・カナダ 監督/アンドリュー・C・エリン

出演/リンディ・ブース/クレイグ・オレジニク/ジョン・マクラーレン/アレクシス・メイトランド

5年前、自宅豪邸のガレージで起きた殺人事件。ダイアナは、実業家の父親と婚約者ブライアンを失う。殺人犯で服役中だった庭師のルイスが脱獄。警察はルイスがダイアナを狙ってこの豪邸に来るのではないかと心配する。というのも、無実を主張するルイスの有罪判決を決定づけたのはダイアナの目撃証言だったからで・・・。

冤罪という奴で殺人犯に仕立て上げられてしまっては、人生が台無しどころかマイナス要素しかない。そんな人生なら、神も存在しない。神のみぞ知るという台詞は、誰にも侵すことの出来ない普遍的な事実があればこそ。殺人じゃなくても、誰も知らない事実をどう主張したらいいのか、人生とはそんなにもはかないものなのだろう。

人間とは間違いを侵す動物なれど、何かをすれば何かを破ることになる人間社会、その破られたものが誰をも傷つけなければ何も起こらず、何もなかったように地球は回って行くのだが。物理的にも肉体的にも何もないくせに、心理的なものだけで他の誰かを傷つけてしまっていることに、何も気づかず一生を終える人のなんと多いことか。神は知らずともいい。確かな真実だけが独りで歩いている。

『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』(Parkland)

2013年・アメリカ 監督/ピーター・ランデズマン

出演/ジェームズ・バッジ・デール/ザック・エフロン/ジャッキー・アール・ヘイリー/コリン・ハンクス

キャッチコピーは「あの事件に関わる、4人の証言者。歴史が変わる瞬間を、目撃せよ。」ケネディ暗殺に纏わる映画はそれなりに観ている。パークランド記念病院の医師と看護師たちは大統領を懸命に手当の処置を行い、ダラスのシークレット・サービスの支局長であるフォレスト・ソレルズはたまたまパレード中に8mmフィルムで撮影していたアマチュア・カメラマンのエイブラハム・ザプルーダーへ映像の受け渡しを掛け合っていた。というあたりがこの映画のメイン。

トランプ大統領2019年10月、多くの文書公開を許可した一方、情報源や外国政府に関する機密が含まれているとして一部文書の機密を維持。1963年のジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関する機密文書の全面公開を先送りし、2021年10月までに改めて公開の是非を検討するよう関係省庁に指示した。

どの程度の新しい情報が公開されるのかは分からない。リー・ハーヴェイ・オズワルド容疑者による単独犯行と結論。でも同容疑者の動機や背後関係が明らかになっていないことや逮捕2日後に暗殺されたこともあり、今もなお陰謀説が根強く残ってい、ことは周知の事実。証拠物件の公開が政府によって、2029年(下院暗殺調査委員会)もしくは2039年まで不自然にも制限されている。資料はアメリカ公文書図書館に保管されているが公開されるのは2039年とされている。しかし、現在でも資料の多くが紛失しているため、2039年に公開されても完全に真実が明らかになるかどうかは未知数である、とされている。ここまで生きていたいという目標にはなる。絶対無理だが。

『ダブル・フェイス』(Shelter)

2017年・フランス/ドイツ/イスラエル 監督/エラン・リクリス

出演/ネタ・リスキン/ゴルシフテ・ファラハニ/ハルク・ビルギナー/リオル・ルイ・アシュケナージ

イスラエル諜報特務庁=モサドの工作員ナオミは、ある人物を保護する任務を命じられる。その人物とは武装集団ヒズボラ幹部の元愛人モナ。彼女は秘密を知りすぎたとして組織に命を狙われていた。助けを求められたモサドは、貴重な情報提供者でもあるモナを匿うと、整形で顔を変えさせ、傷が癒えるまでの二週間、ナオミに保護を命じたのだ。モサドが用意した隠れ家で始まった共同生活。しかし、誰も知らないはずの隠れ家には、不審な電話や謎の来客が押し寄せ、次々と奇妙な出来事がナオミの任務を脅かし始める。そして、彼女は次第にモナがヒズボラの二重スパイなのではないかと疑心暗鬼に陥っていく…。誰が敵で、誰が味方なのか――。命を賭けた極秘ミッションの行方に待つ、衝撃の結末とは! ?(Amazonより)

ストーリーを活字で見た方がおもしろく感じる映画。実際の映画はちょっと飽きが来る。匿っているアパートの一室で、女二人の会話と制限された行動が映画向きではない。監督の力があれば、もう少し見せる映画になっていたかもしれない。一度諦めたけれど、もう一度見直して最後に辿り着いた経緯がある。

中東の紛争にかかわる話はイマイチよく理解できないのが困る。単なる映画だけの話なら別だが、現実社会を映し出すこういう映画には、歴史的な背景を平然と知っている常識が求められる。そうでなければ、話がおもしろく伝わってこない。何事にも先達はあらまほしけれ、とはちょっと違うが似たような意味合いがあるような。

『持たざるものが全てを奪う HACKER』(Hacker)

2016年・アメリカ/香港/カナダ/タイ/カザフスタン 監督/アカン・サタイェフ

出演/カラン・マッコーリフ/ロレイン・ニコルソン/ダニエル・エリック・ゴールド/クリフトン・コリンズ・Jr

何という邦題なんだろう。日本語の意味が分からない。この頃はwebで説明を読んでも理解できないことが多く、歳、ボケのせいかなぁと悩んでいるのだが、昔から日本人の書いた日本人のための取扱説明書は分かり難いと結構有名だったことを記憶している。単なるハッカーではいけないのだろうか、と思う。まぁ、映画館で公開するにはギリギリのところの映画なので、ビデオやパソコン用にだけ題名を考える悪い癖が付いているのかもしれない。

配給会社の作った映画のコピーは、「若き天才詐欺集団と黒きカリスマが腐った社会に復讐する・・・」と大見えを切っているのが滑稽だが。この程度のことを大声で言わなければ、誰も見向いてくれない映画かもしれない。これは実話から生まれた物語。幼いアレックスを連れたダニリュク夫妻は、東欧からカナダのロンドンへ移住して来た。ロンドン訛りという言い方があるが、カナダのロンドンという場所の出身だと言って、ロンドン訛りがないじゃないかという言葉を受けるあたりにしかユーモアは感じられない。

Windows95時代からパソコンに馴染んできた主人公は、結構才能があったのだろう。親の貧乏を見かねて、子供のうちからパソコンを通してお金を稼ぐことが出来たようだ。今から考えると可愛いものだった。知り合いにパソコンを作って分けてあげたら、小河さんのお陰でビールだったりいろいろなものを貰っているよ、とその夫婦が喜んで報告してくれたのは、もう何年前のことだろうか。

『蛇のひと』

2010年(平成22年)・日本 監督/森淳一

出演/永作博美/西島秀俊/板尾創路/劇団ひとり/田中圭/勝村政信/國村隼/石野真子

2009年3月に受賞した『第2回WOWOWシナリオ大賞』受賞作品を映像化。ある日、ベテランの独身OLの三辺陽子が会社に行くと、会社では伊東部長が自殺をし、また今西課長が失踪していた。今西には1億円横領の疑いがかかっており部下であった陽子に彼の行方を捜すよう会社に命令されたが、彼の過去を追い彼に人生を狂わせられた人たちの話を聞くうちに、「いい人」と思われていた今西がいったいどんな人物であったのか判らなくなっていく。(Wikipediaより)

10本か20本に1本日本映画を観ている。意図的ではないが、どの映画を観ようかとアマゾン・プライムの見出しを眺めているうちに、偶には日本映画にしようと思える時だけに、選択する。観始まるといかに日本語の方が楽かということが実感されるこの頃であることは、悔しいけど認めなくてはならない。映画のセリフを聞きながら、ほんの時々、こういう英語の表現をするんだ、と妙に納得することはあっても、すぐにその英語を忘れてしまうのは、ご愛敬では済まされない現実をみる。

ストーリーは事件を追っかけているが、中身は、実は人間模様を描きたかったようだ。少なくとも映画に登場する何人かの人生を辿って行くだけで、さまざまな人間模様が映し出されて、あぁ!なんて人間は悩み多き動物なのだろう、とあらためて感心したりする。百人いれば百人の違った人生が営まれていることは、うすうす知ってはいるが、あくまでも他人にはなれない心のうちがもどかしい。

『ロッテルダム・ブリッツ ナチス電撃空爆作戦』(THE BLITZ)

2012年・オランダ 監督/エイト・デ・ジョン

出演/ジャン・スミット/ルース・ヴァン・エルケル/モニク・ヘンドリクス/マイク・ウェルツ

1940年5月、オランダのロッテルダムをドイツが空爆した。たった15分間の爆撃で800人も亡くなったという。中立だからドイツが攻めて来る訳はない、というセリフがあった。そんな中、ドイツ人の女性とオランダ人男性とのラブストーリーが。映画はどんな状況でも男と女の心のうちを描くのが好きらしい。

映画が映し出す現在のロッテルダムは高層ビルが立ち並ぶ近代都市に見える。そしてドイツ軍が空爆した後の焼野原は、まさしく東京はじめ日本の各地で見られたガレキの都市という感じだった。どこまであの当時のヒトラー・ドイツが異常な国だったのかを後世までとどめている。戦争を知らない人間しか生きていなくなっても、その事実は永遠に語り継がれることだろう。

人種偏見というのはいつの時代にもある。この映画の主人公のひとりである女性はオランダに住むドイツ人、それだけでオランダ人から白い目で見られる存在だった。それが当たり前のようにまかり通る社会は普通だったのだろうが、普通のはずの現代でもただ肌の色が違うからと毛嫌いする人々が多いことに唖然とする。

『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』(Bad Samaritan)

2018年・アメリカ 監督/ディーン・デヴリン

出演/デヴィッド・テナント/ロバート・シーハン/カーリト・オリヴェロ/ケリー・コンドン

レストランで働くショーン・ファルコは職務上知り得た情報を利用して、顧客の家に窃盗に入っていた。ある夜、いつものように盗みに入ったファルコは思わぬものを目撃することになった。そこには、ケイティと名乗る女性がおり、「頭のおかしい家主に監禁されているから助けてくれ」と言ってきた。自らの犯行を目撃されてしまった焦りから、ファルコは直ちにその家から逃走したが、家主のケイルはその一部始終をじっと見ていた。その結果、ファルコはケイルに命を狙われることになってしまった。(Wikipediaより)

あるレストランのバレーパーキングで働いている主人公は同じ仕事をしている友だちと、お客さんが食事をしている間にその車に乗って、その車の持ち主の家に入り込んで窃盗を繰り返していた。そんな悪さも出来るよなぁ、と日本には滅多にない駐車方法を疎ましく見つめるしかなかった。その挙句に極めて危険な目にあうことになるのがこの映画、怖い!、怖い!。

善きサマリア人の法(Good Samaritan laws、良きサマリア人法、よきサマリア人法とも)は、「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。アメリカやカナダ、オーストラリアなどで施行されていおり、近年、日本でも立法化すべきか否かという議論がなされているという。原題にはこんな背景があったとは知らなかった。

『トンビルオ! 密林覇王伝説』(Tombiruo)

2019年・マレーシア 監督/セス・ラー二―

出演/ゾル・アリフィン/ファリッド・カミ/ナビラ・フダ/ファイザル・フセイン

極めて珍しいマレーシア映画。マレーシアの山奥で素顔と超能力を隠し密かに暮らしていた青年。愛する 者を奪われ、彼は密林の守護者・トンビルオとして覚醒、環境保護のため 壮絶な戦いを始めるのだった! 弱き者や自然を守る超肉体派の熱いヒーロー・トンビルオだった。

人間同士の戦いがカンフーなのには、ちょっと。別に悪くはないが、殴っても、殴っても、どちらも平気の平左で戦い続ける姿がリアルからかけ離れ過ぎている。醜い顔で生まれたヒーロー、大人になっても仮面をつけている。このあたりがこの映画のキモなのだろうか。シリーズものにでもしようとする意図が感じられるが。

スーパーマンというヒーローに憧れていた子供の頃。そんな人間は絶対いないよ、と言われなくても分かっていたのか、もしかするとこんなスーパーヒーローが実現するんじゃないかと、本気で思っていた田舎者だったかもしれない。「世直し」という言葉に敏感に反応する性格は、子供の頃に形作られたのかもしれない。翻って、世の中を悪くする者たちに対する憎悪は並大抵ではない。嘘をつく政治屋や無知な金持ちなんかを見ると腹の底から反吐が出るような。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』(I, Daniel Blake)

2016年・イギリス/フランス/ベルギー 監督/ケン・ローチ

出演/デイヴ・ジョーンズ/ヘイリー・スクワイアーズ/ディラン・マキアナン/ブリアナ・シャン

第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール、第69回ロカルノ国際映画祭で観客賞を獲得している。老齢を迎えたベテラン大工であったダニエルは、あるとき心臓発作が原因で倒れてしまう。職を失い、医師からは休職を命じられたため、役所に行き、失業給付金申請の為カウンセラーと面談をするものの、職務可能と判断されてしまい、給付金は下りずにいた。

舞台はニューカッスル、北アイルランドのニューカッスルだろうと想定する。お役所仕事はどこの国でも変わらないらしい。こういう非人間的な行動を平気でするイギリス人を見ていると、日本人の役人なんてまだ可愛いものだよと叫びたくなる。私と同じような年頃の主人公は、私と同じように心臓病を患っている。審査官の質問に正直に答えていくと、あなたは働けますと言われてしまう。医者には働くのは無理だと言われているのに。

訳の分からない年寄り集団は同じような考えと行動をするようだ。審査官や警備員に毒づいてみたところで、一向に生活の先は見えてこない。それでも、隣に引っ越してきたシングルマザーを見ると、手助けしないではいられない。自分の生活が立ち行かなくなり、家財道具を一切売り払わなければならない状況になっても隣人を助けようと奮闘している。哀しいかな老人。同じような光景が世界のあっちこっちで見られるのかもしれない。

『長いお別れ』(A Long Goodbye)

2019年(令和元年)・日本 監督/中野量太

出演/蒼井優/竹内結子/松原智恵子/山﨑努/北村有起哉/中村倫也/杉田雷麟/蒲田優惟人

今日は、2020年(令和2年)12月31日。アルツハイマー型認知症を患った父が徐々に父でも夫でもなくなっていく家族の10年を追った連作短編集。フィクションではあるが、著者の中島京子自身が、2004年にアルツハイマー型の認知症と診断され2013年に亡くなった父、中島昭和を見送った経験がもとになっている。テレビ東京開局55周年記念作品として製作された。

主人公が70歳の時から映画は始まる。主人公は中学校の国語教師(のちに校長先生となる)であったことから、漢字は得意で、デイサービスに通うようになった時には、難しい漢字をただ一人満点で読むことが出来た。このあたりまではボケもかわいいものだったが、2年ごとに変わる映像と共に、主人公のアルツハイマーは容赦なく進行して行くのだった。

妻は健在で終始主人公の父を援護している。二人の娘のうちの長女は夫のアメリカ勤務に伴ってアメリカ生活、その長男は不登校という問題を抱えていた。次女は喫茶店でアルバイトしながら自分で食堂を経営したいという夢を持ち乍ら、結婚にも踏み切れず母とも父ともの微妙な距離の中に葛藤している。こんな複雑な心理状況は、人間生活ではある意味普通だ。父親は予定通り亡くなってしまうが、特に激しい嗚咽が聞こえる訳ではない。むしろ、長女が竹内結子だったことの方が、無性に寂しい映画となってしまっていた。

『ヒプノティスト-催眠-』(Hypnotisoren)

2012年・スウェーデン 監督/ラッセ・ハルストレム

出演/トビアス・ジリアクス/ミカエル・パーシュブラント/レナ・オリン

ラーシュ・ケプレルの小説『催眠』を原作としている。催眠を使って殺人事件の犯人を探し出す糸口を掴みだすとするのが元々の題名の発端。ただ、この医師が経歴上でスキャンダラス的な犯人特定をしてマスコミに叩かれて、医師として催眠を使うことを禁止されている人物だった。わざわざ複雑な環境を作って、事件を複雑にしようとしている。

犯人を洗い出す手法の中には想像も出来ないほどの苦労があるが、映画的には、突然現れて来た犯人像をクローズアップする、という狡い方法がある。今迄なんの影響もなかったはずの人が急に犯人の線上に躍り出て来たって、観客はとてもついていけるものではない。暗くて、長い、お奨めできない映画。警察ものではアメリカ映画に圧倒的なおもしろさがある。

催眠術をかけて欲しい。自分が催眠術にかかる姿を想像、想定できない。どうしたらそんなことができるのだろうか、と疑いの心しか持っていない。「今日の運勢は」なんていう子供騙しが、テレビだろうが新聞だろうが、はたまた週刊誌にまで載っている日本のマスゴミ(塵)環境。こんなところにも日本の未成熟な社会構造と成熟しようもない教育構造の一端が見られる。

『ラスト・クライム 華麗なる復讐』(FAMILY HEIST)

2017年・フランス 監督/パスカル・ブルデュー

出演/ジャン・レノ/リーム・ケリシ/カミーユ・シャムー/パスカル・ドゥモロン

根っからの詐欺、窃盗、大泥棒を稼業としてきた主人公が、ストラディヴァリウスを盗むところから映画は始まる。昔は1億円、2億円という値段が付いていたバイオリンが今や15億円だとは驚きを通り越している。やすいものはどんどんやすくなっていき、高いものはうなぎ上りに高価になって行く。人間社会のいびつな構造がいたるところに。

コメディだが笑えない。ジャン・レノは嫌いな俳優のうちのひとり。演技がわざとらしいのと、濃い顔が馴染まない。美しくない腹違いの二人の娘を使って最後の大博打を打というのがストーリーだが、飽き飽きするような映像の繰り返しに、無駄遣いの典型を観るようだ。

最後は我慢できずに寝てしまった。この頃は、寝る機会が少なくなったと喜んでいたのもつかの間、映画を観ながら知らず知らずのうちに眠ってしまうのは、至極の時間だ。外に出ることが極端に少なくなって、映画を観られるのは楽しい。自分でおもしろそうな映画を探す苦労は、結構面倒くさいが、そんな贅沢なことを考えるのも罰が当たる。

『プレッピー・コネクション』(The Preppie Connection)

2016年・アメリカ 監督/ジョセフ・カステロ

出演/トーマス・マン/ルーシー・フライ/サラ・ペイジ/ジェシカ・ローテ

1980年代初頭。労働者階級の家庭で育ったトビアス・ハメルは奨学金を得て名門私立学校に入学した。ほどなくして、トビアスは友人の依頼で校内にコカインを持ち込む役割を引き受けるようになった。トビアスはかつての友人たちのコネを駆使してコカインを調達していたが、ついにはコロンビアの麻薬カルテルと直接取引するようになり、学校を中心としたコカインの売買網を構築するに至った。有頂天になるトビアスだったが、彼が歩んだ道は破滅に通じる道でしかなかった。1984年に大学進学予備校の学生、デレク・オーティスが30万ドル相当のコカインを密輸した容疑で逮捕された事件を題材としている。(Wikipediaより)

金持ちの高校生が通う学校が舞台。アメリカの高校生の実生活を知る由もないが、どの映画の高校生を見たって日本の高校生では100年経っても追いつかないだろう考え、行動をしている。勿論、アメリカの制度そのものが日本なんか目じゃない先に行っていると思わざるを得ない。車で高校まで通学するなんて、日本じゃ永久にあり得ないだろう。

マリファナだって常識と思われるアメリカの高校生、ようやく18歳の選挙権が与えられた日本なんかじゃ、とてもじゃないけど比較にならない。悪の道に行くのは簡単だけれど、引き返すのは大変だ。それは世界中のどこの国でも変わらないことだろう。神に導かれて、まっとうな人生を歩めることは仕合わせの第一歩であり、最終点でもあるかもしれない。

『特捜部Q キジ殺し』(Fasandraeberne/The Absent One)

2014年・デンマーク/スイス/スウェーデン 監督/ミケル・ノガール

出演/ニコライ・リー・コス/ファレス・ファレス/ピルー・アスベック/デヴィッド・デンシック

なんか観たことがあるなぁという刑事ものだった。英語ではないし、英語だってまったく分からないけれど、慣れない言語を2時間も聞くというのは結構疲れる。1作目は割合最近観た「特捜部Q カルテ番号64」事件簿のように映画シリーズを展開して行くのだろう。2作目の方がさらに暗く、迫力もあった。仕事一筋の主人公刑事の職業意識が凄い。恐れ入る。

キジ殺しというのは、キジ狩りのように意味なく残虐な行いという意味があるということを初めて知った。悪役主人公たちがグループとなって狩猟に精出す様が副題になっているようだ。主人公刑事がボロボロになりながらも容疑者であり被害者の女性を守ろうとする姿は学ばなければいけない。たいした自分でもないのに、自分一番と思っている現代人ばかりになってしまった社会には、こういう人間が必ず必要だ。

それにしても、映画は小さなことを大きくクローズアップしてはしまうけれど、陰で悪いことをしながら金儲けをして一見優雅な生活をする人種がなんと多いことか。せっかく生まれてきたのだから一所懸命金をためて贅沢に暮らすんだという考えが如何に愚かかということを分かっていない。あなたの周りの人間や累々およぶ子孫に無言の神の鉄槌が降りることを知らないだろう。

『ハンターキラー 潜航せよ』(Hunter Killer)

2018年・アメリカ 監督/ドノヴァン・マーシュ

出演/ジェラルド・バトラー/ゲイリー・オールドマン/コモン/ゼイン・ホルツ

潜水艦ものはおもしろい。閉ざされた空間でのバトルが繰り広げられる状況は、広々とした荒野の決闘よりは迫力が増す。『U・ボート』(Das Boot、The Boat・1981年・日本ヘラルド映画)は潜水艦映画の中でも映画ファンなら題名くらい覚えてくれているだろう映画としてちょっと有名。

映画が完成するまでにはそれなり以上の労力と年月がかかる。2015年11月12日、オリジナル・フィルムが新作映画の製作に着手したと報じられた。2016年3月3日、ドノヴァン・マーシュが監督に起用され、ジェラルド・バトラーとゲイリー・オールドマンの出演が決まったとの報道があった。6月23日、テイラー・ジョン・スミスの出演が決定した。7月6日、ガブリエル・チャバリアがキャスト入りした。7日、ゼイン・ホルツが本作に出演すると報じられた。13日、マイケル・トルッコとライアン・マクパートリンの出演が決まった。19日、ミカエル・ニクヴィストの起用が発表された。21日、デヴィッド・ギャーシーがキャスト入りしたとの報道があった。8月4日、リンダ・カーデリーニが本作に出演すると報じられた。(Wikipediaより)

一触即発の危険性は今でも続いているのだろうか。そう簡単にドンパチとやり合う戦いが、すぐに起こるとは考えられないが、どんどん独裁政権のような国が勃発している現状を鑑みれば、人間は自分たちの手で地球を終わらそうとする運命にあるのかもしれない。地球が自然に無くなる前に、人間が自ら地球を破壊することになる、という多くの映画の予言は正しいのかも。

『ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度』(Time Out of Mind)

2015年・アメリカ 監督/オーレン・ムーヴァーマン

出演/リチャード・ギア/ベン・ヴェリーン/ジェナ・マローン/キーラ・セジウィック

大都会ニューヨーク。ジョージはアパートを追い出される羽目になった。その事実を認めたくないジョージは「財布を盗まれたせいでこうなった」などと強がってみたものの、結局はホームレス状態に陥ってしまった。ジョージは思いつく限りの手段を駆使して金を集めたが、日々の生活費・酒代以上を稼ぐことはできなかった。やがて、冬の寒さが厳しくなってきたため、ジョージは市が運営するホームレス用のシェルターに向かった。そこで、彼はディクソンに出会った。ディクソンは精神的に不安定な状態にあったが、ジョージには親身になって接してくれた。福祉課の職員と面談した後、ジョージは長らく疎遠だった娘のマギーに助けを求めることにした。しかし、マギーは父親に対する遺恨をすんなりと捨てることができなかった。(Wikipediaより)

日本の劇場では未公開だっというのは観てみれば至極納得できる事実。リチャード・ギアが2時間、ひたすらニューヨークでのホームレス生活を実践して見せてくれるだけの、飽き飽きするストーリー展開。もういいよ、と声を掛けたくなる。

日本よりは、はるかに社会がホームレスに対して優しい。宗教から来る心の在り方が原因だろうと、いつも自分勝手に理解しているが、それにしてもなんとも優しくない日本社会制度は永久に変わることはないのであろうか。お金を無心するホームレスとそれに対応する普通の人々が、日本とアメリカでは違い過ぎる。あんたの努力が足りないから、そんな生活しか出来ないんだよと、心のうちで罵る日本人、神の恵みでたまたま利のある私たちの力を使ってくださいと奉仕する心の豊かなアメリカ人、この分野においては明らかにアメリカ人、アメリカ社会の方が一歩も二歩も神に近づいている。

『ドント・ハングアップ』(Don’t Hang Up)

2016年・イギリス 監督/ダミアン・マセ

出演/グレッグ・サルキン/ジャック・ブレット・アンダーソン/ギャレット・クレイトン/ベラ・デイン

悪質なイタズラ電話を繰り返すブレイディやサムたちの元に、ある日、イタズラ電話を掛けた相手から折返しの電話が掛かってくる。その相手の男は、何故か2人の住所を知っており、ブレイディの両親を監禁していることを告げる..、というホラー映画。

他人を陥れるようないたずら電話をする馬鹿者(ワカモノ)を見ているだけでも気持ちが悪くなる。たかが映画と思っていても許せないのは、私の何がそうさせているのだろうか。そこまで清廉潔白で美しい心をいつも持っている訳ではない。それなのに他人を馬鹿にするような行動を平気でする人たちを激しく罵る。

そんな奴らがどんな報復を受けようがいい気味だと思えて仕方がない。なんと心の狭い自分なのだろうと、嘆いてみたって仕方がない。それが自分なのだし、それ以上のものではない。せめてそういう狭い心は封印して決して他人には見せないように慎ましやかに生きることだけが、私の生きる道かもしれないと。

『インビジブル・スクワッド 悪の部隊と光の戦士』(Il ragazzo invisibile)

2014年・イタリア/フランス 監督/ガブリエレ・サルバトレス

出演/ルドヴィコ・ジラルデッロ/ヴァレリア・ゴリノ/ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ

イタリアもののヒーロー映画。発端は、好きな子に近付く勇気もないいじめられっ子の少年が、ある日突然透明になる力を手に入れて、町で起きている誘拐事件を解決していく。子供たちの間で起こる出来事を解決していく冒険アクションのようなもの。

観たばっかりの「ミラクル・ニール!」や「アレックス・ライダー」に通じる全体の流れ。比べてしまえばお茶らけている分だけ、この映画の屁たれ感が半端ないが、気楽に観られる映画という点ではさすがイタリア映画と称賛しなければならない。

シリーズものになりそうな雰囲気はあるものの、スパーマンのようにスーツを来て透明人間になって人助けをするというストーリーには限界があるような。遠山の金さん好きの日本人には向いているシリーズになるだろうが、大した力もない”スーパー・ヒーロー”では選挙に出ても勝てそうもない。

『レプリカズ』(Replicas)

2018年・アメリカ 監督/ジェフリー・ナックマノフ

出演/キアヌ・リーブス/アリス・イヴ/トーマス・ミドルディッチ/ジョン・オーティス

医療系のバイオ企業で働く神経科学者のウィリアム・フォスターは上司からせかされたり失敗を繰り返したりしつつ、亡くなった人間の意識を人工脳に移す研究に没頭していた。家族との生活は幸福なものであったが、家族と一緒の休暇初日に起きてしまった自動車事故で妻子を失ってしまう。あまりの悲しみから、ウィリアムは妻や子どもたちの意識や記憶を保存するという自らの研究を利用することを思いつき、すぐさま同僚のエドに機材を運んでもらう。また、同時に、ウィリアムはクローン技術を使って妻子を蘇らせるというアイデアを考え、実行に移す。クローン人間の作成は法律で禁止されていたが、暴走するウィリアムは研究所から機材を盗んでまでクローン人間の作製を行った。(Wikipediaより)

神の領域に行ってしまう生命に関する研究は、それでも留まることなく進歩、進化していくのだろう。それを恐ろしいと思うのか、素晴らしいと思うのかは人それぞれなのだと思う。どうやって地球が出来て、人間はどこから生まれて来たのかの根本的なことを解明できていないのが人間社会。そこはそのままにして、違うことだけで先に進むということにはならないのが人間の知力なのだろうか。

地球がどんな風に出来たかを見事に解明したところで、一体人間は何が変われるのだろうか。人間がどんな風に進化したかを正確に知ったとして、一体人間はどう変われるのだろうか。情報ばかりが蔓延る社会では、情報に振り回されて、何が嘘で何が真実かさえ不確かになっている。天才的な人間集団がかなりの複数で世界をリードして行かなければ、烏合の衆の人間地球が出来上がってしまうだろう。宇宙戦争がおきたら、真っ先に潰れるのが地球でなければいいのだが。

『ブラック・スキャンダル』(Black Mass)

2015年・アメリカ 監督/スコット・クーパー

出演/ジョニー・デップ/ジョエル・エドガートン/ベネディクト・カンバーバッチ/ロリー・コクレーン

原作はディック・レイアとジェラード・オニールのノンフィクション『Black Mass: The True Story of an Unholy Alliance Between the FBI and the Irish Mob』(2001年出版)。マサチューセッツ州ボストン南部で活動していた犯罪組織のリーダー、ジェームズ・ジョセフ・バルジャー(ホワイティ・バルジャー)を主人公としている。

最初のうちはジョニー・デップが分からなかった。どこかで聞いた声と、どこかで見たことのあるような顔だとだけ思っていた。アメリカの役者は相変わらず凄い。実話に基づく映画ならではのメイクが生々しい。額が禿げ上がった顔を平気で演じられるのは特技だろう。この映画は、1970年代後半から1980年代のジェームズに焦点を当て、彼がアイルランド系アメリカ人によって構成される「ウィンター・ヒル・ギャング」のリーダーの座に上り詰める様子をいている。

この時代のボストンの北部はイタリア系、南部はアイルランド系のマフィア・ギャングが牛耳っていたという。日本でも新宿歌舞伎町に中国系ヤクザが殴りこんできたとだいぶ前に聞いたことがあるが、今やその勢力図はどうなっているのだろうか。日本人同士だって、同じ組が3つに別れて血の抗争をおっぱじめている現状をみると、人間の権力欲は永久に無くなるものではないと思い知らされる。

『アレックス・ライダー』(Stormbreaker:Alex Rider: Operation Stormbreaker)

2006年・イギリアウ/アメリカ/ドイツ 監督/ジェフリー・サックス

出演/アレックス・ペティファー/アリシア・シルヴァーストーン/ミッキー・ローク/ソフィー・オコネドー

幼い頃両親を亡くした主人公アレックス・ライダーは銀行員の叔父と、家政婦)とともに暮らす14歳の少年。ある日、叔父が不慮の事故死を遂げ、その死に疑問を抱いたアレックスは彼の周辺を探り自分を育ててくれた叔父が実は英国諜報部員であったことを知ることになる。秘密情報部に乗りこんだ彼に、上司だった人物は叔父が過去アレックスに教えてきた数カ国の語学や射撃、武道、スカイ・ダイビングやスキューバ・ダイビングなどすべて実はスパイに必要なレッスンだったのだと告げ、彼をMI6にスカウトする。(Wikipediaより)

ショーン・コネリーの後継者を育てようとしているのか、とさえ思えるようなイギリスお得意の諜報ものの誕生だ。主人公はまだ14歳と若い、この若さにする必然性がどこにあったのかと、ちょっとばかりいらぬ想像を巡らしたが、何も分からなかった。若いからいいのだろうか。それなら、キックアス(Kick-Ass・2010年)の少女ヒット・ガールのような世直しスーパー・ヒーローで充分なのではなかろうかと。

ストーリやアクションはかなり今風で、007が出来たころの秘密兵器に比べれば雲泥の差はあるものの、その当時の雰囲気を踏襲する映像は懐かしさを覚える。もしかするとシリーズものになって、これからのスパイ映画を牽引して行くようになるのかなぁ。主人公役も実年齢は16歳らしいから、かなり主人公役をやり続けることになったりして。

『ミラクル・ニール!』(Absolutely Anything)

2015年・アメリカ 監督/テリー・ジョーンズ

出演/サイモン・ペグ/ケイト・ベッキンセイル/サンジーヴ・バスカー/ロブ・リグル

サイモン・ペグ主演のSF・コメディ映画。モンティ・パイソンのテリー・ジョーンズが監督を務め、他のメンバーも声優として出演している。パイソンズが揃って映画に出演するのは、1983年に公開された『人生狂騒曲』以来のことであった。またこの作品は、ロビン・ウィリアムズの最後の出演作品となった。(Wikipediaより)

ロビン・ウィリアムズの出演シーンが分からなかった。地球外生命体を求めて打ち上げられた探査船が、遠い宇宙の果てにいるエイリアンたちの「評議会」)へ届く。彼らは地球人の無能さに呆れ、これまでの星と同じように地球を消滅させることにするが、1度は機会を与えるべきだとする銀河法の規定により、適当に1人の地球人を選んで「ほとんど何でも」("Absolutely Anything") 叶えることのできる力を授けると決める。その力を与えられたのが冴えない中学校教師であるこの映画の主人公。

軽く観られるだけがいいい映画だろう。なんでも叶えられる力を持つと人間が何をするのかという命題は、多くの映画で描かれ、語られてきた。かわいい望みを実現するくらいならいいが、大きな野望を叶えてしまうと人間はどうしようもない価値観に苛まれるのがオチのようだ。これを書いていて最後になって、ロビン・ウィリアムズは、主人公の愛犬デニスの声役だったということが分かった。

『1917 命をかけた伝令』(1917)

2019年・イギリス/アメリカ 監督/サム・メンデス

出演/ジョージ・マッケイ/ディーン=チャールズ・チャップマン/マーク・ストロング/アンドリュー・スコット

第一次世界大戦( World War I、略称:WWI)は、1914年7月28日から1918年11月11日にかけて、連合国対中央同盟国の戦闘により繰り広げられた世界大戦である。この映画の舞台は1917年4月、ヨーロッパは第一次世界大戦の真っ只中にあった頃の物語。

その頃、西部戦線にいたドイツ軍は後退していた。しかし、その後退はアルベリッヒ作戦に基づく戦略的なものであり、連合国軍をヒンデンブルク線(英語版)にまで誘引しようとしたのであった。イギリス陸軍はその事実を航空偵察によって把握した。エリンモア将軍は2人の兵士、トムとウィルを呼び出し、このままでは明朝に突撃する予定のデヴォンシャー連隊、第2大隊が壊滅的な被害を受けてしまうが、彼らに情報を伝えるための電話線は切れてしまったため、現地へ行って連隊に作戦中止の情報を伝えることを命じられた。第2大隊には1,600名もの将兵が所属しており、その中にはトムの兄・ジョセフもいた。(Wikipediaより)

舞台劇にでもなりそうな光景、風景の戦争映画。時々はドカ~ン、バチ~ンと戦争の火花が現実味を帯びるけれど、どちらかというと伝令を届けるために奮闘する2人の兵士が大主人公になっている。途中からはそれが1人になってしまったから、余計静かな戦争映画となっている。悪くはない。が、何かが足りない。実際にあった悲惨な戦争の焼け跡が伝わってこないからかもしれない。それにしてもこの時代の戦争はかわいい、などと言っていると誰かに舌の根を抜かれてしまいそうだ。

『キャッツ』(Cats)

2019年・アメリカ 監督/トム・フーパー

出演/ジェームズ・コーデ/ンジュディ・デンチ/ジェイソン・デルーロ/イドリス・エルバ

T・S・エリオットによる詩集『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』(The Old Possum's Book of Practical Cats)を元にした、アンドルー・ロイド・ウェバーが作曲を手掛けたミュージカル作品である。マンカストラップ、ラム・タム・タガーといった個性的な猫たちが都会のごみ捨て場を舞台に、踊りと歌を繰り広げる。人間が一切出てこない演出と振付が特徴となっている。ニューヨークでの連続上演回数は、2006年1月9日に『オペラ座の怪人』に抜かれるまでブロードウェイでのロングラン公演記録であった。世界で興行が最も成功したミュージカル作品のひとつである。2019年時点で、全世界での観客動員数は7300万人を上回るという。

この映画は、公開直後から酷評レビューの嵐が吹きまわっているらしく、第40回ゴールデンラズベリー賞では、最低作品賞をはじめ、最低監督賞、最低助演男優賞(ジェームズ・コーデン)、最低助演女優賞(レベル・ウィルソン)、最低スクリーンコンボ賞(半人半猫の毛玉たちのコンビ全て)、最低脚本賞の最多6部門で受賞を果たしている、

私が昔偶然手に入れたイギリスの舞台をDVD化した映像は素晴らしい。イギリスのミュージカル歌手エレイン・ペイジ(Elaine Paige,1948年3月5日-)版であったことも幸いしている。そのオリジナルはどこかへ行ってしまったが、歴代のパソコンのハードディスクに保存されていることがラッキーだ。時々、他人のハードディスクにも勝手にコピーして楽しんでもらっている。その映像を何度も眺めているので、この酷評の映画の意味がよく分かる。出来過ぎた猫の化粧が、何故か気持ち悪くなってきてしまう。もっとも感動的な「メモリー」の歌のシーンでは、え!ちょっと待ってよ!違い過ぎるよ印象が、と言葉にならない嘆き節を。

『ラッキー』(Lucky)

2017年・アメリカ 監督/ジョン・キャロル・リンチ

出演/ハリー・ディーン・スタントン/デヴィッド・リンチ/ロン・リビングストン/エド・ベグリー・ジュニア

一匹狼の偏屈老人ラッキーが、風変わりな町の人々ととりとめのない日々を過ごしながら、静かに死と向き合っていく姿をユーモアを織り交ぜて描く。主演のハリー・ディーン・スタントンの遺作(1926年7月14日 - 2017年9月15)。アメリカでの公開が2017年9月29日だったので、その直前に亡くなっている。

神など信じずに生きてきた一匹狼の偏屈老人ラッキーは今年で90歳。目を覚ますとコーヒーを飲んでタバコを吸い、なじみのバーに出かけて常連客たちと無駄話をしながら酒を飲むという毎日を過ごしていた。そんなある日、ラッキーは突然倒れたことをきっかけに、自らの人生の終わりを意識し始める。彼は自身がこれまでに体験してきたことに思いを巡らせながら、「死」を悟っていく。迫真の演技というより、まさしく人生の最後の姿を馴染んだスクリーンに晒したという感じだろうか。

『イレイザーヘッド』(Eraserhead・1977年)、『エレファント・マン』(The Elephant Man・1980年)の監督で有名なデヴィッド・リンチが結構頻度の高い出演者としてこの映画に出ている。取り留めない毎日の生活が人生。嫌味を言ったり、嫌われることも平気で喋れる。いつ死ぬか分からないことは想像できても、健康体で毎日の煙草を医者から止められることもないあたりがユーモア。考えられないほど肺にも異常が見られないんだから、生活のリズムを殺してまで煙草を止める必要はないよ、と医者が言うんだ。

『パリよ、永遠に』(Diplomatie)

2014年・フランス/ドイツ 監督/フォルカー・シュレンドルフ

出演/アンドレ・デュソリエ/ニエル・アレストリュプ

1944年8月25日未明。パリの中心部に位置するホテル ル・ムーリスにコルティッツ将軍率いるドイツ軍が駐留していた。ヒトラーからの命を受け、コルティッツはパリ壊滅作戦を進めている。それは、セーヌ川に架かる橋の数々、ノートルダム大聖堂、ルーヴル美術館、オペラ座、エッフェル塔…パリの象徴でもあり、世界に誇る美しき建造物すべてを爆破するというものだった。(Filmarksより)

ヨーロッパ戦線ではドイツの敗色が濃厚となっていた。8月7日にディートリヒ・フォン・コルティッツ歩兵大将をパリ防衛司令官に任命したヒトラーは、パリに架かる橋をすべて爆破した上で、最後の一兵まで戦うよう命令を出した。パリ生まれパリ育ちのスウェーデン総領事ノルドリンクが、パリの破壊を食い止めようと説得にやってくる。将軍の考えを変え、何としてでもパリの街を守りたい総領事。一方、妻子を人質に取られ作戦を実行せざるを得ない将軍。長い一夜の駆け引きが始まった。

二人の会話がほとんどの物語なので、出演者もこの二名しか記されていない。実際にこの二人がどういう会話をしたのかの問題ではなく、歴史の流れの中でこういうことであろうとするストーリー展開は、きっと映画でも描き切れないものがあったに違いない。終わってしまえば何とでも言える、が、戦争の最中しかも終結まじか戦局の中での激論は想像に絶するものだったろう。戦争でなければあり得ない究極の選択を課せられた軍人たちも最大の被害者と呼べるだろう。

『ザ・アウトロー』(Den of Thieves)

2018年・アメリカ 監督/クリスチャン・グーデカスト

出演/ジェラルド・バトラー/オシェア・ジャクソン・Jr/50セント/パブロ・シュレイバー

2作続いた警察もの、しかもこの映画はなんと2時間20分もあった。大作は長くなる傾向にあるが、この程度のアクション映画でこの長さは珍しい。何分に1回、1か月に何回、1年にこれだけの銀行強盗事件が発生するのがアメリカ、ロサンゼルスだと冒頭にテロップが流れる。

この映画の見せ所は、カーアクションではなく銃撃戦。高速道路の出口で渋滞にはまった犯人グループとそれを追う警察官のあたりかまわずの銃撃戦は、さすがアメリカと思わざるを得ない。銀行強盗が頻繁に起こるのも銃という武器が巷に溢れているからに他ならない。単発銃ではなく機関銃が主な武器となって銃撃戦が挙行されるに至っては、コメントのしようがない。自分の身を守るためには「銃」は絶対必要なものだと主張するアメリカ人に賛同することは出来ない。

圧倒的に警備が厳しい連邦準備銀行を襲うシーンを観ていると、世の中に絶対はあり得ないんだということが。どんなにセキュリティーを強化したって、穴のないセキュリティーも考えられない。人間がシステムを運用し、人間がシステムの中で動いている限りは、絶対に守れるものはない。しかも、ハンバーグのデリバリーを建物の中まで入れてしまうというちょっと考えられないようなセキュリティーの甘さが、映画のほころびに通じているような気もする。

『ザ・スクワッド』(ANTIGANG/THE SQUAD)

2015年・フランス/イギリス 監督/バンジャマン・ロシェ

出演/ジャン・レノ/アルバン・ルノワール/カテリーナ・ムリーノ/ティエリー・ヌーヴィック

ジャン・レノが犯罪者からも恐れられる伝説の刑事を演じたアクション映画。パリ警視庁の特殊捜査チーム率いる伝説の刑事セルジュは、その過激で暴力的な捜査で犯罪者からも恐れられていた。宝石店で発生した強盗殺人事件の主犯を、かつて自ら逮捕したことのある因縁の男アルミン・カスペールであるとにらんだセルジュは、カスペールとその仲間たちを強引なやり方で連行したが、決定的な証拠が出ずにカスペールは釈放された。

日頃から上層部に目をつけられ、誤認逮捕の責任を問われたセルジュは、チームとともに強盗事件の捜査を外されてしまう。そんな中、同一犯とみられる強盗事件が発生。命令を無視し、事件現場へと向かったセルジュたちに、犯人たちは銃を乱射。パリ市街で市民を巻き込んだ銃撃戦へと発展してしまう。往年の人気ドラマを映画化したイギリス映画「ロンドン・ヒート」のリメイク。(映画.comより)

フランスの警察もの。警察ものといえばアメリカと決まっているが、なかなか悪くはない。と、思っていたが、次作で観ることになる「ザ・アウトロー」がアメリカ・ロサンゼルスの警察もので比べてしまったら、圧倒的にアメリカに軍配があがった。やさグレ刑事の度合いも半端ないアメリカの警察官、いくら頑張ってみたところで、勝てないものは勝てないと悟るしかない。

『サイバー・リベンジャー』(I.T.)

2016年・アメリカ 監督/ジョン・ムーア

出演/ピアース・ブロスナン/ジェームズ・フレッシュヴィル/アンナ・フリエル/ステファニー・スコット

ピアース・ブロスナン演じるビジネスジェット機専門の航空会社を経営する社長マイク・リーガンが、高校生の娘に近づいたことを理由に解雇した部下のITエンジニアから逆恨みされ、会社や関連機関へのハッキングで破滅させられる恐怖を描く。(Wikipediaより)

I.Tを「イット」と読んだ日本の森首相の話は有名だが、巷に氾濫する和製英語や本物の英語の短縮形が甚だ過ぎて、日本人の賢明さが顕著。カタカナ、ひらがな、漢字、アルファベットを駆使して生きている日本人てホントに凄いと思う。一方では元々の日本語が乱れてしまって、敬語や尊敬語が極めて不適切に遣われている現代社会は、おそらく日本語の運命を決める岐路に立っているんではなかろうか。

ネットワークの難しさはオタク族と呼ばれる人種の助けを借りなければにっちもさっちも行かないのも現実。全ての通信が無線に向かっている。便利ではあるが、有線ではないもどかしさがある。それを嫌って有線でなければ嫌だという年寄りもたくさんいるが、無線の便利さを享受した方がなにかと都合の良い世の中になって来た。そういう世界でも100年後が見てみたいと、また同じことを言う。

『女と男の観覧車』(Wonder Wheel)

2017年・アメリカ 監督/ウディ・アレン

出演/ケイト・ウィンスレット/ジャスティン・ティンバーレイク/ジュノー・テンプル/ジム・ベルーシ

冒頭、監督がウディ・アレンだと知って、ちょっと観る気が削がれた。彼の作品というより、彼の作った映画との相性が悪いと思い込んでいる節がある。そんな風に思ってしまったら、もう仕方がない。何度も書いていることだが、どこでこのボタンの掛け違いみたいな雰囲気になってしまったのかは分からない。

1950年代のコニー・アイランド(Coney Island・アメリカ合衆国ニューヨーク市ブルックリン区の南端にある半島および地区である。ニューヨークの近郊型リゾート地、観光地として知られる。)が舞台。子連れで再婚した元女優の遊園地のウェイトレスとメリー・ゴーランドの管理人である夫、そこに疎遠になっていた夫の娘が転がり込んできた。しかもその娘は現役のマフィアの夫から命からがら逃れて来た、というストーリー。

「女と男のいる舗道」(Vivre sa vie: Film en douze tableaux・1962年)は、ヘラルド配給。その題名を頂いて付けた題名『女と男の名誉』(Prizzi's Honor・1985年)は私が日本ヘラルド映画の宣伝部にいた時に付けた題名。そんなことを想い出したこの映画の邦題。そんなことを知らなければ知らないでなんていうことはないのだが、映画というのは監督も役者も、はたまた原作にも曰く因縁みたいなものが結構あって、そこんところを知ると映画がもっとおもしろくなるという側面を持っている。

『コンプリート・アンノウン ~私の知らない彼女~』(Complete Unknown)

2016年・アメリカ/イギリス 監督/ジョシュア・マーストン

出演/レイチェル・ワイズ/マイケル・シャノン/キャシー・ベイツ/ダニー・グローヴァー

ニューヨーク。クライドはアリス・マニングと名乗る女性とカフェで歓談していた。アリスはカエルの研究をしており、タスマニア島の調査を終えて帰ってきたのだという。アリスが「新しい友達が欲しい」と言ったので、クライドは彼女を同僚のトムが主催するパーティーに連れて行くことにした。アリスの姿を見たトムは仰天した。アリスの風貌が大学生時代の彼女、ジェニーに瓜二つだったからである。しかも、ジェニーは失踪していたのである。パーティーの後、トムがアリスを問いただすと、アリスは自分がジェニーであったことをあっさり白状した。アリスはかつての自分を知る唯一の人間であるトムに会いに来たのだという。予期せぬ事態に困惑するトムに対し、アリスは自分のように生きることの素晴らしさを説くのだった。そして、場の勢いに流されるまま、トムも別人として振る舞うことの快感を味わってしまった。その結果、トムは「今まで通り家族に縛られた生き方をするべきなのか、それともアリスのように自由な生き方をするべきなのか」という問題に直面し、頭を抱えることになった。(Wikipediaより)

アマゾン・スタジオが製作した映画。日本の劇場未公開も頷けるかったるさは久しぶり。暗いし、テンポは遅いし、アメリカ映画とは言えない雰囲気。たぶん、イギリスでの製作ということなのだろう。一人の女性の、人間の生き方を切り取って見せてくれてはいるが、何処にも共感できない。何を知って欲しいのかが分からない。

誰にも邪魔されずに独りで生きていけるのなら、誰しもそういうことを望むかもしれない。いや、独りで生きていくなんてとても出来る事じゃないと、最初からそんなことは頭にない人の方が多いかもしれない。いずれにしたって、人間100年、どんな風に好き勝手に生きようが残る人生の短さを考えれば、余計な心配など無用という人生。

『ザ・サークル』(The Circle)

2017年・アメリカ 監督/ジェームズ・ポンソルト

出演/エマ・ワトソン/トム・ハンクス/ジョン・ボイエガ/カレン・ギラン

SNSの会社になんとか就職できた主人公だったが、この会社はSNSの最先端を行く会社で、その神髄に触れていくたびに人間の恐ろしさを知ることになる。自分の生活を全てオープンにし、身の回りには無数の小型カメラが張り付いている。トイレや暗くなった寝室以外では、世界中の眼が自分の一挙手一投足を見ることが出来、多言語でコメントが寄せられる。

そんな生活が来るのだろうかと、疑問に持つことになるが、意外と映画の未来図は現実にやってくることが多いのが普通だ。こういう映画を見るたびに、3年や5年後ではなく、100年後の世界が見てみたいという欲求がさらに強くなる。そんなことは不可能なのだけれど、どうしても100年後のこの場所に居たい。

そんな夢にも出来ないことが私の夢なのだ。こんなことを考えるのは普通ではないのだろうか。目の前の出来そうなことを「夢」として語った方が、世間的には可愛く映るのかもしれない。そんな夢なんて、自分の小さな満足を満たすだけでしかない。自分なんていう存在は宇宙の塵にも成れはしないと常々思っている自分にとっては、夢は壮大でなければ意味がない。壮大であればあるほど、気が狂っているとしか見られないのが普通の世界。それでいいのだ。

『アウトランダー』(Outlander)

2008年・アメリカ 監督/ハワード・マケイン

出演/ジム・カビーゼル/ソフィア・マイルズ/ジョン・ハート/ロン・パールマン

『アウトランダー』(Outlander)は、アメリカ人作家ダイアナ・ガバルドンによる歴史ロマンSF小説シリーズである。 1980年代後半にシリーズ第1巻『時の旅人クレア』を描き始め、1991年に出版された。 計画された10巻のうち8巻を出版しているということらしい。

テレビ・シリーズが放映されたのが2014年、原作は世界中で3000万部になるほど読まれているという。一種のタイムスリップものなのに、主人公が落下した時代が8世紀で場所が北欧、バイキングたちが闊歩する風景と相まって独特なストーリー展開が興味を湧かせる。

「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」のようなファンタジー、冒険ものを久しぶりに楽しんだ。細かいところでは、よそ者と土着の王位継承予定者との二人の争いになって、「王」はどっちだという争いになるだろうと思わせられたのは昔のことで、今やもっとすんなりと王女の愛を受けながらも、正当路線の若者が結構いい奴だったというオチがついていた。エイリアンのお化けのような怪獣が出てくるのはいただけなかったが、普通の人間の形をした悪魔が出てきても冒険ものにははまらないから、仕方のない怪物の登場だと納得するしかなかった。

『特捜部Q カルテ番号64』(Journal 64)

2018年・デンマーク/ドイツ 監督/クリストファー・ボー

出演/ニコライ・リー・カース/ファレス・ファレス/ヨハン・ルイズ・シュミット/ソーレン・ピルマーク

デンマークの人気ミステリー作家、ユッシ・エーズラ・オールスンの大ヒットミステリー小説で、累計1600万部の売上を突破した人気シリーズの「特捜部Q」で、その映画化第4弾が『特捜部Q カルテ番号64』。本国デンマークでは、国内映画で歴代No.1の興行成績を記録したという。

警察ものでは一日の長があるアメリカ映画と比べてはいけないかもしれない。結構面白い物語になっているが、監督の力が弱いためにその肝心のおもしろさが直球で伝わってこない。妊娠中絶が普通に行われていない国の悲惨さが見えてくる。また、優生保護法のような間違った価値観のもとに不妊手術を行ってしまう社会の異常さがあぶり出されている。

それにしても神は種の保存という大テーマのために、なんていうことを生きとし生きる者に課しているのだろうか。セックスの快楽に溺れて望まない子供を虐待し、死にまでも陥れる親、人間の存在がただ社会の一環だと見ることは出来ない。もっと、規律ある人間性の教育がきちんと為されなければ、共同体として社会を担っている一人一人の人間の生き様を・・・・・。

『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(Maudie)

2016年・カナダ・アイルランド 監督/アシュリング・ウォルシュ

出演/サリー・ホーキンス/イーサン・ホーク/ガブリエル・ローズ/ザカリー・ベネット

モード・ルイス(Maud Lewis、1903年3月7日-1970年7月30日)はカナダのフォークアートの画家である。田舎の風景、動物、草花をモチーフに、明るい色彩とシンプルなタッチで温かみと幸福感のある絵を描いた。カナダで愛された画家の一人である。と、紹介されている実話に基づいた映画。

若年性関節リウマチを患い、生涯に亘って手足が不自由で体も小さかった。身体障害者に対する差別もあり、途中で学校教育を中退してホームスクールに切り換えたほか、同世代の子供と遊ぶよりも一人で過ごす時間が多かった。1935年には父ジョンが、1937年には母アグネスが亡くなる。当時の慣習により住居は兄が継ぐが、兄夫婦は離婚し兄が家を出る。モードは叔母と暮らすこととなった。が、その叔母からも見放され、独り暮らしのために魚の小売業を営むエヴェレット・ルイスと出会い、1938年に結婚した。このあたりの生活はかなり貧祖過ぎて涙が出る。男の慰み者になっていると小さな村では噂になっていた。綺麗な海とおもちゃ箱のような小さな村の家並みが印象的。

その後、彼女の書いた絵が認められて大成功した、という物語になるわけではなかった。でも、彼女を見捨てた叔母の言葉によれば、一族で一番幸せになったのはあなただけよ!、と。

『記者たち 衝撃と畏怖の真実』(Shock and Awe)

2018年・アメリカ 監督/ロブ・ライナー

出演/ウディ・ハレルソン/ジェームズ・マースデン/ロブ・ライナー/ジェシカ・ビール

イラク開戦をめぐる「大量破壊兵器」捏造問題を実話を元に描く。字幕監修は池上彰が担当したらしい。ブッシュ元大統領を始め、多くの政治家たちのテレビでの発言が引用され、その背後で新聞記者たちがどのように考え行動していたのかを描き出している。さすがアメリカ、アメリカ映画という感が強い。日本のマスゴミ(塵)や映画界がこれほどの硬派な切り口を映画化するなんていうことは、あと何十年経っても実現することはないであろう。

実話、2002年1月29日、ジョージ・W・ブッシュ米大統領は一般教書演説で、北朝鮮、イラン、イラクを悪の枢軸であると糾弾し、イラクが大量破壊兵器を保有しテロを支援していると非難した。マスメディアもイラクへの軍事介入を肯定する論調が支配的となり、ナイト・リッダ―(今回の新聞社)の記者たちによる懐疑的な記事は紙面に載らなくようになる。事実がどうであれ、120%の確信があったとしても、政府発表を忖度して記事が構成されるのは、この時代のアメリカにとっても不思議なことではなかった。今でさえ、トランプに忖度した記事が大手を振ってまかり通る現実を見れば、何の違和感もないことだろう。

それでも、ひとつの真実を求めて行動する「記者たち」の姿は神々しい。数年後に政府発表をそのまま記事にしたことを謝罪した新聞社があったとしても、今生きる現実には何の慰みにもならない。そういう時の流れを利用した政府権力の濫用は、世界中のどの国でも行われているようだ。

『天才作家の妻 40年目の真実』(The Wife)

2018年・スウェーデン/イギリス/アメリカ 監督/ビョルン・ルンゲ

出演/グレン・クローズ/ジョナサン・プライス/クリスチャン・スレーター/マックス・アイアンズ

著名な作家、ジョゼフ・キャッスルマン宅に、「あなたが今回のノーベル文学賞に選ばれました」という国際電話がかかってくる。嬉しい報せに、電話を終えると思わず妻ジョーンと手を取り合って、家の中でダンスしてしまうほど有頂天になるジョゼフ。だが、この夫婦にはシリアスな問題があった。

オリジナルタイトル「Wife」をもう少し尊重して欲しい。せめて原題通り「妻」でもいいし、さもなければ「ノーベル賞作家の妻」または「小説家の妻」くらいに留めて欲しかった。肝心の真実があることを匂わせてしまっては、観る人の興味を半分削いでしまうことが分からないのだろうか。ノーベル賞作家の妻を演じるのは、グレン・クローズ。彼女がスウェーデン出身の監督、ビョルン・ルンゲを指名したことが伝えられているように、本作はクローズが主導する、彼女のための作品である。そして若い頃の自分を、実の娘のアニー・スタークが演じている。

実話に基づく映画ストーリーではないとの事だが、もしかすると同じような話は存在するのかもしれない。才能のない夫の陰になって本当の天才だった妻の存在は、一種の皮肉にも見える。話がそうなるだろうという通りになることはおもしろい映画の条件なれど、あまりにもその切り口や振る舞いが平坦過ぎるきらいがある。もっとおもしろくなるような気がする。監督の力なのかもしれない。

『ウイスキーと2人の花嫁』(Whisky Galore!)

2016年・イギリス 監督/ギリーズ・マッキノン

出演/グレゴール・フィッシャー/エディ・イザード/ショーン・ビガースタッフ/ナオミ・バトリック

第二次世界大戦中にスコットランドのエリスケイ島沖で大量のウイスキーを積んだ貨物船SSポリティシャン号が座礁した事件をもとにしたコンプトン・マッケンジーの1947年の小説『Whisky Galore』をマッケンジー自らが脚本、アレクサンダー・マッケンドリックが監督を務めて映像化した1949年の映画『Whisky Galore!』のリメイク作品。少年時代からオリジナル版のリメイクを夢見てきた1人の映画プロデューサーの熱意により、当時貨物船に乗船していた士官候補生や座礁した船をいち早く発見した人物など、事件を直接知る人々への入念な取材を繰り返し、10年の歳月をかけて製作されたという。

戦況悪化のあおりを受けてウイスキーの配給が止められたトディー島の住民たちは、すっかり無気力に陥っていた。島の郵便局長ジョセフの長女ペギーと次女カトリーナはそれぞれ恋人との結婚を望んでいたが、周囲からウイスキーなしの結婚式はあり得ないと反対されてしまう。そんな中、輸出用に5万ケースものウイスキーを積んだニューヨーク行きの貨物船が島の近くで座礁する事件が発生。これを神様からの贈り物だと捉えた島民たちは、禁制品のウイスキーを「救出」するべく立ち上がるというコメディ。

スコットランドのバグパイプが雰囲気を醸し出す。この島の西側にはもう陸地はなく大西洋のさらに西にはアメリカ大陸があるだけだった。ウイスキーを島民全員が楽しそうに飲んでいる。ロンドンでは空爆があるけれど、この島には空爆よりもウイスキーの方が大切なようだ。思い出すのはスコットランドが発祥のゴルフ、その聖地と言えるセントアンドリュース、行っておいて本当に良かった。あの時、ヘラルドの副社長だったサム・難波さんが「小河君、今度は何処へ行きたいかね?」と聞いてくれなかったら、カンヌ映画祭の帰りにスコットランド出張は実現していなかった。合掌、難波さん。

『ケルベロス 紅の狼』(O Doutrinador/The Awakener)

2018年・ブラジル 監督/グスタヴォ・ボナフェ

出演/キコ・ピソラート/タイナ・メディナ/サミュエル・デ・アシス/マリリア・ガブリエラ

漫画原作。ケルベロスは"地獄の番犬" 。"紅の狼" とは違うでしょう。映画の内容ともズレてる。まさか 押井守版と差別化するための日本独自のサブタイトル? という書き込みがあった。ブラジル映画は珍しいが、アクション映画を作るとなると最先端を行くアメリカ映画を気にしなければ、視聴者を満足させることはなかなか難しいだろう。

世直し奉行みたいなものだけれど、正義という大上段に振りかざした錦の御旗のもとに行動することは、結局一人の人間のエゴでしかない、てなことを言われそうだ。それでも、正義を振りかざさないで見て見ぬふりをする現代人の大多数をいくら責めたって世の中は良くならない。犠牲的精神と肉体で世の中に向かっていく人が現れないと、世の中は急速に改善することはないであろう。

正しいことが正しいと認められる世の中なんて、そんなに簡単に存在すらする訳もない。「フェイク・ニュース」と自らのフェイク主張を平然と主張しまくる大統領が、身分を保証されているうちは国民の上に君臨できるんだから、いくら人間が作った規律とは言いながらも、納得できない現実が目の前にある。

『プロジェクト・ブルーブック』(Project Blue Book)

2019年・アメリカ 監督/ロバート・ストロンバーグ

出演/エイダン・ギレン/マイケル・マラーキー/ローラ・メネル/クセニア・ソロ

1952年から1969年まて゛、アメリカで謎の飛行物体や光が次々と目撃される。空軍と政府は、12,000以上の情報を極秘裏に捜査することにする。その調査のコードネームこそが「プロジェクト・ブルーブック(Project Blue Book)」である。調査資料は、2015年に開示され、政府だけが知っていた驚くべき事実が明らかにされる。そこには、歴史を揺るがす謎と陰謀が隠されていた。ドラマ「プロジェクト・ブルーブック」は、極秘調査に基づき、巨匠ロバート・ゼメキスの総指揮のもと制作された壮大なミステリーである。

ロバート・ゼメキ(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)、トム・ハンクス主演の『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)などを監督)。実は、上記2作品を既に観終わっているのだが、この欄を書く前にこの映画を観始まってしまった。この映画は、最近では主流のテレビ映画シリーズで、とりあえずシーズン1のエピソード1からエピソード10までが次から次へと閲覧しなさい状態になって、1話43分程度がこれだけ続くともう頭の中はこの映画一色になってしまった。

実話に基づくから怖い話に見えてくる。UFOらしきものを見たと証言する庶民の声は政府や軍の意向で勝手に目くらましにされ人心が乱れないようにとこれまた勝手な思惑で事実が曲げられて報道される。もしかすると、日本にだって同じようなことが頻繁に起こっているのではなかろうか、とさえ思えてくる。トランプ大統領の「フェイク・ニュース」発言はまさしくそういう流れの延長にあるに違いない。「GO to ・・・」やらで明らかに感染者が増えているのにもかかわらず、このキャンペーンで増えた人数は微々たるものだという発表なんか、この映画の政府発表となんら変わるものがない。知らず知らずのうちに何か大きな力で押し込まれてしまっている現実に居ると、はやくあの世とやらに行った方がお利口さんだと思わざるを得ない。シーズン2ももうアップされているようなので、続きを観なければならない。

『スーパーノヴァ 孤独な少女』(MORE THAN ENOUGH)

2017年・アメリカ 監督/アン・マリー・ヘス

出演/マディー・ハッソン/ダビア/メローラ・ウォルターズ/リス・ウォード

同級生からのいじめを受け孤立している女子高生シェリー。そんな彼女に優しく声をかけてくれたのは、黒人でゲイのグレッグだった。嫌なヤツと無理して友達になるよりも、自分の趣味で人生を豊かにしたいという彼に共感したシェリーはすぐさま意気投合。だが一方で、シェリーに対するいじめは加速していった。その原因は、薬物中毒のシェリーの母にもあった。母に手を焼くシェリーを心配した学生たちの後見人で富豪のウェスは、何かあったら相談するようにと声をかける。そんな折、母が家に入り浸っていた恋人と婚約し、仕事を辞めて引っ越すと一方的に言い出したことで、たまらず家を飛び出したシェリー。彼女は一時的にウェスと同居することになるのだが…。(楽天TVより)

ちょっと風変わりな映画だった。アメリカの女子高校生のほんの一端だけでも観ることが出来たかなぁ、という感想。この映画の主人公は周りの同級生とは交じり合わない孤独な学生生活をしているから、一端にも程遠い光景なのかもしれない。高校生の間にだって「クスリ」は蔓延していて、これこそアメリカの一端を垣間見る思い。

ちょうど、往生際の悪いトランプ大統領の悪あがきをテレビで見る羽目に陥っている時期だったが、かつての憧れのアメリカが地に堕ちて行く様を見ているような気がする。日本の政治は幼稚園のもののようだったが、これでは日本よりも遥かに劣る幼児性なアメリカになってしまう。もっとしっかりしてくれ、と声を掛けたくなる。どこからこういうアメリカになって行ってしまったのだろうか。

『アフターマス』(Aftermath)

2017年・アメリカ 監督/エリオット・レスター

出演/アーノルド・シュワルツェネッガー/スクート・マクネイリー/マギー・グレイス

2002年7月に起きたユーバーリンゲン空中衝突事故(2002年7月1日の21時35分バシキール航空2937便とDHL611便が、ドイツ南部の都市ユーバーリンゲンの上空で衝突した事故。両機に搭乗していた71人全員が死亡した。)後に発生した殺人事件を題材にした作品。

シュワルツェネッガーが武器も持たず筋肉を誇張することもない映画だった。妻と娘を飛行機事故で失ったその辺にいる一介の労働者を演じている。事実であることが痛ましい。映画は真実を映すことは出来ないけれど、この事故の原因が管制官にあるとの映像は、一種の潜入感を植え付ける要素になり、その後の物語の進行の妨げになっている。

日本も航空機事故では大きな傷を抱えている。毎年8月になるとそのニュースはテレビで流されるのが常だが、もうあれから何年と時の経つ速さが人間生活の儚さを助長する。生きていてなんぼ、という言い方があるが、生きているからこそ喜びも苦しみも感じられるのが現実。惜しい人を失くした、と懐かしがられることしか空の上からは眺められない。

『エルヴィスとニクソン ~写真に隠された真実~』

2016年・アメリカ 監督/リザ・ジョンソン

出演/マイケル・シャノン/ケヴィン・スペイシー/アレックス・ペティファー/ジョニー・ノックスビル

1970年12月21日に行われたホワイトハウスでの二人の会合を描いているが、コメディドラマ映画。この二人が映った写真は有名らしい。映画の中で語られていることの何パーセントくらいが本当のことなのだろうか。プレスリーが本人に似ていないのがずーっと気になって仕方がなかった。アメリカ映画のいいところは、実話を描く時にはその本人に極めて似ている役者を配していることだと理解していたから。

もっともニクソンだって微妙な容姿で、違和感ありの二人の登場はそれだけでコメディなのだろう。日本の芸能人なんかは簡単に時の総理大臣に逢うことは出来そうな気がする。アメリカの大統領がホワイトハウスで芸能人に会うことは困難なような感じで映画はストーリー化されている。片や大統領でも、片やそれこそ老若男女のアメリカ人が知っている「王様」とまで言われた歌手であり映画スターが、大統領に会う前に緊張している姿は意外だった。

プレスリーは自分の音楽史上ではほんのちょっと前の人だった。そういうこともあり自分では熱狂的になれる要素はなかった。それ以上にあの派手やかな衣装と歌い方は自分の趣味には合わないと思っていた。その直後に出て来たビートルズには夢中になったのに、個人の趣味というのは千差万別だと。

『人間失格 太宰治と3人の女たち』

2019年(令和元年)・日本 監督/蜷川実花

出演/小栗旬/宮沢りえ/沢尻エリカ/二階堂ふみ/成田凌/千葉雄大/瀬戸康史/高良健吾/藤原竜也

太宰治の小説『人間失格』を原作としたものではなく、太宰治と3人の女性との関係を基に描いたフィクション作品となっている。太宰治が死の直前に発表し遺作となった「人間失格」の誕生秘話を、太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から、事実を基にしたフィクションとして初めて映画化した作品。

配給は松竹とアスミック・エース。このアスミック・エースはもともとヘラルドの子会社だったヘラルド・エースが母体になっている。日本映画製作の窓口になったり、日本ヘラルド映画ではなくヘラルド・エースの名前で良質な単館系の映画を安く買おうという魂胆から出来た会社だった。かなり評判の高い映画を配給しているし、「戦場のメリークリスマス」の制作宣伝をやったりと数え上げればキリのないくらいの作品に関与していた。

才能は有っても、我儘で横柄で女にだらしなく生活にも締まりのないのが芸術家だと相場は決まっている。そんな人生を描いた映画はたくさんあるので、どこをどうやっておもしろくしてくれるのかと興味はあった。この監督のこだわりはいろいろな情報で知ってはいたが、ここまで色に拘る監督も珍しい。お金がかかるよね~、と制作会社に同情してしまう。所詮映画はストーリーが最も大切な要素で、いくら映像が美しくてもそれはそれだけのことでしかない。ストーリーの面白さとセリフの良さがなければ単なる凡々とした映画として評価される道しかない。そんな気がする。

『マスカレード・ホテル』

2019年(平成31年)・日本 監督/鈴木雅之

出演/木村拓哉/長澤まさみ/小日向文世/前田敦子/笹野高史/松たか子/石橋凌/渡部篤郎

原作は、東野圭吾の長編ミステリ小説で「マスカレード」シリーズの第1作目だという。2008年12月から2010年9月まで集英社の月刊誌『小説すばる』に掲載されのち、2011年9月10日に集英社より単行本が発刊された。舞台となった架空のホテルは、巻末に取材協力団体として紹介されている日本橋の「ロイヤルパークホテル」がモデルになったと推察されるらしい。2020年1月に、宝塚歌劇団花組により梅田芸術劇場シアタードラマシティと日本青年館ホールで舞台化された。

ホテルでは巷の縮図のように種々雑多な出来事が起こる。もともとは警察もので、連続殺人犯を捕獲しようとする内容なのだが、ホテルで起こる様々な出来事がおもしろ過ぎて事件の顛末が矮小化されてしまっているのが残念。それゆえ、肝心の犯人逮捕劇がちょっとお粗末に見えてしまった。

たくさんとまでは行かないが、それなりにいろいろなホテルに宿泊した経験があるが、酒が飲めないホテルでの夜の生活は味気ないものだった。どこの地に行っても毎回、酒が飲めたらもっとその土地の夜の散策を楽しめただろうな、と後悔の念が。酒が飲めなくたって夜の一人歩きぐらい出来るはずなのだが、元来のビビリーの性格が部屋に籠って満足している自分を創り出してしまっていた。

『シャンハイ』(Shanghai)

2010年・アメリカ/中国 監督/ミカエル・ハフストローム

出演/ジョン・キューザック/コン・リー/チョウ・ユンファ/菊地凛子/渡辺謙

1941年、上海。その街は、誰のものでもなかった。日本、ドイツ、アメリカ、中国がお互いの腹を探り合いながら、睨み合っていたのだ。米国諜報員のポールは、同僚で親友だったコナーの死の真相を突き止めるために、この街に降り立つ。捜査線上に浮かび上がったのは、いずれも謎に包まれた者たちばかりだ。執拗にポールをつけ狙う日本軍の大佐タナカ、忽然と姿を消したコナーの恋人・純子、中国裏社会のドン・アンソニーと、彼の美しき妻アンナ。やがてポールは革命家というアンナの裏の顔を知り、理想に活きる彼女に強く惹かれ始める。ついにポールは殺人事件の真相に迫るが、そこに暴き出されたのは、全世界をも揺るがす恐るべき陰謀だった。もはや誰も止められない歴史の波は彼らに、守るべきものは何かという、究極の問いを突き付ける。国家への忠誠か、己の命か、それとも生涯の愛か・・・。果たして最後に、彼らが貫いたものとは?(Wikipediaより)

上海には行き損ねてしまった。上海といえば「ジャズ」というイメージがあったが、ニューヨークのように人種のルツボのような街だったらしい。それこそ世界中の国からシャンハイに集まって来た人たちは、1941年12月8日の真珠湾攻撃まで間もないこの時期に濃密な時を過ごしていたに違いない。

おもしろいはずの映画なのに、何故か肩透かしを食ったように味気ない映画だった。監督の力なのか、脚本が詰まらなさ過ぎたのか、散漫な映像がやけにひっかかって気になった。渡辺謙の英語はかなり上手くなったが、どんな映画でも同じようなセリフ回しには、ちょっと。何かが足りないこの映画、味の素のような調味料が必要なのかもしれない。

『ニュースの真相』(Truth)

2015年・アメリカ/オーストラリア 監督/ジェームズ・ヴァンダービルト

出演/ケイト・ブランシェット/ロバート・レッドフォード/トファー・グレイス/エリザベス・モス

2004年アメリカ大統領選の数ヶ月前、CBSの人気番組『60 Minutes II』のプロデューサを務めるメアリー・メイプス(英語版)は部下たちと共に、ジョージ・W・ブッシュ大統領が従軍中に有利な扱いを受けていたという疑惑を追っていた。ブッシュに関する記録が処分されたり書き換えられたに違いないという声が多数上がっていたが、チャールズ中佐は軍がそのような不始末をするわけがないと確信していた。ブッシュが空軍入隊時に受けた試験の成績が思わしくなかったことも、彼の軍歴にまつわる疑惑を強めることとなった。そんなある日、メイプスたちは疑惑に関する証拠を持っていると主張する男(バーケット)に辿り着くことができた。バーケットが持っているメモ書きにはブッシュが軍で優遇されていた事実が記述されているのだという。メイプスは疑惑を報道に踏み切る決断を下し、ダン・ラザーらと共に検証チームを発足させた。(Wikipediaより)

ちょうど今トランプとバイデンとの一騎打ちが火花を散らせている。あと一週間もすれば新しいアメリカ大統領が決まり、また新しい世界情勢が始まるのかもしれない。この映画に描かれている「60ミニッツ」は、アメリカ・CBSのニュース番組として今も健在らしい。トランプがつい最近この番組からインタビューを受けたが、何か気にくわないことがあって録画の途中で帰ってしまった、との報道があった。

アメリカの政治はダイナミックだ。日本の陰湿なジメジメした裏工作の世界とは一線を画しているように見える。それでも、大きな波に逆らうことが出来ず、その波に飲まれてしまう姿は、アメリカといえども抗しがたい大きな力が働いているようにも見える。所詮は人間のやること、権力闘争の構図は人間が存在し始まった時から、何にも変わらず延々と続いていることなのだろう。

『LBJ ケネディの意志を継いだ男』(LBJ)

2017年・アメリカ 監督/ロブ・ライナー

出演/ウディ・ハレルソン/マイケル・スタール=デヴィッド/リチャード・ジェンキンス/ビル・プルマン

リンドン・B・ジョンソンはケネディ政権下で副大統領の座についていたが、その存在感の希薄さ故に政界では軽んじられる始末であった。不遇を託つ日々を送るジョンソンだったが、転機は突然訪れた。1963年11月22日、ケネディが演説中のダラスで凶弾に倒れたのである。ジョンソンは副大統領から大統領に昇格することとなった。大統領の暗殺という事態に国内は混乱したが、ジョンソンは巧みな手腕で事態を収束させていった。しかし、ジョンソンにはケネディ以来の懸案が残っていた。それは公民権法の制定であった。人種差別の解消を願っていたジョンソンは公民権法の早期制定を目指していたが、議会では南部選出の議員を中心に壮絶な反対運動が繰り広げられていた。本作は公民権法の制定に尽力したジョンソンの姿を描き出していく。(Wikipediaより)

リンドン・ベインズ・ジョンソンというフルネームはこれまで知らなかった。ジョン・フィッチジェラルド・ケネディというフルネームは50年前から知っていたが。アメリカからの初中継で飛び込んできたのはケネディ暗殺の事件だった。第二次大戦後の世界情勢を揺るがすキーマンだったケネディ家の悲劇はここに始まった。ジョンソン副大統領が大統領になっても、日本人にはさほど興味がないことだった。少なくとも高校生の世代にとっては。

ほとんどの日本人が知らないだろうケネディ大統領の就任演説を歌にした当時のレコードを、たまたまレコード屋も始めていた実家のお陰で知ることが出来た。リズミカルな彼の演説が楽曲になるとは大したものだ。就任演説を英語で言えるようになっていたが、それ以上の英語会話の進歩もせずに今に至ったことは痛恨の極みだ。

『女神の見えざる手』(Miss Sloane)

2016年・アメリカ/フランス 監督/ジョン・マッデン

出演/ジェシカ・チャステイン/マーク・ストロング/ググ・バサ=ロー/アリソン・ピル

天才的な戦略を駆使して政治を影で動かすロビイストの知られざる実態に迫った社会派サスペンス。原題のスローンは主人公の女性の名前。恐ろしいほどの謀略と策略が横行する。横行するのは政治世界の日常だが、そこに仕事として潮流を起こすロビイストと言われる軍団の行動は、政治家の行動に輪をかけた想像を超えた存在だ。

あまりにもセリフが多くて速いのでついていくのが精一杯。超がいくつも付くような主人公の女性は自分を晒しものにしてまでも、目的を達成しようと暗躍するのだ。最後にはスカッとするような結末が待っているが、それまではハラハラドキドキ、女神の見えざる手とはちと言い過ぎだと思うが、映画を宣伝する立場からすればせめてここまで言いたいというのは分かる。

この映画の配給もキノフィルムズだった。現役時代の日本ヘラルド映画のように良質な映画をうまく買い付けているようだ。どういう宣伝をしたのかに凄く興味があるが、この映画を日本でヒットさせるのは至難の業だろう。ここまでの人間性を追求しないのが日本人、「この映画の良さが分からない人は馬鹿だ」とか言って煽らない限り、日本人の心が動くとは思えない。ただ、こんなことを言ったらすぐに大炎上してしまうのが現実社会。住み難い社会になってしまった。

『英国総督 最後の家』(Viceroy's House)

2017年・イギリス/インド 監督/グリンダ・チャーダ

出演/ヒュー・ボネヴィル/ジリアン・アンダーソン/マニシュ・ダヤル/フマー・クレイシー

1947年、第二次世界大戦で疲弊したイギリスは300年間支配してきたインドの主権移譲を決定し、独立を円滑に行う使命を帯びたルイス・マウントバッテンが最後のインド総督として着任する。彼が居住する総督官邸では500人の使用人が総督一家の世話を行っていた。最後の総督とインド独立、パキスタン分離独立をテーマにした歴史上の物語が緊張感をもって描かれる。

パキスタンは、19世紀には英領インドとしてインドと同一の政府の下に置かれており、独立運動も本来は同一のものであった。しかし、独立運動の中でイスラム教徒とヒンドゥー教徒との対立が深まり、イスラム教徒地域を「パキスタン」として独立させる構想が浮上した。これを避けるための努力は独立寸前までなされたものの、最終的にはヒンドゥー教徒地域がインド、イスラム教徒地域がパキスタンとして分離独立をすることとなった。しかしこのとき、インド東部がイスラム多数派地域の東ベンガル州としてパキスタンに組み込まれ、1955年に東パキスタンとなったものの、遠く離れた両地域を宗教のみで統一しておくことは困難であり、やがて東パキスタンはバングラデシュとして分離独立の道を歩むこととなった。

歴史は冷徹だ。この時人口3億人(ヒンドゥー教徒)だったインドは今や14億人に膨れ上がっている。独立劇の一端を映画で見ることになるが、インドとパキスタンの国境を新たに線引きすることの不合理さがそこに暮らす人間の生活そのものを左右する。江戸時代から明治時代に移行するプロセスは、他の世界の国々に勃発した独立、革命から比べれば極めて穏やかだったのだと思う。人類という大きな枠でとらえれば、小さな争いから大きな革命までを含めて、人民の戦いが今の世界を形成した源になっていることに間違いはない。

『ダウントン・アビー』(Downton Abbey)

2019年・イギリス/アメリカ 監督/マイケル・エングラー

出演/ヒュー・ボネビル/ジム・カーター/ミシェル・ドッカリー/エリザベス・マクガバン

元々はテレビドラマ、それが映画版となったのがこれらしい。テレビ映画時代の邦題は、『ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~』だったり、『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』だったりしている。このふたつの邦題でも雰囲気は伝わってくる。

イギリスでは2010年9月26日からシーズン1の放送が開始され、2015年12月25日にシーズン6をもって終了した。通常回の他、シーズンごとの最終回となるクリスマススペシャルを含め、全部で52エピソードが放送された。ドラマの舞台は1912年から1925年のイギリス、ヨークシャーの架空のカントリー・ハウスである「ダウントン・アビー(Downton Abbey)」で、当時の史実や社会情勢を背景に物語は進む。エドワード朝時代以降の貴族、グランサム伯爵クローリー家とそこで働く使用人たちの生活を描いており、歴史上の出来事が彼らの生活やイギリス社会階層に影響を与えるとある。

この映画は、1927年、イギリス国王ジョージ5世とメアリー王妃夫妻のダウントン・アビー訪問を描いた内容。国王(女王ではない)が来るというので大騒ぎになるさまをコミカルに描いている。が、国王、上級貴族の世界ゆえ、ずっこけるほどのドタバタ騒ぎにはならない。偶然に国王、王女、貴族として生まれて来た人間と、発展途上国の食糧難の地域に生まれてきてしまった人間との間にはどこに違いがあるのだろうか。同じ人間ながらその生涯は天と地と程の差が生じる。神はどういうつもりでこういう差別を地球上に・・・・。

『タイムシャッフル』(Time Lapse)

2014年・アメリカ 監督/ブラッドリー・キング

出演/ダニエル・パナベイカー/マット・オリアリー/ジョージ・フィン

2作続けて「タイム」という邦題が付いている。この映画は原題にもtimeが付いていて、タイム・トラベル的な内容だと題名が知らせてくれる。主人公はしがない3人の若者、ルームシェアをしながら住宅の管理人をして暮らしている。善良そうな3人だが映画の終わりには一人の女だけが生き残り、やっぱり女は強いなという現実を見せつけられる。

今回のタイムトラベルは、住宅に住んでいた科学者?らしき人が発明したらしい明日の風景を映すカメラだった。このカメラの毎日映し出す写真に翻弄されて3人の若者たちは人生を右往左往している。話がなかなか進まなくてイライラするのは3流作品の特徴かもしれない。

明日のことが分かったら、こんな楽しいことはないだろう。と思えるのだが、実際にそうなったらそこまで冷静にいられる自信はない。映画の中でも一人の若者が明日のドッグレースの賭け事にこの写真を応用していたが、まずは目の前の金に圧し潰されてしまうことになるだろう。それでなくとも、人間をダメにする最大の原因が金に纏わる話、ユメユメそんなことに陥ることがない人生であることを願うばかりだ。

『タイム・ハンターズ 19世紀の海賊と謎の古文書』(Fort Ross)

2014年・ロシア 監督/ユーリー・モロズ

出演/マクシム・マトヴェーエフ/ミハイル・ゴアヴォイ/ラモン・ランガ/アンナ・スタシェンバウム

19世紀アメリカに実在したロシア領ロス砦を舞台に、現代からタイムスリップしたジャーナリストが繰り広げる冒険を描いたロシア製SFアドベンチャー。モスクワで暮らすジャーナリストのディミトリは、ロス砦にまつわる機密文書の中から、自分に酷似した似顔絵を発見する。真相を求めてアメリカへ渡った彼は、現地スタッフのマルゴらとロス砦の跡地を訪れる。自分の携帯電話に見覚えのないアプリがインストールされていることに気づいたディミトリが起動してみると、次の瞬間、19世紀にタイムスリップしていた。(映画.COMより)

携帯電話のアプリからタイムスリップが出来てしまうなんていう他愛ないストーリーが笑わせる。全編ロシア語にかなりの違和感を感じるのはアメリカ映画にかなり毒されてしまっているのかも。ロシア領アメリカは、ロシア帝国が1733年から1867年まで北米地域に領有していた領土を指し、首府はノヴォ・アルハンゲリスク(現在のアメリカ合衆国アラスカ州シトカ)に置かれていたという。現在は主にアメリカ合衆国アラスカ州となっている地域とハワイ州となる地区の3つの砦に及んでいる。

歴史は実におもしろい。ロシア帝国が公式に植民地として成立させたのは、独占権を持つ露米会社の設立を宣言するとともにロシア正教会に一部土地の所有権を認めた1799年勅令だった。19世紀にはそれらの所有権の多くは放棄されたが、1867年にロシア帝国は残りの所有権をアメリカ合衆国に720万USドル(現在の価値で1億3,200万USドル)にて売却(アラスカ購入)した。そんな話は初めて知った。

『フラワーショー』(Dare to Be Wild)

2015年・アメリカ 監督/ヴィヴィアン・デ・コルシィ

出演/エマ・グリーンウェル/トム・ヒューズ/クリスティン・マルツァーノ

チェルシー・フラワー・ショー(RHS Chelsea Flower Show): 最初のグレート・スプリング・ショーは1862年、ケンジントンのRHSガーデンで開催された。1913年からチェルシーのチェルシー王立病院に会場が移された。1937年、ジョージ6世と王妃エリザベスの戴冠年を記念し、すばらしい帝国展が開催された。オーストラリアからアカシアが、カナダからマツが、東アフリカから色鮮やかなグラジオラスが、パレスチナからも大きなウチワサボテンが持ち込まれた。第二次世界大戦中には、チェルシー王立病院の土地が対空対策のため戦時局に必要とされたため、ショーは行われなかった。1947年より再開された。現エリザベス2世が即位した1953年は国のお祝いムードを反映したショーとなった。イギリス王室のほとんどのメンバーがこの年のショーに出席したが、他に公務があったため、唯一出席できなかった王族は女王自身だった。ショーは20世紀後半を通じてその人気を増加させることとなった。現在は毎年157,000人が観覧に訪れる(11エーカーの敷地面積に入れる制限された人数)。そして入場用のチケットは全て事前に購入する必要がある。2005年からショーの開催期間を4日から5日に延長し、最初の2日間はRHSの会員のみが入場できる。ショーは広範囲においてBBCが放映する。RHSへの王室による後援の一環として、イギリス王室のメンバー数人がショーの下見に訪れる。ショーは各部門ごとにゴールド、シルバー・ギルト、シルバー、ブロンズの各賞が設けられている。

日本人の石原和幸氏が3年連続で「ゴールド」を受賞(2006年 - 2008年)したというニュースをテレビで見たことがある。初挑戦の2004年には「シルバー・ギルト」も受賞しているというから大したものだ。イングリッシュ・ガーデンと呼ばれる庭園が日本にはあっちこっちにある。日本人から見ればあまりにもなんていうことはないのだけれど、イギリス人にとっては自尊心を満足させる誉れ高い趣向が埋まっている環境なのかもしれない。

盆栽に代表されるように日本の芸術は、結構人工的に人間の手を加えたものが多い。花は野にあるようにと言いながら、技術を凝らして小さな器に花を盛り込む。意図的に枝を枯らせて、針金を巻いて枝をこれでもかと曲げて形を作ってしまう。そんな「芸術」が世界的に人気があることが不思議だが、精巧な形づくりに対する緻密さは、日本人の得意とするところなのだろう。

『ロンドン、人生はじめます』(Hampstead)

2017年・イギリス 監督/ジョエル・ホプキンス

出演/ダイアン・キートン/ブレンダン・グリーソン/レスリー・マンヴィル/ジェイソン・ワトキンス

原題は「Hampstead」。ハムステッドは、学者、アーティスト、メディア関係者から長年にわたり愛されてきた高級住宅街。ハムステッド ヒースには、草地、森林、水泳用の池のほか、街並みを一望できるパーラメント ヒル展望台も。一般に公開されているケンウッド ハウスは、古典派の巨匠の名高い作品の数々を収蔵する新古典主義建築の邸宅です。古風な趣のあるハムステッド ヴィレッジの通りには、ジョージア王朝様式の建物を利用したブティックや高級レストランが並んでいます。(Wikipediaより)

夫亡きあとに発覚した浮気や借金、徐々に減っていく貯蓄、うわべばかりの近所付き合い・・・様々な問題から現実逃避している未亡人エミリー(ダイアン・キートン)。ある日、自宅の屋根裏部屋から双眼鏡で外を眺めていると自然に囲まれてはいるが小さな家で暮らすドナルド(ブレンダン・グリーソン)を見つける。庭でのディナー、気ままな読書、森のピクニック・・・余計なものを持たずDIY暮らしで幸福なドナルドと知り合い、エミリーは頑固だけど温かい人柄に惹かれていく。そんな中、世間を巻き込む事件がドナルドに降りかかり、二人の恋の行方は予測不可能な展開に―。(Amazon Prime video より)

もともとイタリア駐在だったヘラルドの海外担当がイタリア映画の衰退後ロンドンに移り住んだ。ハムステッドに家を買ったということを聞いたのは、そのだいぶ後のことだった。何度かロンドンに行ったが彼女の家に行く機会に恵まれず、どういうところに住んでいるかを想像すらしないでいたが、あれから何十年後にこうやって、なるほどそういう場所だったのかと感慨深げに土地柄を映画で見る事になった。あの頃まだ小学校にも行っていなかった彼女のひとり息子は、今頃はいっぱしの青年実業家にでもなっているかしら。

『偉大なるマルグリット』(Marguerite)

2016年・フランス 監督/グザヴィエ・ジャノリ

出演/カトリーヌ・フロ/アンドレ・マルコン/クリスタ・テレ/

1920年、パリからそう遠くない貴族の邸宅ではサロン音楽会が開かれていた。参加した新聞記者のボーモンは主役のマルグリット夫人の歌声に唖然とする。彼女は絶望的なほど音痴だったのだ!しかし、儀礼的な貴族たちの拍手喝采を受け、本人だけが気付いていなかった―。(Filmarksより)

あなたは音痴ですね、聞くに堪えられません、などと本人の目の前で大声で喋れるほど社会は寛容ではない。いつの時代もほとんどの人は音痴に「目」をつむり、さもうまい歌を聞いているが如く振る舞う。それが大人社会のマナーであると全員が思っている節がある。誰もそのことに関して確かめようとしない事柄であることは確かで、まちがいなくそう思っていることも確率が高い。

何度か音痴についてはこの欄に書いたことがある。ヘラルドの先輩で見事な音痴な人がいて、宴会の席ではその人の歌を聞くことが楽しみだった。おおらかなヘラルド社会では、笑いを堪えることなく、大声で笑いながらその人の歌を聞くのが習わしだった。歌っている本人はと言えば、音痴であることを見事に自覚しているからさらにおもしろかったのだ。まぁ、実に摩訶不思議な人だったけれど、その人が集める映画館の招待券が、いつの間にか飛行機の搭乗券に変わっていたことなど枚挙にいとまない。その人の実兄がプロの声楽家で、大学で教えていたなんていう尾鰭も付いて、人生の楽しさを味わった時代だったのです。

『鑑定士と顔のない依頼人』(The Best Offer、La migliore offerta)

2013年・イタリア 監督/ジュゼッペ・トルナトーレ

出演/ジェフリー・ラッシュ/ジム・スタージェス/シルヴィア・フークス/ドナルド・サザーランド

ヴァージルは美術鑑定士として成功を収めていた。だが、女性と接するのが非常に苦手で、女性を目の前にすると気分が悪くなる為隠し部屋に大量の女性の肖像画を飾り鑑賞するという奇妙な性癖を持っていた。ヴァージルは女性の肖像画は自身が開催するオークションでビリーと共謀し、格安で落札していたのだった。ビリーはかつては画家を目指していたのだが、ヴァージルに才能がないと一蹴され、諦めていた。ある日ヴァージルのもとに、電話を通じて依頼が入る。依頼内容は両親が死去したので、両親が収集していた美術品を競売にかけて欲しいというものだった。依頼人の邸宅には確かに様々な美術品が置いてあったが、当の依頼人であるクレア自身は姿を表さなかった。何度か足を運ぶと依頼人のクレアは隠し部屋に引きこもっていることが分かった。(Wikipediaより)

邦題がまさしく内容を現わしていて、何という題名を付けるのかと元映画会社宣伝部長は憤る。ちょっとそそる題名には聞こえるが、やっぱり味わいのないゲスな題名だと。主人公は女にもほとんど縁もなく過ごしてきたらしく、美人局のような依頼人の振る舞いにさえも心を奪われてしまう。男は情けないものなのだと、改めて恐れ入る。

日本の古い役者たちは芸の肥やしだと毎日のように夜遊びをする話が芸能ニュースになっていた。今や、文春砲とか新潮砲のせいで、巷の芸人たちでさえも大手を振って銀座に繰り出すことも少なくなったに違いない。まったく違う世界に生きている芸人でさえもそうなのだから、一般人でも気を確かに持って毎日を確実に生きて欲しいと、おじいさんは心から願う。(今日は令和2年<2020>10月1日)

『7 WISH/セブン・ウィッシュ』(Wish Upon)

2017年・アメリカ 監督/ジョン・R・レオネッティ

出演/ジョーイ・キング/キー・ホン・リー/ジョセフィン・ラングフォード/シドニー・パーク

他愛もない話過ぎちゃって物語を引用する気にもなれない。アラジンの魔法のランプのように願い事が叶う壺みたいなものにめぐり合って、主人公の女子高校生が人生の機微を味わうことになる。7つの願い事が叶ってしまったら、地球規模で欲しいものがなんでも手に入ってしまい、こんな嬉しいことはないだろう。

ところがどっこい、こんなつまらない話の中でも、願いが叶ってしまうことの悲劇が多く語られる。それどころか、この映画の願いは叶う毎に悲劇が必ず付いてくるというおまけつきだったから始末に負えない。自分の欲しいもの、願い事のせいで、身近な他人に大きな迷惑又は死さえも降り掛かってきては、さすがの主人公もこのツボを手放したくなってしまうのだ。

よく宝くじで大金を手にした人の不幸の物語が語られるけれど、不幸が来たっていいから宝くじに当たった方がいいと考える人は多いに違いない。そうやって、あれも欲しい、これも欲しいと欲望をむき出しにして人生を生きたって、結局は100年も生きられずに宇宙の塵にもならない存在になってしまうのが普通の人々の人生なのだから、はかないものだ。

『依頼人』(The Client)

1994年・アメリカ 監督/ジョエル・シュマッカー

出演/スーザン・サランドン/トミー・リー・ジョーンズ/ブラッド・レンフロ/メアリー=ルイーズ・パーカー

2作続けて少年が主人公のような映画だった。ジョン・グリシャムの小説『依頼人』を映画化したもので、原作者のグリシャムはこの映画の出来に大変満足し、『評決のとき』(A Time to Kill・1996年)の映画化に当たっては同じワーナー・ブラザース製作でジョエル・シュマッカー監督、スタッフもほぼ同じ面々を希望したという。アマゾン・プライムでの現在の邦題は特になく、「The Client」というタイトルだけで勝負している。

アメリカ独特の法規範が随所に現れて、日本の法律すらよく知らない観客を惑わせる。地方検事が手柄を立てて州知事に立候補するという構図は何度も目にする。証人保護システムという極く当たり前のようなことですら、日本ではきいたことがないなぁ、といつも感心させられる。建前と本音を使い分ける日本の社会構造は、当たり前に良いと思われることですら何十年もしないとシステムとして実現しない。

訴訟大国と言われるアメリカでは、正義についての解釈もだいぶ違うようだ。とりあえず訴えを起こしてから物事を解決しようとするアメリカ型、話し合いをして解決しようとするも上手く行かないと分かったら訴えを起こす日本型。当然、日本型は示談が成立し難い。アメリカ型は示談の確率が圧倒的に多くなる。勝訴の場合の金額の多寡もまったく違い過ぎる。弁護士費用すら出せないような判決金では裁判を起こす人も圧倒的に少なくなるのが日本型である。

『マーキュリー・ライジング』 (Mercury Rising)

1998年・アメリカ 監督/ハロルド・ベッカー

出演/ブルース・ウィリス/アレック・ボールドウィン/ミコ・ヒューズ/シャイ・マクブライド

FBIシカゴ支局のアート・ジェフリーズ特別捜査官は潜入捜査のベテランである。自ら潜入していた過激な民兵の一味が銀行にて人質立てこもり事件を起こした際、アートの警告を無視してFBIが強行突入をした結果、銃撃戦が起こったためメンバーの一員だった少年が射殺される。アートは怒りから強行突入を命令した上司を殴ってしまい、罰としてポジションを外され、一般事件の捜査に配置換えされる。

所轄警察署の要請で、アートは無理心中事件に臨場する。だが、アートは無理心中ではなく何者かによる殺人事件と断定。殺された夫婦の息子で、押入れから発見された自閉症児のサイモンを入院させ、所轄署に保護を命じた。しかし、アートが病院を訪れると、所轄署は引き上げていた。異変を察知したアートはサイモンを連れて病院を出ようとするが、医師に扮した暗殺要員ピーターが二人を追いかけてくる。銃撃戦の末に病院から脱出したアートとサイモンは、パズルの本を開く。そのパズルは、「マーキュリー」というNSAのニコラス・クドロー率いる開発チームが作り出した暗号システムで、本来なら誰も解くことのできないものだった。それを最終チェックとして、クドローの部下レオとディーンが無断で一般雑誌に掲載したところ、サイモンが解読してしまっていた。解読されたということは暗号システム開発プロジェクトの失敗を意味するため、出世を目指すクドローはそれを隠蔽しようとし、サイモンはクドロー配下の暗殺要員から命を狙われていたのだった。

アートは同僚のトミーに協力を依頼して、サイモンを連れて彼の自宅に戻る。サイモンは自宅の電話からレオとディーンの元に電話をかけ、二人はアートにマーキュリーを用いた伝言を残す。アートはサイモンが解読したマーキュリーからディーンとの接触場所に向かい、彼からクドローの策謀を伝えられる。しかし、そこにピーターが現れディーンを射殺する。アートは街で出会ったステイシーにサイモンの保護を頼み、トミーに証人保護プログラムをサイモンに適用して安全を確保するように依頼する。一方、レオは恋人のエミリーの協力を得てクドローを上院監視委員会に告発しようとするが、告発文を作成した直後にピーターに射殺される。(全て Wikipedia より引用)

『日々と雲行き』(Giorni e nuvole)

2007年・イタリア/スイス/フランス 監督/シルビオ・ソルディーニ

出演/マルゲリータ・ブイ/アントニオ・アルバネーゼ/ジュゼッペ・バッティストン/アルバ・ロルバケル

夫の突然の失業によって危機に陥った中年夫婦を描いたストーリー。製作国は3か国になっているけれど、舞台はイタリアだからノー天気な人生物語かなと思っていたら、結構深刻な内容だった。どうにかなるさ、というイタリア人気質はとくひつされるものだけれど、いい歳になって経営していた会社を追われた身の主人公にとっては、そんな悠長なことを言っていられないようだった。

42歳で後先を考えずにヘラルドを辞めた自分の過去に照らし合わせると、主人公や家族の状況が手に取るように理解できて複雑な気持ちになった。今まで送って来た生活のレベルを落とすのはそれなり以上の苦労がある。慣れてしまえば年収が半分になったとしても、なんとかやっていけるものだが、最初の半年をどう乗り切れるかが問題だ。

働かなくても食っていけるならこんな幸せなことはないだろうと思うが、やらなければいけないことがないというのはそれなり以上に辛いことだ。ただ時間をつぶして人生を生きているのなら、そんな人間は死んでしまった方が世の中にとっても。他人や世間のためになることが出来なくなった時を考えるとお先真っ暗・・・・・。

『恋の法律』(LAWS OF ATTRACTION)

2004年・アイルランド/イギリス/ドイツ 監督/ピーター・ハウイット

出演/ピアース・ブロスナン/ジュリアン・ムーア/マイケル・シーン/フランシス・フィッシャー

離婚訴訟弁護士の二人、一度も敗れたことのない弁護士と勝ち続けている弁護士が法廷で争ったらどうなるのだろう。一見面白そうな話だが、掘り下げが浅く、二人の言っていることも頭の中に入ってこない。字幕スーパーの露出時間が短く、最後まで読めないのに次のセリフが現れてくるので往生した。

いい男といい女がおもしろい話を演じているのに、何故か映画はおもしろくない。日本での劇場未公開らしいが、映画関係者は見る目があるのだろう。みすみす公開して損を抱えることもない。それにしても弁護士とは不思議な職業だ。手練手管を繰り出して、無いことを平然とのたまう。口の達者な人が言うことが正義なのだから始末に負えない。

神は真実を見ているのに、どうして平気で嘘を認めてしまうのだろうか。法と証拠に基づいて人間が人間を裁くのが裁判だが、これに神の眼が加わることが出来たら、どれだけ人間生活は安寧になるだろうか。そうでもしなければ、冤罪と言われる事柄もなくならないだろうだろうに。

『ムービング・ロマンス』(A Moving Romance)

2017年・アメリカ 監督/W・D・ホーガン

出演/アンビル・チルダーズ/キーガン・アレン/ジム・オヘア/ロミー・ローズモント

テレビドラマで充分な軽い映画。こう書くとテレビドラマを下に見ているようだがその通り。予算や、準備規模、どれをとったって映画製作に勝てるわけがない。おもしろければ、ちゃっちさは気にならないが、残念ながらテレビ映画のちゃっちさは、出来の悪さ以上に気になる。お茶らけたバラエティー番組で馬鹿なことをやっている直後にシリアスな内容を凝視できない。テレビドラマの途中で入るCMに主人公と同じ人物が同じ顔をして同じ声でコマーシャルをしていることが赦せない。

デザイナーとして華々しく活躍していたはずが突如解雇されてしまった女性。故郷に帰った彼女を待っていたのは、父が経営する会社の買収話だった。次々とライバル会社に顧客が奪われていく中、果たして起死回生できるのか?挫折しながらも前に進む姿を描く感動のサクセス・ストーリー!(Filmarks 映画より)

娘が働いていたのはニューヨーク、帰って来た実家はロサンゼルス、このあたりにもアメリカでの二つの都市の立ち位置が微妙に脳裏の笑いを誘っているに違いない。感動のと書くほどの映画ではない。軽い軽いストーリーで、3時のおやつを食べているような軽さが、逆に売りだと思えるのは映画人の眼だからかもしれない。

『アンダーカバー・エンジェル 守護天使』(Undercover Angel)

2017年・アメリカ 監督/スティーヴン・モンロー

出演/ジュリアン・クリストファー/マット・エリス/ライラ・フィッツジェラルド/ブリトニー・アーヴィン

天使物語だった。さすがにキリスト教国アメリカ、天使にまつわる映画は結構つくられている。天使は生きている人間に優しい。それが相場となっている。時には意地悪をすることがあるが、総じて一人一人の人間を見守っているというのが天使の役割のようだ。

この映画の天使はちょっとどじな男。彼に指令を伝える天使の部長みたいな天使も、髭の生えたむつけき男なのがおかしい。ストーリーは超三流、どんなに頑張ったってお涙頂戴のいい話になるわけがない。ご愛敬に天使が望んでいた人間に成ることが赦されて、めでたしめでたし。

死後の世界もそうだが、天使がいるかどうかは分からない。おそらく何かしらの女神はきっといるに違いないが、人間の眼には見えないだろう。そんな影が目の前にたくさん現れてしまったら、交通事故が多発してしまう。望みは美しい心にもたらされ、願いは清らかな思いにやってくると言っておこう。

『マイ・ブラザー 哀しみの銃弾』(Blood Ties)

2013年・フランス/アメリカ 監督/ギヨーム・カネ

出演/クライヴ・オーウェン/ビリー・クラダップ/マリオン・コティヤール/ミラ・クニス

最初のうちは邦題のサブタイトル「哀しみの銃弾」という文言が安っぽくて、どうにもやりきれない映画鑑賞だなぁという雰囲気が嫌だった。単なるギャング映画のように見えたのには参った。このサブタイトルがなければ、この映画のいいところが最初から見えたに違いない。なかなかいい映画だった。

犯罪を繰り返しながら大人になって今も服役中の兄貴と、品行優秀で今や刑事として警察署で評判の高い弟の物語だった。原題の「Blood Ties」は血のつながっている兄弟のどうしようもない絆を現わしている。そう思うと、この映画の見所が増えてくる。自分も男兄弟3人で育っているので、なんとも言い難い兄弟の思いがよく伝わって来た。

不思議だよね。血が繋がっているというだけで、十分な関係が構築される。血が繋がっていない人が多い社会では、生きていく中でそんなことがこれほど重要な要素になるとは、頭の中だけでは理解できない事柄だ。アメリカのように養子縁組が多い社会では、子供のころから一緒に育てられれば、それはファミリーという絆で結び付いているのだろう。そういう理屈が理解できていれば、もっと血のつながっていない他人にも優しく、寛容になれるはずなのだが、人間の心の在り方はそれ以上に複雑なものなのかもしれない。

『ミッション・ワイルド』(The Homesman)

2014年・アメリカ/フランス 監督/トミー・リー・ジョーンズ

出演/トミー・リー・ジョーンズ/ヒラリー・スワンク/ジェームズ・スペイダー/メリル・ストリープ

日本では劇場未公開。19世紀のアメリカ中西部の開拓地ネブラスカ。小さな集落で暮らす独身女性メアリーは、精神を病んだ3人の女性をアイオワの教会まで連れて行く役目「ホームズマン」に志願、約400マイル(650km)の長い旅に出発する。その途中、メアリーは1人の男が木に吊るされているのを見つける。その男はブリッグスという悪党で、まもなく処刑されることになっていた。メアリーは旅に同行することを条件に彼を助ける。こうして孤独な女と大悪党の長い旅が始まるが、その行く手には、地獄と例えられ生きて帰ることもままならない危険な荒野に、過酷な気候や凶暴な先住民、盗賊などの様々な試練が待ち受けていた。(Wikipediaより)

トミー・リー・ジョーンズは、2012年8月からは「BOSSコーヒー20周年」とソフトバンクモバイルの「プラチナバンド開始」の共同キャンペーンの一環として、「宇宙人ジョーンズ」と「白戸家」両シリーズのコラボレーションCMにも出演している。大した俳優だなんて日本の若い人は知らないだろう。アメリカの俳優は自国のコマーシャルに出ないと言われている。外国のCMならそんな顔をさらけ出さなくて済むから、せっかくの映画出演の時のために顔を温存できると知っている。そこらあたりが、プロの役者であるアメリカ人の考え方が凄い。もっとも、CMに出なくても映画ギャラだけで充分過ぎる金額を稼げていることが最大の理由かもしれない。

西部劇時代のストーリーではまず観たことのない物語。話はおもしろいけれど、所詮はそれ以上にはならない辛さがある。時々おもしろくなるけれど。メリル・ストリープが最後のシーンにちょい出している。友情出演だろうか。妙に肉の付いた顔立ちに時代性にはない違和感だけが残った。

『嘘を愛する女』

2018年(平成30年)・日本 監督/中江和仁

出演/長澤まさみ/高橋一生/吉田鋼太郎/DAIGO/川栄李奈/黒木瞳

TSUTAYA CREATERS'PROGRAM FILM 2015のグランプリ作品。監督は多くのCMを手掛けるCMディレクターの中江和仁。「夫は だれだった」という朝日新聞の記事から着想を得、実話を元にした物語。キャリアウーマンの主人公は、恋人と同棲して5年。そんなある日、恋人が倒れたと警察が知らせに来た。病院へ向かうとくも膜下出血で昏睡状態になった恋人がいた。すると警察は彼の免許証が偽造されたものだと言い出す。主人公は私立探偵を雇い、恋人の真実を探ろうとするが…。(Wikipediaより)

かったるい日本映画を久しぶりに観たという感じ。CMディレクターの作る映画映像は、妙に景色や構図が目障りなものだが、この作品はそこまで酷くない。それでも、アメリカ映画に比較してしまえば、ストーリーのテンポがあまりにも気怠い。テンポよく軽快にしてしまうと、今度はテレビドラマのような薄っぺらさが表に出てきてしまう。所詮、玄人一歩手前の製作物なのかもしれない。

テレビで見るお茶らけた役者が堂々と映画に出ている。興醒めの第一歩を自ら作っているのが赦せない。長澤まさみの顔立ちは好きだったのに、この頃顔立ちが違って見える。よくよく見るとおばさん顔だけれど、若いうちはこれでいいよね、年取ったらこのおばさん顔が顕著になって行くのだろうな。と思っていたのに、いつのまにかただ美しさを醸し出している顔立ちになってしまった。味が無くなっていて詰まらない。

『Viva!公務員』(Quo vado?)

2015年・イタリア 監督/ジェンナーロ・ヌンツィアンテ

出演/ケッコ・ザローネ/エレオノーラ・ジョバナルディ/ソニア・ベルガマスコ/マウリツィオ・ミケリ

昔のイタリア共和国を- 僕らは決して忘れない 昔のイタリア共和国を- 君は知ってるかい? 芝生で踊りまくる40歳の年金生活者 たったの10年空軍で働いただけ 足が悪いはずの守衛は跳びまわり 口が利けない用務員は歌い出す 職員が風をひけば アバノ温泉で4か月湯治休暇 爪が食い込んだ程度で 生涯貰える障害年金

主人公は映画の後半でこうやって歌を歌いイタリアの人生生活を大いに揶揄する。「俺はどこへ行く?」という原題は、公務員である主人公がリストラにあい、それでも退職することを拒否して転々と生活し難い場所に配置転換されていく様を言っている。公務員天国はラテン国の最大特徴かもしれない。お隣のギリシャの騒動はいつも世界のニュースを賑わしている。

それでも思う。一度っきりの人生を苦しみながら生きたって何の意味もない。ノー天気に人生を謳歌しているイタリア人が羨ましい。独特の笑いがあるイタリア・コメディの真骨頂。隣人がイタリア人だったら迷惑で滅茶苦茶になりそうだが、第三者的に眺めれれば天使のようにも見える。滑稽な人間の人生を苦虫を噛んでいきていきますか?と問いかけれれているのかもしれない。

『ラスト・クリスマス』(Last Christmas)

2019年・アメリカ 監督/ポール・フェイグ

出演/エミリア・クラーク/ヘンリー・ゴールディング/ミシェル・ヨー/エマ・トンプソン

ワム!が1984年に発表した同名の楽曲に触発された作品である、という。80年代の洋楽なら私でも聞いたことがある。心地良い音楽だ。ちょっと季節外れの映画みたいになってしまうが、この映画の中に出てくる店も一年中クリスマス商品を扱う店なので、敢えて季節をどうのこうのと言わなくてもいい時代なのかもしれない。

アメリカ映画であるが、舞台はロンドン、クリスマス・ショップの店主は中国人、主人公の前に現れる青年はマレーシア人とちょっと毛色の違う映画になっている。そうそう、主人公と妹、両親とも旧ユーゴスラビアから逃れて来たということになっていた。なんと国際色豊かに鏤めた人物たちだろうか。

最後の方まで主人公が心臓移植を受けていたという事実は明かされていない。それゆえ、ストーリー展開に読めない不可解な部分が多すぎて、この映画はいったい何?!と、突っ込みを入れてしまった。話の長い人の典型のようにも見える。肝心なことを一番最初に言ってしまえば、あとの物語をゆっくり聞こうという気になれるのに、だらだらと最初から物事を説明して行く人には自分の頭を整理してから喋り始めなさい、と忠告をしたくなる。

『イエスタデイ』(Yesterday)

2019年・イギリス 監督/ダニー・ボイル

出演/ヒメーシュ・パテル/リリー・ジェームズ/ケイト・マッキノン/エド・シーラン

ファンタジー・コメディ映画。ビートルズのあの「イエスタデイ」が題名だ。そればかりかビートルズの楽曲が次から次へと歌われる。世界規模で12秒間の停電が発生後、世界は史上最も有名なはずのバンド「ビートルズ」が存在しないことになってしまっていた。彼らの名曲を覚えているのは、世界で主人公唯一人だけであることに気づく。主人公はこれを利用して、ビートルズの曲を歌って成り上がろうとする、という他愛ない話。

高校1年生の頃だったろうか、ちょうど実家の電気屋さんにレコード・コーナーが出来ていた。ベンチャーズのレコードも全盛だった。それこそ擦り切れるほど聞きまくったビートルズのLP、電気屋さんでなかったとしてもあれほど熱中できるものに出逢っていただろうか。ジャズも少し聞くようになっていたが、ビートルズほど自分の音楽人生を豊かにしてくれたものはなかった。

ちょっときわどいビートルズの扱い方だが、なかなか軽いタッチでストーリーが展開してくれた。ほとんどの曲を知っているというのも嬉しい。今の若い人たちがどれほどビートルズに傾倒しているのかは分からない。10人のグループだってハモることもなく単一のメロディーを歌うことが一つの価値観になっている時代の人たちに、音楽の奥の深さの一端も理解できないだろうと馬鹿にしてしまう。軽くてちょうどいい、このクソ暑い毎日には。

『ドローン・オブ・ウォー』(Good Kill)

2014年・アメリカ 監督/アンドリュー・ニコル

出演/イーサン・ホーク/ジャニュアリー・ジョーンズ/ゾーイ・クラヴィッツ/ジェイク・アベル

2001年9.11以降 米軍は対テロ戦争に攻撃型無人機を使用 これは「標的殺人」が最も激化した2010年の物語である 事実に基づいている(BASED ON ACTUAL EVENTS.)アメリカから12,000キロ離れたアフガニスタンの上空3,000キロに無人攻撃機が。

ラスベガス近郊のアメリカ空軍基地に置かれた空調の効いたコンテナの中では、主人公が遥か一万キロ彼方のアフガニスタン上空を飛ぶMQ-9 リーパー無人攻撃機を操縦し、モニターに映るタリバン兵をヘルファイアミサイルで音も無く吹き飛ばしていた。戦闘機パイロットだった主人公は命の危険は無いが戦っている実感が伴わない任務や基地と自宅を日帰りで往復する日常に拭い切れない違和感を抱いていたが、彼の操縦の腕を買っている上司の意向もあって異動願いはなかなか受理されず、新たに配属された女性操縦士のCIAが主導する対アルカイダ極秘作戦への異議の言葉も加わって、次第に彼は精神的に追い詰められていくようになる... (Wikipediaより)

アメリカだって一枚岩ではないことは分かっているが、非戦闘員と認識しながらも上官の命令の名のもとに、一般人も含めた現地人が無残にも爆破されてしまう映像は、本当なのかと自分の眼を疑うようなシーンの連続だ。おそらくこれは真実なのだろう。主人公のやりきれない気持ちがこちらにも伝わってくる。今日は2020年9月1日。

『ナチス第三の男』(HHhH、The Man with the Iron Heart)

2017年・フランス/イギリス/ベルギー 監督/セドリック・ヒメネス

出演/ジェイソン・クラーク/ロザムンド・パイク/ジャック・オコンネル/ジャック・レイナー/ミア・ワシコウスカ

第二次世界大戦中、その冷徹極まりない手腕から「金髪の野獣」と呼ばれナチス親衛隊No.2となったラインハルト・ハイドリヒを描いた映画。国家保安本部(RSHA)の事実上の初代長官。ドイツの政治警察権力を一手に掌握し、ハインリヒ・ヒムラーに次ぐ親衛隊の実力者となった。ユダヤ人問題の最終的解決計画の実質的な推進者であった。

ホロコーストのことは何度聞いても調べても、おぞましさだけがおそってくる。平然とそれをやってのけたその時のドイツの政権は、やっぱり相当異常だったのだろう。それでも、国民は反対していたのかと言えば、ヒットラーの演説や姿に狂喜乱舞している映像が残っている。独裁者だと責任を押し付けられるほどの単純な社会的、歴史的背景でもなかった。

この映画はハイドリヒというドイツ人に照明が当てられているはずだが、それ以上に反対勢力であるレジスタンス活動に脚光が浴びせられている。どんなに極悪非道のことをしようとも、妻も子供もこの時代に優雅に過ごしている光景は、人間社会の光と影を目の当たりにするようだ。長いものには巻かれなければいけないのだろう、人間生活。

『名もなき塀の中の王』(Starred Up)

2013年・イギリス 監督/デヴィッド・マッケンジー

出演/ジャック・オコンネル/ベン・メンデルソーン/ルパート・フレンド/サム・スプルエル

19歳の少年がその暴力性を問題視されて、少年院から成人刑務所へと移送されてくる。そこで彼は、幼い頃に生き別れた父親と再会する。終身刑で収監されている父親は「ここで生き残りたければ目立つな」とエリックに助言するが、エリックは耳を貸そうとしない。ロンドンの刑務所で実際に囚人相手の心理療法士として働いた経験を持つジョナサン・アッセルの脚本をもとに、少年院から成人刑務所に移送された19歳の不良少年が刑務所内で再会した父親や心理療法士との対話を通じて成長していく姿を描いている。

結構衝撃的な内容だった。反抗期がどうのこうのと甘っちょろい論議をしている日本的な環境と、成熟しているがゆえに後から後から湧きおこるイギリスの犯罪社会や刑務所生活が、ちょっと馴染めないというか、観ていてあまりいい感じはしない。他人ごとなのだから、もっと単なる映画だと割り切れればいいのだろうが、そこはそれ、親子の情だったりが刑務所の中で発揮される異常さに驚きを隠せない。

親子って何なのだろうと改めて思う。子供が物心のつかない頃から一緒に暮らしていれば、敢えて告白しない限りたとえ親子でなくても家族としての意識をもって人生を全うすることさえ可能だろう。ホントの親子なのに、いがみあって嫌い合って、何の楽しみも見出せないで毎日を生活している人もいるだろう。だからこそ、それを司る人間社会の規範や個人主義の拠り所などを明確に確固たる自分自身に植え付けなければ、何のために神に遣わされた人間なのかを見失ってしまうに違いない。

『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』(Stonehearst Asylum)

2014年・アメリカ 監督/ブラッド・アンダーソン

出演/ケイト・ベッキンセイル/ジム・スタージェス/マイケル・ケイン/ベン・キングスレー

エドガー・アラン・ポーが1845年に発表した短編小説「タール博士とフェザー教授の療法」を原作としている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには52件のレビューがあり、批評家支持率は54%、平均点は10点満点で5.5点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「熱烈なホラー映画ファンにとって、『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』は十二分以上に面白い作品である。しかし、そうではない人たちにとっては実につまらない作品であろう。」となっている。

確かにおもしろい題材だけれど、映画そのものの進行は詰まらない。ちょっと飽きがくる。精神病院を昔は気狂い病院と言った。少なくとも私が暮らしていた小さな田舎町ではそうだった。今や、放送禁止用語のように漢字変換すらされない気狂いという言葉、腫れ物に触らずといった風潮が日増しに大きくなっている。

もっとも、この精神病院のように患者が病院を乗っ取ってしまい、医師や看護師は地下室に幽閉されてしまっている状況では、新任医師がどちらが正常で誰が患者なのかさえ見分けが付かなくなってしまう。現実社会だってそうだ、いっぱしの紳士然ぶった輩が、実は社会不適合者で突然気が狂ったように世の中に迷惑をかけるなんていうことは日常茶飯事になっている。「あの人がとても・・・」なんていう褒め方は、いかに自分が他人を評価できていないかにしか他ならない。価値観の多様化ばかりではなく、社会そのものの大きな変化と共に、人間一人一人も大きく変わって行かなければ、社会から取り残された輩の集団になってしまいそうな日本である。

『ノア 約束の舟』(Noah)

2014年・アメリカ 監督/ダーレン・アロノフスキー

出演/ラッセル・クロウ/ジェニファー・コネリー/レイ・ウィンストン/ダグラス・ブース/エマ・ワトソン

ノアの方舟(ノアのはこぶね、英語: Noah's Ark)は、旧約聖書の『創世記』(6章-9章)に登場する、大洪水にまつわる、ノアの方舟物語の事。または、その物語中の主人公ノアとその家族、多種の動物を乗せた方舟自体を指す。「はこぶね」は「方舟」のほか、「箱舟」「箱船」などとも記される。北アメリカでは2014年3月28日に2D及びIMAXで封切られた。また一部の国々では変換(英語版)した3D及びIMAX 3Dでも上映された。2014年度(第35回)ラジー賞においては最低監督賞、最低スクリーンコンボ賞、最低脚本賞、最低リメイク・盗作・続編賞の4部門でノミネート候補リストに入った。(Wikipediaより)

この手の話は苦手だ。ノアの箱舟と聞いても、あくまでもイメージだけで、それを説明しなさいと試験に出ても一言も答案紙に書けない。どこかで映像らしきものを観たことがあるが、あれは映画の映像だったのか、それともいつか見た夢の話だったのか。

神の存在が際立っている話。宗教心のない自分にとっては、自分のための神は存在するが、人類のための神は何処にもいない。映画の主人公は神に選ばれし者、神に言われたことを頑なに実行しようと、人間であることを捨ててしまうところが凄い。どこまでも非情になれるその精神力は、ある意味現代に生きる人間に一番求められる要素の一つかもしれない。

『サムライせんせい』

2018年(平成30年)・日本 監督/渡辺一志

出演/市原隼人/忍成修吾/押田岳/武イリヤ/西村雄正/松川尚瑠輝/螢雪次朗/永澤俊矢/奥菜恵/橋爪功

原作は漫画作品。幕末から現代にタイムスリップした侍・武市半平太が、現代文明に困惑しながら、学習塾の先生として慕われるストーリー。なんか観たことがあるなぁ、と思いながら観ていた。どうも、2015年10月23日から12月12日までテレビ朝日系の金曜ナイトドラマ枠で放送されたテレビ・ドラマをちょっと見たのかもしれない。

タイム・スリップものは現代から過去や未来に跳ぶケースが多いが、この物語は江戸時代から現代にやってくるはなし。明治維新から150周年経ったことを記念して製作された作品だという。そう、まだ150年しか経っていないのだ。その前はちょんまげと刀の時代だったなんて、これから150年後の世界が見てみたいと。

坂本龍馬もタイム・スリップしていて彼は6年前に現代に現れて東京に住んでいるという。漫画らしい発想で、このあたりはおもしろい。6年も現代に住んでいると、もうスマホを使いこなし車さえ運転できる。こちらに来たばっかりの武市半平太は着物を着てまだちょんまげを結っている。タイム・スリップには夢がある。もしかすると、自分も何処からかのタイム・スリッパーかもしれないなどと考えたことはなかったが。

『トゥ・ヘル』(Between Worlds)

2018年・アメリカ 監督/マリア・プレラ

出演/ニコラス・ケイジ/フランカ・ポテンテ/ペネロープ・ミッチェル/リディア・ハースト

五流映画だった。今までもこの手の映画に出逢うと、五流映画は意外とおもしろいよということを書いてきたような気がする。ニコラス・ケイジはどこにでも顔を出すアメリカを代表する役者になったようだ。この邦題はどう考えても原題からとったものではなかろうと想定していた。なんといってもこんな言い方を題名とする英語圏の人はいないだろう。

一種のサイコ映画のようなものだった。他人に乗り移ってしまうやり方はずるい。気分のいい映画ではなかったので、五流映画のおもしろさを感じられなかったのが残念。最後まで観続けるのは苦しかったが。なんとか最後まで辿り着いたというのが正直なところ。

自分だけならまだしも、好きでもない他人の機嫌を考えながら生きていくなんて、とてもじゃないけど自分には出来るはずもない。生きているのがそんなにつらかったのかなぁ、三浦春馬、そんなことを急に考えてしまった。

『コード211』(211)

2018年・アメリカ 監督/ヨーク・アレック・シャクルトン

出演/ニコラス・ケイジ/コリー・ハードリクト/マイケル・レイニー・Jr./オリ・フェッファー

数多くの映画に出演しているニコラス・ケイジの映画は、なんていうことのない映画内容も多い。とってつけたような銀行強盗とそこに出くわしたパトロール・カーに乗る警察官二人、学校での暴力沙汰から謹慎処分として1日パトカー同乗という初めて聞いたアメリカのシステムが興味あった。

アメリカの大統領やその周りの取り巻きは全員黒いマスクを着けている。普段は悪者や強盗のイメージが強いから決して着用しないマスクを、いざしなければならなくなった時に、わざわざ強盗が使うような色のマスクを使用する背景にはアメリカ人の頑固さが見えてくる。

白いアジア人のしているようなマスクは嫌だと思っているのだろう。スカーフを首から口・鼻まで覆う強盗スタイルをMLBの全員が採用している。このあたりは教育ばかりではなく、昔から続いて引き継がれているDNAの為せる技かもしれない。世界の警察だと豪語していたアメリカ合衆国、今や新コロナウイルスのるつぼになってしまいそうな勢いが止まらない。

『メッセージマン』(Message Man)

2018年・インドネシア/オーストラリア 監督/コーリー・パーゾン

出演/ポール・オブライエン/ベルディ・ソライマン

三流作品。独りよがりで何が何だか分からずに進行する。平気で人を殺すし。舞台はインドネシア・ジャカルタ。東南アジアの匂いが漂ってくる映像が、なんとなく東洋人の脳を刺激する。もう少しアジアの国々を回っておけばよかったな、と思うけれど、優先度とすればヨーロッパ・アメリカとなり、せいぜい何度も行った香港での美味しいご飯だけが心の奥底に漂っている。

アクションもので一番気になるのは、あまりにも出来過ぎた設定の連続だということ。ザコは簡単に死んでいくけれど、主人公クラスは拳銃の弾が当たらないし、なかなか死ぬこともない。カンフーのような格闘技でさえ、殴られても殴られても倒されることはない。漫画の焼き直しのような映像が気になる。

テーマは悪を滅ぼすための無情な殺戮とでも言っていいだろう。世界共通の女・子供に対する愛情の深さが映像でも表現されている。他人に対する慈悲深い心根は、小さい頃からの教育の賜物かもしれない。薄っぺらな宗教心もない日本人の心の闇は、こういう世の中の非常事態のシーンで馬脚を露している。

『バックトレース』(Backtrace)

2018年・アメリカ 監督/ブライアン・A・ミラー

出演/ライアン・グスマン/シルヴェスター・スタローン/メドウ・ウィリアムズ/クリストファー・マクドナルド

シルヴェスター・スタローンの映画をきちんと見たのは1本か2本くらいだろうか。この映画の時はもう72歳、それでなくても聞きにくい彼のセリフ回し、たとえ英語がちゃんと喋れていたとしても、この活舌の悪さはどうしようもない。それこそ英語の字幕スーパーを欲する人が多いに違いない。

彼は地方の警察の警部、見た目にはどう見たってその反対側、極悪非道の悪人にしか見えないのは御愛嬌と言えるのだろうか。この頃の映画製作は、フィルムなんていうアナログは一切なく、いきなりハードディスクに撮ってそれを編集し、劇場でもそのデジタル映像を使って映写する方式が全てになってしまったようだ。現役時代のように映写室に入ってフィルムが映写される場面を見る事が無くなった今、どんな風に映画が映写されているのか観てみたい欲求にかられる。

銀行強盗のひとりだけが生き残って、その犯人も記憶喪失になってしまったというあたりがキモ。映像とセリフが陳腐でなかなか乗れない。最後まで観ていくと、ようやくほっとするシーンに出会うことが出来て、ようやく我慢をして観ていた甲斐があったと安堵する。それにしてもスタローンに昔の華やかなスターのイメージはない、と断言しておこう。

『逃走車』(Vehicle 19)

2013年・アメリカ/南アフリカ 監督/ムクンダ・マイケル・デュウィル

出演/ポール・ウォーカー/ナイマ・マクリーン/ジス・ドゥ・ヴィリエ/レイラ・エイドリアン

仮釈放中のアメリカ人のマイケルは、別れた妻アンジーとよりを戻したいため、南アフリカ共和国のヨハネスブルグまで逢いに来る。空港で予約と違う車が手配されていたが、取り替えに時間がかかると思い先を急ぐ事にした。途中マイケルは、車内で携帯電話と拳銃を発見する。その携帯に、とつぜん刑事を名乗る男から電話があり、手違いで車が入れ替わったので、すぐに交換してほしいと言う。マイケルは、指定された場所に向かう途中、後部座席の奥に縛られ気を失っている女を発見する。彼女はレイチェル検事と言い、組織的な人身売買の犯罪を警察所長のベンローズがやっている証拠をつかんだと言う・・・・・(Wikipediaより)

アクション映画というか、カーチェイス映画だろうか。Wikipediaに引き続きおもしろい情報が載っていた。---撮影は、全編がポール・ウォーカーが乗り込む車内搭載カメラで撮影されている。したがって車の中から見たアングルでストーリーが続き、場面もほとんどは車の中である。なを、この映画で初めてプロデューサーを務めた主演のポール・ウォーカーは、作品が公開された2013年に交通事故で死亡している。公式に制作に関わった映画はこの作品だけとなる。

途中寝てしまったがいつもの如く観直す気はなく、これでいいのだ、と楽しかった後半を味わった。最初のクレジットにアラビア語のような文字が見えたのでアメリカ映画だとは思わなかった。でも結局はアメリカ映画だよね、と感じていたらやっぱりアメリカ映画だったので、ちょっと妙な気持ち。

『シンクロニシティ』(Synchronicity)

2015年・アメリカ 監督/ジェイコブ・ジェントリー

出演/チャド・マックナイト/マイケル・アイアンサイド/ブリアンヌ・デイビス/AJ・ボーウェン

シンクロニシティ(synchronicity)とは、ユング(カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung、1875年7月26日 - 1961年6月6日)は、スイスの精神科医・心理学者。ブロイラーに師事し深層心理について研究、分析心理学(ユング心理学)を創始した。)が提唱した概念で「意味のある偶然の一致」を指し、日本語では「共時性」「同時性」「同時発生」と訳される。例えば、虫の知らせのようなもので因果関係がない2つの事象が、類似性と近接性を持つこと。ユングはこれを「非因果的連関の原理」と呼んだ。(Wikipediaより)

SF、近未来、タイム・マシーンを核に持つストーリー。題材は極めて興味があるしおもしろいものだが、現実の映像表現では、どうにも難し過ぎて理解するのが困難と思われる。この頃の映画映像は暗さが目立っており、風景や光景人物さえも明確に把握できない。製作費が抑えられるからと暗い画面ばかりでは反吐が出る。

デジャブのような映像の繰り返しは好ましくない。結局同じことの繰り返しにしか見えなくて、映画のおもしろさを削減している。シンクロニシティを調べていたら、乃木坂46のアルバムに「シンクロニシティ(2018年・J-POP)」があることが分かってちょっと複雑な心境。グループ自体の問題ではなく、芸能活動を作り上げていくスタッフたちの意識が高いのかもしれない。こんな難しい単語をよく使おうとした。アイドルに興味があれば、今回の映画鑑賞前に同題名だと気づくはずだ。

『ピクセル』(Pixels)

2015年・アメリカ 監督/クリス・コロンバス

出演/アダム・サンドラー/ケヴィン・ジェームズ/ミシェル・モナハン/ピーター・ディンクレイジ

久しぶりのアマゾン・プライムでの鑑賞だった。NASAは地球外生命体に向けて、1982年当時流行していたゲームの映像などを収録したメッセージを友好目的として宇宙へ打ち上げた。そして2015年。グアムのアンダーセン空軍基地が突如謎の攻撃を受け、あらゆる物質が立方体状のブロック(ピクセル)に変わりバラバラに分解、壊滅した。今回の攻撃は昔NASAが打ち上げたメッセージを見て“宣戦布告”と誤解した「ヴォルーラ星人」と名乗る異星人の仕業だということになるのだが、ちょっとオタク的な奇想天外な映画ストーリーだった。

テレビ・ゲームをこよなく愛している訳ではない私にとって、せいぜい「パックマン」というゲームくらいしか分からなかった。それでも一時代を築いたゲーム業界の産物は、想像以上に自分の頭の片隅に残っていることも感じられて、一人微笑んでいた。

アメリカ映画はどんなおちゃらけた物語でも一所懸命製作する。そこがいいところだろう。日本人は一定の割合で、ものごとを馬鹿にする傾向があったり、ある種の題材には蔑視しかしないことが珍しくない。ポルノ映画でさえアメリカ製作映画はすさまじい労力を感じ取ることが出来る。日本では全日本PTA連絡協議会のような圧力団体が大手を振って、この忌まわしい世界を無きものにしようと今だに齷齪しているのが現状なのだ。

『リスボン特急』(Un flic)

1972年・フランス 監督/ジャン=ピエール・メルヴィル

出演/アラン・ドロン/カトリーヌ・ドヌーヴ/リチャード・クレンナ/マイケル・コンラッド

シモンは表向きはパリのナイトクラブの経営者だが、実はギャングという裏の顔を持っている。ある時、シモンは仲間のルイ、マルク、ポールと大西洋に臨むある小さな町の銀行を襲撃、大金を強奪する。しかし、隙をつかれてマルクが撃たれ、負傷してしまう。一方、パリ警視庁のエドゥアール・コールマン刑事は、ある組織が税関とグルになって麻薬をリスボン行きの特急で運び出すという情報をキャッチする。そして午後7時59分、特急は運び屋を乗せてパリを出発した。シモンら3人はヘリコプターを使った作戦でその麻薬を横取りした。数日後、マルクの死体が発見される。シモンらに口封じされたのだ。コールマンはマルクの身元から犯人を割り出し、主犯がシモンであるとにらむ。仲間を次々と検挙したコールマンは、ついにシモンと対峙する。だが2人はかつて、堅い友情で結ばれた戦友同士だった…。(Wikipediaより)

映画の中で主人公の刑事が「警察署長」と呼ばれていた。ホントに署長なのだと思って観ていたがどうも違う。解説を読んで初めて確信が持てたが、署長というのは一種の綽名のようなものだったのだろう。さすがにアラン・ドロンと言えどもあの若さで署長はないだろうと。日本の上級国家公務員試験合格者は若くして税務署長や警察署長に就任して、ずーっと昔から続く悪しき風習を顔を顰めて国民がその報に接する。本人たちだって勘違いの人生をスタートさせているに違いない。

人間は、と大袈裟な表現をしてしまうが、所詮勘違いが得意な動物だ。それ以上に勘違いしなければ生きていけないような輩が結構存在することも事実だ。それで世の中がうまく収まるなら、勘違いなるものは大歓迎、ただその周りに暮らしている人たちの迷惑は夥しい。それもまた社会だとおおらかになれる人はいいが、普通の人々には容易ならぬ事態となってしまうのが辛いところだ。

『サムライマラソン』

2019年(平成31年)・日本 監督/バーナード・ローズ

出演/佐藤健/小松菜奈/森山未來/染谷将太/青木崇高/竹中直人/豊川悦司/長谷川博己

原作は土橋章宏による長編時代小説『幕末まらそん侍』、「日本のマラソンの発祥」とも称される史実「安政遠足」を舞台に、さまざまな事情を抱えて走る侍たちの悲喜こもごもが描かれている。話にちょっとだけ興味は惹かれるが、映画を観る限りはたいしておもしろい話ではない。映画もつまらない。

企画・プロデュースは、戦場のメリークリスマス Merry Christmas, Mr. Lawrence (1983年)、ラストエンペラー The Last Emperor (1987年)、を手掛けたジェレミー・トーマス、監督・脚本はバーナード・ローズ、音楽のフィリップ・グラス、衣装デザインのワダエミなど、アカデミー賞受賞歴を持つスタッフが名を連ねている。映画はおもしろくない。

登場人物も舞台も日本なのに外国人スタッフが主要人物というところが、おもしろくない原因の一番かもしれない。観ていて、監督が相当下手な奴だという印象が強くあった。日本人の心のうちを描かなければ、日本人の話にはならない。妙に淡々として、散漫な印象を受けてしまった。もともと話がおもしろくない物語をどうあがいたって面白く出来る訳はないか。

『影の軍隊』(L' ARMEE DES OMBRES)

1969年・フランス/イタリア 監督/ジャン=ピエール・メルヴィル

出演/リノ・ヴァンチュラ/ジャン=ピエール・カッセル/シモーヌ・シニョレ/ポール・ムーリス

時は1942年、第二次世界大戦が始まって3年あまり、この時誰もこの戦争が3年後の1945年に終結を迎えることを知る由もない。この映画はフランスのレジスタンスを描いたものだ。フランスのレジスタンスに関しては、多くの戦争映画で目にしてきたが、ここまで細かく描かれているものはないだろう。

邦題は原題のままの日本語訳になっているようだったが、どういう意味で影の軍隊という表現をしたのかが分からなかった。やっていることは敵であるドイツ軍と同じように、拉致、殺害、拷問、などなど、それこそ軍服を着ていないだけで闇にまぎれた行動は軍隊と全く何一つ変わらない、とでも言いたいのだろうか。

戦争映画を観ていつも思い出すのは、「夜と霧」という本である。滅多に本を読むことのない自分にとって、この本は人生を左右させるものだった。その時の筆者の心情を慮れば、胸が締め付けられる。ナチが何故あそこまでユダヤ人を排除したのか、何度調べても、聞いても理解できるものではなかった。そもそも戦争が悪いのだ、などと神のような言い草をする人がいたら殺してやりたい。戦争が悪いのではなく、それを行った人間が責められるべき事柄であることは明白である。

『まぼろしの市街戦』(Le Roi de Coeur)

1966年・フランセウ/イタリア 監督/フィリップ・ド・ブロカ

出演/アラン・ベイツ/ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド/ピエール・ブラッスール/フランソワーズ・クリストフ

第一次世界大戦末期、1918年10月、ドイツ軍は敗走していたとき、解放を待つ北フランスの小さな町での出来事。おもしろくなかった。また眠ってしまった。フランスのエスプリとやらがいつも通じない。イタリアのいい加減さはもっと理解できない。

精神病院の患者たちが主人公になってタイトルのまぼろしの市街戦となる。「きちがい」とタイプしても、気狂いと変換されることが無くなった。言葉そのものを悪者にして差別しているこの世の中がおかしい。もっとも、嘘を訂正せず、謝りもしない日本の総理大臣の有様を見ていると、なにが狂っていて何が正常なのかの判断さえ危うくしている。

人間一人一人は、自分がまさか他の人と異常に違っているなんて思っている人はいない。どちらかというと自分は普通の人で、他の人の方がちょっと考えも行動も違うのではないかとうすうす考えている。実は、そう考えている人がほとんどの実社会では、誰もが少しずつおかしいに違いない。だからこそ、他人の声に耳を傾け、他人の言うことに尊敬の念を抱きながら生活しなければいけないのだと思う。

『いのちの紐』(The Slender Thread)

1965年・アメリカ 監督/シドニー・ポラック

出演/シドニー・ポワチエ/アン・バンクロフト/テリー・サバラス/スティーヴン・ヒル

映画を観終わってこの項目を書くために題名を読んでみたら、なんと「いのちのきずな」だと思っていたのが大間違いで、「いのちのひも」だったなんて。先入観というものではなく、単に先走り読みとでも言うんだろうか、いのちのの後にくる言葉は「きずな」だと思い込んでいた節がある。漢字をきちんと見ていない。手書きのDVD袋だったことも遠因だったような。

私でも知っている監督シドニー・ポラックの第一回監督映画。それまでは、テレビシリーズを手掛けていたらしい。シドニー・ポワチエは1927年生まれで現在93歳、黒人俳優としての先駆者的存在のひとりで、男優としては初めてアカデミー主演男優賞を受賞した。知らない人はいないだろう、知らなければもぐりだ。アン・バンクロフトは、1962年の『奇跡の人』でアカデミー主演女優賞を受賞、印象深い映画だった。

この映画は、ちょっと回りくどい場面ばかりで飽きが来た。シアトルの自殺防止協会で働くアルバイト学生と大量の睡眠薬を服用し朦朧とした状態の自殺願望者との電話会話シーンがほとんど。短い上映時間の割にはかなり長く感じたのは何故だろう。おもしろくないわけではないが、やはり同じことの繰り返しに見えてしまったのだろうと。

『おかしなおかしな大追跡』(What's Up,Doc?)

1972年・アメリカ 監督/ピーター・ボグダノヴィッチ

出演/バーブラ・ストライサンド/ライアン・オニール/マデリーン・カーン/ケネス・マース

ここまでドタバタどたばた映画も珍しい。どうしてこんな風にドタバタになってしまうんだろうと考える暇もなく、次から次へと話が展開して行く。日本のドタバタ喜劇と比べようもないほど気持ちのいい進行であることは間違いない。喋り言葉の英語と書き言葉の日本語の特徴の違いがそう感じさせているのだろうと思う。

バーブラ・ストライサンドはもう何をやらせても充分過ぎる才能を発揮する。せめて喜劇になんかでなくてもいいよ、とチャチを入れたくなってくる。歌手としても女優としても誉れが高い。1962年に歌手としてデビュー。代表曲は「ピープル」、「追憶」等。女優としても活躍し、自身の映画出演作の主題歌を歌ったり、楽曲の提供などもしている。アカデミー賞は、『ファニー・ガール』で主演女優賞を、『スター誕生』で作曲家としてアカデミー歌曲賞と2度受賞している。また、複数のエミー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞、およびトニー賞を受賞している。

それにしてもおちゃらけた内容だった。このところ順調に映画鑑賞を出来ていたのに、この映画はなかなか見る事が進まず、ようやく観終わったという感じ。1時間30分くらいの短い映画なのに長く感じるのは、映画そのものに問題があるはずだ。アメリカ映画らしくハッピー・エンドでめでたし、めでたし。

『現金に体を張れ』(The Killing)

1956年・アメリカ 監督/スタンリー・キューブリック

出演/スターリング・ヘイドン/コリーン・グレイ/ヴィンス・エドワーズ/ジェイ・C・フリッペン

現金を「げんなま」と読むことは、昔から日本映画の題名に馴染のある人でなければ分からにだろう。今の若者にこの題名を読ませたら100%「げんきん」と言うに違いない。間違ったからと言って責められるものでもないが、慣用句とかいう奴は、小さい頃から馴染んでなければ分からない事。アメリカ映画を日本語字幕なしで理解できる人だって、最新のスラングには泣かされるらしい。

スタンリー・キューブリック、この映画の監督はちょっと変わった人。商業性が重視されるハリウッドの映画監督でありながら、多様なジャンルで芸術性の高い革新的な映画を作っている。『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』『2001年宇宙の旅』『時計じかけのオレンジ』『シャイニング』など。映画史における最も偉大で影響力のある映画製作者の一人として度々言及されている。

私は、若い時に偶然観た『時計じかけのオレンジ』に不思議と惹かれた。何故かはわからない。『2001年宇宙の旅』は今でも語り継がれるほどの代表作で評価も最高に近いが、私には高尚過ぎて理解できない部分が多かった。この映画は、彼のハリウッド映画第1作だというが、まだ理屈っぽい映画製作にはなっておらず、えらく分かり易い映画だった。久しぶりの古い映画、白黒画面。

『アラジン』(Aladdin)

2019年・アメリカ 監督/ガイ・リッチー

出演/メナ・マスード/ナオミ・スコット/ウィル・スミス/マーワン・ケンザリ

実写版のアラジンだったが、つまらなかった。また寝てしまった。起きてからも、どこがおもしろい話なのだろうかと頭を傾げるばかりで、全然乗れない自分がいた。映画としては、『千夜一夜物語』の『アラジンと魔法のランプ』に基づき1992年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画作品『アラジン』の実写リメイク作品である、という。

子供騙しにもなれないようなストーリー展開は、育った環境で感じ方が大いに違うのかもしれない。日本の昔話だって、何かしら人間の基本的な倫理観やモラル的なことを教えようとしていると感じるが、この話にはそんなところが微塵も感じられない。

あるとすれば、魔法で国王にすら成れるということ。法律だって魔法で全くないものに出来るということ。それは、実は人間社会における真実なのだが、時の権力者がさらに権力を増大させて世の中を牛耳っている。それでも、時間や時代が解決する人間社会が現にあることが。なにしろ、どんなに望んだところで、一人の人間が人間であることをコントロールできないのがこの世の中だから。

『今日も嫌がらせ弁当』

2019年(平成元年)・日本 監督/塚本連平

出演/篠原涼子/芳根京子/松井玲奈/佐藤寛太/佐藤隆太

今回送られてきたDVDの中で日本映画の最後の作品だった。さすがにだんだん質が低下してきてはいたが、意外と最後までおもしろく観ることが出来たことに我ながら驚いてしまった。篠原涼子も昔からどちらかというと好きではなく嫌いなタイプなのに、もう母親役ではかなりキャピキャピ感が薄れて、もうどうでもいいやという気にならない存在になってきたようである。

2015年に出版されたKaori(ttkk)著のエッセイを原作としているという。月間約350万アクセスを記録するブログ『ttkkの嫌がらせのためだけのお弁当ブログ』から、特に反響の大きかった弁当と日記を抜粋して本にまとめたもの。著者の娘が高校入学と同時に反抗期となり、生意気な態度や無視を繰り返す。著者はそんな娘に対して卒業までの3年間にわたり、「嫌がらせ弁当」で反撃する。続編に『今日は"よろこばせ"弁当』 がある。そんな映画だった。

舞台は八丈島。遠い遠い昔、新婚旅行で行ったのが八丈島。もう46年前のはなし。新婚旅行のことなど考えずに結婚式が近づいていた。行ったことのない場所でちょっと変わったところということで八丈島にした。もっと違った動機があったかもしれないが覚えていない。ただ、帰りの飛行機は確保できたけれど行きは船旅だったことを鮮明に覚えている。何の情報もなく訪れた八丈島は、結局何処へ行くこともなく過ごしたような気がする。今ほど観光が人を呼ぶなんていう政策が流行っていなかった時代だからこその旅だったような気がする。もう遠い昔だなぁ~!?#$%&

『七つの会議』

2019年(平成31年)・日本 監督/福澤克雄

出演/野村萬斎/香川照之/及川光博/片岡愛之助/土屋太鳳/小泉孝太郎/溝端淳平/春風亭昇太/世良公則/鹿賀丈史/橋爪功/北大路欣也

池井戸潤原作の中堅電機メーカーで起こった不祥事に巻き込まれていく社員たちを描く群像劇。2011年5月から2012年5月まで『日本経済新聞電子版』に連載され、単行本化の際に1話を加筆し、8話構成の連作短編集として、2012年11月5日に刊行された。テレビドラマとして、NHK総合の「土曜ドラマ」枠で2013年7月13日から8月3日まで放送された。全4回。主演は東山紀之。こういう事実を全く知らない。その分、おもしろく観ることが出来たということになる。

香川照之の登場姿を見るたびに、あんた!!ちゃんと歌舞伎の鍛錬をしているかね、と声を掛けている。あの下手くそなセリフ回しがどの程度改善されているだろうか。テレビ界ではもう既にベテランの域と実力のある役者と喧伝される身となったが、肝心の歌舞伎役者としてはまだまだ未熟なんだろうな。

サラリーマンの世界は不条理にあふれた社会だとは、事実を含めて誰もが否定しない事柄だ。あっちこっちにそのネタの根源は蔓延っている。おそらく世界中のサラリーマンが経験しているどうにも解せない日常は、それ自体が物語のネタになるだろう。下手くそな役者でも話がおもしろければ、何とか最後まで飽きずに観ることが出来る。お茶らけテレビ・バラエティーのタレントを多く起用しなければならない現状の映画界が窺い知れる。

『アルキメデスの大戦』(The Great War of Archimedes)

2019年(平成元年)・日本 監督/山崎貴

出演/菅田将暉/柄本佑/浜辺美波/笑福亭鶴瓶/小林克也/小日向文世/國村隼/橋爪功/田中泯/舘ひろし

三田紀房による日本の漫画、およびそれを原作とした実写版映画。軍艦、戦闘機など旧日本海軍の兵器開発・製造について、当時の技術戦略と人間模様をテーマにしたフィクション作品となっている。ということらしいが、映画のエンド・クレジットの最終行には「これは、・・・・・インスパイアをうけたフィクションです。」と明記されていた。当時の日本軍の幹部が実名で出ていて、戦争も本当だったのにフィクション内容とは解せない。

眠ってしまった。その後の展開が結構面白かったので、小満足というところだが、見返す気にはなれない。箸もきちんと持てない落語家が出演していて興醒め。世間では結構評判のいい人物だが、いい歳になって箸を持てない落語家が存在していることが赦せない。何故かって? だって、直そうと思えば今までに間違いなく直せるはずの癖なのに、それをやらないというのは尊敬の念には値しない。

その他の役者もふ~ん!?$#% テレビドラマの焼き直ししのような顔ぶれで、しかもド素人のような演技では残念ながらおもしろいストーリーが色あせてしまう。山本五十六は貫禄なかったな~。若き天才将校も天才数学者には見えなかったな~。この頃の若い者は、とか、この頃の社会は、とかばかり言っている老人が多かった昔の人みたいに自分が思えてくる。題名は、アルキメデスの原理:アルキメデスが発見した物理学の法則で「流体(液体や気体)中の物体は、その物体が押しのけている流体の重さ(重量)と同じ大きさで上向きの浮力を受ける」というものと関係がありそうな。寝ていいる間にそんなことが解説されていたのかもしれない。

『半世界』(Another World)

2019年(平成31年)・日本 監督/阪本順治

出演/稲垣吾郎/長谷川博己/池脇千鶴/渋川清彦/竹内都子/杉田雷麟/牧口元美/信太昌之/堀部圭亮/小野武彦/石橋蓮司

題名の『半世界』は、写真家の小石清の写真展の題名からつけられているという。製作と配給をしているのが「キノフィルムズ」という会社で、もともと木下工務店が映画製作にお金を出し始めて発展してきた企業だ。この会社の絡んだ映画はいつも質が高くて感心させられる。映画人のひとりとしては、こういう会社で自分の役をおわりたかったかなあ~、と。

久しぶりの日本映画がこの作品で良かった。どうにも我慢のならない日本映画の稚拙性、幼児性を観たくないのが本音なのだ。この作品のほかにも何枚かの日本映画DVDを貰っているので、この後の鑑賞意欲が削がれることはなさそうだ。稲垣吾郎の名前を事前に見ているはずなのに、映画を観ている間に彼の名前が頭に浮かんでこなかった。そういう意味ではいい役者なのかもしれない。エンド・タイトルに彼の名前が真っ先に出てきて、あぁ!そうだったんだ、とちょっと驚きを隠せなかった。

なかなかといい映画だった。舞台は備長炭を焼く主人公とあと2人の幼馴染からの友人、妻、そして反抗期まっただ中の中学生の息子が織りなしている。ついつい涙が流れてしまうシーンがあって、ずーっと疲れ切っている自分の眼の栄養には打って付けの薬となってくれた。哀しい時に涙を流すことは珍しく、どちらかというと感動の極致で涙に溢れてしまうのが自分だと認識しているはずなのだが、寄る年波には勝てなくなったということなのだろう。

『ラン・オールナイト』(Run All Night)

2015年・アメリカ 監督/ジャウム・コレット=セラ

出演/リーアム・ニーソン/ジョエル・キナマン/ビンセント・ドノフリオ

ニューヨークのブルックリン。そこで長年マフィアのボスであり親友のショーンに仕えてきた殺し屋のジミーは、過去に犯した数々の行いに対する罪悪感からアルコールに溺れる毎日を送っていた。そんなジミーの息子であるマイクは、父親を嫌悪してリムジンの運転手をしながら妻子と共に慎ましく生きていた。ある夜、マイクがリムジン内で客の帰りを持っていると、その客が殺害される現場を目撃してしまう。客を殺害したのは、ショーンの息子ダニーだった。目撃されたことを知ったダニーからなんとか逃げ切り帰宅したマイクのもとにジミーが現れ、「今夜見たことは誰にも話すな」と忠告を受ける。だがしばらくすると、目撃者を始末するために銃を持ったダニーがマイクのもとに現れる。ダニーがマイクに向けて引き金を引こうとしたその時、ジミーの放った弾丸がダニーの命を奪った。ダニーがジミーによって殺害されたことを知ったショーンは、ジミーとマイクへの報復を決意する。こうしてショーンの部下や警察、そして殺し屋からも追われることになったジミーとマイクは、命がけの逃亡劇を開始する。()Wikipediaより

アクション映画のストーリーを陳列することを由としないが、こうやってどこかからか引用するのには抵抗はない。自分で映画の物語を解説したり説明するのは得意としていないので、偶にはこうやって引用を多用することに罪の意識は希薄である。

映画のいいところは、登場人物に自分を投影して映画の中で何かの役を演じられることかもしれない。結末がどんでん返しは観客にはショックでも、映画会社には常套手段。ハッピー・エンドならば映画館を出てくる観客の顔が全員微笑んでいることでその仕合わせ度が分かろうというもの。人間の人生だってある意味映画と同じようなものなのかもしれない。演じて・演じて、最後には寿命を全うするしかないのが人間の性、どうあがいたって舞台の上で死んでいくしかないのだ。

『マレフィセント2』(Maleficent: Mistress of Evil)

2019年・アメリカ 監督/ヨアヒム・ローニング

出演/アンジェリーナ・ジョリー/エル・ファニング/キウェテル・イジョフォー/サム・ライリー

「眠れる森の美女」の悪役マレフィセントを主人公にしたファンタジー映画『マレフィセント』の続編。へえ~!そうなんだー。そういう文化的な原作は題名だけ知っているだけで、どんな内容なのかをまったく知らない凡人の本性が見えてしまいそうで怖い、恐ろしい。もちろん、1作目を観ていない。

アンジェリーナ・ジョリーが出てくると、どうしても父親のジョン・ボイト(Jon Voight)を語らない訳にはいかない。彼は、1978年の『帰郷』でアカデミー主演男優賞を受賞しているが、ヘラルドが1983年に配給した5人のテーブル(Table for Five)は大ずっこけして社員をどん底に突き落としたのだった。当時の取締役営業部長がたまたま行った海外出張でえらく惚れてしまって購入した作品だった。そういえば、あの営業部長は英語なんて全然喋れなかったはずだ、ということを今思い出して笑っている。

アンジェリーナ・ジョリーの魔女は素晴らしかった。ここまではまる役者もなかなかいないだろう。エル・ファニング(Elle Fanning)の女王様も可愛くて観ていて楽しくなってきた。彼女は1998年4月生まれだというからこの映画を撮影していた頃は若干二十歳だったようだ。若いということは財産である。それは自分が若くなくなって初めて知る真理なのだから困ったものだ。もっと早くにそういう事実を知っていれば、誰しも後悔の念が少なくなる人生が送れるのだろうに。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(Once Upon a Time in Hollywood)

2019年・アメリカ/イギリス 監督/クエンティン・タランティーノ

出演/レオナルド・ディカプリオ/ブラッド・ピット/マーゴット・ロビー/エミール・ハーシュ

昨年末の入院以来コンタクトレンズを外して、盲人と同じような境遇にあった。もう50年もコンタクトレンズ、しかもハードコンタクトレンズをしていたことが恐ろしいと思える期間だ。たぶん、自分の目にはこのハードコンタクトレンズが合うんだよ、と神様が決めていてくれたのかもしれない。ただ、27インチのデスクトップ・モニターさえはっきりと認識できないでいる現状にはどうにも腹立たしさだけしかなかった。思い立って本日眼鏡を作って来た。眼鏡を作る過程ではトラウマ的嫌な経験があって、そいつが頭から離れない。結果だけ言えば、さすがにメガネの効用は有り、と断言はできるが、残念ながらやっぱりコンタクトレンズの明瞭さには遠く及ばない無用の長物にならないことを願うばかり。眼鏡をしてもきちんと見えない道具は無しだ。ただ、これでテレビで観る映画が復活すればいいのだが。観始まったばかりのこの映画が2週間くらい停滞しているのは目のせい。なんとか、観ようとする意欲だけでも湧き出させてれると嬉しいのだが。

タランティーノの最新作はこれだったのか。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットが同じ映画に出ているのも珍しい。どっちが主演なんだろうというより、どっちの方がこの映画で多くのギャラを取っているのかに興味がある。アル・パチーノも時々顔を出して考えられないようなキャスティングになっている。時は1969年の頃、映画監督ロマン・ポランスキーと売り出し中の若手女優シャロン・テートの夫妻が隣に引っ越してきたりと、映画業界内の話が肝になっている。業界内を取り上げた映画はイマイチ詰まらないケースが多い。業界内なら知っている話題をさりげなく挿入して製作者だけが楽しんでいるようにみえて仕方がない。

2.5メートルの椅子に腰かけて50インチのテレビ画面で映画を観たかったけれど、いきなりの「見える」眼鏡は100%お勧めしないとその道のプロの人に諭されて、妙に納得してかなり見えない眼鏡で我慢することになった。椅子を一個分前に出して、約1.7メートルの距離から映画スクリーンを観た。今までよりは遥かにいいが、見え難いことは変わりなく、しばらくは慣れるまでの試練として受け止められれば。(2020年7月8日)

『スリー・ビルボード』(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)

2017年・アメリカ/イギリス 監督/マーティン・マクドナー

出演/フランシス・マクドーマンド/ウディ・ハレルソン/サム・ロックウェル/アビー・コーニッシュ

めずらしく、Wikipediaの原題の横に「ミズーリ州エビング郊外の三枚の広告看板」の意ということが書いてあった。おもしろい映画だと想像させるに十分な題名に見えたが、その通りなかなかおもしろい映画だった。2本続けておもしろいのは嬉しい。

アメリカ人の家族愛をまた見せつけられた。離婚も家族崩壊も多いのに、一人一人の家族に対する愛情は異常なほどだ。だからこそ、ギャップが生じるのかもしれない。レイプされ殺されてしまった娘の母親が取った行動は、いかにも映画的で面白いが、日本では到底考えられない展開。屋外看板がその大きな役割を果たすところが、いかにもアメリカ的だと知りもしないアメリカ事情を考察する。

右へ行くのか左へ行くのか、どっちに行くかは自分で考えてください、という結末を久しぶりに観た。日本映画の手を取り足を取りという幼稚なエンディングを馬鹿にしている。一度や二度映画に出演したからって、女優だの映画俳優だのともてはやされる日本での環境は苦々しく思える。つい最近だって、不倫をした男の相手方を大女優と紹介していた。何が大女優だよ、デクノボーの単なるいち出演者なのに。

『ラスト・ムービースター』(The Last Movie Star)

2017年・アメリカ 監督/アダム・リフキン

出演/バート・レイノルズ/アリエル・ウィンター/クラーク・デューク/エラー・コルトレーン

現役時代から助平ったらしいバート・レイノルズの顔が好きになれなかった。この映画が始まって、いきなり彼がどんと椅子に座って出てきたときから、もう気分が悪くなりはじまった。さてさて、最後まで平穏に観続けることが出来るのだろうか。予定通り、一歩も観進まなかった。

いやー!おもしろかった。言っていることが違うじゃないかとののしろられそうだが、ののしろられたっていい。彼の最後の作品だということも分かった。2018年に82歳でなくなっている。その最後の頃の姿は、若い頃とは全く違うおだやかな表情になっていた。自叙伝のようなストーリーが結構泣かせる。久しぶりに映画らしくて映画っぽい映画を観た満足感に浸れた。

この映画の中で彼は5回結婚したというが、実生活でもそうだったのだろう。娘を自殺で失ったことも、本当なのかもしれない。細かいことをweb検索では知りえなかった。一体自分の人生は何だったのだろうか、というようなことを思い浮かべる彼の姿は、大スターや絢爛たる世界の人間ではなく、普通のそのあたりにいる人間のひとりなのだと語っているような。

『さらば愛しきアウトロー』(The Old Man & the Gun)

2018年・アメリカ 監督/デヴィッド・ロウリー

出演/ロバート・レッドフォード/ケイシー・アフレック/ダニー・グローヴァー/チカ・サンプター/トム・ウェイツ

ロバート・レッドフォードの名前が一番最初に出ていて、えっ!いくつになったんだよ、と思いながら観始まった。前の作品を観終わるのに1か月もかかってしまったことを書いたのもだいぶ前のこと。実はこの映画は2日間で観終わっていたのだが、どうも昔ながらの書くことへの苦手感がこうやって活字の世界を遠ざけている。

この映画の主人公は子供のころから根っからの泥棒。万引きから始まった犯罪人生は、70歳になっても衰えることはなく銀行強盗を趣味のように楽しんでいる。拳銃を上着の裏側に忍ばせて脅しには使うが、他人を傷つけることはしない。毎回つかまっては脱走を繰り返している人生だったらしい。まったくの事実に基づいた映画だというから楽しい。

三つ子の魂百までもとは良く行ったものだ。なくて七癖と同じように、本人には自覚のないDNAとやらが頭の中から足の指先まで詰まっている。嘘を平気でつく奴が急に直るわっけがない。時間にルーズな奴が急に時間通りに現れることもない。悪いことばかりではない。几帳面な輩は歳をとってもその几帳面さに縛られて毎日を生きている。なんとか脱却して新しい人生を始めるには手遅れだ。もうだれも助けてはくれない。自分のことは自分でバンバンしなければ明日はやってこない。それが人生というものなのだろう。それでいいのだ。

『レディ・プレイヤー1』(Ready Player One)

2018年・アメリカ 監督/スティーヴン・スピルバーグ

出演/タイ・シェリダン/オリヴィア・クック/ベン・メンデルソーン/T・J・ミラー/サイモン・ペグ

スピルバーグが監督だなんて、こんな映画もつくるんだと素直に驚く。またゲーム!?、と観始まったときに嫌な顔をしたものだが、まさか巨匠がこういう題材を選ぶなんて、もうすでに自分は時代に遅れてしまったと痛感せざるを得ない。時は2045年という近未来の物語。誰もがバーチャル世界で人生を楽しむ時代となっていた。

邦題のレディが Lady ではなく、Ready だったことが続いて驚いたことだった。もう2週間になるのではなかろうか。一向に鑑賞意欲がわかないこの映画、スピルバーグと言えどゲーム性の映画には興味がないことが一番の原因。毎日1本以上観ていた時があったことが懐かしい。

3週間ぶりくらいに観始まったが、まだ半分にも到達していない。愕然とする。少しおもしろくなってきた。たぶん約1か月かけてようやく観終わった。手術の時からコンタクトレンズを外してしまって、そのままのド近眼状態で毎日を過ごしている。字幕版で大きな画面で映画を堪能するという贅沢から転落して、パソコンの27インチ画面で吹き替え版に日本語字幕を出して観ている。久しぶりに50インチテレビ画面に映して、吹き替え版で最後を観た。スピルバーグの天才ぶりが分かる映画で、内容は理解できなかった。たぶんもう1回観ても完璧な理解は出来ないだろう。それでいいのだ、庶民には庶民の生き方がある。

『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw)

2019年・アメリカ 監督/デヴィッド・リーチ

出演/ドウェイン・ジョンソン/ジェイソン・ステイサム/イドリス・エルバ/ヴァネッサ・カービー

いやぁ~、凄いですね~! この邦題は、どういうこと? 原題の最後にある Hobbs & Shaw はこの映画の中に登場する二人の主人公の名前だった。それにしても凄い。ノンストップ・アクションとか昔は粋がっていたけれど、この映画はそれどころではない。ついていくのが精一杯で、最初から最後までアクションばっかり。

こういう映画を映画館の大画面で見ていたら、おそらく最後まで行き着けないだろう。たぶん、途中で気持ち悪くなって席を離れてしまうに違いない。スクリーンにもまして音だってかなりのものだろうから、途中休憩してトイレにでも行って、それでもまた観直すだろうね、きっと。

去年1年間で映画館を訪れたことはない、たぶん。最近ではイオンのシネマ・コンプレックスなんて便利な場所があるけれど、ここから一番近いイオンへは歩いて10分もかからないけれど、残念ながら映画館は併設されていない。映画館があれば、おそらく足を運ぶことが多くなるに違いないが、そう考えると、便利なところに映画館があるというのはやっぱり必須なんだなぁ~。

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(Jumanji: Welcome to the Jungle)

2017年・アメリカ 監督/ジェイク・カスダン

出演/ドウェイン・ジョンソン/ジャック・ブラック/ケヴィン・ハート/カレン・ギラン/ニック・ジョナス

おちゃらけた笑いがまったく合わなかった1作目を観ているが、懲りずに2作目を観ることになった。アメリカン・ジョークは合わないと何処がおもしろいのか全然理解できず、身体が反応しなくなって、脳も停止してしまうが、さてさてこの映画はどうなのだろう。

途中経過でいえば、やっぱり響かない。ゲーム嫌いな自分にとっては、この映画そのものがゲームの中でプレイする人間を模造していること自体が理解しにくい。でも、とりあえず観ている。

内容がねぇ~。人間がゲームの中に入ってしまって、見知らぬジャングルで見知らぬキャラクターに変身して進行する映画なんて。目が見えないので「吹き替え版」に変更して垂れ流し的に観た。こういう状況を観たと表現するのはちょっとばかり抵抗があるが、とりあえず観たというには変わりないだろう。

『プーと大人になった僕』(Christopher Robin)

2018年・アメリカ 監督/マーク・フォースター

出演/ユアン・マクレガー/ヘイリー・アトウェル/ジム・カミングス/ブラッド・ギャレット

ディズニーの実写映画だ。もちろん、プーさんはお人形さんだがその違和感が嫌ではなくなるところが素晴らしい。こういうストーリーは大好きだし、不思議と吹き替え版を選択してもおかしくはなかった。日本語字幕も表示して、喋りと字幕の違いを見比べながらの鑑賞となった。

もらったDVDが1時間8分くらいからブロックノイズが出始まり、そのあとを観続けられていないのが残念だ。アマゾンプライムで調べたら、まだ299円という有料金額なので躊躇っている。もしもこの週末に100円セールがあるようなら続きを観ようと考えている。

あっ!週末だと気が付いたのが土曜日の夜、調べてみたら終末料金199円になっていた。微妙だなとおもいながら、すぐに見る訳ではないのが小河流。100円を惜しむ気持ちが自分でも説明がつかない。結局観ないで今日を過ごそうという気にはなれず、残り30分を堪能した。他愛もない話だけど、今の私にはちょうどいい。ストレスのないストーリーとキャラクターは、観ていて安心しかない。もともとこういう話は大好きだ。

『ジョーカー』(Joker)

2019年・アメリカ 監督/トッド・フィリップス

出演/ホアキン・フェニックス/ロバート・デ・ニーロ/ザジー・ビーツ/フランセス・コンロイ

DCコミックス「バットマン」に登場するスーパーヴィランであるジョーカーことアーサー・フレックが悪へ堕ちる経緯が描かれる。「グラディエーター」「ザ・マスター」などで個性派俳優として知られるホアキン・フェニックスがアーサーを演じ、「ハングオーバー!シリーズ」を成功させたトッド・フィリップスが監督を務める。映画は2019年10月4日より日米同日で劇場公開された。R15+指定。 ロケ地となったニューヨーク・ブロンクス地区にある階段が観光名所になった。劇場公開当時のキャッチコピーは「本当の悪は笑顔の中にある」。(Wikipediaより)

 割合新し目の映画を観たくて仕方がなかった。アマゾン・プライムでは有料だったので二の足を踏んだが、こうやって奇特な人からDVDを入手できると凄く嬉しい。大きなスクリーンどころか、タブレットやパソコンで観るようになってしまった映画。不謹慎な観方だなぁと我ながら嫌になってくるが、字幕が上手く読めないから仕方がない。ここ頃の映画は全体的に暗い場面が多く、特にこの映画はバットマンの時もそうだったようにかなりダークな雰囲気が漂う。

「バットマン」におけるジョーカーの存在感を実感していない自分にとっては、奇妙な物語に思えて仕方がなかった。狂気となんとかが共存するなんたらかんたら、とか専門家は解説しそうだが、暗くて嫌な映画ストーリー及び映像とだけ記憶に残るだろう。あまり気持ちの良い映画ではない。ようやく観終わったという安堵感の方が遥かに気持ちを占めていた。

『ブラック・クランズマン』(BlacKkKlansman)

2018年・アメリカ 監督/スパイク・リー

出演/ジョン・デヴィッド・ワシントン/アダム・ドライバー/ローラ・ハリアー/トファー・グレイス

3作品連続の黒人クローズアップだった。今回の映画には具体的にKKKが登場して白人と黒人の対立構図を顕著にしている。アメリカ合衆国の潮流の中にあらたに大きな黒人問題が流れ始まったのだろうか。アメリカに住んでいなければ絶対見えてこない『何か』を教えてくれる人はいないだろうか。

なかなか進まない。何度も書いてきたことではあるが、映画を観るのにも体力がいる。健康な時にはそんなことを露とも知らずに過ごしてきていたが、いざこうやって手術2か月後のまだまだ不自由な身体には、体力だけではなく集中力という精神的な力も必要だということをつくずくと感じる。

1970年代のアメリカ・コロラド州コロラド・スプリングズで、アフリカ系アメリカ人(黒人)初の市警察巡査となったロンが、白人至上主義団体クー・クラックス・クランの地方支部への潜入捜査に着手し、活動内容や極秘計画を暴くまでを描く伝記犯罪映画。監督自身がアフリカ系アメリカ人で、発表する作品ごとに社会的・政治的な問題を扱い、論争を巻き起こす事でも有名である。映画の最後を見ると、当時の白人たちの酷い所業が白黒フィルムとして結構な時間流される。トランプの登場により、アメリカにおける人種差別は、一段も二段階も上のステージへと上がってしまったのかもしれない。

『グリーンブック』(Green Book)

2018年・アメリカ 監督/ピーター・ファレリー

出演/ヴィゴ・モーテンセン/マハーシャラ・アリ/リンダ・カーデリーニ

最初からおもしろい匂いはしていたけれど、かなり好きな映画だった。いつも通り何の情報もないところから観始まって、あれ!これはマフィア映画なのかなと思っていたら全くそんなものではなかった。1962年あたりのアメリカでの黒人差別問題は、現在からは想像も出来ないものだった。ケネディ大統領が黒人問題がどうのこうのということは知っていたが、これほどの現実があったとは。

終始おもしろかった。実在の人物を描いた映画は、ともすれば、その実在に左右されて、意外と映画としておもしろくないケースが多い。この映画の主人公はニューヨークに住む陽気なイタリア人だが、そのニューヨークに住む天才ドン"ドクター"シャーリーは黒人であるという対照的な人種環境に興味が惹かれる。

シャーリーの運転手兼ボディガードを務めたイタリア人は家族や仲間との交流が、日本人の私にも伝わるいかにもという雰囲気がおもしろい。ニューヨークで活動していれば3倍ものギャラを得ることが出来るのに、しかもわざわざ差別の激しいアメリカ深南部ツアーを敢行する心意気が、常人では理解できない域にある。徐々に良貨に駆逐されていくイタリア人の様子がとてもおかしくて。映画の最後はこの天才ピアニストと初めて会った主人公の若い美しい妻の一言が粋だった。

『アド・アストラ』(Ad Astra)

2019年・アメリカ 監督/ジェームズ・グレイ

出演/ブラッド・ピット/トミー・リー・ジョーンズ/ルース・ネッガ/リヴ・タイラー/ドナルド・サザーランド

人類は火星に宇宙基地を建造し、地球外生命体の探査に乗り出している。著名な宇宙飛行士クリフォード・マクブライドの息子であるロイ・マクブライド少佐は、優秀な宇宙飛行士となっていたが、16年前の父の事故死が切っ掛けとなり、他者と適切な関係を築くことができず、妻のイヴとも離婚していた。ある日、地球は大規模なサージ電流に覆われ、全世界で4万人超の犠牲者が発生する。サージによる軌道施設の爆発事故を生き延びたロイは、アメリカ宇宙軍上層部に極秘に招集される。宇宙軍は、16年前に連絡を絶ち、現在は海王星付近に留まっているらしい地球外生命体探査計画「リマ」で用いられていた反物質装置がサージを引き起こしたものと推定する。リマ計画のリーダーであったクリフォードも生存している可能性が強まり、息子であるロイをクリフォードへのメッセンジャーとする。ロイは監視役であるプルーイット大佐と共に、サージの影響を免れた宇宙軍火星地下基地で、海王星へのレーザー通信を試みることになる。(Wikipediaより)

ブラッド・ピットの容姿は実に俳優らしいが、残念ながら彼の作品でヒット作品を観たことがない。と言ってしまっては失礼だが、それなりにヒットしている映画はあるものの、これぞという彼でなければ演じられないような俳優魂を見つけられていないのだ。この映画だってまったく無名の俳優で充分なんじゃなかろうかと感じる。

月や火星に簡単に行ける時がやってくるのだろうけれど、そこまで生き延びている訳もなく、あくまでも夢物語の映像にしか見えないところが辛い。「地獄の黙示録」を観ているような錯覚に襲われたのは私だけだろうか。宇宙空間では動作が緩慢になる、そのために上映時間が長くなってしまったのではなかろうか。イマイチ。面白そうに始まるが、観ているうちに飽きが来るストーリーと映像だ。

『ブルックリン』(Brooklyn)

2015年・カナダ/アイルランド/イギリス 監督/ジョン・クローリー

出演/シアーシャ・ローナン/エモリー・コーエン/ドーナル・グリーソン/ジム・ブロードベント

アマゾン・プライムの見放題作品は便利だけれど、なかなか観たい作品に巡り合えない。5分や10分で見るのをやめてしまう映画が数多い。たまたま週末限定100円と表示された作品の中からこの映画を探し出した。もう5年前の映画だけれど、その存在も知らなかったが、ポスター表示と題名でいい映画だろうと匂いを感じた。

監督や俳優のことを論じるのは得意ではないが、この監督は観客を仕合わせにしてくれる。映画は軽快に進行してくれる。ちょっと涙が頬を伝わっても、これでもかこれでもかと追い打ちをかけることもない。心のうちをセリフで語らせることを由としない製作姿勢を強く感じた。なかなか珍しい部類の映画である。

アメリカが人種のるつぼだと言われるゆえんを見るような気がした。主人公はアイルランドからニューヨーク・ブルックリンに移り住んできた。一人のイタリア人の青年と恋に落ちる。言葉の訛りや国民性についてもっと知識があれば、この映画の細かいところがもう少し分かって、もっと面白く感じたことだろう。何事にも基礎的な知識と賢知をもっていなければならない。

『セブン・シスターズ』(What Happened to Mondays)

2017年・イギリス/アメリカ/フランス/ベルギー 監督/トミー・ウィルコラ

出演/ノオミ・ラパス/グレン・クローズ/ウィレム・デフォー/マーワン・ケンザリ

21世紀半ば。地球は異常気象と人口過剰によって資源が減少し、戦争や難民問題が繰り返されたことによって主要国はみな滅び去り、ヨーロッパ連邦が新たな超大国として君臨していた。さらに遺伝子組み換え作物の影響による多生児の増加により、保全生物学者のニコレット・ケイマンが提唱する理論に基づいた強制的な人口抑制が行われるようになっていた。それは2人目以降の子供が生まれた場合、児童分配局によって親から引き離され、枯渇した地球の資源が回復する日まで冷凍保存されるという一人っ子政策だった。そんな中、セットマン家で七つ子の姉妹が誕生した。月曜日から日曜日まで各曜日の名前を付けられた彼女たちは、それぞれが週1日だけ外出し、7人で1人の人格カレン・セットマンを演じることでケイマン率いる児童分配局を欺いてきた。しかし、2073年のある日、30歳になっていた彼女たち7姉妹の長女マンデーが外出したまま、夜になっても帰宅しないという事態が発生、これにより、7姉妹の日常が狂い始めていく。 (Wikipediaより)

近未来映画というジャンルがあるが、起こりそうもない近未来映画だろう。アイディアがおもしろい。破綻するきっかけは、男と女の愛だったなんて、ちょっとお笑い種だが、アクション映画のようなシーンがたくさんあり、ストーリー展開はなかなか読めない。

こういう話は活字向きだろう。入院中に本を2冊だけ読んだが、思いのほか期待外れだった。読んだ本の作者に依存するところがほとんどのはずだが、2冊とも同じことの繰り返しをくどくどと書いていて、こんな映画の場合堂々巡りで飽き飽きするとよく表現している類のものだ。映画は先へ先へと進んで行かないとおもしろいという訳にはいかない。今日は2020年2月7日。

『完全なるチェックメイト』(Pawn Sacrifice)

2014年・アメリカ 監督/エドワード・ズウィック

出演/トビー・マグワイア/ピーター・サースガード/リーヴ・シュレイバー/マイケル・スタールバーグ

500年に一人(映画中のセリフ)という天才少年がチェスの世界で奇想天外な行動と戦いをする映画だった。この話はどこかで聞いたか観たような気がする。もしかすると、同じ題材で別の映画があったのか、はたまたこの映画を既に観ていたのかは定かでない。情けないが。もう少し残りがある。

もう少し残っていると思って続きを観始まったら、まだ半分くらいしか進んでいなかった。狂気とも思える天才のやることを繰り返し繰り返し見せられても、事実ではあっても映画的にはイマイチに思えてきてかなり飽きが来ていた。ようやく本題のロシア人対アメリカ人の冷戦を彷彿とさせる戦いが始まって、観る気が戻って来た。

結局は主人公のアメリカ人が勝つことになるのだが、事実に基づく物語の欠点である大胆な切り口がなかなかできないという製作姿勢はそのままだった。映画は映画である。多少の嘘が際立ったとしても、それがおもしろければ許されるのではなかろうか。事実に基づく映画ではないのに「地獄の黙示録」はベトナムの真実を描いていないなどという身に覚えのない中傷をされたことを苦々しく思い出す。

『セルフレス/覚醒した記憶』(Self/less)

2015年・アメリカ 監督/ターセム・シン

出演/ライアン・レイノルズ/ナタリー・マルティネス/マシュー・グード/ヴィクター・ガーバー

これも入院前に観た映画。YAHOO!JAPAN映画より全文を引用する。

『デッドプール』などのライアン・レイノルズが主演を務め、『白雪姫と鏡の女王』などのターセム・シン監督がメガホンを取って放つSFアクション。余命半年と宣告された資産家が新たな肉体を得て復活したものの、思いがけないトラブルに巻き込まれる姿を活写する。復活前の主人公を、『ガンジー』などの名優ベン・キングズレーが好演。明晰な頭脳と高度な戦闘能力を持つハイブリッドの男が繰り広げる孤独な戦いに興奮。

ニューヨークの超セレブの建築家ダミアン(ベン・キングズレー)は、ある日余命半年を言い渡される。一人娘との関係もぎくしゃくしたままの彼は自らの運命を呪うが、天才科学者オルブライト(マシュー・グード)がダミアンにある提案をする。それは遺伝子操作で新たに創造した肉体に、68歳のダミアンの頭脳を転送するというものだったが……。

『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』(The Founder)

2017年・アメリカ 監督/ジョン・リー・ハンコック

出演/マイケル・キートン/ニック・オファーマン/ジョン・キャロル・リンチ/リンダ・カーデリーニ

この映画も入院前に観たが、あのマクドナルドの創業秘話で、なかなか興味深い内容だった。以下全文をWikipediaより抜粋引用した。

1954年、レイ・クロックは自分で開発したミルクシェイク用ミキサーを販売していたが、売り上げは今ひとつだった。そんな夫を献身的に支える妻エセルは、質素な生活に満足していたが、レイは現状に満足していなかった。そんな彼の元に、サンバーナーディーノのドライブインから、ミキサーの大量注文が来た。発注元がどんな店なのか気になったレイは、現地へと向かった。そこで彼が見たのは、食品と接客の質が極めて高く、それでいて家族層の懐にも優しいレストランであった。そこに商機を見出したレイは、経営者のマクドナルド兄弟(ディックとマック)に接近していった。

兄弟の案内で改めて店を視察したレイは、調理の効率の良さや従業員のモラルの高さに大いに感動した。兄弟が飲食店の経営に並々ならぬ情熱を注いでいることも知った。翌日、レイは兄弟に「レストランをフランチャイズ化してみないか」と提案した。以前、兄弟は独力でフランチャイズ化を試みたものの、サービスの質にムラが出たため、それを断念せざるを得なかった。そんな経験があったため、当初、兄弟はレイの提案に難色を示したが、レイの熱意に根負けして、もう一度フランチャイズ化に挑戦してみようという気になった。兄弟は「経営内容を変更する際には、必ず自分たちの許可を取ること」を条件に、レイにフランチャイズ展開を任せた。

『SPOOKS スプークス MI-5』(Spooks: The Greater Good)

2015年・イギリス 監督/バハラット・ナルルーリ

出演/キット・ハリントン/ピーター・ファース/タペンス・ミドルトン

 入院前に観ているが、映画.comより下記を引用した。(2020年1月27日に記す)

 英国諜報部MI-5の活躍を描いたBBC製テレビシリーズ「MI-5 英国機密諜報部」を原案に、キャスト&スタッフを一新して完全オリジナル作品として映画化。CIAが国際指名手配したテロリスト、カシムを護送中のMI-5テロ対策部門の諜報員たちが、武装グループに襲撃された。市民の巻き添えを懸念した責任者ハリーは容疑者を釈放するが、これが原因で解任されてしまう。MI-5からカシムの追跡を依頼された元諜報員ウィルは、局上層部に裏切り者がいると考えるハリーと合流し、カシム逃走にMI-5が関わっていることを突き止める。

 やがて、ロンドン市内で爆破テロを企てるカシムがMI-5に奇襲を仕掛けてきて……。主人公ウィル役に、テレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のキット・ハリントン。共演にテレビ版オリジナルキャストのピーター・ファース、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェニファー・イーリー。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。

『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』(I Feel Pretty)

2018年・アメリカ 監督/アビー・コーン/マーク・シルヴァースタイン

出演/エイミー・シューマー/ミシェル・ウィリアムズ/ローリー・スコーヴェル/エミリー・ラタコウスキー

『ブリジット・ジョーンズの日記』(Bridget Jones's Diary・2001年)の登場人物と主役レネー・ゼルウィガーに似た役者が出てきた。ほんの一瞬見直してみたが、まだレネー・ゼルウィガーの方が痩せていたことが分かった。可愛さも彼女の方が上かな。

ちょっとした出来事の後で、自分の容姿や体形がまったく見えなくなり、鏡に映った自分の姿を見て美しい女性だと勘違いし始まった主人公、他の人から見れば何にも変わっていないのに不思議な彼女の行動だった。その勘違いが功を奏して、人生がいい方向に回転し始まった。不思議なものだ、分かっていないのはその本人だけのはずなのだが、妙に自信に満ちた人生を送っている人がいる。

その方が仕合わせに決まっている。死ぬまで勘違いし続ける人も多いに違いない。だからこそ人生、社会は平穏なのだろう。もしかして、自分が勘違いしていることを本気に悟ってしまった人は不幸にならざるを得ない。時々、東大卒の浮浪者などという稀なニュースを耳にするのも、そんなことが理由なのかもしれない。

『プリズナーズ』(Prisoners)

2013年・アメリカ 監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ

出演/ヒュー・ジャックマン/ジェイク・ギレンホール/ヴィオラ・デイヴィス/マリア・ベロ

プリズナーズ=囚人、かと思ってみていたらどうにも様子が違う。終わって調べてみれば、プリズナーズとは(囚われた者たち)という意味だそうな。それなら映画のストーリーが理解できる。かの如く、この映画にはもっとキリスト教的な暗喩に満ちた映画だという解説ページを見つけて、いろいろなことを教えてもらった。

神を信じる者、神を信じない者、異教徒の者、という人間構図が映画の背景にあるなんていうことを聞いて、映画の奥深さにあらためて感心する。なにしろ、何の情報もなく映画を観始めるのが絶対いいという派に属する私としては、あとからもっともらしい情報を得ることを由としていないのが本音なのだ。それでも、映画の持つメッセージ性を否定するわけではない。何かを学びたければ、そういう風に映画を観る人がいたって、それこそ映画の存在感が。

アメリカ人の異常なまでの家族愛が・・・・。この映画でも誘拐された?子供を探す父親の常軌を逸した行動がひとつのテーマであり、解説ページの曰くキリスト教的暗喩のひとつであった。それにしても謎解きが長過ぎる。結末がちょっと。「迷路」がひとつのキーワードにもなっている。なるほど、キリスト教的背景を知れば、この映画は飽きずに観られるのかもしれない。

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(Mary Queen of Scots)

2018年・アメリカ 監督/ジョージー・ルーク

出演/シアーシャ・ローナン/マーゴット・ロビー/ジャック・ロウデン/ジョー・アルウィン

全てはヘンリー8世(1491年6月28日 - 1547年1月28日)が発端。このイングランド王は、6度の結婚をしている。自分の離婚を正当化するためにローマ法王に逆らって離婚の認められないカトリック教を脱退し、イギリス国教会を創ってしまったというどうにもならない国王なのだ。映画「ブーリン家の姉妹」は、そんなことをもろに描いた映画として凄くおもしろかった。

アン・ブーリンはヘンリーと結婚し、その年にエリザベス王女をもうけた。この映画の片方の主人公である。最初の妻キャサリン・オブ・アラゴンは、以前にヘンリーの兄アーサーと結婚していたため、ヘンリーの意を受けたカンタベリー大司教トマス・クランマーによってヘンリーとの結婚は無効であるとされた。キャサリンは故王太子の未亡人の地位に落とされ、宮廷から追放された。エリザベス王女がヘンリーの世継ぎとされ、キャサリンの娘であるメアリー王女(この映画の主人公)は庶子の身分となり、王位継承順でエリザベスの次位に下げられ、エリザベスの侍女とされた。

映画としてはおもしろくない。同じ内容を描いた映画を観たことがある気がする。題名は分からない。有名人が配役されて、なかなか華々しい戦いが興味深かったような記憶が残っている。

『マックス・スティール』(Max Steel)

2016年・アメリカ 監督/スチュワート・ヘンドラー

出演/ベン・ウィンチェル/アンディ・ガルシア/マリア・ベロ/アナ・ビジャファーニェ

SFアクション映画と言うけれど、どうも幼稚な子供騙しの映画だった。1週間も観終わるのに時間が掛かったのは、そんな理由からだろうと他人事のように言ってしまう。アメリカの世界的玩具メーカーマテルが1997年に発売したアクション・フィギュアシリーズマックス・スティールの実写映画化だと聞いて納得。

父親が実はエイリアンだったなんて、ネタバレしたって何の影響もないような内容。よく分からないどころか、何が何だか分からないと言った方が正しいストーリーには頭が痛くなってくる。よく言う製作者のマスターベーションに終始する映画だと断言しよう。まぁ、そんなに目くじら立てて言い張るほどの映画でもないことは確か。

人間の将来を描いた映画は多いが、ほとんどが悲観的なストーリが多い。地球の未来も悲惨な状況しか描かれない。夢のような世界が見える時は、それは地球ではなく別の星だったりする。そこまで地球、人間の未来には夢がないのだろうか。自分の目で見えることはないけれど、心の目が継続的に観続けることが出来るような・・・。

『セットアップ』(Setup)

2012年・アメリカ 監督/マイク・ガンサー

出演/カーティス“50Cent”ジャクソン/ブルース・ウィリス/ライアン・フィリップ

本国アメリカでは劇場公開されずDVDスルーされたという。確かに三流映画だ。ブルース・ウィリスがこういう映画に出演するんだ、と驚く。ギャラが折り合えば、どんな映画に出演するわけでもないだろうが。彼の出演作品を見ていると、中身を吟味しないで手当たり次第という感が否めない。

三流映画には三流映画の良さがある。小さな辻褄の合わなさが気にならない。どんなアクションだろうとお金がかかっていない分、アナログ的でおもわず身を屈めてしまうほどだ。人間が人間を追いかけるシーンが最大のアクションシーンだとは驚くばかりだった。

ギャングやマフィアには掟がある。その様は普通の人々よりも情に溢れている。身内のことになると生半可ではない。それほどまでの情を他人にも施せば、マフィアたる所以がなくなる。逆に普通の人々の情の無さが気にかかる。一度でも知り合った人に対する敬愛の念の薄さが気になる。一生でそんなに会える人がいないということを分かっていないのだろう。

『ファースト・マン』(First Man)

2018年・アメリカ 監督/デイミアン・チャゼル

出演/ライアン・ゴズリング/クレア・フォイ/ジェイソン・クラーク/カイル・チャンドラー

1969年7月21日02:56(UTC)、アームストロングは次のように言った。これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。(That's one small step for [a] man, one giant leap for mankind.) アポロ11号が人類史上初めて月面に着陸した。ニール・アームストロングの伝記『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生』を原作としている。

丁度、今日、大相撲九州場所で第52代横綱北の富士が解説していた。50年前の北の富士(当時・大関)の話題を肴にアナウンサーと相撲談義をしている中で、名古屋場所の時にこのアポロ11号のことを覚えていると話していた。自分にとっては、大学4年の時のこの出来事をちーっとも覚えていない。もしかすると最後の長期旅行に行っていたのかもしれない。でも、記憶にないというのも不思議な話だ。

今から考えれば歴史のひとつの足跡にしか見えないが、当時の宇宙飛行士にとってはまさに命を懸けた冒険だったことが細やかに描かれていた。宇宙と言われても、自分とは遥かに遠いことだと体感していることが、自分の関心の薄さに繋がっているのだろう。身近に宇宙飛行士を実感できないし、とてもじゃないけど宇宙に行くことなんか、夢にすら見たことがない。それがどうだ、今や金さえあれば宇宙旅行が誰にでも可能な時代になって来た。金さえあれば・・・・か。

『レッドブル』((Red Heat))

1988年・アメリカ 監督/ウォルター・ヒル

出演/アーノルド・シュワルツェネッガー/ジェームズ・ベルーシ/ピーター・ボイル/エド・オロス

アメリカ映画として初めて、モスクワ市内および赤の広場でのロケを許可された作品である(ただし、アクション・シーンはブダペストやオーストリアで撮影されている)。(Wikipediaより)

シュワルツェネッガーはロシア市警、麻薬地元ギャング団を追ってアメリカ・シカゴへと乗り込む。たわいのないアクション警察ものだが、時代の背景を映すアメリカとロシアの様相は、歴史を生きてきた現代人にのみ認識されておもしろい。

時代がどんどん変わって行くのを感じる。一体世界はどっちの方向に向かっているのだろうか。アメリカばかりではない、南米の独裁国家にさえ影が差している。優等生のはずだったヨーロッパ各国にも右派の台頭が甚だしい。映画が描く近未来のように結局は人間同士の馬鹿な争いが地球を破滅に導くのかもしれない。

『ザ・シークレット・サービス』(In the Line of Fire)

1993年・アメリカ 監督/ウォルフガング・ペーターゼン

出演/クリント・イーストウッド/ジョン・マルコヴィッチ/レネ・ルッソ/ディラン・マクダーモット

かつてアメリカ合衆国大統領を守ることができなかった老練なシークレットサービス・エージェントと、大統領暗殺を目論む殺し屋との対決を描くサスペンス・アクション・スリラー。主人公は長年シークレットサービスを務めるベテラン警護官であり、ダラスでのケネディ大統領暗殺事件の際にも現場に配属されていたが、大統領を守ることが出来ず後悔に苛まれ酒に溺れるようになり、妻子も彼の元を去ってしまう。

クリント・イーストウッドはこの時63歳、年老いたシークレット・サービスとはという疑問を実践していて、笑える。大器晩成のようにずーっと活躍しているクリント・イーストウッドには頭が下がる。彼が亡くなった時にはハリウッドばかりではなくアメリカ国中から哀悼の意が表されるだろう。まだ、そんな兆候がある訳ではないが。

ジョン・F・ケネディーの暗殺の何が隠されていて何が公になるというのだろうか。そこまで生きていられないのは残念でたまらないが、人間社会は秘密を後生大事に守っている。秘密なんてその人本人にしか重要ではないはずだが、他人に知られることを異常に拒んでいるのが滑稽だ。俺は実は天才なんだよ、なんていう秘密を誰も信じないのと同じこと。その程度のことが秘密なんだよ、きっと。

『仮面の男』(The Man in the Iron Mask)

1998年・アメリカ 監督/ランダル・ウォレス

出演/レオナルド・ディカプリオ/ジョン・マルコヴィッチ/ジェレミー・アイアンズ/ジェラール・ドパルデュー

アレクサンドル・デュマの『ダルタニャン物語』をベースに、ルイ14世と鉄仮面伝説、老いた三銃士の復活と活躍、王妃とダルタニアンの秘めた恋を描いた歴史娯楽活劇。暴君ルイ14世には双子の弟がいた、というのが物語のキモ。その弟に鉄仮面を被せて地下牢に幽閉しているというのが物語の展開。そこに三銃士が絡むというストーリー。

将棋の駒のような角ばった顔していてちっともイケメンではないと規定している私の物差しも、このころの若いディカプリオを見ると、もしかするとイケメンと呼ばれても間違いではないかもしれないと思えてくる。ルイ14世とその双子の父親にはあっと驚く秘密があった。そんなところがおもしろさを。

それにしても栄華を極めたフランス王朝も、民衆の手で終焉を迎えることになろうとはその当時の人でさえ想像に絶したに違いない。民衆の力がそれだけ強いということをDNAのように受け継ぐフランス人には、一方では個人主義の最たるものとして鬱陶しがられている。もっとも、ことスポーツのフランス代表は既に黒人主流になっており、100年後にはフランス人の大半が黒人になっているのではないかと訝る。

『ジャッジ・ドレッド』(Dredd)

2012年・イギリス/南アフリカ共和国/アメリカ/インド 監督/ピート・トラヴィス

出演/カール・アーバン/オリヴィア・サールビー/レナ・ヘディ/ウッド・ハリス

西暦2139年。核戦争後の人類に残された「メガシティ・ワン」は、秩序が乱れた犯罪都市と化していた。そこで政府は街の秩序を立て直すために究極の法システムを導入する。それは「ジャッジ」といわれるエリート集団である。彼らは逮捕した犯罪者をその場で裁判、判決、刑執行を行える権限を持っていた。その集団の頂点に立つ男が、人々から恐れられている「ジャッジ・ドレッド」であった。ある日、ドレッドは身に覚えのない殺人罪で逮捕されるが、それはその後に明かされる陰謀の序章に過ぎなかった。イギリスの同名コミックの映画化作品。(Wikipediaより)

これから100年後の世界の風景はどうなっているのだろうか。長生きなんてまったく望まないけれど、この目で100年後を見てみたいという欲求は日に日に高まるばかりだ。それがとてつもない妄想だということは理解できても、もしかするとこの脳裏が映像を映し出すことがあるのではなかろうかと。

どう考えたって、悲惨な地球の未来があるようだ。現実的に起こる不定期的な世界各地での暴動が、100年後の毎日の暮らしになるのだろうか。いやそんなことはない、このまま健全に地球が発展していくだろうという楽観論者はもう何所にもいないだろうことを思い知らされるだけだ。

『ミルカ』(Bhaag Milkha Bhaag)

2013年・インド 監督/ラケーシュ・オームプラカーシュ・メーラ

出演/ファルハーン・アクタル/ソーナム・カプール/ディヴィヤ・ダッタ/メーシャ・シャフィ

久しぶりのインド映画。インド映画は概して面白いはずだが。1960年ローマオリンピックの陸上インド代表選手ミルカ・シンの半生を描いており、インド国内では「スーパーヒット」と判定されるなど興行的な成功を収め、海外でも高い興行収入を記録したという。映画はミルカ・シンと彼の娘ソニア・サンワルカの自伝『The Race of My Life』を原作としている。

インド映画はかなりおもしろいはずだったが、最後までおもしろさは感じなかった。ドキュメンタリーという分野での限界かもしれない。映画製作はドキュメンタリーを越えなければ、おもしろくなるはずがない。そんな事実はなかったよとクレームが出るくらいがちょうどよいのだろうと思う。インドとパキスタンの政争が、一人の世界的なランナーに大きな影を落としている。

事実は小説より奇なりと昔から言われるのも同じようなこと。世の中には奇特な人が結構いる。そこが人生のおもしろいところで、平々凡々と人生を終わってしまう自分の人生を振り返ったって誰にもその面白かった人生を伝えることもない。ただ生まれて、ただ死んでいく多くの人生の中に埋没している。それでいいのだ。

『アンキャニー 不気味の谷』(Uncanny Valley)

2019年・アメリカ 監督/マシュー・ルートワイラー

出演/マーク・ウェバー/ルーシー・グリフィス/デヴィッド・クレイトン・ロジャーズ

不気味の谷現象(ぶきみのたにげんしょう)とは、美学・芸術・心理学・生態学・ロボット工学その他多くの分野で主張される、美と心と創作に関わる心理現象である。外見的写実に主眼を置いて描写された人間の像(立体像、平面像、電影の像などで、動作も対象とする)を、実際の人間(ヒト)が目にするときに、写実の精度が高まっていく先のかなり高度なある一点において、好感とは正反対の違和感・恐怖感・嫌悪感・薄気味悪さ (uncanny) といった負の要素が観察者の感情に強く唐突に現れるというもので、共感度の理論上の放物線が断崖のように急降下する一点を谷に喩えて不気味の谷 (uncanny valley) という。不気味の谷理論とも。元は、ロボットの人間に似せた造形に対する人間の感情的反応に関して提唱された(原典を読めば誰でもわかるが(#詳細の節を参照)、方程式などで示されるような一般に「理論」と呼ばれるようなものにはあたらない)。

ロボット工学者の森政弘が1970年に提唱した。森は、人間のロボットに対する感情的反応について、ロボットがその外観や動作において、より人間らしく作られるようになるにつれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時点で突然強い嫌悪感に変わると予想した。人間の外観や動作と見分けがつかなくなるとふたたびより強い好感に転じ、人間と同じような親近感を覚えるようになると考えた。外見と動作が「人間にきわめて近い」ロボットと「人間とまったく同じ」ロボットは、見る者の感情的反応に差がでるだろうと予想できる。この二つの感情的反応の差をグラフ化した際に現れる強い嫌悪感を表す谷を「不気味の谷」と呼ぶ。人間とロボットが生産的に共同作業を行うためには、人間がロボットに対して親近感を持ちうることが不可欠だが、「人間に近い」ロボットは、人間にとってひどく「奇妙」に感じられ、親近感を持てないことから名付けられた。 (Wikipediaより)

読んでもよく分からない。人間がAI人間を創り出す。そこに専門知識のある美人記者がインタビューに来る、という話。セックスまでしてしまった相手は、実はAI人間で、AI人間だと思っていた人が本物の人間だったなんて、しかもエンド・クレジット後のシーンで彼女はトイレで妊娠検査薬を覗き込んでいた。ミステリーな話がホントになるときが来るんだろう。

『ファイヤーフォックス』(Firefox)

1982年・アメリカ 監督/クリント・イーストウッド

出演/クリント・イーストウッド/フレディ・ジョーンズ/デイヴィッド・ハフマン/ウォーレン・クラーク

今年の5月で89歳になっているクリント・イーストウッド、まだ映画監督として映画を製作し続けている。恐れ入り谷の鬼子母神。30年前、59歳の時の監督・主演作品。これは彼の監督作品ではないだろうと予想しながら観ていた。近年の彼の映画作品のようなスピーディーな展開ではなかったのでそう思ったのだが、おそらく時代という大きな壁が映画ストーリーや映像に大きな作用があったのかもしれない。

Mozilla Firefox(モジラ ファイアフォックス)というインターンエット・ウェブブラウザがある。一時はこのブラウザをメインにしていたが、今やGoogleChrome(グーグル・クローム)の圧力に負けて、併用という感じで使っている。GoogleChromeの音声検索は凄く便利だ。映画の題名なんて簡単に表示してくれる。変換ではなくビッグデータからの候補選びの技術が相当進化した。

映画はおもしろいような、おもしろくないような。最新戦闘機をソビエトから盗むというような奇想天外なストーリーだが、ジェット戦闘機のシーンなんかは、なかなかどうして迫力のあるシーンで観ていて飽きがくることはなかった。ただ、その前のちんたらストーリーとアクション時に眠ってしまったのは言い訳もできない。

『メビウス』(Mobius)

2013年・フランス/ベルギー/ルクセンブルク 監督/エリック・ロシャン

出演/ジャン・デュジャルダン/セシル・ドゥ・フランス/ティム・ロス

メビウスの帯(Mobius strip, Mobius band)、またはメビウスの輪(Mobius loop)は、帯状の長方形の片方の端を180°ひねり、他方の端に貼り合わせた形状の図形(曲面)である。メービウスの帯ともいう。数学的には向き付け不可能性という特徴を持ち、その形状が化学や工学などに応用されているほか、芸術や文学において題材として取り上げられることもある。(Wikipediaより)

ロシアとアメリカの諜報合戦のど真ん中で暗躍する男と女、本人の職業意識をも飲み込む男女の愛情、愛欲がその人生を壊してしまう。なかなか見ごたえがあるスパイもの、アメリカ映画のような乾いた描き方ではないストーリーや映像に新鮮味を覚える。寝ころびながらタブレットでアマゾン・プライムを堪能した。二重スパイ、三重スパイの行き着くところがメビウスの帯だというのだろう。

目の前に本物のスパイがいたら楽しいだろうな。私はスパイだよ、なんて真実を言う人はいる訳ないから、そんなことになる確率はほとんどゼロパーセントだろう。日本人はのほほんとしているから、ほとんどの人はまさかスパイが日本にいるなんて信じていない人が多いだろう。けど、ちょっと調べてみると、日本はスパイ天国だという情報にぶつかる。いつか誰かのスパイ活動に協力したいなぁ。

『ベルファスト71』('71)

2014年・イギリス 監督/ヤン・ドマンジュ

出演/ジャック・オコンネル/ポール・アンダーソン/リチャード・ドーマー

北アイルランドを背景にしたストーリー。歴史的にも政治的にもこの北アイルランドに関しては疎過ぎてなんのコメントも出ない。プロテスタントとカトリックが政治的にも対立している。ある意味中世から続く人間の営みの戦いのようにも見える。軽々しく口に出来ない。年寄りから子供までが、毎日その戦争に翻弄されている姿が哀しい。

英国人新兵が戦闘の中で取り残された敵地から脱出するまでのサスペンスフルな逃走劇がメインストーリー。新兵は、この地に派遣されるときに、ここはイギリス領だと強く上司が厳命する。そのあたりがこの戦争のキモなのだろうか。土地柄も暗くこんな社会に生まれてきてしまった人間は自分の不幸をどう嘆いたらいいのだろうか。

「新兵さんはかわそうだねー、また寝て泣くのかよー!」、日本軍の就寝ラッパはそんな風に聞こえるのだよ、と大昔父親に聞いた記憶がある。もう少し軍隊時代の自慢を聞いてあげればよかったと、ずっと公開しているが我が娘たちはそれなりに聞かされていたらしいことを、本人から聞いたことがあった。オヤジもなかなかやるもんだ。ちなみに、起床ラッパは、「起きろよ起きろよみんな起きろ、起きないと曹長さんに怒られるー!」だったような。

『ディール・ブレイク』(Brave Men's Blood)

2014年・アイスランド 監督/オーラフ・デ・フルール

出演/ダリ・インゴルフソン/オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル

伝説的な名警察官を父に持つハンネスはアイスランド警察の特殊部隊「武装警察」に志願するが、試験代わりの訓練に落ち、内務調査室に配属されることになる。ある日、かつてはギャングのボスだったが今は落ちぶれて麻薬の密売人となっていたグンナーが、自分を破滅させたセルビア人ギャングのボスであるセルゲイを銃で襲撃しようとして失敗し、逮捕される事件が起きる。警察でグンナーは尋問相手としてハンネスを指名し、ハンネス以外には何も話さないと言い出す。呼び出されたハンネスは、グンナーから麻薬課のトップでハンネスの父親の古くからの友人であるマルゲールがかつてはグンナーと結託していたが今はセルゲイと癒着していると密告する。(Wikipediaより)

珍しいアイスランドもの。ところ変われば品替わる、と言われる人間社会、警察ものでは圧倒的にアメリカ映画が優位に映画界を席巻しているが、切れの悪さと誰が誰だか区別がつかないこの映画は、残念ながら二流といわれても仕方がない。それでも悪と立ち向かう青年の心情が手に取るようにわかり、映画に没入できる時間もある。

街を牛耳るボスの座に返り咲き、警察とギャングの癒着は続けられることになる。という結末は現実社会の生き写しのように見える。つい最近の日本社会に明るみになった原発マネーの例なんぞは、今に始まったことでもなく、自分の小さい頃からも同じようなスキャンダルが飽きもせずに社会に蔓延している。これをもって日本の後進性を嘆くわけではないが、欧米社会だって、ましてや独裁国家と言われる国々では当たり前のように汚い金まみれのに権力の座と経済までをも支配している。スウェーデン人の環境保護活動家のグレタ・トゥーンベリさん(16)の言葉は重い。彼女の言葉を世界中が賛美し、追随するするムーブメントが、新しい地球を生むきっかけになるといいのだが。

『羊の木』(The Scythian Lamb)

2018年・日本 監督/吉田大八

出演/錦戸亮/木村文乃/北村一輝/優香/市川実日子/水澤紳/田中泯/松田龍平

山上たつひこ原作、いがらしみきお作画の漫画作品が原作らしい。漫画作品には見えないシリアスな内容だった。話はユニークで興味深い。元受刑者を地方都市に移住させるという国の極秘更生プロジェクトで、過去に凶悪犯罪を犯した11人を受け入れることになった魚深市。元受刑者の情報は市民には一切知らされず、魚深市の中で計画を知るのは市長と課長と主人公の市役所職員の3人のみだった。映画では受け入れる元受刑者は6人。6人ともが元殺人犯だったことを知り、愕然とするのだったが、淡々と話が進んで行き、結末はどうなるのだろうかと久しぶりに心が騒めいた。

監督は吉田大八、これまでの過去作「美しい星」「パーマネント野ばら」同様、原作からの引用はコンセプトや基本設定にとどまり、吉田監督が考案した、ほぼオリジナルに近い脚本・ストーリーが展開されているという。力のある監督だという印象が強い。「霧島、部活やめるってよ」がこの監督だった。

元受刑者をどう社会は受け入れるのか。外国人をどうやってこれから移民として受け入れていくのだろうか、とちょっと違うが、それでもどこか似たような状況に追い込まれるはずの日本社会の一端を見せてくれる。ダイバーシティーと言いながら、自分の周りの環境には超保守的にしか振りまえない日本人の生活には、小さい頃からの人間教育問題が大きな課題として立ちはだかっているように思える。おもしろかった。

『聖の青春』(さとしのせいしゅん)

2016年(平成28年)・日本 監督/森義隆

出演/松山ケンイチ/東出昌大/リリー・フランキー/竹下景子/染谷将太/安田顕/柄本時生/北見敏之/筒井道隆

 奨励会員時代から「終盤は村山に聞け」とまで言われたほどであった。その代表的なエピソードとして、村山を含む棋士達が、A級順位戦の対局を関西将棋会館の控え室で検討していた際、関西の大御所で詰将棋作家でもある内藤國雄が入室してきて「駒(持駒)はぎょうさんある。詰んどるやろ」と言った。そこでほとんどの棋士達が一斉に詰み手順を検討し始めたところ、「村山くんが詰まんと言っています」という声が上がった。後に内藤は「詰みを発見しようという雰囲気の中で『詰まない』と発言するというのは相当な実力と自信」と賞賛している。(Wikipediaより)

「東の羽生、西の村山」と称されていたという。将棋界にも多少なりとも興味をもって生きてきたはずだが、この程度のことを知らなかったというのは、どれだけ浅く物事の表面だけをさらっていたのだろうかと、自分自身の生き方にさえ疑問が持たれる。

将棋ばかりか囲碁世界だって、タイトルを保持するような人物はおそらくどこか奇人変人の類に違いない。そのあたりをうまく演じているのには感心させられる。もしも生きていたら、羽生棋士との争いはどうだったのだろうかと想像を書き立てられる。将棋界も時々その団体の運営でトラブルが起こっているが、将棋を心底よく知る第三者の手に委ねた方が団体運営には健全だろうと提言する素人のひとりだ。

『不良探偵ジャック・アイリッシュ 3度目の絶体絶命』(Jack Irish: Dead Point)

2014年・オーストラリア 監督/ジェフリー・ウォーカー

出演/ガイ・ピアース/マルタ・デュッセルドープ/アーロン・ペターゼン/ロイ・ビリング

昨日書いておいた『リターン・トゥー・マイ・ラヴ』(LONESOME JIM・2015年)は早々とやめてしまった。ラグビーに気持ちが向いているときなので、軽い題名を選んで観ようと思っているが、頭から7流作品の匂いがしたので、いつも通りの結果となってしまった。この映画は探偵ものらしいから大丈夫だろう。

オーストラリアのテレビ映画で3作目になるという。web上の評価を観ていると、おおむね好評なのであらためて現在の映画の評価ゾーンを意識することが出来た。大したことのない映画を観続けている若者層は可愛そうだ。100本に1本くらいしかこれぞ映画という作品には回り逢えないけれど、それにしても屁でもない映画が横行するこの頃には悲嘆にくれる。

全然強くない探偵と称する主人公、推理も検証もありきたりだし、どこが主人公の役なんだろうと訝る。信用も信頼もおけないけれど、仕方がなくて近くの人間に自分の意思をたくことがあるだろう。それこそ不幸だが、半分くらいは物事が成功するから、それ満足する人生が大半なのではなかろうか。

『グッド・オーメンズ (4K UHD)エピソード6』(Good Omens)

2019年配信・アメリカ/イギリス 監督/ダグラス・マッキノン

出演/マイケル・シーン/デヴィッド・テナント/アドリア・アルホナ/

だいぶ前からアマゾン・プライム4K映像なるものを観始まっている。こういうことのために新しいテレビにしたのだが、思いのほか美しくはなく、ちょっとがっかりしているところ。約1時間ものが6本、通常の映画を観るよりはるかにエネルギーがいる。今回は天使と悪魔とアルマゲドンの話、興味深いが・・・。

ようやくエピソード5の頭までやって来た。同じことの繰り返しでちょっとうんざりという気味だが、天使と悪魔が地球を崩壊させないために結託している姿が微笑ましい。変わり身の早い人は天使のようであり、悪魔のようであり、そんな人が身近にいる人は毎日心が休まらないに違いない。病気の100%がストレスが原因という噂は、おそらく本当のことなのだろう。

悪魔軍団から送り込まれた赤ん坊がいよいよ悪魔であることを自覚し始めた。いつも一緒に遊んでいる同じ年頃の子供たちを説得している。地球は破滅し、自分たちだけが生き残るそうだ。結末までにはもう少し。地球が終わるまで見届けることは叶わないけれど、同じことの繰り返しの人生の中に紆余曲折のある日本人の生活は、結構イケているのではなかろうかと改めて感じ入る。

『情婦』(Witness for the Prosecution)

1958年・アメリカ 監督/ビリー・ワイルダー

出演/タイロン・パワー/チャールズ・ロートン/マレーネ・ディートリヒ/エルザ・ランチェスター

きわめておもしろい映画だとだけ記憶している。観始まるとどこがおもしろかったのかを思い出すだろうと高をくくっていたが、どこがおもしろいのかのポイントを認識できないままに観進む。でもやっぱりおもしろかった。日本のテレビドラマを見る機会がほとんどないが、爪のあかを・・・と。

この映画の最後にクレジットがある。「この映画を観た方は、この映画の結末を他人に絶対喋らないでください。」と。現役時代にこの手の文言を宣伝文句で使うことは多かったが、もしかするとこの映画が初めて使った宣伝だったのかもしれない。

ということで、映画の内容には一切触れない。それはこの映画に限ったことではない。映画の内容が知りたければ、今やWeb上には雨後の筍のように情報が氾濫しているので、そちらをググれば済むこと。私の役目は、人生の遺言のように今迄生きてきた事象と照らし合わせて、おもしろおかしく過去を振り返っているに過ぎない。騙し騙され、人間は何処まで自分や他人に不誠実になれるのだろうか。一生に一度しかない人生なのに、末代まで禍根を残すような悪事を働き、神から見放された子孫の不幸を招かないようにしなければならない。

『ブレードランナー 2049』(Blade Runner 2049)

2017年・アメリカ 監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ

出演/ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード/アナ・デ・アルマス/シルヴィア・フークス

おもしろくなかった。観終わってからストーリーを読んで少し腑に落ちたが、なんの予備知識もなく観るには耐えがたい映画だ。前作を観ているが、これっポッチも覚えていないのが辛い。1982年制作の映画『ブレードランナー』の続編であり、前作の主演ハリソン・フォードが引き続きリック・デッカード役で出演し、前作の監督リドリー・スコットは製作総指揮を務めた。第90回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、2部門を受賞したという。

地球の未来というか世界の将来を描いた映画は昔から数多く存在する。そのほとんどが、核戦争の勃発により地上に住むことが出来なくなった人間たちが、地中深く生きながらえるというものだった。ところがどうだ、最近の未来ものには、地球ではない星に移り住むというストーリーが横行している。夢は広がるが、あまりにもなんでもありの世界が展開されて、あり得ない人間社会が映し出されている。

いずれにしても、地球が無くなるときは来るのだろうけれど、そんな時が来ることを今生きている人々は誰も実感しない。その時になって今と同じような人間の姿をした動物が地球上にいたとしたら、どんな気持ちでその時を迎えるのだろうか。てなことを考える。ばかばかしいけどそんなことを考えることが好きだ。

『助太刀屋助六』

2002年(平成14年)・日本 監督/岡本喜八

出演/真田広之/鈴木京香/村田雄浩/鶴見辰吾/風間トオル/岸部一徳/岸田今日子/小林桂樹/仲代達矢/竹中直人

なんともはやおもしろくない映画だった。名将岡本喜八監督でこの配役なら絶対面白いだろうと期待できる映画のはずだが、なかなか映画は難しい。ここまでおもしろくない映画にになるとは誰も考えなかったろう。話がおもしろくない。落語のネタ落ちのようななんとも言いようのない倦怠感が。

仲代達也が出てくると映画が急に堅くなる。竹中直人が出てくると映画が急にお茶らけてくる。真田広之が出てきたって何にも起こらない。それが問題だろう。役者は人を驚かせてなんぼ、知人の真田広之マネージャーは苦労しているだろう。もう3段階くらい上に上がらなければ、左うちわでマネージャー稼業を続けていくことは困難なのではなかろうか。

ただ、役者は死ぬまで職業を続けられるのがいい。デビューが遅くたって、一度テレビ画面に出てしまえば、あとは何とかなってしまうのが日本の芸能界だから。デビューするまではどんな職業を経験したっていい。いろいろな仕事を経験すればするほど、役者という職業に寄与しないことは何一つない。問題なのは、売れる前まで、どうやって毎日のおまんまを食っていくことかだ。この人手不足の世の中、役者の卵には最高の生活条件が整っている。あとは成り上がろうとするする闘争心だけだろう。頑張れ!長谷川君!

『マネー・ピット』(The Money Pit)

1986年・アメリカ 監督/リチャード・ベンジャミン

出演/トム・ハンクス/シェリー・ロング/アレクサンドル・ゴドゥノフ/モーリン・ステイプルトン

スティーヴン・スピルバーグの名前がはじめのクレジットに見えたので、ちょっと期待してしまった。ということは反語的におもしろくなかったということだ。うとうとと寝てしまうのはおもしろくない時の症状、きちんと目を見開いて映画を観るという行為が困難になってきた。

ぜいたくな悩みだ。一生に数えられるほどの映画しか観ない人だって結構いるに違いないのだから。毎日1本観ようと思っていた決意は、もう予定は未定にして決定にあらずという状態になってしまった。せっかくテレビの環境を思い切って良くしたつもりだったが、なかなか上手くいかないものだ。

同じドタバタでも時代が変わるとその質が変わるのだろうか。だいぶ前にアメリカで大ヒットしたコメディ映画がちっとも刺さらなかったことがあった。そのときには日本とアメリカでは笑いも違うんだ、と思ったものだけれど、考えてみたら、自分の笑いのツボは通常ではないなぁと最近とみに感じるようになってきている。

『ヒンデンブルグ』(The Hindenburg)

1975年・アメリカ 監督/ロバート・ワイズ

出演/ジョージ・C・スコット/アン・バンクロフト/ウィリアム・アザートン/ロイ・シネス

マイケル・M・ムーニーの同名小説の映画化作品で、ヒンデンブルク号爆発事故を軸に、当時流行していたパニック映画の常道であるグランドホテル方式で人間模様も描いた作品である。現実の事故における原因には諸説あるが、本作では人為爆破説が採られている。カラー作品であるが、クライマックスでヒンデンブルグ号が爆発すると同時に画面がモノクロに切り替わり、実際の記録映像が編集で挿入され、当時のラジオ局のアナウンサー、ハーブ・モリスンのアナウンスも流される演出となっている。

1937年、飛行船ヒンデンブルグ号の爆破を警戒するため、ドイツ空軍のリッター大佐が乗り込んだ。飛行船には伯爵夫人のウルスラを初め、さまざまな乗客が乗り込んでおり、その中にはゲシュタポから送り込まれたフォーゲルもいて、独自に捜査を行っていた。やがて、乗員のベルトがドイツ人ながら反ナチスを喧伝するため、時限爆弾を仕掛けたことが判明する。爆弾は飛行船着陸後、乗員・乗客が降りてから爆発させる予定だったが、飛行船は天候不良のため着陸が大幅に遅れ、ついに悲劇の時を迎えてしまう。(Wikipediaより)

ヒンデンブルク号爆発事故は、1937年5月6日にアメリカ合衆国ニュージャージー州マンチェスター・タウンシップにあるレイクハースト海軍飛行場で発生した、ドイツの硬式飛行船・LZ129 ヒンデンブルク号の爆発・炎上事故を指す。この事故で、乗員・乗客35人と地上の作業員1名、合わせて36名が死亡、多くの乗客が重症を負った。映画、写真、ラジオなどの各メディアで広く報道されたことで、大型硬式飛行船の安全性に疑問が持たれ、飛行船時代に幕が降ろされるきっかけとなった。

『コードネーム:ストラットン』(Stratton)

2017年・イギリス 監督/サイモン・ウェスト

出演/ドミニク・クーパー/オースティン・ストウェル/トーマス・クレッチマン/ジェンマ・チャン

題名からして面白そうに見える。最近はこういう風な諜報ものやアクションものを好んで観るようになった。映画界現役から退いた時には、いい映画にかなり拘っていたが、そろそろ見飽きてきたなぁという時間と共に、痛快でスカッとするストーリーや映像に惹かれ始まった。諜報ものでは、裏切りやどんでん返しが必須でちょっとついていけないところも。

こういったストーリーで多いのが内部通報者の存在、この映画も例外ではなく秘密捜査官が毎回待ち伏せを受けるところから犯人を割り出している。実社会でも小さな会社ながら、陰でこそこそと動くやつがいた。本人はたいした策略士だと勘違いしていたのだろうが、他人から見れば笑止千万な姑息な奴としか認識されていなかった。

人間が死ぬまでにはそれなりの物語があるだろう。それは本人にしか語れない唯一無二の物語、どんな小さなことでも本人にとっては心に刻まれることがある。それが唯一の生きがいだったりすることだってある。いずれにしろ、大した足跡を残すことなく現世からおさらばしなければならない庶民にとって、毎日のひと時が貴重な人生の時間であることは間違いない。

『マッド・ダディ』(Mom and Dad)

2017年・アメリカ 監督/ブライアン・テイラー

出演/ニコラス・ケイジ/セルマ・ブレア/アナ・ウィンターズ/ザカリー・アーサー

邦題は父親だけが「マッド」と言っているが、原題にあるようにママもパパもマッドな奇想天外な映画だった。もう手は無くなったとばかりに、父親と母親が娘や息子を殺しにかかるという、どうしたらこんなストーリーが考えられるのだろうかと思えるものだった。まだ臍の緒の付いている取り上げられたばかりの子供を殺そうとするシーンさえある。

何が原因でこういう超常現象事件が勃発しているのかの説明は一切ない。あるのは主人公の家族の両親が長女と長男を殺そうと奔走するコメディ・タッチだけ。本気でホラー映画だと解説している訳ではないと思われるが、日頃のうっ憤を晴らすような親の振る舞いに拍手を贈る人種もいるかもしれない。

どうしてこうも近くの人を疎んじてしまうのだろうか。身近な人ほどもっと親身になって気を遣わなければいけないのに。他人だからこその礼儀だと思っている節がある。いあやそれは違う。いつも自分の家族のことを自慢しているのだから、そういう他人に見せる姿を自分の身内にも本気になって見せなければいけない。どうせ100年も一緒にいるわけではないのだから。

『はじめてのおもてなし』(Willkommen bei den Hartmanns)

2016年・ドイツ 監督/ジーモン・ファーフーフェン

出演/センタ・バーガー/ハイナー・ローターバッハ/フロリアン・ダーヴィト・フィッツ

カトリーヌ・ドヌーヴが出ている『ルージュの手紙』(Sage femme/The Midwife)を早々とやめてしまった。まただ。映画だけを観ることに集中できない環境が、こうやって中途半端な映画鑑賞活動となっている。パソコンの修理と新規自作機もそろそろひと段落しそうだ。適当に録画していたやりかたも終わりそうだから、おそらくひとつの作品に集中できるようになるだろう。

テレビ番組の題名のようなこの邦題、原題をGoogle翻訳機にかけたら「ハートマンズへようこそ」と出てきた。ドイツのどこかにある町の名前なのだろう。ニュースでしか知りようがないが「難民」がたくさん入り込んでいるドイツならではの社会情勢が興味深い。難民を初めて預かった主人公の家族の物語だった。

家族を全員失ってナイジェリアからやって来た難民青年が主人公。どれだけ真面目に生活したって何か悪いことを企てているのではないかと疑われてしまう。お隣のアパートには黒人大嫌いのおばぁちゃんも住んでいる。真面目で几帳面な国民と教えられているわれわれ世代のドイツに対する認識、そんなところがちょっと発見できるとついつい嬉しくなってしまう。アメリカ映画のようにハッピーエンド映画になっているところが救われる。難民問題には知らんぷりしている日本国という島国根性が、これから50年後にどうなっているのだろうかと訝る。

『スーパーマン リターンズ』(Superman Returns)

2006年・アメリカ 監督/ブライアン・シンガー

出演/ブランドン・ラウス/ケイト・ボスワース/ケヴィン・スペイシー/ジェームズ・マースデン

昨日観始まって書いた『アウトロー 咆哮』(Outlawed)を早々とやめてしまった。なんということ。この頃は同じような状況が何度もある。そこで観始まったのがこの映画。観ているはずだけれど、なんという新鮮さ。ヒーローものを子供騙しと馬鹿にしている自分が、子供の時からスーパーマンにだけはまっているのは不思議な感覚だ。

6月の20日頃から7月いっぱい間違って入会していたWOWOW、目一杯2つのハードディスクに録画したやつの備蓄が途絶えそうになってきた。この後は、またアマゾン・プライムをメインにし、数少なくなってしまったテレビでの映画放映録画をやって行くしかない。2年に1回くらいはWOWOWに入って、その時々の時代を映す映画を蓄積することにしよう。

『スーパーマン』(1978年)及び『スーパーマンII/冒険篇』(1980年)の続編となる内容であり、『スーパーマンIII』(1983年)及び『スーパーマンIV』(1987年)での出来事は反映されていないというあたりは複雑な関係だ。なんといってもスーパーマン、テレビ放送を毎週観ていた子供時代が懐かしい。スーパーマンの声だった大平透(おおひら とおる、1929年〈昭和4年〉~2016年(平成28年))がもっと懐かしい。

『関ヶ原』(せきがはら)

2017年(平成29年)・日本 監督/原田眞人

出演/岡田准一/有村架純/平岳大/東出昌大/滝藤賢一/中越典子/壇蜜/西岡徳馬/松山ケンイチ/役所広司

 結局最後まで観たけれど、おもしろいはずの物語がよく分からず、面白みも半減といったところか。この映画を観る前に、2時間の講座を設けてもらいたい。そこで勉強してからこの映画を観れば、おそらく映画のおもしろさとともに、歴史ストーリーの醍醐味にも触れることになること請け合いだ。映画単体で完結しなければならないことだが、残念ながらこの映画は相当の歴史知識を持った人でなければ、その面白さを享受することは出来ない。

公開時期から楽しみにしていた作品だった。もう2年、まだ2年が経過した。いきなりのおもしろくない映像にかなりがっかりする。これは本当に司馬遼太郎の原作を基にしているのだろうか。いや違うだろう。力仕事が試される題材だけに、監督の力の無さが冒頭から如実に現れてしまっているのではなかろうか。司馬遼太郎のシーン・シーンでおもしろくないと思えるところは1か所もないはずだと確信していた。

セリフが聞き取りにくいかったのも一因かもしれない。天下取りでは最も有名な合戦を描けるなんて監督冥利に付ける。それが此の体たらくでは、頭を抱えてしまう。まだ途中の状態だが、最後まで観続ける自信が今のところない。石田三成と徳川家康にスポットを当てているが、誰に当てようと同じだろう。監督の力なくしては、せっかく集めたテレビ俳優が全員死んでしまう。

時間が短くて描き切れないという人もいるかもしれない。2時間前後でも語りを有効に入れて、歴史を紹介することを登場人物に語らせなければ、歴史事件のおもしろさが直接伝わってくるはずだ。そういうちょっとした工夫が必要な歴史上の大きな舞台。衣装や合戦シーンにお金をかけたって、映画の本当のおもしろさを観客に伝えられない。残念。

『蒼い衝動』(Les Exploits d'un jeune Don Juan)

1987年・フランス 監督/ジャンフランコ・ミンゴッツィ

出演/クローディーヌ・オージェ/セレーナ・グランディ/マリナ・ヴラディ/ファブリス・ジョッソ

1914年の夏、16歳の主人公は学校の寮生活を離れ、フランスの田園地方の“シャトー”と呼ばれる広大な屋敷に戻ってきた。ところが折からの戦争で、父を始めとする男たちが次々と出征してゆき、彼は女ばかりの屋敷にひとり取り残されることになる。そしてその日から主人公の年上の女性たちとの性の生活が始まった。

もう少し古い製作の映画かと思った。話には聞いているが江戸時代のおおらかな、開放的な性生活のフランス版のように見える。男も女も、年齢も特に気にせずひたすら男と女の営みを繰り広げる。言葉では愛していると言いながら、目的はお互いの肉欲だけでおおらかだ。フランスの艶笑小噺を観ているような気になってきた。少年が筆おろしからの初々しい体験だけが興味を沸かせるところか。

イギリスのドタバタ喜劇に比べれば、はるかに洗練されたエスプリがプンプンの喜劇という感じ。洒落てはいるが、やっていることは一緒。貴婦人の様相をまとう人種が、一皮むけば肉欲に溺れる姿は、日本のアダルトビデオの世界にも匹敵する。この時代なら仕方がないが、相変わらずのボカシ映像の氾濫で日本の文化程度を世界に知らしめている。

『青夏 きみに恋した30日』

2018年(平成30年)・日本 監督/古澤健

出演/葵わかな/佐野勇斗/古畑星夏/岐洲匠/久間田琳加/水石亜飛夢/秋田汐梨/志村玲於/霧島れいか/南出凌嘉/白川和子/橋本じゅん

昨日観始まった『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』(Johnny English Strikes Again)を早々に観終わった。終わったわけではなくやめた。MR.ビーンというイギリスのキャラクターが、どうにも好きになれなくて、観ていれば観ているほど、そのドタバタコメディーの仕草に腹が立ってきてしまう。イギリス人にどこがおもしろいのかをいつか教えてもらおう。

一転、日本の若者映画を観ることになった。時には青春のほとばしりを浴びながら、少しは若返った気分を味わいたい。そんな風に観る青春映画は、偶にだからいい。この映画の主人公は男も女も好みではなく、だから余計キュンとするシーンに巡り合えず、残念ながら1歳も歳は若返らなかった。

鳥だってさえずりながらコミニケションをとっている様子を見ることが出来る。もちろん鳥ばかりではなくあらゆる動物がコミニケションをとっているのだろうと思われる。神の技としか思えないこの地球上での生きとし生けるもの、今度生まれ変わるとしたら何になるのだろうか。などと、誰にも分からないようなことをさも知ったかぶりして教えて金にしている輩を見ると、人間の浅はかさだけが浮き彫りにされる。

『空飛ぶタイヤ』

2018年・日本 監督/本木克英

出演/長瀬智也/ディーン・フジオカ/高橋一生/深田恭子/寺脇康文/小池栄子/阿部顕嵐/ムロツヨシ/木下ほうか

この突飛な題名は何? 車の整備会社から少し大きくなって運送会社となった主人公の会社、なりたくはなかったが親の仕事を受け継いで何とか従業員の家族を食わせることが出来ていることが社長としてもモチベーションだった。そんなある日、大型車両が急ブレーキを掛けたとたん150キロもある大きなタイヤが外れて歩道を歩いていた親子連れを襲った。子供は助かったが母親は即死状態だった。小さな会社にとっては致命傷的な事故、主人公が調べていくうちに、その車は整備不良ではなくメーカーの根本的構造設計ミスであるらしいこと、リーコール隠しの行為ではないかということを突き止める。財閥系の大メーカーとの戦いが始まった。その財閥系会社にもサラリーマンとしての矜持を保ちながら内部告発をする者さえ現れ始めた。池井戸潤にとって初の映画化作品となるという。

そう、でかいタイヤが空を飛ぶさまを題名としてイメージして欲しかったのだろう、作者は。『月刊J-novel』に2005年4月号、2005年6月号から2006年9月号に連載され、第28回吉川英治文学新人賞、第136回直木三十五賞候補作となった池井戸潤の社会派小説が原作であった。2009年には、WOWOWの連続ドラマW枠でテレビドラマ化された。自動車会社が有力スポンサーの地上波では、作品の性質上、制作は難しいと思われたが、有料放送のWOWOWでは、地上波のようにスポンサーの影響を受けることなく番組制作を行えるため、ドラマ化が実現する運びとなったという。

巨大な壁に一人で戦いを挑んでも徒労に終わるというのは定番であろう。巨大な闇を突いても、全員不起訴相当となることは現実社会が示している。権力というものは恐ろしい。一度手に入れてしまえばその権力は次の権力を生み、新しい勢力なんぞ虫けらのように追い払われてしまう。人間社会の持つ最大にして最高の権力という奴。トランプやプーチン、金正恩、習近平、誰をとってみたって死に際が極めて悪そうに見えるが、生きていいるうちは栄華の極みを演じることに狂喜乱舞しているに違いない。

『マルクス・エンゲルス』(Le jeune Karl Marx)

2017年・ドイツ/フランス/ベルギー 監督/ラウル・ペック

出演/アウグスト・ディール/シュテファン・コナルスケ/ヴィッキー・クリープス/オリヴィエ・グルメ

1840年代のヨーロッパでは、産業革命により資本家の元、労働者たちは過酷な生活を強いられていた。1843年4月のケルンで、20代半ばだったカール・マルクスはドイツの小さな新聞社で記者として、鋭い政治批判を繰り返していたが、やがてプロイセン政府に追放される。一方、イギリスのマンチェスターでは、父親が紡績工場を所有する裕福な20代の男フリードリヒ・エンゲルスは、父の工場を首になったアイルランド系の女工・メアリー・バーンズと一緒に辞めたメアリーの妹のリディア・バーンズの後を追ってアイリッシュパブに行き、酔っ払いの労働者に殴られたのをきっかけに彼女と親しくなる。エンゲルスは、父親が経営する工場だけではなく他の工場においても、労働者たちは子供たちも含め、搾取され、過小評価されていると感じていて、本を書きたいと思っていたのだ。

1844年7月のパリでは、マルクスは貧乏だったが、妻のイェニー・フォン・ヴェストファーレンとは良好な関係を築き、幸せであった。ある時、共和派の集会で、ピエール・ジョゼフ・プルードンの演説を聞き、無政府主義者のミハイル・バクーニンなどと知合う。フランスの秘密結社でヴィルヘルム・ヴァイトリングが労働者の暴動を報告する中、エンゲルスがアーノルド・ルーゲ訪ねてきて、そこで偶然、マルクスと出会う。二人は再会ではあったがエンゲルスの経済論に着目したマルクスは意気投合し、そのまま朝まで飲み明かし、エンゲルスはマルクスの家で目覚める。妻のイェニーからは夫のマルクスは病弱で酒に強くないので気をつけてほしいと忠告される。マルクスとヴェストファーレンとエンゲルスは、労働者の為の集会を各地で開き、社会の変革を訴える。しかし政府に批判的な記事を書いたマルクスは今度はフランスを追放される。マルクスとの付き合いを父に窘められるエンゲルスは、メアリーや妹のリディアと再会、メアリーから正義者同盟の話を聞く。

1845年ブリュッセルで、マルクスは仕事に応募するがなかなか採用してもらえず、そんな中、2番目の娘が産まれる。文通を続けていたエンゲルスはマルクスの窮状を知って金銭的な援助をし、マルクスにロンドンの正義者同盟への参加を呼び掛ける。1846年2月のロンドンで、メアリーから紹介されてエンゲルスとマルクスは、正義者同盟の面接を受ける。面接には途中で、ヴァイトリングも参加する。マルクスは、プルードンと親しことを口に出して、利用価値を示す。1847年11月のロンドンのレッド・ライオンズ・ホテルでの、正義者同盟の総会にて、エンゲルスは招待である為、発言権はないとするのを、その場の投票で代表に選ばれ、エンゲルスはより過激な思想を提唱し、同盟を共産主義者同盟に改名して、共産主義を誕生させる。反対派は「クーデターだ」とその場を去る。1848年1月のオーステンデの海岸で、子供について話すイェニーとメアリー。共産党の綱領について話すマルクスとエンゲルスは、マルクスが本を書きたいと言い、やがて二人は永遠の名著『共産党宣言』を完成させるのである。 (全部 Wikipedia より)

『不能犯』

2018年(平成30年)・日本 監督/白石晃士

出演/松坂桃李/沢尻エリカ/新田真剣佑/間宮祥太朗/テット・ワダ/矢田亜希子/安田顕/小林稔侍

宮月新原作、神崎裕也作画による日本の漫画作品。『グランドジャンプ』(集英社)にて、2013年10号より連載を開始。やっぱり原作は漫画だったか。話の進展しない子供だましのストーリーでは玄人の映画観客人を騙すことは出来ない。催眠術のようなことを平気で映画化するのは気にくわない。絶対そんなものに引っ掛ることはないだろうけれど、他人が引っ掛るのを見るのも忍びない。

この映画に行き着くまでに5本の映画をスキップしてしまった。その中には1時間以上も観ていたものもあったが、そのほかはほんの5分や10分程度でおさらばする始末だった。『ハリケーンアワー』『ヒットラーに屈しなかった国王』『木曜日に抱かれる人妻』『グッバイ・ゴダール!』『ダリダ~甘い囁き~』。大巨匠ゴダールも興味がない。製作国ドミニカなんていう初物にも出会った。

「犯罪を意図した行為でも その実現が不可能であれば、罪に問われない。これを【不能犯】というーーーーー」 不能犯という言葉を知らなかった。いかにも学者が考えそうな名称だが、こういう言葉を作ることに酔ってしまう集団が法曹界をリードしているのかと思うと、いつもながらやりきれない。

『ダブル・ミッション 報復の銃弾』(LEGACY)

2018年・アメリカ 監督/デヴィッド・A・アームストロング

出演/ジャスティン・チャットウィン/マーク・トンプソン/ロビン・トーマス/ヤンシー・バトラー

警察が押収した大量の麻薬の原料が強奪される。実行犯は、中身も知らず盗み、売りさばこうとした。事件担当の新米刑事が捜査するが、関係者が次々と殺されて行き、黒幕の雇った殺し屋に自身も狙われる。B級サスペンスだけどおもしろかったです。登場人物が殺されていくので、わかりやすかったです。(Filmarks 映画 より)

こんな風に素直な感想文が書けるうちがいい。残念ながらB級作品では劇場公開には至らない。少なくとも劇場側から選ばれた作品しか映画館では見られなかった時代から、みそもくそ映画も見られる時になって観客の選択眼も試される時代となった。

父親の後を継ぐように警察官になった主人公だが、父親の殉職が汚名を着せられていたという耐えがたい過去があった。それが邦題のサブタイトルなのだろう。最初、戦争映画かと思っていたが、まさかこのタイトルがそんな意味を持っていたとは。最近の現役サラリーマンの宣伝感覚が伝わらない。

『エヴァ』(Eva)

2018年・フランス 監督/ブノワ・ジャコー

出演/イザベル・ユペール/ギャスパー・ウリエル/ジュリア・ロイ/マルク・バルベ

如何にも映画評論家うけする映画の雰囲気。それでも、賞という賞を獲っていないということは、私の眠りの原因となってしまったことは嘘ではなかったということか。これも如何にも、フランス映画らしい気怠いアンニュイな雰囲気、と使い慣れない古い言い回しを遣ってみる。話が先へ進まないという典型的な映画だった。

高級娼婦なのか、豪邸に一人住んでいるのがエヴァ。亭主らしき人物は刑務所の中。相当の売れっ子らしく、ある日の午前中に訪ねた主人公は、「もう3人とおわったのよ」と言われ、さすがに主人公も驚きの表情を見せる。そんな娼婦に心を惹かれる主人公の話のようだが、この主人公がどうしようもない奴。一瞬世話をしていた引退気味の作家をバスタブでの発作を助けることなく死に至らしめた。その作家の未発表作品を自分の作品の如く発表して、嘘の人生で固めていた。

娼婦のような人間に会ったのは3人かな。姿かたち、顔の記憶はまったくない。こういうのを人徳と言うのだろうか、いずれの場合も他人のお膳立てだった、しかも本人には予期もしないことだった。だからかもしれないが、どの機会も私の男は奮い立たなかった。そのあたりの具合は本人の精神意識の構造に因るところが大きいのだろうと想像する。

『アンロック/陰謀のコード』(Unlocked)

2017年・イギリス/アメリカ 監督/マイケル・アプテッド

出演/ノオミ・ラパス/オーランド・ブルーム/トニ・コレット/ジョン・マルコヴィッチ

陰謀という邦題が続いた。しかも製作国はどちらもイギリスが絡んでいる。こちらの映画の方が遥かに映画らしくおもしろかった。最大の欠点である出来過ぎ感は否めないが、出来過ぎなければ映画ストーリーが成り立たないのも事実。あまりにも裏切り者、内通者といった役割の人物が登場すると映画は詰まらなくなってくる。

映画製作者は、こういう映画を作ることによってただ単にテロの恐怖を警告するばかりではなく、政府や担当行政に対して今ある危機を、おそらく事前に察知してくれと訴えているのではなかろうか。日本のようにのほほんと毎日が過ぎていく国では考えられないようなことが世界各国で現実となっている。本気になって東京オリンピックが心配だ。ビビり症の私の杞憂で終わってくれることを心から願う。

この映画の主人公のような人間に出会うことは一生ないであろうが、そもそも自分の知っている人たちの数なんてたかが知れてる。友達が多いよ、なんて自分から言う奴に、本当の友達なんてほとんどいない、てなことを本人は知らない。いつも言うように、知らないからこそ生きていける人生なのだよ、きっと。それでいいのだ。

『スパイ・ミッション シリアの陰謀』(Damascus Cover)

2017年・イギリス 監督/ダニエル・ゼリック・バーク

出演/ジョナサン・リース=マイヤーズ/オリビア・サールビー/ユルゲン・プロフノウ/イガル・ノール

イギリス映画のお得意は探偵ものと諜報ものと相場が決まっている、と映画好きの後輩から教えられている。ちょっとしたことでは驚かなくなっている映画を観る力が邪魔をする。しかもこんなありきたりな進行では、あくびが出ることはあっても涙を流して喜ぶことはない。

舞台が中東になると余計距離が遠のく。なんでもありの国で勃発する事件にはまたかやどうでもいいやの感想しか湧き上がらない。ここまでいろいろな映画を集中的に観続けてくると、やはり心に残る、心を打ち砕くような劇的なストーリーと衝撃の展開が必要になってきている。

人生も同じかもしれない。同じことの毎日の中に、喜んだり、哀しんだり、時には怒ってみたり、喜怒哀楽に左右される時間の経過だけが人生になってしまう。もっと大宇宙的な普遍を揺るがすような事象の到来が望まれて仕方がない。一方では、平々凡々何もない毎日が人生の仕合わせかもしれないと、ことあるごとに言っていることが嘘のように聞こえてくる。

『ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち』(GOGOL. NACHALO、GOGOL. THE BEGINNING)

2017年・ロシア 監督/イゴール・バラノフ

出演/アレクサンドル・ペトロフ/ユリヤ・フランツ/オレグ・メンシコフ/アルチョム・トカチェンコ

ゴーゴリって? ニコライ・ヴァシーリエヴィチ・ゴーゴリ(ウクライナ語:Микола Васильович Гоголь / ロシア語: Николай Васильевич Гоголь; 1809年4月1日(ユリウス暦3月20日) - 1852年3月4日(ユリウス暦2月21日))は、ウクライナ生まれのロシア帝国の小説家、劇作家。ウクライナ人。戸籍上の姓は、ホーホリ=ヤノーウシクィイ(ロシア語:ゴーゴリ=ヤノフスキー)である。『ディカーニカ近郷夜話』、『ミルゴロド』、『検察官』、『外套』、『死せる魂』などの作品で知られる。(Wikipediaより)

記憶の片隅に残っていた名前。いつ、どこで、この名前を聞いたのだろう、知ったのだろう、もちろんテレビの番組内で何度もこの名前は喋られたに違いないから、たぶんそういう何気ない時間に接したのだろう、どう考えたって彼の本を読んだ記憶はない。

映画のジャンル:ファンタジー/犯罪/サスペンス、という記述があったが、予定調和のようなストーリーと、映画進行にはちょっとうんざり。WOWOW録画の名残には3作品連続でこの「ゴーゴリ・・・」が並んでいたが、この1本だけで大充分、残り2本は録画削除という運命しかない。残念。

『マイアミ・バイス』(Miami Vice)

2006年・アメリカ 監督/マイケル・マン

出演/コリン・ファレル/ジェイミー・フォックス/コン・リー/ナオミ・ハリス

メトロ・デイド警察(現在のマイアミ・デイド警察(英語版)の風俗取締班(風俗取締班をvice squadという。オフィスは「ゴールドコースト海運」という貿易会社に偽装)と、二人の潜入捜査官クロケットとタブス他、仲間達の活動を描く。 マイアミを舞台に、ヴェルサーチやアルマーニのスーツを着てフェラーリを乗り回し、毎回ビルボード上位にランクされるようなメジャーなナンバーが流れるというスタイリッシュな刑事ドラマとして話題になった。こと劇中に挿入される楽曲については、もともと企画段階において、音楽番組(放送していたCATVの局名でもある)「MTV」をヒントに“MTV Cops”といった側面も取り入れたいといったプロデューサーの意向もあったとのことで、ドラマに大きな方向性と彩りを与えている。テーマソングはヤン・ハマー。劇中挿入曲を集めたサントラも発売されヒットした。(Wikipediaより)

題名はよく覚えているがリアルタイムで毎回観ていた記憶はない。ほとんど観ていなかったかもしれない。特捜刑事ものなんて、当時のテレビ映画では断然面白い方だろう。このテレビ・ドラマ映画の変形版が今の水谷豊の「相棒」の原型になったんではなかろうかと、勝手に想像した。

実行力優先の警察力は観ていて気持ちいい。拳銃を発砲すれば、今回の発砲は正当でしたなんていちいち言い訳発言をしなければいけない日本の警察力とは雲泥の差。来年の東京オリンピックが心配でならない。頭のいい外国人の暴力集団が日本各地で騒動を起こせば、日本の警察権力もたじたじとなってしまいそうだ。

『スカイライン -奪還-』(Beyond Skyline)

2017年・アメリカ 監督/リアム・オドネル

出演/フランク・グリロ/ボヤナ・ノヴァコヴィッチ/イコ・ウワイス/カラン・マルヴェイ

くだらない映画だった。五流、六流というところだろうか。1作目が既にあってこんなつまらない映画になるということは、1作目はどれだけ詰まらないのだろうかと、思いをはせる。宇宙から地球に征服に来たらしい宇宙人が人間を青い光と共に吸い上げてその脳を取り出して改造ロボット化してしまうという子供騙しにもならない話だった。

宇宙人というのはどんな姿をしているのだろうか。今迄に数多くの宇宙人がスクリーンに登場して、観客を楽しませてくれた。もしもリアルな宇宙人が地球上のどこかに現れたら、それこそ地球上が大騒ぎになるだろう。そういうときが来ることがあるのだろうか? と、普通の人々は疑問符をもって感じているが、心から信じている人もいるだろうから、そういう人は早く実写写真を公開すべきだねぇ。

日産の往年の名車と同じ名前では食指も動かない。この題名を聞いただけで、おもしろくなかろう、ということになってしまう。そして観始まったら屁でもないストーリー、絵にかいたような面白くない映画に、たまにはこういう日もあるよと諦め顔。


『スカイライン -征服-』(Skyline)

2010年・アメリカ 監督/グレッグ・ストラウス

出演/エリック・バルフォー/スコッティ・トンプソン/ブリタニー・ダニエル/クリスタル・リード

あの糞詰まらなかった1作目だ。WOWOWに加入していた1か月の間、題名も分からず録画しまくっていた結果だから、これも仕方がない。久しぶりに早回しした。早回しというよりは新しいテレビのリモコンの使い方がイマイチで、チャプター送りしか出来ない状態で、相当早く観終わった。観終わったわけではないが。

さて、テレビの話。電気屋の息子は、誰よりも早くテレビを見ていた。父親が作った7インチのテレビを見たのが最初だろうか。伝説的な力道山のプルレス中継では、道路に向けたテレビ中継を見んがために車が通れなかった、という嘘みたいな話もあった。

高校生の時はイレブンPMに興奮した。毎日のようにテレビにかじりついていた。スーパーマンしかり、ララミー牧場、スパイ大作戦、アメリカからやってきたテレビ映画シリーズが満載だった。それとプロ野球中継で大半の視聴率を稼いでいたんじゃなかろうか。新聞社系のテレビ局ばかりで、活字屋さんが映像に移動することを由としていなかった時代だった。大学時代にはカラーテレビをもらうつもりもなかった。1日2時間のカラー放送を見たいとは思わなかったのだ。時代は大きく変わって行った。そして人間そのものも。

『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(Batman v Superman: Dawn of Justice)

2016年・アメリカ 監督/ザック・スナイダー

出演/ベン・アフレック/ヘンリー・カヴィル/エイミー・アダムス/ジェシー・アイゼンバーグ

スーパーマンが死んだのはこの映画でだった。バットマンがなぜスーパーマンと戦うことになったのかが、いまいち、全然分からなかった。一番肝心なことが分からないと、せっかくの映画も台無しである。また、眠ってしまった。本来なら、この映画を観てからジャスティス・リーグへとつながるシリーズを観るべきなのだが仕方がない。

アマゾン・プライムの会員になっているから観ようと思えばすぐに観ることが出来る。199円という有料料金も迷う金額ではないところがいい。もっとも、DVDレンタル・ショップならせいぜい100円で借りられるだろうが、隣にその店がなければ面倒さは問題だ。

スーパーマンを殺してしまわなければならないほどネタに尽きているアメリア映画業界なのだろうか。それでも、アメリカン・コミックが大復活してアメリカ人の心はざわついている。もしかするとトランプ大統領の存在も同じようなものなのかもしれない。アメリカ・アメリカと叫んでいれば、他は何を言っても許される風潮は自由の国アメリカを根底から覆すようで、世界の全ての倫理はまったく別の道を歩み始まったようだ。

『ジャスティス・リーグ』(Justice League)

2017年・アメリカ 監督/ザック・スナイダー

出演/ベン・アフレック/ヘンリー・カヴィル/ガル・ガドット/エズラ・ミラー

スーパーマンが死んでいた。えっ!知らないよ、そんなこと。スーパーマンが死んだならニュースでやってくれないと。と、本気でそう思った。小さい頃から大好きだったスーパーマン、日本テレビ映画の「月光仮面」を子供騙しと子供ながらに思い込んでいた。一度も観たことがなかった月光仮面をヘラルドが製作・配給した時は皮肉だった。まぁ映画は大ずっこけしたが。

バットマンは、常識を超えた脅威の出現とスーパーマンの死をきっかけに、それまでの盲目的な考えを改め、超人たちによるスーパーチームを結成しようとスカウトに奔走する。アメリカンコミックはどうにも理解できないところがあって、何が何だか分からない映像を観続けることになった。ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ、など聞いたことも見たこともないキャラクターが登場して、眠気も増した。

デイリープラネット社に勤めるロイス・レインは、子供のころからの憧れだった。この映画の彼女も魅力的な容姿で思い出を裏切らなかった。どうしてスーパーマンは死んでしまったのだろう、とそのことばかり頭から離れなくて困った。必死になって彼が死んでしまった映画を探して観よう。

『Love, サイモン 17歳の告白』(Love, Simon)

2018年・アメリカ 監督/グレッグ・バーランティ

出演/ニック・ロビンソン/ジョシュ・デュアメル/ジェニファー・ガーナー/キャサリン・ラングフォード

17歳の告白なんていう言い訳みたいなサブタイトルらしきものを題名の中に入れることを由としない。昔取った杵柄でどうしてもそういうところが気になって仕方がない。17歳までなら余韻をもって題名が生きる。告白という文字が問題だ。映画を観てしまうと、そこのところがやっぱりだめだなぁと思えてくる。

もっとも、ほとんど寝ていたと言っても過言じゃない。最初は何が起こるのだろうと、一所懸命観ていたつもりだったが、もういけません、一度眠り始まったら、目を開けているのが辛かった。何故か終わりに近くなると目が覚めるのはいつもの常。目が覚めて最初は戸惑うが、どうということなく途中経過が分かってしまうくらいの程度の映画だった。

17歳の告白とは? ゲイであることを誰にも言えず悩む話だった。LGBTとか言って人生が広がってきた最近の社会現象、気持ち悪いなんていう感情はいけないと言われても、困ってしまう。男の目から見れば、というか自分の目から見れば、女と女のキスシーンを特別嫌だとは思わない。だが、男と男のキスシーンには虫唾が走る。この映画の最後のシーンでは若い高校生の男二人のキスシーンが。

『オー・ルーシー!』(OH LUCY!)

2018年・日本/アメリカ 監督/平栁敦子

出演/寺島しのぶ/南果歩/忽那汐里/役所広司/ジョシュ・ハートネット/井上肇

日米合作映画。英会話教室の米国人講師に恋をした43歳のOLが彼を追って訪れたアメリカで巻き起こす騒動を、ユーモアとペーソスを交えつつ描く。平栁敦子監督が2014年に桃井かおり主演で製作した同名短編映画をもとに新たな物語を書き加えて長編化した脚本が2016年のサンダンス・NHK国際映像作家賞でNHK賞を受賞して製作された。2017年9月16日にNHK総合にてテレビ放送用に73分に再編集されたドラマ版が劇場公開に先立って放送されたという。

出来の悪い小噺の感が強い。登場する若い娘も、どうにもならない人物をこれでもかと性格の悪さを発揮させて、観客の反吐を誘うかのようだ。寺島しのぶが衒うことなく肉体をさらけ出していた。前作でもそんな感じだったので、偶然にしては? こういう演技をさらりと演じられる役者はなかなかいない。これからしばらくはこんな役がたくさん舞い込んで来そうな予感。

ルーシーは英会話学校での主人公の仮の名前。私も遊びで tony という名前を使っているが、これはNDF(日本フィルムディベロップメント・アンド・ファイナンス)という会社にいた時に使い始まったもの。決して遊びではなく、仕事上の手紙へ書くサインなんかの時に、こういう名前を持っていた方が便利だと諭されたのが始まり。

『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(Valerian et la Cite des mille planetes)

2017年・フランス 監督/リュック・ベッソン

出演/デイン・デハーン/カーラ・デルヴィーニュ/クライヴ・オーウェン/リアーナ

フランス語原題をgoogle翻訳に掛けたら「バレリアンと千の惑星の街」と出てきた。邦題も結構近いじゃんと、珍しく。千と千尋・・・や千の風になって、と似通った題名がちょっと嫌だった。映画の邦題を付けるのは難しい。アニメ大ヒット作「君の名は。」を見た時、往年の有名な恋愛映画と同じ題名をアニメ映画に付ける神経が分からなかった。でも、大ヒットしてしまえば、もう往年の題名の方なんて若者には塵でしかなくなってしまったに違いない。

この監督の作品の印象が悪い。有名な監督なので自分にだけ当てはまる特殊性だと思わなければならない。SF映画。大好きなジャンルだが、この映画の描く未来は今から430年後あたりらしい。ちょっと遠すぎる。でも考えてみれば430年前を歴史の中で知っていることを思えば、先のことだって結局は同じことだと感覚的には思えるはず。

そのころになると題名にあるように、宇宙に存在している千の惑星からそれぞれの生物が集まって会議が行われているらしい。スターウォーズに出てくるようなキャラクターたちが登場するのを見ると、影響力の大き過ぎるスターウォーズからは大きく離れられないのだろうと、勝手に想像してしまう。あぁ~、400年後を生きてみたい。

『リミット・オブ・アサシン』(24 Hours to Live)

2017年・南アフリカ/中国/アメリカ 監督/ブライアン・スムルツ

出演/イーサン・ホーク/シュイ・チン/ポール・アンダーソン/リアム・カニンガム

ヒットマンのトラヴィス・コンラッドは、妻と息子の死後に引退した。 軍の請負業者であるレッドマウンテンは、組織の戦争犯罪を明らかにする可能性がある内部告発者であるキースを暗殺するために、高額の報酬を約束してコンラッドを復職させる。 キースを守るインターポールのエージェント、リンを誘惑した後、コンラッドは銃撃戦で殺害されてしまう。 レッドマウンテンはコンラッドの死体を回収して蘇生させ、24時間は生存し続けると説明する。 副作用として、コンラッドは自らの家庭生活への頻繁なフラッシュバックを経験し、己の悲しみに立ち向かうことを強いられる。 企てられた暗殺に対して悔い改めたコンラッドは、リンとキースをレッドマウンテンから守る決心をする。(Wikipediaより)

アジア系の女優が主役級のアクション・シーンを演じている。顔だけ見ればごくごく普通な顔立ちで、とてもじゃないけどアクション・シーンに相応しくない。製作国の不思議な組み合わせが配役に意味があるのだろう。今どき、まだまだカーチェイスをやっていたけど、さすがに長時間ではないところが己を知っているということなのだろう。

おもしろいような、おもしろくないような。アメリカ映画大好きな家族愛に満ち溢れた映画だった。簡単に引っ付いたり離れたりするくせに、子供への愛は異常と思えるほど凄まじい。片時も子供から目を離してはいけないと教えている。確かにそうだが、それに反して子供たちは日本人なんかよりはるかに早めに自立していく。このギャップはどうしてなのだろうか。

『ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場』(HORE DIE STILLE)

2016年・ドイツ 監督/エド・エアレンベルク

出演/ラース・ドップラー/ジーモン・ハンガートナー/ドミニク・フェンスター/アンドレアス・ザーン

戦争 ドラマ。「 ミュンヘン映画アカデミー 」の学生による 卒業制作 作品らしい。1941年、ソ連のウクライナの小さな寒村をドイツ小隊が占領。その村は女性と老人と子供しかいなかった。興味深いのが、村民が18世紀から 19世紀にロシアに入植してきた「 民族ドイツ人 」(黒海ドイツ人またはウクライナ・ドイツ人 )なことだった。

村人の反応は三つに分かれた。ソ連赤軍に好意を寄せる者、いやいや私はイツ軍側よという者、中には「 強い方に付く」と、したたかな考えを持っている者もいたのは当然の構図。村人と小隊は友好な関係だったが、ちょっとしたことから不信感がつのりはじめ、ついには殺し合いという結末が。

引き続き暗い映画でちょっとめげるが、世の中にも楽しいことばかりがある訳ではないので、まぁ仕方のないことか。せめて映画の世界だけはたのしくありたいと願うのは正直な気持ち。どうせ短い人生、毎日笑顔で過ごしたい。

『ウインド・リバー』(Wind River)

2017年・アメリカ 監督/テイラー・シェリダン

出演/ジェレミー・レナー/エリザベス・オルセン/グラハム・グリーン/ケルシー・アスビル

ワイオミング州ウィンド・リバー保留地に住んでいるネイティブ・アメリカンの子孫たちの周囲には、自然環境の厳しさばかりではなく現実的な生活の糧という重大な問題が山積していた。そんな地域でのレイプ・殺人と思われる事件を解決していくのは地元出身のひとりの男、FWS(合衆国魚類野生生物局)の職員だった。

暗い警察ものも珍しい。トランプ大統領ばかりではなく歴史的にアメリカ合衆国とその征服者たちは、1492年アメリカ大陸発見以前から住んでいた先住民を蔑ろにしてきている。それが当たり前にように騎兵隊とインディアンの戦いは映画でも大いに喧伝されてアメリカ社会の礎となって行った。

今でもこの居留地の女性の行方不明者は多数でであるというテロップで締めくくられていた。事件は現場で起こっているんだという典型的な事件解決劇だった。地元に根差して生きてきた主人公の情報は適格、遠方からやってきたFBIの女子警察官なんて、子供だましのような操作能力しか発揮できなかった。暗い、けどおもしろかった。

『無伴奏』

2016年・日本 監督/矢崎仁司

出演/成海璃子/池松壮亮/斎藤工/遠藤新菜/光石研/藤田朋子/松本若菜

直木賞受賞作家・小池真理子の半自伝的小説。1969年、学生運動真っただ中の仙台を舞台に学園紛争や思想に当然のように左右された、当時の女子学生を中心に。映画の主人公よりもほんのちょっとだけ先輩だった自分の青春時代と重ね合わせてみることが出来る光景が懐かしい。

映画はさほどおもしろくないが、その当時のファッションや生活が滲み出ている映像に惹かれる。ミニスカートが今とは違う形で存在していた。その生々しい様子が手に取るように心をざわつかせる。何もないことを格好つけて「虚無的」と叫んでいた青い人間像が可愛い。自分にとっても、一番長くて印象的な時代だったような気がする。

新宿の地下通路にたむろする学生たちの姿が目に浮かぶ。やくざにさえ恐れられた全学連は、毎日のように機動隊と衝突を繰り返していた。そんな中、早稲田大学生花(いけばな)研究会の活動も学生運動と無縁ではいられなかった。映画の主人公が高校を卒業する1970年(昭和45年)、何の足跡も残せず卒業して、いつの間にか71才の爺になってしまった。というのが現実で、それ以上のことは何もない。

『ゲティ家の身代金』(All the Money in the World)

2017年・アメリカ/イタリア/イギリス 監督/リドリー・スコット

出演/ミシェル・ウィリアムズ/クリストファー・プラマー/マーク・ウォールバーグ/チャーリー・プラマー

「ゲティ家の身代金」という原作本が出版されているそうな。1973年に実際にローマで起きたゲティ3世誘拐事件が描かれている。なにこのゲティ家は? 当時フォーチュン誌によって”世界一の大富豪”に認定されたゲティオイル社社長の石油王のジャン・ポール・ゲティ、極端な吝嗇家としても知られていたらしい。

ケチだからこその邦題の原点なのだろう。この邦題は結論を言っていないからいいか。第75回ゴールデングローブ賞の監督賞(リドリー・スコット)、主演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優賞(クリストファー・プラマー)にノミネート、第71回英国アカデミー賞の助演男優賞(クリストファー・プラマー)にノミネート、第90回アカデミー賞の助演男優賞(クリストファー・プラマー)にノミネートされた。プラマーはアカデミー賞演技部門での最年長ノミネート記録を更新した。

監督が著名だから、ノミネートされたのだろう。きっとこの監督はみんなに好かれているに違いない。映画はさほどおもしろくない。実話に基づきちょっとフィクションを付け加えたと最後のテロップは語っている。映画は事実に基づいて大きくその表現方法を付け加えなければ、おもしろさが倍増しない。淡々と肝心なところを変更できない呪縛が映画をつまらなくしている。

『イコライザー2』(The Equalizer 2)

2018年・アメリカ 監督/アントワーン・フークア

出演/デンゼル・ワシントン/ペドロ・パスカル/アシュトン・サンダーズ/ビル・プルマン

1作目がおもしろかったことを記憶していたので楽しみだった。観始まったら、あれ!これは違う、あれか?! と。それでもすぐに1作目の情景を思い出せたので良かった。なかなか主人公がスーパーマンのような人物で、自分の身の回りに起こった事件を一人で解決してしまう。勧善懲悪マン登場といった風情なのだ。

今回も前回同様小さな事件を解決しているのだが、かなり大きな事件に掛かりっきりになってしまった。それだとおもしろくない。市井のこまごまとした悪人をやっつけるのがおもしろいのに。ただスーパーマンのようなだけではなく、スマホ、パソコン、そういった類の機械類にめちゃめちゃ強いところが今風。腕力が強いだけではスーパー・ヒーローにはなれない時代となった。

あー言えばこういうろく、何を訊ねても適正な答えを返す御仁がいる。尊敬に値する。なかなかお目に掛かれない存在だが、時々そんな人に会うと憧れてしまう。おそらく自分の目を通過したことをすべて記憶出来ているのだろう。自分の耳を通過した言葉はもちろん、全部身となっている。そんな人間に成りたいと思ったことはあったが、そんな奇跡的なことは望むべきもない。凡人は凡人らしく、これからはただ死んでいくだけがオチだろう。

『ウォッチメン』(Watchmen)

2009年・アメリカ 監督/ザック・スナイダー

出演/マリン・アッカーマン/ビリー・クラダップ/マシュー・グッド/ジャッキー・アール・ヘイリー

1930年代、アメリカ合衆国の各地に、犯罪者を相手にマスクとコスチュームで身を隠して戦うヒーロー達が出没し始めた。彼らは自らと同じような仮面とコスチュームを身に着けた犯罪者(作中では身元を隠すためと説明されている)と闘っていくうち、いつしか一堂に集結して「ミニッツメン(Minutemen)」という組織を作り、第二次世界大戦など政治や戦争の世界にも大きく関与していくこととなる。しかし時と共に当初のメンバーたちは、戦闘や犯罪者の報復で命を落としたり、精神に異常を来したり、彼ら自身が法を破ったとして逮捕されたり、あるいは初代シルク・スペクターのように引退したりと、様々な事情で姿を消していく。(Wikipediaより)

アメリカン・ヒーローたちのことを描くアメリカン・コミックの映画化。おもしろいんだけど、同じようなことの繰り返しでだいぶ飽きが来る。アメリカン・ヒーローたちの本当の姿を暴露しているようなシーンが続くが、それはそれでおもしろい。アメリカ人は自分たちのコミックに大きな誇りを持っているのかもしれない。でなければ、2時間43分なんて長い劇場公開版を作るはずがない。

もう日本の漫画原作も映画化権を売りつくしてしまったなんていうニュースもあるくらいだから、アメリカ人が原点回帰して自国のコミックに注目を当てるのは時代が要求する必然なのだろう。なんといっても60年前からスーパーマンが好きだった子供が今や71歳になったのだから、日本がアメリカナイズされてしまっている、といっても過言ではなかろう。もっとも、相変わらず鋸だって、手招きし仕草だって全く反対の動きをするんだから、おもしろい世界だと。

『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(IT(IT:chapter one))

2017年・アメリカ 監督/アンディ・ムスキエティ

出演/ビル・スカルスガルド/ジェイデン・リーバハー/ジャクソン・ロバート・スコット/ジェレミー・レイ・テイラー

原作は1986年に発表されたスティーヴン・キングのホラー小説『IT-イット-』。1990年、米国ではテレビミニシリーズとして2回に分けて放送されたという。そのリメイク作品だというが、スティーヴン・キングがこんな幼稚なホラーを書いたなんて信じられない。彼の作品は多く映画化されているが、どれも素晴らしいホラーに仕上がっていたと思っていた。

人間の弱さに付け込む不気味なピエロ、ペニーワイズに翻弄される人々を描く。物語前半は幼少時代、後半は大人になった現代のパートに分かれている。ペニーワイズは、特定の人物にしか姿を見せず、引き起こされる能力(物体を自在に操る、相手の恐怖心を覚える姿に擬態する、血を含んだ風船を飛ばすなど)も同じように一般の人間には見えない。このあたりが幼稚だと言わしめるところだ。これじゃ、くっだらない日本映画ホラーとちっとも変わらない。

他人に見えないものが見えるのは病気だ。それをさも心理現象、心霊現象のようにわめくのは間違っている。天才と気狂いは紙一重だと言うけれど、天才と気狂いとでは雲泥の差がある。その差は人間であることの証明でもある。もう少しで天才だからこの気狂いを許してください、と言われても、そんなもの誰が赦すものか。

『復讐のドレスコード』(The Dressmaker)

2015年・アメリカ 監督/ジョスリン・ムーアハウス

出演/ケイト・ウィンスレット/リアム・ヘムズワース/サラ・スヌーク/ヒューゴ・ウィーヴィング

1997年に大ヒットした『タイタニック』(Titanic)で一躍世界的な大スターとなったケイト・ウィンスレットはあの時22歳だった。あれから22年、放漫な肉体を惜しげもなくスクリーンに晒して、今やアカデミー賞女優としても円熟期に達している。この映画は日本での劇場公開はなかったようだ。劇場公開なしにいきなりDVD発売公開というのは寂しいものだ。

この頃の映画のストーリーは奇抜なものが多い。この映画もそのたぐい。よくよく考えてみると、それほど奇抜な展開でもないのだが、監督があれやこれやと味付けして、奇抜なものにしてしまっている観も免れない。サスペンスとかいうジャンルに収めているところもあるようだが、最初からコメディに見える。ストーリーがシリアスなものなので、コメディの方が相応しいと考えたのではなかろうか。

自分のことを一番よく知っているのが自分であるはずがない。周りの人からどう見えているのかを知ることはほとんど不可能に近い。それでも自分のことを最も見ているはずの自分の感覚を信じていくしかない。滑稽だが、それが現実だ。もしも、空から見えている自分に囁く自分がいれば、その人はラッキーと言うべきだろう。一方、自分で感じる痛みを他人に感じてもらうことは出来ない。絶対あり得ない。そんな両極端の感覚を持ちながらどの人間も生きている。同じことを繰り返して時間は過ぎていく。

『のみとり侍』

2018年(平成30年)・日本 監督/鶴橋康夫

出演/阿部寛/寺島しのぶ/豊川悦司/斎藤工/前田敦子/風間杜夫/大竹しのぶ/松重豊/桂文枝

ちょっとした失言が藩主の怒りを買い、女性に性的な奉仕をする裏稼業「猫ののみとり」にされてしまった生真面目なエリート侍が、様々な出会いを通じて新たな生き甲斐を見つけていく様をユーモラスに描いた時代劇コメディ。監督の鶴橋康夫自ら脚本を手掛け、小松重男原作の小説短編集『蚤とり侍』から「蚤とり侍」、「唐傘一本」、「代金百枚」等を再構成し一本のストーリーに仕上げた。(Wikipediaより)

落語のネタ噺かなと思いながら観ていたが、原作があったとは。寺島しのぶが脱いだって話題にはならないだろうに。大竹しのぶのちょっと鼻に付く演技とか、風間杜夫の仰々しいセリフ回しとか、突っ込みどころはたくさんある。前田敦子が乙女も恥じらうような演技をしているところがおかしかったり。

最後は勧善懲悪で一同笑い、という結末は、小学生の頃書いた脚本に似ていて恥ずかしい。あれはどんなシチュエーションだったのだろうか。今でも赤面ものなのだが、一件落着と言うオチを考えると、大岡越前守テレビ・ドラマの影響だったのではなかろうかと一人ほくそ笑む。

『M:i:III』(Mission: Impossible III)

2006年・アメリカ 監督/J・J・エイブラムス

出演/トム・クルーズ/フィリップ・シーモア・ホフマン/ヴィング・レイムス/ビリー・クラダップ

ミッション:インポッシブル(1996年)、M:I-2(2000年)、M:i:III(2006年)、ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年)、ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015年)、ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年)。どれを観てどれを観ていないのか、はっきりと覚えていない、いつもの通り。

この3作目の興行収入が一番低かったようだ。映画会社の現役だった時に一番不思議だったのが興行成績の妙。映画のプロたちがおもしろいと思ったところで、そんなに簡単に当たるわけではなかった。それどころか、宣伝すればするほど人気が落ちていくのが分かる作品があった。いずれも映画を観ていない人に宣伝するのに、不思議な現象だった。

よく言う口コミという奴がある。人の噂も七十五日と言うこともあるが、噂になれば映画は大成功、人の話にもならない映画は最悪、だからシャカリキになって題名だけでも連呼しようとする宣伝マンが横行する。この映画はおもしろいですよ、とテレビでタレントが喋ったら映画が当たるんだったら、こんな簡単な話はない。映画が当たるメカニズムを解き明かしたら、それこそ億万長者になれること絶対である。

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(Solo: A Star Wars Story)

2018年・アメリカ 監督/ロン・ハワード

出演/オールデン・エアエンライク/ウディ・ハレルソン/エミリア・クラーク/ドナルド・グローヴァー

『スター・ウォーズシリーズ』のスピンオフ作品「アンソロジー・シリーズ」の第2作で、時系列では『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の13~10年前となる。映画のテーマはスペース・ウェスタンであり、過去のシリーズでハリソン・フォードが演じたアウトローな密輸業者ハン・ソロの若かりし頃が明らかになり、彼の愛機ミレニアム・ファルコンとその所有者ランド・カルリジアン、相棒チューバッカとの初めての出会いが描かれる。(Wikipediaより)

これまでのスター・ウォーズは全部観ているはずだが、あのワクワクとする感覚は何とも表現しにくい。ただ、作を重ねていくうちにどんどんゲーム化して行く映像に、こちらは逆に歳をとって行くから、どことなく気持ちが離れていくような気にさせられてちょっと不愉快な気分。

映画界にとってはこういうエポック的写真が何年かに1本出てくることが必要だった。この映画があるお陰で、別のしょうもない映画を地方の有力な映画館に売ることが出来た。それが、映画の営業なのだと知る人は少ない。そもそも映画配給業者の仕事って何?という人しかいないだろう。そんな小さな業界が映画の原点。映画業界全体で銀座三越の1年分の売り上げにかなわなかったなんて比較された時代があった。

『メイズ・ランナー』(The Maze Runner)

2014年・アメリカ 監督/ウェス・ボール

出演/ディラン・オブライエン/カヤ・スコデラリオ/トーマス・サングスター/キー・ホン・リー

アメリカの小説家ジェームズ・ダシュナーが2009年に発表したヤングアダルト向けSFスリラー小説で、記憶を失い、謎の巨大な迷路(maze=メイズ)に送りこまれた主人公たちが、脱出に挑む物語だということだ。1作目『メイズ・ランナー』、2作目『・・2 砂漠の迷宮』』、3作目『・・3 最期の迷宮』と映画シリーズが出来たらしいが、正直どれを観たのか分からない。

誰が味方で誰が敵なのかがよく分からん。この頃見る映画は、ストーリーさえもよく理解できない映画が結構多くて、自分の理解力不足がその大きな原因なのだろうと自分を責めることしか出来ない。もっと素直で単純なストーリー展開の映画はないものなのだろうか。もう余っている物語を見つけるのさえ大変な時代になってきたことは確か。

自分でも分からないうちに人生の迷宮に迷い込んでしまったことは間違いない。右へ行けばいいのか、それとも左なのか、はたまた後ろに戻るべきなのだろうか。もちろん、そんな詰まらないことは考えないで、今まで来た道の延長線上にしか自分の人生はないだろうことは分かっているだろう!!

『ラスト・リミット 孤独の反逆者』(Paralytic)

2016年・アメリカ 監督/ジョーイ・ジョンソン

出演/デビッド・S・ホーガン/アンジェラ・ディマルコ/ダーレン・セラーズ/ダンジェロ・ミディリ

おもしろいのかおもしろくないのか分からない映画、と聞いたら聞いた方が戸惑ってしまうだろう。一流映画になりそうで、実はあっちこっちが抜け落ちていて結局は4流映画に成り下がってしまったような。ストーリーが良く分からない。せっかくいろいろな要素を絡めて複雑にしているのに、それがかえって致命傷になっている。

人間にもそういう人がいるよね。訳が分かったようなことを吹聴しているくせに、自分でも何を言っているんだか分んないんじゃないの、と思えてくる人。大きな勘違いをしながら人生を歩んできた人に違いない。勘違いしないで真実を知ってしまったら、生きていくのが大変だろうから、そんな人生は大いに「あり」だと思える。

この映画の主人公は「殺し屋」。依頼人から殺害を頼まれて、プロフェッショナルな殺し方を得意としていた。いざ自分が消されると悟ったときに、惨い拷問をされないために自ら手りゅう弾で自爆しようともくろんでいたが、本人の希望通りにはいかずむごたらしい遺体となって発見されるのだった。死ぬ時ぐらいは、その状況を察知したいと思うのだが、無理だろうなぁ~。

『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(妖猫伝、Legend of the Demon Cat)

2017年(平成29年)・中国/日本 監督/チェン・カイコー

出演/染谷将太/ホアン・シュアン/チャン・ロンロン/阿部寛/火野正平/松坂慶子

留学のため唐に渡った若き日の空海が、詩人・白楽天とともに唐の都長安を揺るがす巨大な謎に迫る姿を描いた歴史スペクタクル大作。夢枕獏の小説『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』が原作。中国語の原題「妖猫伝」にあるように、猫に乗り移った魂が物語を進行する。こういうことを含めて、中国から発する話、物事に興味が湧かない。先入観がある訳でもないのに。

途中で寝てしまったこともあるが、どういう話なのかが分からない。分かろうとしない。中国人のいうことなんかどうでもいいじゃん。空海という日本では超有名な人物が主人公のように扱われているが、映画での主人公は猫だった。この頃の映画はフィルムで撮影するのではなく、ハードディスクにデジタル撮影することがほとんどのような。実際の撮影現場に行くことがなくなって、現在映画界事情に疎くなってしまったのが、ちょっと寂しい。

テレビを替えたのは正解だった気がする。画面も大きくなったし、色合いも前の陳腐な発色よりはだいぶいい。そういう外的要素で毎日の気分が変わるんだから不思議なものだ。ただ生きているだけなら、誰だって同じようなもの、頭の中だけにでも生きた足跡を遺せればそれで充分な人生に思える。

『ザ・ハント ナチスに狙われた男』(Den 12. mand)

2017年・ノルウェー 監督/ハラルド・ズワルト

出演/トーマス・グルスタッド/ジョナサン・リース=マイヤーズ/マリー・ブロックス/ベガール・ホール

この長ったらしい邦題と同じように映画本編も只管長かった、上映時間2時間15分。ナチスドイツに占領されているノルウェーに、イギリスで訓練されたノルウェー兵12名が破壊工作要因として派遣される。上陸した時点で11名は捕まり、1名だけが逃れる。ノルウェーの住民がこの兵をいかにスウェーデンに逃がすかということになる。という流れだが、この1名が奇跡的に生き延びながらの逃亡劇。事実は小説よりも奇なり、という実話に基づいた映画。

ナチス・ドイツの悪行はどんな映画でも言い伝えられている。ノルウェーにまで蔓延っていたとは。ノルウェーの抵抗運動も激しかったようだ。戦後、ナチスの幹部クラスが次々と処刑されるのは当たり前のことだったのだろう。どうしてあそこまでナチス・ドイツが栄華を極めていたのかを探求してみたくなる。悪玉を中心として組織された軍団に、意識的、あるいは強制的に協力した人民がいたことが。

日本映画の長回しの退屈映像を思い出した。毎回違った状況ではあるが、ノルウェーからスウェーデンに脱出することがなかなか出来ない。それが事実だからと延々と苦行を見せられてもなぁ~。自分で自分の足の壊疽した指を切るシーンに至っては、一種のマゾ的映画に見えてきた。おしんのような映画に見えるが、おしんをきちんと観たことはない。

『プロヴァンスの贈りもの』(A Good Year)

2006年・アメリカ 監督/リドリー・スコット

出演/ラッセル・クロウ/アルバート・フィニー/マリオン・コティヤール/アビー・コーニッシュ

ロマンティック・コメディ映画というジャンルに属するらしい。まぁどうでもいいような内容だけどねぇ~。アメリカの金融業界で働くイギリス人の主人公が、フランス・プロヴァンスでワイン農場を経営していた叔父が死んだため、その遺産として受け継ぐ予定のワイン農場を売り飛ばしてしまおうと画策して、現地に乗り込んでからの他愛もないストーリー。

ラッセル・クロウは、どうしても『グラディエーター』(Gladiator・2000年)のイメージが強く残り過ぎてしまって、こういう軽い雰囲気が彼には似合わないと勝手に思い込んでしまっている。グラディエーターの後だって、かなりの数々の映画に出演しているのは分かっているが、ホントに困ったものだ。

その叔父の隠し子の女性が現れたり、主人公が子供の頃一緒に遊んだことのある女の子が現れたり。ロマンティック。コメディの内容には困らない。お酒好きの人たちは、あそこの酒が美味しい、ここのお酒が美味しいとウンチクを傾ける人が多いけれど、下戸に言わせれば、プロヴァンスのワインだって、カナダのワインだって、日本のワインだって、その他世界各国のワインを飲み比べる事なんて出来ないのが実情でしょう。

『エリジウム』(Elysium)

2013年・アメリカ 監督/

出演/マット・デイモン/ジョディ・フォスター/シャールト・コプリー/ヴァグネル・モーラ

2154年、超富裕層は、大気汚染や人口爆発により生活環境が悪化した地球から離れて、衛星軌道上に建造されたスタンフォード・トーラス型スペースコロニー「エリジウム」で暮らしている。映画の描く近未来もいよいよ2150年台に入ってきた。これから135年後だ。

今から135年前が1884年(明治17年)だということを考えれば、自分の目で見ることが出来なくとも、妙に現実に近い感じがする。40年前くらいに描かれている地球の近未来は、第三次世界大戦が勃発し、原爆の落とし合いで人間は地中深く住むというようなストーリー展開が多かった。そこまで人間は馬鹿ではなさそうな具合だということだけは、現実味を帯びてきている。

それでも、あのアメリカ合衆国でさえ変な大統領が出現する時代となってしまった。それに呼応するが如く、世界各国の政治体制が大きく変化しているのは気になるところだ。一庶民が何を悩もうが、現実は無慈悲に時を刻んでいくだけなのだろう。人生100年時代になったと日本の政治も言うけれど、たかが100年しか生きられないのだ。同じことの繰り返しをほくそ笑んで見ている神々たちの姿が目に浮かぶ。

『トレイン・ミッション』(The Commuter)

2018年・アメリカ/イギリス/フランス 監督/ジャウム・コレット=セラ

出演/リーアム・ニーソン/ヴェラ・ファーミガ/パトリック・ウィルソン/ジョナサン・バンクス

北アイルランド出身の主演リーアム・ニーソンは、この頃アメリカ映画のアクション部門で活躍している印象が強い。2015年、スパイクテレビ主催のガイズ・チョイス・アワードで「ビゲスト・アス・キッカー(最もタフな男)」賞を受賞しているというから頷ける。現在、ニューヨーク在住。

元警官のマイケル・マコーリーは保険のセールスマンとして働いており、仕事場へは毎日メトロノース鉄道ハドソン線の電車で通勤していた。ある日、マイケルがいつものように電車に乗ると、ジョアンナと名乗る女性から話しかけられた。彼女は「この電車が終着駅に着くまでに、乗客の中に紛れ込んでいる盗品を持ったある人物を発見できたなら、貴方に10万ドル(着手金2万5千ドルと成功報酬7万5千ドル)を渡す」と言ってきた。最初は適当に応対していたマイケルだったが、徐々に状況が切迫していき、ついには彼女の要求に応じなければならなくなった。図らずも陰謀に巻き込まれたマイケルは、自分と乗客の命を救うべく行動を開始した。(Wikipediaより)

緊急事態になったときに一体何が出来るのだろうか、というのが自分の人生のテーマになっている。その割にはちょっとしたことにすぐ動揺してビビっている姿を鏡で見ていると、緊急事態に遭遇したら一目散に逃走するのは自分だろうと、情けない結論になっている。先日のニュースで、自分の家の窓から見えた川に溺れている人を救助服を沈着冷静にまとって助けに行った主婦の話に涙した、と書いたのには、そういう事情があったのだ。

『ジョー・ブラックをよろしく』(Meet Joe Black)

1998年・アメリカ 監督/マーティン・ブレスト

出演/ブラッド・ピット/アンソニー・ホプキンス/クレア・フォーラニ/ジェイク・ウェバー

心地よい邦題だと感じたが、こういう柔さの題名とブラピだけではロードショーに耐えられないかも、と強く反省しながら思い返す。1934年の映画『明日なき抱擁(Death Takes a Holiday)』を元にしている。第19回ゴールデンラズベリー賞最低リメイク及び続編賞にノミネートされたという。

確かにちょっとかったる過ぎるところはあるけれど、ゴールデンラズベリー賞にノミネートされるほどではなかろう、と思えるのだが。アメリカ人のこういうところが好きだ。アカデミー賞という名誉を与える場を大々的に喧伝しながら、こんな風にその年の最低な映画を選出して見せるところが素晴らしい。政治の世界の2大政党方式だって同じような構図に見える。

日本人は、残念ながら心の広さが見えない。思いやりだと言いながら、陰口をたたくのが好きな国民らしいし、馬っ鹿みたいに執念深く追い越した車を追跡したり、と心の狭さを実証するような出来事が最近頻繁に起こっている。そのくせ、身内にはどうにも甘い態度をとるのが日本人のDNA特徴のような気がする。それでも、お隣の国のように泣き叫びながら訴える人はそうざらにはいないことが救いだろうか。

『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』(Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events)

2004年・アメリカ 監督/ブラッド・シルバーリング

出演/ジム・キャリー/エミリー・ブラウニング/リアム・エイケン/ティモシー・スポール

レモニー・スニケット著『世にも不幸なできごと』シリーズの3つの作品を取り混ぜて、一つの映画作品にしているという。第77回アカデミー賞では4部門にノミネートされ、メイクアップ賞を受賞したらしい。濃いおっさんが出演していたけれど、あれがジム・キャリーだったのか。メイクアップ賞の一端のような感じだ。

活字の世界を映像化するとそのギャップが堪らないことがある。本を読んでいない私にはこの映画がどの程度活字と映像にギャップがあるのか想像すらできない。あまりにも幼さ過ぎる物語にちょっと引いてしまった。こういう物語をおもしろいと思えるのは、小さい頃から童話や昔話的なストーリーに慣れている人に違いない。

新しい大きくなったテレビの1本目の映画としては、映像には文句のつけようがなかった。字幕スーパーがくっきりと大きく見えるようになったことは、凄く嬉しい。念願のSHARP製、4T-C50AJ1というのが型番。さんざん日にちを費やした結果のテレビだった、Amazonで5年保証を付けて73,500円。もう既にこれより安くなっている。仕方がない。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(The Shape of Water)

2017年・アメリカ 監督/ギレルモ・デル・トロ

出演/サリー・ホーキンス/マイケル・シャノン/リチャード・ジェンキンス/ダグ・ジョーンズ

2017年8月に第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映されて金獅子賞を受賞し、第42回トロント国際映画祭で上映される[7]。北アメリカで2017年12月8日に広く一般公開された。暴力描写や自慰行為、刺激の強い性描写があるため日本国内では、東京国際映画祭で公開されたオリジナルバージョンはR18+指定で公開され、2018年3月1日に公開された本作は1か所にぼかし修正を加え処理したR15+指定バージョンの作品である。第90回アカデミー賞では作品賞など4部門を受賞し、第75回ゴールデングローブ賞でも2部門を受賞した。(Wikipediaより)

摩訶不思議な映画である。性描写がどうのこうのと書かれていたが、別になんていうことないシーン。普通の人間の営みが猥褻だと表現されてしまう世の中の方が不思議でならない。主人公の女性はある研究所の掃除婦、ある時不思議な生物が研究所に運ばれてくるのを見てしまった。このあたりが摩訶不思議な話の根源。変な生物がきちんと登場するところがミソだろう。

主人公は話は聞こえるが自分では喋れない障碍者。この手の登場人物は観客を委縮させてしまいがちだが、この映画に限って言えば必要不可欠な条件を持った人間に見えた。そのあたりも不思議な感覚。世の中には飄々と生きている人がたまに居る。毎日食事をしているのだろうか、何を食べているのだろうか、想像できないような人が居るのだ。

『ハングマン』(HANGMAN)

2017年・アメリカ 監督/ジョニー・マーティン

出演/アル・パチーノ/カール・アーバン/ブリタニー・スノウ/ジョー・アンダーソン

名優アル・パチーノと「マイティ・ソー バトルロイヤル」のカール・アーバンが、連続殺人鬼を追う刑事役で共演したサイコスリラー。殺人課の敏腕刑事レイ・アーチャーと相棒ウィル・ルイニーは、子どもの遊び「ハングマン」に見立てて犯行を繰り返す連続殺人鬼を追っていた。殺人は24時間ごとに起き、犠牲者の遺体には次の殺人へのヒントとなる文字が刻まれる。そんな中、犯罪ジャーナリストのクリスティ・デイビスが、連続犯罪の取材をするためレイたちに同行することに。さらなる殺人を防ぐべく奔走する3人だったが……。クリスティ役に「ピッチ・パーフェクト」シリーズのブリタニー・スノウ。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2018/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018」(18年7月14日~8月24日)上映作品。(映画.comより)

アル・パチーノの刑事役も食傷気味の感がする。なんて言ってしまうと、名優とまで書いてくれている人たちにどやされそうな気がする。何の抵抗もなく話が進行して行く。事件がどんどん起こっても、それが予定調和のように見えてしまっては魅力ある映画ではなくなってしまう。

日本の2時間ドラマをきちんと観た記憶がない。チャンネルを回している途中に見る刑事や警察官、検視官などの姿が嘘っぽくて目も当てられない。ましてや滅多に拳銃を発砲しない日本の警察官が、テレビの中では平気で銃を扱っている。やめてくれ~と言いたくなるような嘘っぱち映像を見ることを由としない。

『女は二度決断する』(Aus dem Nichts)

2017年・ドイツ/フランス 監督/ファティ・アキン

出演/ダイアン・クルーガー/デニス・モシットー /ヌーマン・アチャル/ヨハネス・クリシュ

トルコ人移民に対する連続殺人や爆弾テロを行っていたネオナチ組織、国家社会主義地下組織(NSU)の事件を下敷きとする。連続殺人事件がNSUの犯行であると判明するまで、警察もメディアもトルコ人同士の抗争という見方を取っており、トルコ人社会を治安悪化の主犯として責める報道が相次いでいた。この事件では監督の友人の家族が殺されており身近な事件でもあったが、それだけではなく排外主義一般をテーマにすることを長らく考えていたという。監督はネオナチから脱退した人たちへの取材を繰り返し、「人は暴力では変わることができないが対話などで変わることはできる」ということを確信したという。一方で、「暴力がいかに次の暴力を生み出し、ヘイトがいかに次のヘイトをもたらすか。今作は、そうした連鎖についての物語だ」とも述べている。人は変わりうる、ということを信じることができるか、それとも暴力による復讐に進むかがテーマになっている。(Wikipediaより)

スピードを要求されるこの手の映画にとって、ドイツ・フランス映画ではちょっとばかりかったるい。主人公は夫と息子をテロにより失ってしまう。自ら目撃者となり裁判に持ちこむが「疑わしきは罰せず」という大原則の前に、容疑者は無罪となってしまう。自分の手でこの容疑者を殺してしまおうと考えるのは普通のこと。思い直すことがあって、悲惨な結末に至る過程が。

親日国だとされるトルコのことを十分に知ることはない。イスラム教国家でありながら、欧米のような様式が社会に浸透している珍しい国だという思いしかない。ユセフ・トルコという力道山時代のプロレスのレフリーがトルコ人だと思い込んでいた。今更ながらに調べてみたらトルコ人の両親の間に横浜で生まれた、とあった。インチキ・プロレスを手に汗握り見ていた子供の頃は、純真無垢だったのだろうなぁ~。

『ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!』(Renegades)

2017年・フランス/ドイツ 監督/スティーヴン・クォーレ

出演/サリバン・ステイプルトン/チャーリー・ビューリー/シルヴィア・フークス/J・K・シモンズ

1992年から1995年まで続いたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期サラエヴォでの話。コメディと言ってもいいのだろうが、アクション・コメディなどというジャンルがあるなら、それで行ってみよう。ここでもまたナチスの遺産がコメディの素、基。

湖に眠るナチスの金塊27トンを引き揚げるという壮大な物語。しかもネイビー・シールズ(アメリカ海軍の特殊部隊)は紛争の真っただ中で戦っている最中なのだ。アメリカ映画なら軽快に進行して行くのだろうが、残念ながらこの映画はフランスとドイツの映画。期待するほどには格好良く進まないのは仕方のないことか。

たわいもない話、映画と言ってしまえば元も子もない話だ。アメリカ軍だって軍隊のはずなのだが、日本映画に見る日本軍との違いははるかかなたという感じだ。上官が部下を平気で殴り倒して規律を保っていた日本軍の光景は、もしかすると映画で植え付けられてしまった幻影かもしれない。もしかすると本当に近かったのかもしれない。本物の日本軍の兵隊さんだった父の話をもう少し親身になって聞けばよかった。

『ワンダー 君は太陽』(Wonder)

2017年・アメリカ 監督/スティーブン・チョボスキー

出演/ジュリア・ロバーツ/オーウェン・ウィルソン/ジェイコブ・トレンブレイ/マンディ・パティンキン

「僕は普通じゃないから - 心の中がのぞけたら - みんなも普通じゃないと思う - 誰だって一生に一度は称賛されるべきだ 」 『エレファント・マン』(The Elephant Man・1980年)という宿敵東宝東和が配給して大ヒットさせた映画を強く思い出した。

主人公はトリーチャーコリンズ症候群が原因で顔の形が変形しており、長らく入退院を繰り返していた。容態が安定した主人公は学校に通うようになるが、クラスメートたちの差別によるいじめを受けふさぎこんでしまう。自分の顔が普通ではないことを嘆いたが、両親の励ましを受け立ち直り、学校生活に適応するため、家族に支えられながら懸命に行動を起こす。当初、顔の形がみんなと違うと囃し立てたクラスメートたちも、彼との交流を通して「人間の内面の価値には外見で推し量れないものがある」ということを学んでいき、相互理解を得るようになる。(Wikipediaより)

言葉で書いてしまえば、お涙頂戴のハッピーエンド映画の様相しか伝わらない。どうやってハッピーエンドになって行くかのプロセスが映画の仕事になる。結果だけで生きていくのなら、こんな味気のない人生はないであろう、一つ一つのことには、それこそ必然も偶然もあり、そこをどうやって歩んできたかが人生なのだということが分からない人が多い。目の前の事柄は、すべてが自らの思考と行動の結果にしか過ぎないと。

『ジオストーム』(Geostorm)

2017年・アメリカ 監督/ディーン・デヴリン

出演/ジェラルド・バトラー/ジム・スタージェス/アビー・コーニッシュ/アレクサンドラ・マリア・ララ

"geostorm" という言葉は英語の辞書に載っていません。 この映画のシナリオを書いた人が新しく造った言葉でしょう。"geostorm" はおそらく、「大地・地球」を意味する接頭辞 "geo-" と「嵐」を意味する名詞 "storm" とを組み合わせて造った言葉でしょう。"geo-" という接頭辞は、"geography(地理)" や "geology(地質学)" など地面関連の語に使用されています。映画「ジオストーム」において、"geostorm" は「世界的な大災害」という意味で用いられています。 ~ こんな解説を見つけた。

2019年。災害史に残るような規模の自然災害が多数発生した後、18の国が共同で、国際気象宇宙ステーション(ICSS)を中心とした人工衛星のネットワークにより気象をコントロールするシステムを構築し、ダッチボーイと名付けた。システムの総責任者である主人公は、緊急時に上司の承認なしに異常気象を防いだためにアメリカ合衆国上院の査問会に呼び出され、査問会の議長を務めるバージニア州知事を罵倒してしまう。主人公は更迭され、弟が後任となる。(Wikipediaより)

SF災害映画。こんなジャンルがあったのか。今や世界的な異常気象が現実に続いている。地球温暖化が為せる業だと、専門家は口をそろえて言うが、億年という地球の存在からすれば小さなうねりのひとつではないかと思える。人間が生きていけなくなる気象が、また新しい地球の生命を創り出すという仮説が正しいと、私も思っている。

『インクレディブル・ファミリー』(Incredibles 2)

2018年・アメリカ 監督/ブラッド・バード

出演(声)/ホリー・ハンター/クレイグ・T・ネルソン/サミュエル・L・ジャクソン/ビル・ワイズ

「アニメ映画はあまり観ない」「アニメはめったに観ない」「アニメ映画を観ることはほとんどない」「極く稀にしかアニメ映画を観ない」 どの言い方も合っている。時々は意図的に観ることもある。『アナと雪の女王』(Frozen・2013年)は、早く観たかった映画。どこがそこまで支持されたのだろうか、という1点が興味の対象だった。映画もおもしろかった。

この映画は1作目を観た時は偶然だったが、その面白さに驚いた。この2作目を録画出来て幸運だと思ったくらいだ。相変わらず前作の内容に関してはほとんど覚えていないのは御愛嬌と自分を擁護する。ミセス・インクレディブルが活躍する映画になっている。まだおしめの取れない赤ん坊にもスーパー・パワーが備わっているという設定が何ともおもしろい。

アメリカ人の考えることがやっぱり恐れ入る。日本人の考えることは、音楽と同じようにマイナー・コード、例えば幽霊や心霊のようなものがほとんどで、アメリカ人の考えるメジャー・コードとは正反対のテーストを感じる。おおらかでハチャメチャでやることなすことが奇想天外でおもしろい。絶対に追いつかないことだ。100年経っても差は詰まらないだろう。

『ガーディアン 偽りの守護天使』(The Guardian Angel)

2018年・フィンランド/デンマーク/クロアチア 監督/アルト・ハロネン

出演/ピルウ・アスベック/ジョシュ・ルーカス/ラデ・シェルベッジア/サラ・ソウリエ

第2次世界大戦が終わってから6年後のデンマーク。銀行強盗犯が自分に犯行を指示したという“守護天使”とは誰か。ショッキングな実話を再現したヨーロッパ産サスペンス。1951年、コペンハーゲン。銀行強盗犯のひとりは“守護天使”に命じられたと証言するが、“守護天使”とは何者か……。心理学に精通する黒幕が、催眠術で他人を操ったという衝撃的な実話を再現。黒幕はしかも、捜査を担当する刑事の妻に近づき、彼女の心までコントロールしようとする。1950年代が舞台ながら、現在でも起き得る“洗脳”が題材なのが恐ろしく、最後まで目が離せなくなる戦慄編。こうWOWOWの映画紹介ページに。WOWOWの放送が日本初公開だという。

刑事が主人公。アメリカの警察ものや刑事ものは圧倒的におもしろいが、ヨーロッパ産のデカものはやはりどこか匂いが違う。アメリカ映画の動きの速い、ストーリー展開の激しいものに慣れてしまっているので、どことなくゆったりとしたしかも同じ事の繰り返しを厭わない映像にはちょっと不満が。

催眠術で銀行強盗を実行させるというあたりはなかなかおもしろい。実話に基づいた映画だというが、ナチスの後遺症があっちこっちに埋まっていた。1951年という時代にはまだ第二次世界大戦の清算が出来ていない社会構造だったことは理解できる。お隣の国からは70年経っても責任追及されて、忘れっぽい日本人には不愉快なことばかりが聞こえてくる。

『モリーズ・ゲーム』(Molly's Game)

2017年・アメリカ 監督/アーロン・ソーキン

出演/ジェシカ・チャステイン/イドリス・エルバ/ケビン・コスナー/マイケル・セラ

今日は2019年(令和元年)5月25日(土)。真夏のように暑い1日だ。北向きの部屋で開け放てるような窓もない部屋では温度計は29.1度を示し、湿度は34%。ようやく少し汗をかけるようになってきた。老体に鞭うって最後の時間を快適に過ごす算段をすることだけが日課。手当たり次第にWOWOWを録画しているが、わりあい新しい映画なのに、全くこの存在を知る由もない。

アメリカの伝記映画。出だしはおもしろいが、途中から同じようなことの繰り返しで飽きが来る。また寝てしまった。2時間20分の上映時間と知って、あと30分短くしていたら、たぶんもう少しおもしろげな映画になったのではなかろうかと思った。伝記もの、実話もの映画の欠点特徴は、どうしてもその事実とかけ離れた表現が出来ずに面白みに欠けるというところ。

オリンピックに出場寸前まで行ったアスリートの主人公が、挫折の果てに掴んだ職業が私設カジノ経営者・運営者。アメリカの法律によりチップはもらうが手数料を取らなければ合法だという。世の中に知られた著名人や有名人、映画スター・プロ・スポーツマンが限定客として毎週博打に明け暮れる。負けても負けても毎週顔を出せるのも、知り合った億万長者たちに投資の話を持ち掛けて、ギャンブルで負けた何倍もの金額を扱えるからだ、という一つのからくりもあった。金があればあるように、金がなければないように、人間とは結構賢明な動物なのかもしれない。この映画の中で語られた「チャーチルは言った、成功とは失敗から失敗へ情熱を失わずに進むこと」が印象に残った。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(THE KILLING OF A SACRED DEER)

2017年・アイルランド/イギリス 監督/ヨルゴス・ランティモス

出演/コリン・ファレル/ニコール・キッドマン/バリー・コーガン/ラフィー・キャシディ

思わせぶりな邦題『いい匂いのする女』(Oregon Pine・2016年)を20分くらい観ただけで録画を消してしまった。間違っただけだが、内容はさほどのものではなかったような。原題にあるようにオレゴン産の木材・松の匂いが発端になってこんな下品な映画題名になっというあたりが窺えた。先日のボクシングを見るために臨時加入してすぐやめるつもりだったWOWOWがその月には解約できず、1か月分は払わなければならないと分かり、録画体制を変更していて手間取ってしまった。

そして次に観始まった『スリー・キラーズ』(Reincarnation・2016年)は、ものの10分もしないうちに観るのを止めたくなって、そうした。なんと薄っぺらな映画なんだろう、という感想だけが。WOWOWの映画録画に対する傾向と対策がまだまだ出来ていない。

さてさて、この映画になって、ようやくまともな映画にぶち当たった、と思ったら、とんでもない、稀に見る変な映画だった。2017年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した、というが、このカンヌ映画祭での受賞というのは曲者だ。このタイトルからして怪しい。この監督が、『籠の中の乙女』では常軌を逸したルールのもとで暮らす家族の狂気を描き、『ロブスター』では独身者が動物に変えられてしまうという世界を描いた、不条理で奇想天外な映画を連発する奇才という評判があるらしい。観ていてまったく不愉快な気分になりイライラしていた。それが監督の狙いなら、私はまんまとはまってしまったというべき。いやー、気持ちの悪い気分にさせられた。

『万引き家族』

2018年(平成30年)・日本 監督/是枝裕和

出演/リリー・フランキー/安藤サクラ/松岡茉優/池松壮亮/城桧吏/佐々木みゆ/高良健吾/池脇千鶴/樹木希林

タイトルだけ書いておいた『ある殺し屋』(KILLER FRANK・2015年)は結局5分持たずに断念してしまった。よくあることなので、あらためて書くのも躊躇われるが。この映画は、脚本段階では子どもに「お父さん」「お母さん」と呼んでほしいと願う主人公の想いが重点的に描かれており、撮影中につけられていた映画のタイトルは『万引き家族』ではなく『声に出して呼んで』だったという。

そうこのタイトルが気にくわない。善良な市民に誤解を招くようなタイトルは良くない。内容を観れば、さほど万引きを勧めているようには見えないので、媒体の映画紹介にこのタイトルと万引きという犯罪が大手を振っている様子が我慢ならないのだ。映画は至極つまらない。ここまでおもしろくない映画だとは想像すらできなかった。2時間という時間がどれだけ長いものなのかを味わった。

どうしてこうも自分の価値観と映画祭の価値観が違うのだろうか。不思議なくらい反比例するこの二つの溝は埋まらない。耳が悪くなったのかと思われるくらいセリフが聞き取れなかった。普段のアンプを通したスピーカーの音がぼやけた。仕方がなくテレビのスピーカーだけで聞くようになって、ようやく言葉が判別できた。何から何まで独りよがりでおもしろくない映画だった。

『ミッション:インポッシブル フォールアウト』((Mission: Impossible ? Fallout))

2018年・アメリカ 監督/クリストファー・マッカリー

出演/トム・クルーズ/ヘンリー・カヴィル/ヴィング・レイムス/サイモン・ペッグ

『ミッション:インポッシブルシリーズ』の第6作目。どれを観て、どれを観ていないかまったく分からない。おそらくワン・シーンを観て作品名を答えよ、などと言われたら赤面しかないだろう。トム・クルーズのアクションがますます激しくなって、それが映画の売りになっているのだろうか。そこまで身体を張ってやってくれても、そんなに驚かなくなってしまった。映画館できちんとした大きなスクリーンで観なければいけな作品のひとつ。

このシリーズの元々のテレビ映画「スパイ大作戦」はおもしろかった。毎週必ず見ていたばかりか、何年後かに再放送されたシリーズも欠かさず見ていた記憶がある。3度目の再々放送の時も、そうだった。知能犯のような仕掛けがもの凄く新鮮で刺激的だった。

オートバイや車のアクション・シーンが満載だが、飽きが来る。逆転の連続でいい加減にして欲しいと願う心まで芽生えた。さほど美味しくないメニューがずらりと並んでいても、食指が動かない様子に似ている。過ぎたるは及ばざるがごとし、といった按配だろうか。

『DESTINY 鎌倉ものがたり』

2017年(平成29年)・日本 監督/山崎貴

出演/堺雅人/高畑充希/堤真一/安藤サクラ/田中泯/中村玉緒/市川実日子/ムロツヨシ/要潤/大倉孝二/神戸浩/國村隼

『まんがタウン』(双葉社発行)に連載されている西岸良平の漫画作品。2017年7月現在、コミックスは34巻まで発行している。第38回日本漫画家協会賞大賞受賞作品。だというが、活字どころか漫画世界に疎い自分には、これぽっちも情報が入ってこない。漫画を嫌いだなどと言うはずもないが、漫画を読んで楽しんでいた短い時間があったことは確か。でもそれは、だいぶ小さい頃の話で、少年ジャンプが800万部の発行を誇る頃に、電車の中で読んでいる若者を見た時期には、もういい加減にしたらという言葉を投げつけたい心境になっていた。

息抜きとしての娯楽には大賛成だが、娯楽が生きがいになってしまってはどうしようもない。娯楽は、提供する側は仕事として没頭しなければならないが、その娯楽を楽しむのは他にあるメインの仕事ややらなければいけないことのための息抜きにならなければいけない。今だって電車の中でスマホを弄って感心だなぁと思っていると、たかが携帯ゲームに夢中になってるだけじゃないかというケースも少なくなく、日本の未来が心配になる老人の心境也。

2時間9分もあるこの映画はつまらない。日本映画独特の子供だましの話では興味が失せる。それなりのお金はかかっているが、特撮分野ではアメリカ映画に圧倒的に遅れている映像がはなし同様子供っぽくてこっちまで馬鹿にされているよう。さすがにアメリカ映画は腐っても鯛、内容や撮影技術で勝負できた昔の日本映画の世界的地位は、残念ながらもうとっくの昔に地に堕ちてしまったと言わざるを得ない。

『ザ・レジェンド』(Outcast)

2014年・アメリカ/中国/カナダ 監督/ニコラス・パウエル

出演/ヘイデン・クリステンセン/ニコラス・ケイジ/リウ・イーフェイ/アンディ・オン

時は12世紀。十字軍で活躍していた歴戦の騎士ジェイコブとガレインは、虚しい戦いの日々に辟易し極東の中国へと旅立った。一方その中国では、皇帝が実子により暗殺され、国中に不穏な影が渦巻いていた。皇帝を暗殺した長男シンは、皇帝の座を継ぐのに邪魔な幼い弟を殺害するよう兵に命じるが、弟は兄弟の姉であるリアンと共にすでに逃げ去った後だった。こうしてリアンと弟は決死の逃避行を開始するが、とある酒場で二人はシンの兵に見つかってしまう。二人の絶体絶命の危機を救ったのはそこに居合わせたジェイコブだった。二人と出会ったことで再び戦う目的を見出したジャイコブは山中で盗賊の頭に身を落としていたガレインを説得し、たった数人で大多数を相手に戦う決意をするのだった。(Wikipediaより)

中国が入ってくると話が大袈裟になって観るのもつらくなる傾向が強い。仰々しいという表現が相応しいのだろう。大したことのない事柄をさも大きいことだと言い放つ性癖は古来4000年の歴史の積み重ねなのだろうか。

最初はヨーロッパで起こっていた戦いのはずだったのに、時が移って舞台は中国の様子。東へと流れついた白人二人が巻き起こす活動劇とでもいえるだろうか。つまらない。国王を継ぐ者が兄なのか弟なのか、単純な話が色付けされて別の話になって行く。おもしろくない。中国嫌いが頭を擡げる。

『英雄の証明』(Coriolanus)

2011年・イギリス 監督/レイフ・ファインズ

出演/レイフ・ファインズ/ジェラルド・バトラー/ヴァネッサ・レッドグレイヴ/ブライアン・コックス

シェイクスピア悲劇『コリオレイナス』の舞台を現代に置いた映画化で、レイフ・ファインズの監督デビュー作。ローマ時代の話を現代の戦争様式に例えているので違和感が拭えない。攻める都市が「ローマ」で銃を使っていたのでは、頭の整理が出来なくて困る。

頑なな司令官候補者が人民の賛同を得られずに逆恨みして母国を攻撃する。そのあたりの人間の心の変化は理解できるが、簡単に司令官候補者を死刑だとまで責め立てる民衆の総意が理解できない。半分分かるところがあって、半分分からないところがあるという不思議な映画だった。指揮官までも意思をまげて人民に阿ねなくてはならないのかと怒る主人公の気持ちが良く分かる。

いざとなれば母や妻、子供の訴えに耳を貸すことになる無慈悲な指揮官も形無し。女の涙は剣よりも強しか。折れないで自我を通して欲しかった、と珍しく映画ストーリーに難癖を付けたくなる。

『ビッグショット・ダディ』(World's Greatest Dad)

2009年・アメリカ 監督/ボブキャット・ゴールドスウェイト

出演/ロビン・ウィリアムズ/ダリル・サバラ/アレクシー・ギルモア/ジェフ・ピアソン

ロビン・ウィリアムズが主演だった。思いがけないところで再会できた。好きな俳優だ。最初に彼の死について触れない訳にはいかない。カリフォルニア州の自宅にて2014年8月11日に縊死。63歳没。検視されて「自殺」と断定される。関係者によると、ウィリアムズは数か月に渡ってうつ状態にあり、アルコール依存症専門のリハビリセンターに入院したこともあったという。病理報告では、初期のパーキンソン病ならびにレビー小体型認知症であったとも伝えられ、これらの罹患が自殺の一因になったと一部メディアで説明されたが、娘のゼルダはその後のインタビューで「憶測では原因を語れない」と断定できない立場を取った。

彼の映画はおもしろい。彼が他人を笑わせるからではない。その持っている雰囲気が大好きなのだ。『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』(Patch Adams・1998年)の中での彼は、まさにその天性のものを周りの人々に確実に伝えていた。あーいう風に入院している子供たちを笑顔にさせられたら、どれだけ嬉しいことだろうか。この映画、WOWOW放送時のタイトルは『ディア・ダディ 嘘つき父さんの秘密』だったが、DVDレンタル開始時に邦題がこの題名に変更されている。当初はiTunesなどでのネット配信でのみ映画本編を視聴することが可能だったが、2014年10月にDVDが発売されたという。

この映画も無理やりのコメディではない。どういう風に映画が結末を迎えるのかが凄く気になった久しぶりの映画だった。映画の中のせりふ、「自殺は、一時的な問題の恒久的な解決策だ。」「孤独に死ぬことが最悪な人生だと思っていた。だが違う。孤独を感じさせる人に囲まれる方が最悪だ。」 この二つがえらく印象に残った。ロビン・ウィリアムズは稀有な才能に溢れた役者だった。

『シンデレラ 前編・後編』(Cenerentola)

2011年・イタリア 監督/クリスチャン・デュゲイ

出演/ヴァネッサ・ヘスラー/フラヴィオ・バレンティ/ナタリア・ヴォルナー/ルース・マリア・クビチェック

現代版シンデレラ、作ったのはイタリア映画界、チネチッタという映画人なら誰もが知っている撮影所が登場したりして楽しい。勿論、シンデレラという物語をきちんと読んだことはない。長年人間をやっていると、シンデレラという物語にはカボチャの馬車やガラスの靴、動物たちとのお喋り程度の「知識」が身に付いてくるから不思議だ。

どう考えたって、この程度の映画を全編・後編と日本の映画館で公開することは不可能だろう。いきなりDVD発売しか道はないと思われるが、観ている分には結構楽しめた。日本の代表的なテレビ・ドラマ「おしん」は東南アジアを中心に有名だと聞くが、いつのどこの世界でも意地悪な人種が善良な人間をいじめる話は興味が尽きない。

どうして意地悪な人が存在するのか疑問だった。そんな人がいる事すら信じられないことだが、現実社会には掃いて捨てるほどの意地悪人間が存在することはうすうすようやく分かってきた。意地悪されたとしても、そう感じないほど優秀だったのかもしれない若い私は。歳をとってから意地悪されると、もういけません。自分で恢復する力がなくなってしまったので、小さな傷でも致命傷になりかねない。惜しまれているうちに居なくなった方が賢明だと思うのは正しいことだと。

『バッド・ウェイヴ』(Once Upon a Time in Venice)

2017年・アメリカ 監督/マーク・カレン

出演/ブルース・ウィリス/ジェイソン・モモア/ジョン・グッドマン/トーマス・ミドルディッチ

悲惨な映画だった。ブルース・ウィリスが探偵でアクション・コメディを展開する、と聞いたら何それ!と全員が摩訶不思議な顔をするだろう。その通りなのだ。この探偵さん、自分の飼っているチンケな犬が大好きで、それをこれまた大好きな姪に預けて楽しんでいる。やることなすことがドジで間抜けで、というハチャメチャ・ストーリーなのだ。

アメリカ西海岸の物語。ロスにあるベニス・ビーチが頻繁に出てくる。アメリカの地名は世界各国の有名な地名が名付けられている。人間だって世界各国からアメリカン・ドリームを夢見てやってきた人たちが多いのと同じようなものか。スペイン語の地名・道路名が多いと感じていたが、このベニス・ビーチはイタリアからのものだろう。種馬イタリア人と揶揄されるイタリア系アメリカ人も数多く映画に登場する。

日本ヘラルド映画配給作品『女と男の名誉』で、東海岸のサラリーマンが西海岸に出張に行くシーン、スーツにネクタイでピシッと決めていた男が飛行機の中でアップになると、なんと黄色いアロハ・シャツを着ていた。その時に初めてアメリカの東と西の違いを覚えたのだった。

『ユージュアル・ネイバー』(THE HARVEST)

2013年・アメリカ 監督/ジョン・マクノートン

出演/サマンサ・モートン/マイケル・シャノン/メドウ・ウィリアムズ/チャーリー・ターハン

普通の人々ならぬ普通の隣人は普通ではなかった。ホラー映画というジャンルに属するのだろう。映画の面白味が発揮されているが、終始暗いムードに包まれていて私は好きではない。病気の息子がいつもベッドで寝ていると思わせて、実は彼は新生児の時に病院から誘拐してきた少年だった。実の息子に肝臓移植、心臓移植を秘かに行うためにさらってきた生贄だったのだ。母親は医者である。

てな感じなのだが、なんとまー見ていると嫌になってくるのが良く分かる。隣に越してきた家族の中に同じような年頃の好奇心旺盛な少女がいた。隣といっても、家と家の間に小さな森があり川も流れている。アメリカの田舎ではこんな光景もよくあることなのだろう。

向こう三軒両隣という組合組織が田舎にはある。たぶんというか勿論今でもあるだろう。葬式を出せば、必ずこの組合の人たちで助け合うのが普通だが、普通以上に面倒な存在であることも確か。そういう生活を子供の頃していた身にとっては、団地生活の付き合いは慣れなかった。今でも隣近所の付き合いをもっとしたいと思っていても、自分だけではどうにもならない。人間生活の一部だろう。

『人生の動かし方』(The Upside)

2019年・アメリカ 監督/ニール・バーガー

出演/ブライアン・クランストン/ケヴィン・ハート/ニコール・キッドマン/ジュヌヴィエーヴ・エンジェルソン

今日は平成31年4月30日、明日は令和元年5月1日だ。「AMAZON ORIGINAL」と書かれていて、絵柄は「最強のふたり」とほとんど同じようだったので観るきっかけが掴めなかった。調べてみたら、2011年に公開されたフランス映画『最強のふたり』をリメイクした作品であるとあった。なるほど。おもしろいと思っていた映画なので、今回も新鮮におもしろかった。

資産家の主人公は四肢の麻痺を抱えており、介護者なしでは生活できない状態にあった。主人公は気難しい性格であったため、雇われた介護者は早々に辞職してしまうありさまであった。新しい介護者を探していた主人公の下に、もう一人の主人公の若者がやって来た。主人公の周囲の人々はもう一人の主人公に前科があることに難色を示したが、主人公は何を思ったのか彼を介護者として採用することにした。というのが物語の始まり。

率直に意見を言ってくれる人がどれだけいるかがその人の人生をも決めかねない。面倒くさいことだから、余計なことだから、鬱陶しがられながら愚直に意見を述べてくれる他人は、そうざらにはいない。言う方だって疲れるのだ。それを言わなくなってしまったら、言われなくなった方の悲劇だろう。まさしく神様だけが知っていることに属する事柄だけど、誰だった気持ちよく時間を過ごしたいと願うばかりがおおすぎるから。

『パシフィック・ウォー』(USS Indianapolis: Men of Courage)

2016年・アメリカ 監督/マリオ・ヴァン・ピーブルズ

出演/ニコラス・ケイジ/トム・サイズモア/トーマス・ジェーン/マット・ランター

インディアナポリス(USS Indianapolis, CA-35)は、アメリカ海軍のポートランド級重巡洋艦。1945年7月26日にテニアン島へ原子爆弾を運んだ後、7月30日フィリピン海で日本の潜水艦伊58(回天特別攻撃隊・多聞隊)の雷撃により沈没した。第二次世界大戦で敵の攻撃により沈没した最後のアメリカ海軍水上艦艇であるという。

乗員1,199名のうち約300名が攻撃で死亡し、残り約900名は8月2日に哨戒機によって初めて発見されてから5日後に救助が完了するまで、救命ボートなしで海に浮かんでいたが、水、食料の欠乏、海上での体温の低下、これらからおこった幻覚症状、気力の消耗などで多数の乗組員が死亡した。それに加えサメによる襲撃が心理的圧迫を強くした。その後映画およびディスカバリーチャンネルの番組等で、サメの襲撃が演出として過剰に語られたため、大多数がサメの襲撃の犠牲者になったかのように思われているが、おもな原因は救助の遅れと体力的限界が死亡の原因といわれている。救助された生存者は わずか316名であった。

映画は酷くつまらなかった、と言ってしまえば誰に対しても失礼なような気がする。歴史的事実だから。原爆投下の正当性はアメリカではまだ半分くらいの確率らしい。第二次世界大戦は原爆を投下しなくても、間違いなく終わっていたという専門家の説が多いが、当事者にとっては未来のことなど誰にも分からないことと一笑にふすだろう。敗戦国となった日本には何の正当性もない。それが勝負事の原則だ。仕方がない。

『ボヘミアン・ラプソディ』(Bohemian Rhapsody)

年・イギリス/アメリカ 監督/ブライアン・シンガー

出演/ラミ・マレック/ルーシー・ボイントン/グウィリム・リー/ベン・ハーディ

日本での興行収入が100億円大台を突破しているらしい。どこにそこまでの魅力があるのだろうかというのが最大の関心事項だった。音楽物で成功物語は想像の付く範囲だが、この映画はちょっと予想とは違っていた。人間の才能が多くの人に認められて、成り上がって行く様は、外から眺めていても涙が出るほど気持ちのいいものだ。

伝説的ロックバンド「クイーン」のボーカリスト・フレディ・マーキュリーが主人公。第76回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)と主演男優賞(ドラマ部門)を獲得。第91回アカデミー賞では、作品賞を含む5部門にノミネートされ、主演男優賞、編集賞、録音賞、音響編集賞の最多4冠を獲得した。興行収入は音楽伝記映画のジャンルで史上1位、日本では2018年公開の映画として最高となった。日本では『ボラプ』『ボヘラプ』という略称が用いられることがある(Wikipediaより)というけどホント?なんでも短くしてしまうのは凄いけれど。

ベット・ミドラーの『フォーエバー・フレンズ』(Beaches・1988年)という映画を思い出した。感動して涙を流す映画だと記憶しているが、今日の音楽映画とどこかが違う気がする。世の中が変われば人間の心の中も少しばかり変わってくるのは必然。どちらがよりいいということではないが、ボヘミアン・ラプソディがかなり評判がいいという話を聞いて、描き切れていない人間の心と映画的技法にちょっと疑問がある。

『陰謀のセオリー』(Conspiracy Theory)

1997年・アメリカ 監督/リチャード・ドナー

出演/メル・ギブソン/ジュリア・ロバーツ/パトリック・スチュワート/キルク・カザート

サスペンス映画というジャンルに入るこの映画だが、観ているとどうにもコメディに見えて仕方がなかった。それくらい奇妙な主人公と事件の数々、製作者の意図するところだろうか。もしかすると3度目の鑑賞になるかもしれないと思い始まったのは、だいぶ経ってから。前回にはコメディという感触はまったくなかったような気がするが相変わらずよく覚えていない。

ニューヨークでタクシー運転手をするジェリー・フレッチャー(メル・ギブソン)。陽気だが変人の彼は、夜な夜な乗客たちに様々な都市伝説的な陰謀論を語り聞かせていた。だが彼は、タクシー運転手になる以前の記憶が無い。ただ一つの記憶は、司法省ニューヨーク局の連邦検事であるアリス・サットン(ジュリア・ロバーツ)をストーキングし、その安全を毎日確認しなければならないと言うこと。そして彼のもう一つの顔は、陰謀論に基づいた時事解説を載せる月刊ニュースレター「陰謀のセオリー」を個人で編集・発行しているということ。(Wikipediaより)

ラストシーン近くになって改めて観た記憶が蘇った。それとラストシーンも確かに。途中のストーリーはいったい何だったのだろうか。確かにミステリーと言われれば、そうだねと答えられるかもしれない。アメリカの幅の広さを見る思い。FBIやCIAに属さないその上の国家最高秘密機関なるものが登場して、映画はおもしろくなるが、実際はどうなのだろう。コメディではなく本格サスペンスだと思い込んで観れば、かなりおもしろい映画になるだろう。

『アトミック・ブロンド』(Atomic Blonde)

2017年・アメリカ 監督/デヴィッド・リーチ

出演/シャーリーズ・セロン/ジェームズ・マカヴォイ/ジョン・グッドマン/ティル・シュヴァイガー

おもしろくないスパイ・アクション。外国映画の欠点は名前が明確に覚えられないこと。顔と名前が一致しなくては、諜報活動では致命傷だ。誰が味方で誰が敵なのかの見分けがつかなければ、物語はまったくおもしろいものではなくなってくる。その典型的な映画かもしれない。

なにしろ、ちょうどベルリンの壁が崩壊した1989年秋の話で、まだまだ冷戦が続いている最中、スパイのリストをめぐりイギリスのMI6、ソビエトのKGB、そしてどこにでも顔を出すアメリカのCIAの三つ巴のスパイ合戦が繰り広げられる。原題通り、逞しき女スパイが不死身の身体でストーリーに生き残る。主演のシャーリーズ・セロンの顔が分からない。同じことをどこかで書いた記憶がある。一発喰らえば死んでしまいそうな打撃を受けても戦い続けるスパイ連中は、あまりにも現実感から離れていて、観客の心も離れてしまう。

1989年はくしくも昭和が終わり平成が始まった年。同じ年にベルリンの壁が崩壊するなんて誰が予想できただろうか。専門家は「兆候はあった。」などと知ったかぶりをするのがおちだが、一瞬先を予測できる人なんて何処にもいない。毎日のように天気予報が外れたなんていう世界が、相変わらずの日常だ。ここまで人工衛星の情報をもとに予測する世界でも、所詮は前例の焼き直しを踏襲するだけ。神の領域に近づいたと思ってはいけない類の話しだろう。

『ナチスの愛したフェルメール』(Een echte Vermeer)

2016年・ オランダ/ベルギー/ルクセンブルク 監督/ルドルフ・バン・デン・ベルグ

出演/ユルン・スピッツエンベルハー/リゼ・フェリン/ルーラント・フェルンハウト

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer、1632年 - 1675年)は、ネーデルラント連邦共和国(オランダ)の画家で、バロック期を代表する画家の1人。映像のような写実的な手法と綿密な空間構成そして光による巧みな質感表現を特徴とする。フェルメール(Vermeer)の通称で広く知られる。ナチス・ドイツの高官ヘルマン・ゲーリングなどにフェルメールの絵画を売った罪で逮捕・起訴された主人公が予想外な告白をした。

主人公は、実在の天才贋作画家ハン・ファン・メーヘレン、名前が似ていて紛らわしい。観るという作業が進まない。同時にひとつのことしか出来なくなってしまったツケが日常生活に影を落としている。フェルメールの絵って?と調べてみたらひとつの絵だけを知っていた。おそらくこの絵はほとんどの人が知っているに違いない。タイトルを『真珠の耳飾りの少女』という絵画だった。映画はつまらなかった。進行が遅いのと同じことの繰り返し。なんとか最後まで行き着いたという感じ。

エンド・クレジットあたりにこんな言葉が書かれていた。「ファン・メーヘレンは6年かけ フェルメールの贋作を制作 彼の贋作技術は今も評価が高い 彼の『エマオの食事』はボイマース美術館に今も展示されている ポストモダンの視点から見ると ファン・メーヘルの作品は芸術である」。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(Fantastic Beasts and Where to Find Them)

2016年・イギリス/アメリカ 監督/デヴィッド・イェーツ

出演/エディ・レッドメイン/キャサリン・ウォーターストン/ダン・フォグラー/アリソン・スドル

2013年9月に、「ハリー・ポッターシリーズ」の新作として映画化が発表され、全5部作予定になっているという。このニュースを聞いたことがあるような、ないような。この作品では、原作者のJ・K・ローリング自身が初めて脚本を手掛けることとなった。英語では同名となる著書『幻の動物とその生息地』(Fantastic Beasts and Where to Find Them)に触発された作品であるという。舞台は禁酒法時代1926年のニューヨーク、「ファンタスティック・ビースト」シリーズの第1作であり、ハリー・ポッターシリーズの映画で始まるウィザーディング・ワールドの9作目となるという映画ファンなら知っていることを知らない。ハリーポッター・シリーズをたぶん3作目くらいまでしか観ていない。同じことの繰り返しという印象が強くなって、観る興味を失ったというのが本音だ。

中身はハリーポッター・シリーズと同じようなものだった。あまりにも魔法が使え過ぎるのが興味を削ぐ。ニューヨークにも魔法を使える種族がいるというのがストーリーなのだが、空想にしてもちょっと無理がある。夢の世界を他人に押し付けるのには、それなりの納得性が必要になってくる。

あまりにも現実離れした物語には子供騙しという烙印を押すしかない。この映画はお金もかかっているし、アクションも立派でなかなかのものだと思うが、一歩映画の中に心を踏み入れる勇気が湧いてこない。考えが理解できても、言っていること、やっていることにどうにも同調できない現実社会に似ている。だからこそ、少しでも心の安らぐ仲間を見つけたら離したくなくなるのだろう。


2021/5/3 再び観たので記す。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald)

2018年・イギリス/アメリカ 監督/デヴィッド・イェーツ

出演/エディ・レッドメイン/キャサリン・ウォーターストン/ダン・フォグラー/アリソン・スドル

 今日は2021年(令和3年)5月3日。

『ブラックブック』(蘭: Zwartboek、英: Black Book)

2006年・オランダ 監督/ポール・バーホーベン

出演/カリス・ファン・ハウテン/セバスチャン・コッホ/トム・ホフマン/ハリナ・ライン

今日は2019年(平成31年)4月13日(土曜日)。この映画はちょっと前に観ていたのだが、訳あって本日の登場となった。といっても、以前にも観ているので、重ね書きということになる。

気になっていた映画があった。ナチスもので、ドイツの将校に取り入るために、髪の毛ばかりか下の毛も金髪に染めて敵陣に乗り込むユダヤ人女性を描いたものだった。この映画だった。題名を見てもピンとこなかったが、一言読んだ解説に、もしやという予感はあった。

前回観た時の印象の悪さが気になっていたのだ。下の毛を金髪に染めるというシーンを映画製作者は敢えてきちんと撮影しているのにも関わらず、日本の法律運用者はそこをボカせと命令している。想像がつくから良いだろうという安易な判断すらもない、ただ法律を厳格に適用する日本的文化程度の低さが、いたるところに蔓延っていることに耐えられない気持ちになったものだった。

今回の放映ではそのシーンがボカされていない。別になんていうことないシーンだが重要なシーンとして、映画の進行を妨げない。その後の別のドイツ人将校がセックス直後にすっぽんぽんでトイレに入ってきておちんちんをぶらぶらさせているシーンでは、さすがにおちんちんはボカされていた。それぐらいなら仕方がなかろうと思える男のイチモツと状況。

『フィフス・ウェイブ』(The 5th Wave)

2016年・アメリカ 監督/J・ブレイクソン

出演/クロエ・グレース・モレッツ/ニック・ロビンソン/ロン・リビングストン/マギー・シフ

主演のクロエ・グレース・モレッツについて:2010年公開の『キック・アス』で“ヒット・ガール”を演じ知名度を上げた。 このキャラクターは11歳の少女でありながら、父親と共にスーパーヒーローとして登場し、薙刀、バタフライナイフ、銃器、マーシャルアーツなどを使用し、ギャングを叩きのめしていく。放送禁止用語を多用するこの役柄については、(役柄の上で)「あの文脈だと特に意味を持たない言葉で、『おい!』と同じような形で使っているわけでしょ」と語っている。しかし監督と脚本家に「なるべくコミックを忠実に再現したいから、とりあえずワンテイクだけ言ってくれ。そのテイクは使わないだろうから」と説得されたが、結局使われたとも語っている。マーシャルアーツ、ガンアクションなどの過激なアクションシーンの9割を自分自身で演じ、撮影前に7か月の訓練を行った。 道徳的非難もありながらこの演技で広く賞賛され、映画評論家ロジャー・イーバートは、4つ星中1つ星の映画としながらも「ヒットガールのキャラクターについて物議はあるだろうが、モレッツは存在感があり魅力的である」と評している。クロエはキック・アスの撮影に入る前、参考に『キル・ビル』を観たこと、またヒット・ガールを演じるに際し、アンジェリーナ・ジョリーに一番影響を受けたと語った。

薦められて観た「キック・アス」がめちゃめちゃおもしろくって、その時の彼女はまだ13才だったが今や22歳、特徴のある顔立ちは珍しく忘れないでいられるのが嬉しい。この映画はSFスリラー映画というジャンルに属するらしいが、ちょっとばかりおもしろくない映画で、よくぞ最後まで作りきったなぁ、という程度の印象しか残らない。

地球人ではない宇宙人が人間と同じ格好で目の前に現れた時、あなたならどうする、という疑問符を投げかけてくれるだけが救いの道だった。ただ自分の家族だけを必死に守ろうとする身勝手さが顕著なアメリカ人の姿も映し出していた。そこまで家族を守るのなら、その前に自分の目の前の人にももっと敬意を払わなければ、と思うのは日本人のDNAなのだろうか。

『PUSH 光と闇の能力者』(Push)

2009年・アメリカ 監督/ポール・マクギガン

出演/クリス・エヴァンス/ダコタ・ファニング/カミーラ・ベル/クリフ・カーティス

かつてナチスが始めた超能力を持つ兵士の開発研究を、各国の政府がディビジョンと呼ぶ部署を設けて続けている。ディビジョンは市井の超能力者を野生動物のように狩り、使役し、人体実験を行っている。 主人公ニックは10年前に米国ディビジョンに父を殺された過去を持つムーバー能力者で、以来逃亡生活を続け、現在は香港に潜伏している。(Wikipediaより)

ディビジョンだ、スニファー能力者、ウォッチャー能力者、ブリーダー能力、スティッチャー能力者、だと超能力を発揮してくれるが訳が分からない。製作者の頭の中でしか理解できない代物。観客はポカーンとただ口を開けて観ているだけ。あるいは、子供だましのトリック映像を観ている感覚に襲われた。懐かしい香港が舞台で、「あぁ香港、ホンコン、ホンコン」と叫んでみたってもう行くこともないだろう。

超能力なんて持てれば素晴らしいが、人間社会の凡人生活には縁もゆかりもないこと。漫画や夢の中でさえ信じられないことは、現実逃避としか見えない。昔、もしかするとちょっと超能力的なところがあるかもしれないと錯覚したことは、間違いなく錯覚だった。今やただのじじいに成り下がった姿は、人間本来の欲も希望もない真っ直ぐな人間に戻っているような。

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(Jurassic World: Fallen Kingdom)

2018年・アメリカ 監督/J・A・バヨナ

出演/クリス・プラット/ブライス・ダラス・ハワード/レイフ・スポール/ジャスティス・スミス

『ジュラシック・パーク』シリーズの映画第5作目ということだが、3作目と4作目を観たかどうかの記憶がない。ジュラシック・ワールド事件から3年後の2018年。パーク崩壊後も、イスラ・ヌブラル島では恐竜達が自由に島中を徘徊して生きていた。が、島北部のシボ山で火山噴火が起き、島の恐竜達は存亡の危機にさらされる。そんなところから始まるが、途中抜けていたとしても、なんとなくストーリーは繋がって見える。

アクション・冒険映画の典型のような映像はやっぱり観ていて楽しい。お金をかけられない映画と比較すれば一目瞭然、映画らしい映画が少なくなってきてしまった昨今、たくさんのこういう映画の出現を望む一人。大きいスクリーンで観たいと思わせてくれる。今、39インチから50インチテレビに交換しようと結託している最中、帯に短し・・・・なんとかで、決断が鈍っている。

生きているうちにもっと多くの時間を映画で楽しみたい。大きい画面は間違いなく満足度を増加させてくれる。余計な4Kや8Kテレビの出現、しかも「対応」や「チューナー内蔵」と価格を含めて選択肢が多すぎる。同じ大きさでも何種類も存在する。メーカーの思惑を知れば、少しは決断が速くなるのだろうが。

『マネーモンスター』(Money Monster)

2016年・アメリカ 監督/ジョディ・フォスター

出演/ジョージ・クルーニー/ジュリア・ロバーツ/ジャック・オコンネル/ドミニク・ウェスト

1988年公開の『告発の行方』と1991年公開の『羊たちの沈黙』で2度アカデミー主演女優賞を受賞したジョディ・フォスターが監督した作品はおもしろかった。テレビの人気番組「マネーモンスター」では資産運用、株の動向などを大胆に予想する。主人公はその番組の司会者とプロデューサー、アドリブ得意な司会者だが、突然暴落した会社の株価の責任を追及するために暴漢らしき若者が拳銃と爆弾を抱えてナマ番組に乱入してきた。

番組は拳銃を持つ青年と司会者とを映しながらまったくライブ状態となって放送されている。どういうストーリー展開をしたら観客が喜ぶだろうかと監督は良く分かっているようだった。たいした作品に出演している彼女ならではの演出のようにも見える。映画監督が私説小説的に他人の目を一切感じないで映画を作ってしまうケースも多い中、地道に映画のおもしろさを訴えてくれて嬉しい。

自爆装置を身に着けさせられた場合、狙撃すらも封じられる。犯人は爆弾のボタンを押し続けていて、離すと爆発するという仕掛けだった。ナマで進行する迫力のある攻防劇はおもしろい。様々な企業の秘密も暴露され、株価がアルゴリズムで操作されているなど、難しいシステムも紹介されて勉強になった、と言っておこう。

『ワイルド・ギャンブル』(Mississippi Grind)

2015年・アメリカ 監督/アンナ・ボーデン

出演/ライアン・レイノルズ/ベン・メンデルソーン/シエナ・ミラー/アナリー・ティプトン

ゲリーはギャンブルで生計を立てていたが、ここ最近は思うように稼ぐことができずにいた。そんなある日、ゲリーがアイオワ州のカジノでプレイしていると、カーティスという年少のギャンブラーに遭遇した。テキサス・ホールデムで大勝ちして気前が良くなったカーティスはゲリーにバーボンを奢った。数時間後、再びカーティスに遭遇したゲリーは、さっきのお返しに酒を一杯奢ってやった。ゲリーがトランプで勝つ秘訣を尋ねたところ、カーティスは「勝ち負けにこだわらないことだ」と答えた。意気投合した2人はそのまま酒を飲み続けた。(Wikipediaより)

見知らなかった二人が意気投合したというのだろうか、セントルイス→メンフィス→ニューオーリンズへとロードムービーのようなギャンブル二人旅が始まった。時には人生訓のような言葉の言い合いが嘘っぽく見える映画ストーリー、日本公開は出来なかったらしいがさもありなん。

所詮はギャンブル、大儲けしてすぐまた堕ちていく人たちがどれだけ多いことか。パチンコをする人は自分が勝ったことを吹聴する人が多い。麻雀では負けたと喋る人が多い。ギャンブルの特性なのだろうか。刹那的な快楽に身をゆだねがちな人は、終始一貫後先を考えずに人生を生きている。それでも何とか生きていけるのが人生、他人のことを言えるほど立派な人生を歩んでいない自分も同類だ。

『奇跡の絆』(Same Kind of Different as Me)

2017年・アメリカ 監督/マイケル・カーニー

出演/グレッグ・キニア/レネー・ゼルウィガー/ジャイモン・フンスー/ジョン・ボイト

「他人からどうこう言われる筋合いはないけど、私は自分の顔を変えたり、目の手術をするという選択はしていません」と、整形疑惑をキッパリと否定。あくまで「このことは誰にとっても大事ではない」と前置きした上で、「でも(整形の)可能性について、ジャーナリストが公の場で語ることにより混乱を招いていること、そして社会の肉体第一主義的な考えを定着させることにつながる」と考え、真実を語る決意したという。

さらにレネーは「痩せすぎ、太り過ぎ、老化してる、茶髪の方がいい、太もものセルライト、フェイスリフト・スキャンダル、薄毛問題、太っているのか妊娠か、変な靴、汚い足、美しくない笑顔…。そんな見出しが、密かに人の価値を決めるようになっている。今の社会は、人々が“社会的に認められる”ために存在し、“プロフェッショナルとして価値を見出される”必要があると、感じているの。笑いものにされて、傷つかないようにね」と言及。「その風潮は、若い世代や感受性の強い人々にとって、大きな問題を引き起こしかねない。偏見や自己否定、いじめ、などを引き起こす、トリガーにもなりかねないわ」と、“外見至上主義”なメディアのあり方に苦言を申し立てた。(SPUR.JP より)

『ブリジット・ジョーンズの日記』で有名なレネー・ゼルウィガーが整形疑惑に答えたという。映画を観終わってこの事実を知らされるまでこの映画の主人公が彼女だとは気が付かなかった。歳のせいも少しあるが、好きな顔立ちだったので、凄く意外だった。邦題ほどには面白味がなくちょっと残念な映画だった。事実に基づくと大上段にかぶったようなタイトル・クレジットだったので、少し期待していたのだが。映画が詰まらないのではなく、その事実が映画にするほどおもしろくないということなのだろう。

『カリートの道』(Carlito's Way)

1993年・アメリカ 監督/ブライアン・デ・パルマ

出演/アル・パチーノ/ショーン・ペン/ペネロープ・アン・ミラー/ブランコ - ジョン・レグイザモ

ニューヨーク州最高裁判所の元判事エドウィン・トレスの同名小説、およびその続編『それから』を原作とする。ゴールデングローブ賞2部門の候補に挙がったという。元麻薬王の主人公は、親友の弁護士の尽力によって、30年の刑期だったものがたった5年で刑務所から出所した。彼が5年ぶりに見た街と人々は、仁義も信義も失って変わり果てていた。アル・パチーノのような役者が出ていると映画が引き締まる。監督ブライアン・デ・パルマはヘラルド時代に配給した「殺しのドレス」で印象に強く残っている。

おもしろい解説があった。原題“Carlito's Way”はフランク・シナトラの「マイ・ウェイ」にちなんでつけられたが、劇中に「マイ・ウェイ」は一回も使われていない。『それから』をベースにしているのに映画のタイトルが『カリートの道』なのは、『それから』と原題が同じマーティン・スコセッシ監督の『アフター・アワーズ』(After Hours)との混乱を避けるためである。生い立ちから30代までのカリートを描いた『カリートの道』と40代のカリートを描いた『それから』が原作としてクレジットされているが、映画で描かれているのは主に『それから』の部分である。

カリートとイタリアン・マフィアとの電車でのシーンは、予算の都合で見送られた、アンタッチャブル (映画)のクライマックスシーンを応用している。クライマックスの銃撃戦が行なわれるエスカレーターは、ニューヨークのグランド・セントラル駅に実在する。映画では非常に長いエスカレーターに思えるが、実際はかなり短い。これはデ・パルマの得意する撮影テクニックであり、アンタッチャブル (映画)の乳母車のシーンにもその手法が使用されている。(Wikipediaより)

『リップヴァンウィンクルの花嫁』

2016年(平成28年)・ニホン 監督/岩井俊二

出演/黒木華/綾野剛/Cocco/原日出子/地曵豪/和田聰宏/金田明夫/りりィ

知る人ぞ知る手作りアメリカン・バーボンの銘酒にリップ・ヴァン・ウィンクルという名の酒がある。1800年代中頃から4代に渡るヴァン・ウィンクル家が作り続けたオールド・リップ・ヴァン・ウィンクル醸造所が家族の名を冠した由緒あるバーボン。リップヴァンウィンクルは、アメリカ版浦島太郎といわれた寓話の主人公の名前、リップ・ヴァン・ウィンクルは、旅先で出会った小人に酒をご馳走になります。あまりに美味しいお酒なので、飲み過ぎて寝てしまい、目覚めると数十年経ってしまっていた、という昔話。

特異な映画題名の内容もちょっと不思議な映画だった。主人公はインターネットで物を買うかのようにSNSで知り合った彼と簡単に結婚してしまった。ところがどっこい、いつの間にか簡単に離婚する羽目に陥って人生の進路が闇に入って行く。若い女が嵌められてどん底に落とされていくような流れだったが、結局はそうではなかったという救いがあって安堵した。本編が3時間と長過ぎる。描かなくてもいい些細なことを映像化するので、飽きが来るのは仕方がないことだろう。CM時間を入れて録画はなんと3時間25分だった。

主人公の母親は若い男と駆け落ちして離婚していた。親族もさほどいないらしく、結婚式に出席する親族や友達をそういう人を集める業者に託していた。そんな商売が本当にあるのだろうかと驚くばかりだが、もしかするとちゃんと存在するのかもしれない。そんな仲介業者が主人公の運命を勝手に左右する。それにしても何も出来ない主人公の若き女性、その程度の分別なら人生が何処に行ったって自分のせいだと後悔しようもない。そんな感じがする。ここまで酷い人間も珍しいと思える。

『アンデルセン物語』(HANS CHRISTIAN ANDERSEN)

1952年・アメリカ 監督/チャールズ・ヴィダー

出演/ダニー・ケイ/ファーリー・グレンジャー/ジジ・ジャンメール/ジョーイ・ウォルシュ

“これはハンス=クリスチャン・アンデルセンの伝記ではなく、そのおとぎ話の世界の映画化”である旨の文章で始まる、テクニカラーの見本のような色彩感溢れる美術と撮影が嬉しい童話ミュージカルの良心作。ミュージカルだと分かってから観る速度が急速に落ちた。落ちたというより、歌になった瞬間に休憩に入る始末。それでも、何故か観る事を止めようとは思わなかった。

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen、1805年4月2日 - 1875年8月4日)は、デンマークの代表的な童話作家、詩人。活字に親しまない者には彼の名前は眩し過ぎる。火うち箱、エンドウ豆の上に寝たお姫さま、小クラウスと大クラウス、イーダちゃんの花、親指姫、いたずらっ子、旅の道連れ、人魚姫、裸の王様、しっかり者のスズの兵隊、野の白鳥(白鳥の王子)、空とぶトランク、ひなぎく、パラダイスの園、コウノトリ、天使、小夜啼鳥(サヨナキドリ)、仲よし、みにくいアヒルの子、もみの木、雪の女王、赤い靴、マッチ売りの少女、ある母親の物語、とび出した五つのエンドウ豆、最後の真珠、沼の王の娘、パンをふんだ娘、雪だるま、父さんのすることはいつもよし、蝶、かたわもの。

今、『1日1話3分で読める 頭のいい子を育てる[おはなし]366』という本を借りて読んでいる。毎日1話が1ページに書かれている。童話を読んだ記憶のない自分には新鮮だ。なかなかページが進まないが、ようやく7月に入ったばかりだった。この映画の中に出てくるおはなしも少し書かれていて、そのあたりがタイミングよく興味深かった。

『レディ・バード』(Lady Bird)

2017年・アメリカ 監督/グレタ・ガーウィグ

出演/シアーシャ・ローナン/ローリー・メトカーフ/トレイシー・レッツ/ルーカス・ヘッジズ

アメリカの女子高校生を主人公にした青春映画。この手のシチュエーションは日本映画では当たり前だが、アメリカ映画では珍しい。監督が女性ということが大きな理由だと思ったが、女子高校生の会話がかなりきわどい。日本映画にはまったく考えられないシーンが続いていた。同じ年頃の日本人女子高校生の感想を聞いてみたい。

冒頭のクレジット『カリフォルニア州の快楽主義を語る人は-”サクラメントのクリスマスを知らない”J.ディディオン』という何とも自虐的な言葉が出てくる。監督が自身の出身地でもある米カリフォルニア州サクラメントを舞台に、自伝的要素を盛り込みながら描いた青春映画との記載も見つけた。

男だらけの兄弟で育った自分には女子高校生の日常生活なんて、想像だに出来ない。男だって女だって同じようなものだよ、と言われてしまえばそれまでのことだろうか、死ぬまで神秘的なものは変わらない。主人公が通う高校がカトリック系だというのも、彼女の飽き飽き感がもの凄くよく伝わってくる感じがする。妊娠中絶を認めないカトリック、そんなことを皮肉ったセリフや映像があっておもしろい。普通の日本人にはキリスト教は同じようにしか見えないのも現実だろう。

『2ガンズ』(Guns)

2013年・アメリカ 監督/バルタザル・コルマキュル

出演/デンゼル・ワシントン/マーク・ウォールバーグ/ポーラ・パットン/ビル・パクストン

この映画の監督はアイスランド出身であるらしい。観ている途中でこの映画の監督は昔ならサム・ペキンパー、ここしばらくならクエンティン・タランティーノだろうなどと映画通ぶった見方をしていたが、それ以上の監督を知らないだけのこと、やっぱり別の監督だったことが分かり、そうなんだーと頷くばかり。

麻薬取締局の特別捜査官と海軍犯罪捜査局の捜査官が二人の主人公、お互いに相手の素性を知らないままに悪の巣窟へと向かったまでは良かったが、返り討ちにあって七転八倒、アメリカ人気質とでもいうべき行動力で最後はハッピーエンドとなるコメディ・アクションという訳。コメディと分類されるけれど、日本のお笑い芸人のコメディとは似ても似つかない。まず、本人たちが自分や相手の挙動に笑うことはない。観客を笑わせようとしていることもない。こんなことはあり得ないだろうと思えることをやってのけるからこそのコメディだと分かる。

二人で取っ組み合いをして潮時の頃、どっちが先に掴んでいる腕を離すかでもめる。「絶対離すから、3・・2・・1・」と2回やってもどちらも放そうとはしない。相手に信用させようとしていて、どちらも相手を信用していない。そんな付き合い方がアメリカ的だと感じたりする。偏見、知らぬことでしかないのだろうけれど。信じることは疑わないことだと、誰しも分かっているつもりが、なかなかどうして、半信半疑などと大きな声でいうのがオチ。

『麗しき日々』( Les beaux jours)

2013年・フランス 監督/マリオン・ベルノー

出演/ファニー・アルダン/ローラン・ラフィット/パトリック・シェネ/ジャン=フランソワ・ステブナン

今日は2019年3月21日(金曜日)。 60歳で歯科医をリタイアしたカロリーヌ。数カ月前に親友を亡くし心に痛手を感じていた。見かねた娘たちは、シニアクラブの会員証をプレゼントする。気乗りしないまま通い始めたクラブだったが、パソコン教室の若い講師ジュリアンと親しくなり、誘われるままベッドを共にしてしまう...。(Amazonより)

おばばだって恋をする。爺だって同じこと。隙あらば身体を重ねたいとも思うだろう。それは人間が自然に生活していることの証。異常なら狂気に走る輩もたまにはいることも恐ろしい。親友が5か月前に亡くなってしまったことが不倫に走る原因だとしてしまっているが、何が本当かは神にしか分からない。原題を直訳すれば「美しい日々」。

面と向かって新しい他人と親しくなるのには労力がいる。普通の人はそうだろう。何が怖いのか、何が知りたいのか、おおらかな気持ちがあれば何も恐れることはないはずだが、そんなに簡単に人間の心理は動かないのが普通らしい。ボールを壁に向かって投げれば、必ずそのボールがどう戻ってくるのかが分かる。壁が乾いてなければ反発もなく下に落ちてしまうだろう。もしもコンクリートの壁のようなものだったら、自分の想定以上に勢いよくボールが返ってくることになる。自分なりの想像、想定力と実際の現実とのギャップを埋めながら人生は日々明日になって行くのだろう。

『ファントム・スレッド』(Phantom Thread)

2017年・アメリカ 監督/ポール・トーマス・アンダーソン

出演/ダニエル・デイ=ルイス/レスリー・マンヴィル/ヴィッキー・クリープス/カミーラ・ラザフォード

本作は批評家・観客双方から賞賛されている。 Rotten Tomatoesでは276の批評家レビューのうち91%が支持評価を下し、平均評価は10点中8.5点となった。 Metacriticでは359のユーザーレビューに基づいて、平均評価は10点中7.7点となった。Metascoreは51の批評家レビューに基づいて、100点中75点となった。(Wikipediaより)

評価が高いけれど、おもしろくなかった訳ではない。評価の高い映画の欠点である進行の遅さと、繰り返しストーリーにちょっと苛立つが、この映画の主人公の苛立ちを観ていると、自分の欠陥なんて甘っちょろいものだと痛感する。高級既製服をデザイン、仕立てることを生業としている主人公の我儘さ加減は半端ではない。

それが赦されるこの主人公の才能は並大抵ではないようだ。洋服のデザインなんて誰がやったって、さほど変わらないだろうし、もうデザインパターンも出尽くしてしまったのではないかと思われる。ただ人間生活が続く限り、服を着飾ることを辞めることはないであろうから、一部のデザイナーが生き残ることは確かだ。作曲作業にも似ているような気がする。これだけ世界中で作曲されていれば、もうユニークなフレーズなんて生まれてこないような気がしてならないが、次から次へと新曲が発表されている。おそらく生みの苦労は凄まじいに違いないが、そういう仕事ではない人生で仕合わせだった。

『セールスマン』(FORUSHANDE/THE SALESMAN)

2016年・イラン/フランス 監督/アスガー・ファルハディ

出演/シャハブ・ホセイニ/タラネ・アリドゥスティ/ババク・カリミ/ファリド・サッジャディホセ

アーサー・ミラーの「セールスマンの死」が劇中劇として主人公とその妻が舞台に立っている。主人公は大学教授、引っ越してすぐに妻がその部屋でレイプされ暴行されてしまった。その犯人探しが主なストーリーとなっている。暗くて長い映画だ。この監督の作品はいつも評価が高いらしい。この映画もカンヌで男優賞と脚本賞、アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しているという。

そういう評価の高い映画を何故かいつもおもしろくなかったと評しているのが私だ。今回も同じ道。ここでも小さな嘘が氾濫している。宗教に関係なく欧米人というひとくくりで、小さな嘘を平気でつく人種と認定しそうだ。映画の話ではない。おそらく現実社会も大した違いはないであろう。

イラン映画を何本か観ているが、この監督作品だったかどうかわからない。そういう映画鑑賞姿勢を強く非難されそうだが、これでいいのだ。監督が誰、この役者の前回出演した作品はこれ、この映画の舞台の歴史的背景はこう、などとたくさんの情報を知っていることは、自分にとっては大きな要素ではない。何の情報もなく映画を観始まって、おもしろいのか、おもしろくないのかが大重要なのだ。事実に基づく映画なら、あとから調べつくして身体の血となってくれればと思うだけだ。

『マッド・プロフェッサー 悪の境界線』(Asesinos inocentes)

2015年・スペイン 監督/ゴンザロ・ベンデーラ

出演/マキシ・イグレシアス/ミゲル・アンヘル・ソラ/ルイス・フェルナンデス/ハビエル・エルナンデス

どうにも欧米人は小さな嘘をつきまくって日常生活をしているに違いないと、思わせるシーンがどの映画にも随所に出てくる。この映画にだって、ひとつや二つではない小さな嘘のオンパレードという感じ。真っ正直にすべてのことに答えるのは馬鹿なんじゃないのと言われているよう。

邦題は狂気の大学教授というくらいだろうが、何のことはない病気の妻のために死亡保険金を遺そうと考えている大学教授が、自殺する勇気がないから試験の点数を加味する代わりに学生に自分を殺してくれと、執拗に迫るというものだった。その学生は学生で、借金を返済できずに暴力団まがいの輩に脅迫されている始末。社会の空気が濁っているように見える。スペイン語は美しいはずなのに、汚く聞こえてくる。

結末には視聴者が驚くような幕の降り方を用意しているような気配があったが、ちっとも驚かなくてよわった。まぁそれまでのずるずるとした展開を観ていれば、それほど期待できないなぁという感覚は否めなかった。小さな、ホントに小さな嘘をひとつつけば、その後の生活は大きく左右されると考える人種が多くなることを祈るばかりだ。

『ハートビート』(High Strung)

2016年・アメリカ/ルーマニア 監督/マイケル・ダミアン

出演/キーナン・カンパ/ニコラス・ガリツィン/ソノヤ・ミズノ/ジェーン・シーモア

成功物語が気持ちいいい。分かっていてもそうなることが映画の基本、原点。圧倒的なサクセス・ストーリーなら大ヒットにつながるのだろうけれど、ストーリーや役者がもう2歩と言うところなのかもしれない。ニューヨークを舞台に夢をかなえるために奮闘する若者たちの姿を、ジャンルを超えた音楽とダンスを融合させて描いた青春エンタテインメント。

プロのバレエダンサーを目指してニューヨークにやってきたルビーは、ある日、地下鉄でバイオリンを演奏するイギリス人青年のジョニーと出会う。2人は徐々に惹かれあっていくが、ルビーは奨学金資格はく奪の危機に直面し、ジョニーはバイオリンを盗まれた上にグリーンカード詐欺に遭ってしまう。追い詰められた2人はヒップホップダンスチーム「スイッチ・ステップス」を誘い、互いの夢をかなえるため弦楽器&ダンスコンクールに出場する。主人公ルビー役は、ロシアの名門バレエ団で活躍し、本作で女優デビューを果たしたキーナン・カンパ。ミュージシャンとしても活躍するニコラス・ガリツィンがジョニー役を演じた。

「エクス・マキナ」にも出演したソノヤ・ミズノが、ルビーの同居人ジャジー役で共演。監督は、歌手やブロードウェー俳優として活躍した経歴を持ち、映画監督や脚本家としても活動するマイケル・ダミアン。ダンサーだった妻でプロデューサー、脚本家のジャニーン・ダミアンとともに執筆した脚本を、自ら映画化した。(映画.comより)

『パシフィック・リム: アップライジング』(Pacific Rim: Uprising)

2018年・アメリカ 監督/スティーヴン・S・デナイト

出演/ジョン・ボイエガ/スコット・イーストウッド/ジン・ティエン/ケイリー・スピーニー/菊地凛子

2013年公開の映画『パシフィック・リム』の続編であるSF怪獣映画。また子供騙し映画だったが、人間が中に入った巨大ロボットが興味深かった。この、巨大ロボットの中に人間が入ってロボットを操る人型巨大兵器を「イェーガー」と呼んでいる。西暦2035年の地球。 太平洋の海底の裂け目から異世界より襲来した異種族「プリカーサー」の操る怪獣との激戦が終結して10年が経過した、というストーリー。

ロボットには興味がある。小学生の頃、欲しいものが何もなかったが、出来れば無線で動くロボットで遊びたいと願っていた節がある。同じロボットでも有線で動くものには何故か興味が湧かなかった。鉄腕アトムや鉄人28号全盛の時代だったが、これらの日本製ロボットにはまったく反応しなかった。天邪鬼なのだろう。

イマイチ好きになれない菊地凛子がアメリカ映画に時々登場する。日本人が思う日本人と外国人が好む日本人とは根本的に違う見本のようなものだと思うしかない。日本人にうけたからってすぐにアメリカで人気になることはない。ドリカムはその典型。悪くはないが、アメリカで売れるだろうと算段したことが間違いだった。音楽性が違い過ぎるのだろう。森昌子の息子、ONE OK ROCK(ワンオクロック)は今や世界標準になりつつある。どこが違うのだろうか。

『ジュピター』(Jupiter Ascending)

2015年・アメリカ/イギリス/オーストラリア 監督/ラナ・ウォシャウスキー/アンディ・ウォシャウスキー

出演/チャニング・テイタム/ミラ・クニス/ショーン・ビーン/エディ・レッドメイン

壮大な空想SF、監督はウォシャウスキー姉弟の二人だというが知らない。主人公ジュピターは亡くなった先代女王の生まれ変わりとして、地球を所有する権利を有しているらしい。話が大きい。先代女王は1万何歳まで生きたらしく、最後は息子に殺されたという。子供だましの典型なれど、可愛い嘘みたいに感じなければ観ていられない。

地上の土の上でのバトルではなく、宇宙空間における宇宙ステーションや宇宙船の戦闘シーンが延々と続く。訳の分からない感とつじつまの合わない感、出来過ぎ感がうざく感じる。ストーリーを描いた人の頭の中をのぞくことは出来ないけれど、なまじっかではこんな物語は書けない。才能ほとばしる人がたくさんいる現実に驚くしかない。

2015年1月に開催された第31回サンダンス映画祭において、サプライズ上映された。しかし、1億ドル以上の製作費をかけた作品が、インディペンデント映画の祭典で上映されることに対して違和感を覚える観客が多かった。なお、日本版の公式ポスターには、キャッチコピーだけではなくあらすじも掲載されている。これはハリウッドの大作映画のポスターとしては異例のデザインであると記載がある。ポスターにあらすじを書かなければいけないほど、宣伝が行き詰まってしまったとみるべきだろう。

『赤い風車』(Moulin Rouge)

1952年・イギリス 監督/ジョン・ヒューストン

出演/ホセ・ファーラー/ザ・ザ・ガボール/クロード・ノリエ/コレット・マルシャン

1889年にパリのモンマルトルにオープンした赤い風車が屋根の上にあるキャバレー「ムーラン・ルージュ」を拠点に活躍し、踊り子たちをモデルに数々のポスターを手掛けたことでも知られる、19世紀末のフランスの画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの生涯を描いている。トゥールーズ=ロートレック家は伯爵家であり、祖先は9世紀のシャルルマーニュ時代までさかのぼることができる名家であった。両親はいとこ同士の近親婚、これが彼の人生を決めた。

トゥールーズ=ロートレックは、幼少期には「小さな宝石」と呼ばれて家中から可愛がられて育った。しかし弟が夭折すると両親が不仲となり、8歳のときには母親と共にパリに住まうようになった。そこで絵を描き始めた。すぐに母親は彼の才能を見出し、父親の友人の画家からレッスンを受けるようになった。しかし13歳の時に左の大腿骨を、14歳の時に右の大腿骨をそれぞれ骨折して以降脚の発育が停止し、成人した時の身長は152cmに過ぎなかった。胴体の発育は正常だったが、脚の大きさだけは子供のままの状態であった。現代の医学的見解では彼の症状は、近親婚に起因する骨粗鬆症や骨形成不全症などの遺伝子疾患であったと考えられている。病気により、アルビに戻ったトゥールーズ=ロートレックは活動を制限され、父親からは疎まれるようになり、孤独な青春時代を送った。

差別を受けたストレスなどからアブサンなどの強い酒に溺れ、アルコール依存に陥っていた他、奔放な性生活もあって梅毒も患っており、心身共に衰弱していった。自身が身体障害者として差別を受けていたこともあってか、娼婦、踊り子のような夜の世界の女たちに共感。パリのムーラン・ルージュをはじめとしたダンスホール、酒場などに入り浸り、旺盛な性欲をもとに娼婦たちと頻繁に関係を持つデカダンな生活を送った。そして、彼女らを愛情のこもった筆致で描いた。作品には「ムーラン・ルージュ」などのポスターの名作も多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績でも美術史上に特筆されるべき画家である。(Wikipediaより)

『祈りの幕が下りる時』

2018年(平成30年)・日本 監督/福澤克雄

出演/阿部寛/松嶋菜々子/溝端淳平/田中麗奈/春風亭昇太/及川光博/伊藤蘭/小日向文世/山﨑努

久しぶりに日本映画を観ようという気になった。たまたまアマゾン・プライムの一番上に大きく表示されていたこの作品を選んだだけ。原作は東野圭吾の長編推理小説だった。2013年に発売されて、もう映画になるなんて当代随一の売れっ子作家に見える。テレビの2時間ドラマも彼による作品が多いように感じる。どれだけ作品を書いているのだろうか。

春風亭昇太、笑点の司会者が警察本部の指揮官のような役をやっている。違和感がある。キャスティングはもちろん重要。人気のあるテレビ出演者を起用するのは常套句のようなものだが、映画の配役をそう軽率に決められては興味が失せる。この頃の日本人は、頭が良過ぎて気持ち悪い。テレビのドラマに入るコマーシャルに同じ人間を平気で出している。フジテレビのお昼の番組の司会者坂上なにがしは、番組中に同じようなセットを組んだコマーシャルを挿入している。考えられない規律のようなものが平気で変わって行く。

価値観が変わるのは仕方がないことだが、それはないだろうと思えることが平然と変わって行く。長く生きていることの弊害なのだろう。早く空の上から眺められるようになりたいものだ。

『バーニング・クロス』(Alex Cross)

2012年・アメリカ 監督/ロブ・コーエン

出演/タイラー・ペリー/マシュー・フォックス/エドワード・バーンズ/レイチェル・ニコルズ

『バーニング・クロス』はジェームズ・パターソンによるアレックス・クロスを主役とした小説を原作としていて、アレックス・クロスはかつてモーガン・フリーマンが『コレクター』(1997年)と『スパイダー』(2001年)で演じたキャラクターであり、キャラクターは2010年にウィリアムソンとパターソンが脚本の開発を始めた際にリブートされたという。

引き続きクライム・スリラー映画だったが、今度は猟奇的殺人犯に挑むデトロイト市警の主人公2人の刑事が活躍していた。主人公の一人は、犯罪心理学の学位を持ち、その知識を捜査に役立てていたが、猟奇的殺人犯は彼の妻をも一発のライフルで殺してしまう。家族を最も大事にするアメリカ人主人公にとっては、とても我慢のならないこと。とはいっても、そんなに簡単に犯人には行き着かない。そのあたりの解決度が柔過ぎるのが難点だが、まずまずおもしろい映画だった。

原題の『アレックス・クロス』を『バーニング・クロス』という邦題に変える意図がまた分からない。直前に見た映画も同じようにカタカナ原題っぽい邦題になっていて頭を傾げた。そういう仕事をしていたことがあるからこその気になり方かもしれない。もう「哀愁の・・」とか「哀しみの・・」や「怒りの・・」なんていう邦題は時代に合わなさ過ぎるのだろうけど。

『ブラッド・スローン』(Shot Caller)

2017年・アメリカ 監督/リック・ローマン・ウォー

出演/ニコライ・コスター=ワルドー/オマリ・ハードウィック/レイク・ベル/ジョン・バーンサル

クライムスリラー映画とジャンル分けされているようだ。このカタカナ邦題の意味が分からない。大ヒットテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドウが主演だからそういう題名にしたのだろうか。英語原題をカタカナ題名に見せかける手法に違いないが、意味不明では原題のままで充分だろうという気がする。原題の(Shot Caller)は刑務所でのスラングで、「リーダー」を意味するらしい。

エリート人生を歩んできた主人公は飲酒運転して交通事故を起こした。後部座席に乗っていた友人夫婦のうち夫が死んでしまった。司法取引により16か月という短期刑務所暮らしを余儀なくされた。弁護士に言われていたけれど、刑務所内部は想定以上に過酷な環境だった。自分の身を守るためひとつの派閥に入り、徐々に刑務所内での地位を高めていくことに成功するのだった。刑務所内での徹底抗戦の結果、刑期は10年となってしまったが、出所するときにはもうエリートーではなくギャングの中堅どころのようなものになっていた。こんなストーリーの流れがおもしろい。その後の展開も予想を裏切るおもしろさで、なかなか。

日本でいえば「牢名主」のような存在は何処にでもあるものなんだ。看守は牢名主にとっては召使いのようなもので、さすがアメリカという感じ。刑務所内の自由度も不思議なくらい。日本の刑務所内部を推し量ることは出来ないけれど、経験者が見てもかの国と日本との差は歴然としていると言うに違いない。

『もうひとりの息子』(LE FILS DE L'AUTRE/THE OTHER SON)

2012年・フランス 監督/ロレーヌ・レヴィ

出演/エマニュエル・ドゥヴォス/パスカル・エルベ/ジュール・シトリュク

テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族。ある日、18歳になった息子が兵役検査を受ける。そして残酷にも、その結果が証明したのは、息子が実の子ではないという信じ難い事実。18年前、湾岸戦争の混乱の中、出生時の病院で別の赤ん坊と取り違えられていたのだ。やがてその事実が相手側の家族に伝えられ、2つの家族は、それが“壁”で隔てられたイスラエルとパレスチナの子の取り違えだったと知る……。アイデンティティを揺さぶられ、家族とは何か、愛情とは何か、という問いに直面する2つの家族。はたして、彼らは最後にどんな選択をするのだろう。(cinemo より)

映画を活字のストーリーにまとめれば、こんな風になるのだろう。残念ながら、この文字を読んだだけでは当事者たちの感情やその時々の表情から読み取れることは、まったく不可能だ。だからこそ映画というものが存在する意味があるに違いない。人間の悩み、あるいは喜びさえも全ては時間が解決してくれる。そこに行き着くまでのプロセスそのものが人間生活なのだろうことは、ようやくこの歳になって分かってきたような気もする。それでも、その時に、その瞬間に去来する心の中の葛藤は、一個の人間をどん底にまで貶めるものにもなってしまうことがある。

河谷が生きていれば、イスラエルとパレスチナとの行き来などの解説をしてもらえたはずだが、今やweb上で知る似非知識しか得ることが出来ない。パレスチナ人たちはイスラエルを占領国と罵る。ユダヤ人であることを嫌い、憎む。それは長い歴史のDNAなのだろうか。その割には、制限された中でもパレスチナ人がイスラエルに容易に入国できるのだなぁと現実社会の運用に感心したりする。一向に解決しそうにない中東地区の紛争、すべての人々がいったん宗教を捨てることでしか、平和なるものが訪れることはないだろうと深く思う次第。

『アメリカ アメリカ』(America, America)

1963年・アメリカ 監督/エリア・カザン

出演/スタティス・ヒアレリス/フランク・ウォルフ/ハリー・デイヴィス/グレゴリー・ロザキス

この監督のエリア・カザンの名前を知らない映画業界人はいないであろう。と言われても、どの作品が監督作品なのかを言えない私は、厳密には業界人であったことを自慢できないかもしれない。たまたまこの『最近観た映画』欄の一番目の作品が『紳士協定』 (Gentleman's Agreement・1947年)で、エリア・カザン監督作品であったことを今回初めて認知した次第。

19世紀末のオスマン帝国(現・トルコ)では、ギリシャ人やアルメニア人が政府の圧政に苦しめられていた。ギリシャ人の青年スタヴロスは、親友のアルメニア人バルタンから自由の国アメリカの話を聞き、憧れを持つようになる。そのバルタンが、圧政に反抗したために殺された事から、スタヴロスは遂にアメリカ行きを決意する。スタヴロスはやはりアメリカ行きを目指すアルメニア人のホハネスと知り合い、父・イザークのはからいでコンスタンティノープル(現・イスタンブール)に行き、様々な困難にぶち当たりながらも、アメリカ行きを目指す。(Wikipediaより) こう書いてしまうとなんていうことないストーリーに見えるが、今風ではない映像が結構染み込む。暗くて長い映画。2度寝てしまったが、観直す勇気があった。

憧れのアメリカという情景は子供の頃の日本も同じようなものだった。そうやって世界中の人々がアメリカを目指した結果の現在のアメリカ合衆国なんだろう。それを根底から覆す発言を繰り返すトランプ大統領は罪作りだ。アメリカが世界史の中から後退する日があるとしたなら、それはまさしくトランプの罪に違いない。

『スパイ・ゲーム』(Spy Game)

2001年・ドイツ/アメリカ/日本/フランス 監督/トニー・スコット

出演/ロバート・レッドフォード/ブラッド・ピット/キャサリン・マコーマック/スティーヴン・ディレイン

今日は、2019年3月1日金曜日。そして1日経って今日は3月2日。もう老体で花粉症には反応が鈍くなっていたはずだが、今年の花粉にはまだ慣れない。発症した44年前のティッシュペーパーの使い方を考えれば、ほとんど軽微にもみえるが、辛いものは辛い。お顔のお肌にまで影響する花粉症の悪さを恨むしかない。

この映画の時ロバート・レッドフォードは65歳、ブラッド・ピットは38歳、新旧の二枚目俳優が相まみえている。リアルタイムではこの映画の存在さえ記憶にないが、なかなかおもしろい。伝説のスパイが新人を育てた経過を映画のストーリーに絡めている。フラッシュバックではなく弟子の行動を説明する形をとっているのが分かり易く、観易い。

日本には外国からのスパイが何人いるのだろうか? そんなことが急に気になった。時々、日本の会社員が中国でスパイ容疑で逮捕されるというニュースがあるが、あれは本当のことなのだろうか? 一般庶民には絶対分からない、理解できない世界に違いない。そんなことが分かってしまうようでは、そもそもスパイの役目が出来ようもない。奥深い人間の世界。

『シャトーブリアンからの手紙』(La mer a l'aube)

2011年・フランス/ドイツ 監督/フォルカー・シュレンドルフ

出演/レオ=ポール・サルマン/ビクトワール・デュボワ/マルク・バルベ/ウルリッヒ・マテス

「実話およびハインリヒ・ベル P=L・バスとE・ユンガーの著述に基づく」。1941年10月19日、ドイツ占領下のフランス、 シャトーブリアン郡のショワゼル収容所。そこにはドイツの占領に反対する行動をとった者や共産主義者など、政治犯とされる人々が多く収容されていた。その中に占領批判のビラを映画館で配って逮捕された、まだ17歳の少年ギィ・モケがいた。

またナチスものだった。今まで観たことのなかったストーリー・シーンにちょっと驚く。哀しい物語だったが、そういう気骨のある民衆の上にフランス式自由が成り立っているのだと感じる。非情なのは、ドイツ軍に命令されてフランス人が同じフランス人を処刑場に送り込むことだった。反政府分子、共産主義やユダヤ人という名を借りての愚挙には開いた口が塞がらない。

ドイツ軍人の中にも理解のある将校もいたのだと言い訳のような描き方がしてあったが、そのことも真実だったのだろうか。終戦後の毀誉褒貶が奇妙なもので、銃殺場送りしたリストを作ったフランス人の若き副知事は、勲章をもらったらしい。げに恐ろしきは人間の善悪。神の下で行う人間の業とはとても思えない。

『イン・セキュリティ 危険な賭け』(Armed Response)

2013年・アメリカ 監督/エバン・ビーマー

出演/イーサン・エンブリー/マイケル・グラディス/クレア・デュバル/ケイリー・エルウィズ

最後まで観たが、コメントすることが見つからない。内容にヒントを得て発想することもない。困った。

こんなこともある。

めげずに観続けよう。

『ロスト・イン・ザ・サン 偽りの絆』(Lost in the Sun)

2016年・アメリカ 監督/トレイ・ネルソン

出演/ジョシュ・デュアメル/ジョシュ・ウィギンズ/リン・コリンズ/エマ・ファーマン

むなしい映画だった。

「トランスフォーマー」シリーズのジョシュ・デュアメルが主演を務め、母を亡くした少年と謎の男の旅の行方を描いたロードムービー。母に先立たれた13歳の少年ルイスは祖父母と暮らすため、バスでニューメキシコ州へ向かうことに。そんな彼の前に見知らぬ男ジョンが現われ、祖父母のもとまで車で送ってくれると申し出る。ルイスは不審に思いながらもジョンの車に乗り込むが、実はジョンは刑務所から出てきたばかりだった。無一文のジョンは道中で強盗を繰り返し、ルイスも犯行に加担してしまう。共演に「ジョン・カーター」のリン・コリンズ、「最高の人生のはじめ方」のエマ・ファーマン。(映画.comより)

こういう映画を観ると、心が暗くなる。

『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(A Street Cat Named Bob)

2016年・イギリス 監督/ロジャー・スポティスウッド

出演/ルーク・トレッダウェイ/ルタ・ゲドミンタス/ジョアンヌ・フロガット/アンソニー・ヘッド

この映画を観始まる直前に日本映画の『先生と迷い猫』(2015年)を観た。観たと書くには問題がある。10分くらいでやめてしまったからだ。最初から猫がメインで出てくるのは構わないが、一向に話も映像も前に進んで行かない。相変わらずの長回しとだらだら感が苛立ちだけを助長する。

テレビ録画での鑑賞だったので、すぐにその下のタイトルを観始まったわけだが、また猫が題名に付いているイギリス映画だったのだ。実話に基づく物語だった。出だしはそこそこ、途中もそこそこ、最後まで劇的な展開には至らなかったが、ハッピーエンドで気分は悪くない。イギリスにおけるジャンキーと呼ばれる若者の薬物依存症更生プログラムを見た。弱者に対するシステムでは、日本は大後進国だということを痛感する。

持って生まれた人たちは、持たない現実の人間に施しをする。日本ではいまどき絶対見る事の出来ない光景だ。他人のことを気にする日本人が、他人のことを思いやらない風景が目立つ。他人のことを、本当は思いやっているのに、別の他人の目が気になって仕方がないのだ。自分で良いと思ったことは、それこそ他人の目を気にしないで振る舞えばいいものを。

『ハッド』(Hud)

1963年・アメリカ 監督/マーティン・リット

出演/ポール・ニューマン/メルヴィン・ダグラス/パトリシア・ニール

いわゆる西部劇というほど古い時代ではないが、テキサスで牧場を経営する親と子供の確執劇とでも言えるだろうか。日本の映画でもよく観ることが出来た親子の間の物語。日本映画ほど直接的に怒鳴り合うシーンはないが、鬱積した双方の不満がスクリーンから観客を襲う。

ハッドは主人公の名前。彼には兄がいたが酔って運転して事故を起こし、同乗していた兄を殺してしまったと、トラウマを引きずっている。父もそういう風に自分を責めているに違いない、と思い込んでいる不幸が二人の関係。兄の息子は17歳、叔父を格好良いと思いながらも、祖父との関係が気になって仕方がない。

主人公は34歳で独身、夜になると町へ繰り出し、酒と女に入り浸っているのが日常だった。飼い牛に病気が発生、政府の殺戮令が下って、いよいよ二人の関係には決定的な亀裂が入った。日本映画だったら、なんとか仲直りするシーンが見えていたはずだが、このアメリカ映画は一向にそういう感じがしない。父親が死んで、甥も荷物をまとめて去って行くシーンでこの映画は終わる。寂しさ、哀しさしかない映画だった。第36回アカデミー賞でパトリシア・ニールが主演女優賞、メルヴィン・ダグラスが助演男優賞、またジェームズ・ウォン・ハウが撮影賞を受賞している。

『ヴェンジェンス』(Vengeance: A Love Story)

2017年・アメリカ 監督/ジョニー・マーティン

出演/ニコラス・ケイジ/アンナ・ハッチソン/ドン・ジョンソン/タリタ・ベイトマ

ニコラス・ケイジが刑事でありながら法で裁けぬ悪を成敗する処刑人に扮したアクション。湾岸戦争で活躍した元軍人の刑事ジョンは、長年の相棒を亡くして失意の底にいたが、あるパーティで知り合ったシングルマザーの女性ティーナとの交流を通し、次第に活力を取り戻していく。そんなある日、ティーナが町のチンピラたちに暴行される事件が起こり、犯人たちは逮捕されたものの、金に物を言わせて雇った弁護士によって無罪を勝ち取り、釈放されてしまう。この現実に怒りを覚えたジョンは、自らの手で犯人たちに制裁を加えることを決意するが……。(映画.comより)

どこかで観たことあるようなストーリーながら、世直し奉行には尊敬の念が湧くこそすれ、法律を犯してまでやってはいけないよ、などと思うことはない。映画の中でなら誰が真犯人で誰が騙し、誰が騙されているのかがわかるが、現実社会では真実が見え難い。一生冤罪を晴らすことが出来ず、死んでいった人も少なからずいるのだろう。

確たる証拠もないのに、状況証拠の積み重ねで有罪になった人たちもたくさん存在する。あくまでも知らぬ存ぜぬ、で通してしまう国会の様子が世の中に多大なる悪影響を与えていることは疑いの余地がない。そんなことを庶民の一人が危惧したって、世の中には何の影響も及ぼさない。因果応報という神の仕打ちを痛感するのは、何代もあとの人たちかもしれないが、それでもそういうことが間違いなく起こるのだと信じられなければ、生きている気持ちが充足しない。

『ナインイレヴン 運命を分けた日』(9/11)

2017年・アメリカ 監督/マルティン・ギギ

出演/チャーリー・シーン/ウーピー・ゴールドバーグ/ジーナ・ガーション/ルイス・ガスマン

2001年9月11日に米ニューヨークの世界貿易センタービル(ワールド・トレード・センター)で起きたアメリカ同時多発テロ事件、たまたまその時間にエレベーターの中にいた5人が主人公。悲惨なこの事件の映像は本物だが、テレビのニュースで見るというちょっと救われる設定だった。横浜の自宅で机の前でパソコンをしていたときに突然飛び込んできた映像を鮮明に覚えている。

ワールドトレードセンター(WTC)へのテロ攻撃による死者は合計で2763人だった。その内訳は、事件当時WTCに居た民間人が2192人、消防士が343人、警察官が71人、ハイジャックされた旅客機の乗員・乗客が147人、ハイジャック犯のテロリストが10人となっていた。WTCのツインタワーで死亡した民間人の90%以上は、ジェット機が直撃した階以上のフロアに居た人々だった。北棟では、直撃を受けた階以上のフロアに1355人が閉じ込められ、煙の吸引・タワーからの落下・最終的なタワーの崩壊などの理由によってその全員が死亡した。北棟の3つの非常階段すべてがアメリカン航空11便の衝突の際に破壊されており、上層階から人々が脱出することは不可能だった。一方で、(北棟において)直撃を受けた階より下のフロアで死亡した民間人は107人とされている。南棟では、ユナイテッド航空175便の衝突の後も非常階段のひとつ(A階段)が崩壊を免れており、このA階段を利用することで18人(直撃を受けたフロアから14人・それ以上の上層階から4人)が直撃を受けた階以上のフロアから脱出した。南棟で死亡した民間人は計630人であり、北棟の半分以下の数字だった。南棟では、北棟へのジェット機突入の直後から多くの人々が自主的に避難を開始していたため、死者の数は大幅に抑えられた。一方で、『USAトゥデイ』は最初のジェット機突入後に南棟に居た全員を避難させることができなかったことを「事件当日における重大な悲劇のひとつ」と評している。

ジェット機の衝突によって北棟・南棟ではエレベーターが停止し、多くの人が閉じ込められた。『USAトゥデイ』の推定では、最小で200人、最大で400人がツインタワーのエレベーターに閉じ込められた状態で死亡したとされる。エレベーターに閉じ込められたものの、そこから自力で脱出した生還者は21人だった。エレベーターにおける死者の多くは、ケーブルの破損によるエレベーターの急落下や、引火したジェット燃料のエレベーターへの侵入によって死亡しており、それらを免れた者もツインタワーの崩壊時に死亡した。(Wikipediaより) これがこの映画の舞台だ。

『グランドフィナーレ』(Youth - La giovinezza)

2015年・イタリア/フランス/イギリス/スイス 監督/パオロ・ソレンティーノ

出演/マイケル・ケイン/ハーヴェイ・カイテル/レイチェル・ワイズ/ポール・ダノ/ジェーン・フォンダ

最後に「フランチェスコ・ロージ監督に捧ぐ」という文言があった。この映画の監督がイタリア人で、同じイタリア人の偉大な監督に対するオマージュだろう。フランチェスコ・ロージ監督は、1962年の『シシリーの黒い霧』で第12回ベルリン国際映画祭銀熊賞 (監督賞)を受賞、翌年1963年の『都会を動かす手』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞、1972年の『黒い砂漠』でカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞を受賞している。頭10分とお尻10分だけ観た。真ん中100分は寝てしまっていたので、以下はすべてWikipediaから引用する。

楽曲「シンプル・ソング」で名声を得た音楽家のフレドは娘のレナ、親友の映画監督ミックとともにスイスのアルプスで休暇を過ごしていた。ミックは自身が監督する最後の作品となるであろう映画の脚本の執筆に取り組んでいたが、一方のフレドは指揮者として復帰する意欲はなく、英国王子の誕生日に演奏会を開いてほしい、との女王の依頼を拒み続けていた。そしてふたりは、スイスのホテルに滞在するセレブたちをタネに無責任な噂話に興じていた。だが、ミックの息子を夫にもつレナは、父親に主人の裏切りを訴える。軽く慰めの言葉でお茶を濁したフレドは、レナに不倫の真相を暴かれて自らの父親失格ぶりを意識させられた。一方、ミックのもとには最愛の女優、ブレンダが現われる。ミックの才能の枯渇を理由に、ブレンダは次作出演の辞退を宣言し、衝撃に耐えきれないミックは自らの人生に幕を引く。音楽にしか自分の生きる道はないことを思い知らされたフレドは、「シンプル・ソング」の指揮を断ってきた理由を明かして自作演奏に応じる。

本作は批評家から高く評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには25件のレビューがあり、批評家支持率は84%、平均点は10点満点で7.8点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「美しい画面と見事な演技がある。『グランドフィナーレ』は魅力ある名優たちのアンサンブルを見せてくれる。ただし、欠点がないわけではない」となっている[11]。また、Metacriticには9件のレビューがあり、加重平均値は78/100となっている。『バラエティ』のジェイ・ワイスバーグは「ソレンティーノ監督の作品の中で、最も繊細な作品だ。人生の叡智というものは年齢とともに失われたたり、新たに獲得されたりする。また、人生の途中で思い出すこともある。そんな叡智を温かいまなざしで考察している」と述べている。『ハリウッド・リポーター』のトッド・マッカーシーは「『グランドフィナーレ』は快楽の饗宴というべき作品だ。作品全体が映画の与える快感に浸っているようだ」と述べている。批判的な評価を下している批評家もいる。『デイリー・テレグラフ』のロビー・コリンは本作に関して「ゴージャスではあるがある種の不気味さを感じる。中心となっている主題が明瞭ではない」と評している。『ガーディアン』のピーター・ブラッドショーは本作に5つ星評価で3つ星を与え「『グランドフィナーレ』は優雅で能弁ではあるが、どうも気迫に欠ける。失われてしまった時間に対する老人の後悔はマッチョイズム的であり、面白みもなく実りあるものでもない。しかも感傷的になっている」と述べている。

『タイム・トゥ・ラン』(HEIST)

2015年・アメリカ 監督/スコット・マン

出演/ジェフリー・ディーン・モーガン/ロバート・デ・ニーロ/ケイト・ボスワース/デビッド・バウティスタ

テレビ映画のような映像だがロバート・デ・ニーロが出演している。原題「HEIST」は「強盗」という意味らしい。発音をネットで聞いたが、カタカナ文字に出来ない難しさがあった。映画の冒頭に『BUS 657』という原題らしきクレジットが見えたが、あれは何だったのだろう。配給会社が勝手に原題を変えて素知らぬ振りをすることは、よくあること。

強盗をしたがうまく逃げられなかったときどうするのかを、犯人の一人は綿密に計画していた。そこらあたりのストーリー展開は充分に堪能できた。上映時間が短く、さっさと進んで行くのがいい。強盗される側のカジノのボスが容赦なく殺すのに、子供に対する愛情が半端ではない。そういういびつな関係や形がおもしろい結果をもたらす。

イマージェンシー、緊急事態に何が出来るのかが人間の真骨頂。日本での人質事件ではひたすら説得工作が常識だが、全員が銃を持っているアメリカでは「交渉」が一般的だと映画は教えてくれる。押すのか引くのかを一瞬で判断しなければいけない。日本人には到底期待できない。1万人が人質になったとき、日本ならひとりも犠牲者を出さないように「説得」する。アメリカでは1万人のうち10人が死んでもいいから、さっさと犯人を狙撃する。そこまで簡単ではないかもしれないが、それに近いような差がある気がしてならない。

『エクスペンダブル・レディズ』(Mercenaries)

2014年・アメリカ 監督/クリストファー・レイ

出演/クリスタナ・ローケン/ブリジット・ニールセン/ゾーイ・ベル/ヴィヴィカ・A・フォックス

シルヴェスター・スタローン・ジェイソン・ステイサム・アントニオ・バンデラスなどの男版『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(The Expendables 3)を模倣した完璧な六流映画。オリジナルビデオ映画作品だという。小学校低学年のアクション映画入門用にちょうどいいかもしれない。

アメリカ大統領の娘が新興国の国がらみで誘拐されて、奪回作戦のために刑務所にいる屈強な女4人を集め、恩赦を肴に任務を遂行させるという御伽噺のような屁でもない内容。4人の中で早々に寝返る輩が出てくるお笑いぐさ。そうやって馬鹿にしながら見られるのが六流映画のもっともいいところ。

この4人にはそれぞれ特技が備わっていた。人生でなんでもいいから他人に自慢できる、あるいは他人には絶対負けない特技を持っていれば、鬼に金棒だろう。世界一や日本一でなくたって勿論問題ない。ちょっとした地域で一番も必要ないだろう。とにかく他人には負けないと自分が思っていればそれで十分だ。そうすれば人生は豊かになるのだが、その唯一無二を持っている人間はそうざらにはいない。

『エンド・オブ・トンネル』(Al final del tunel)

2016年・アルゼンチン/スペイン 監督/ロドリゴ・グランデ

出演/レオナルド・スバラーリャ/クララ・ラゴ/パブロ・エチャリ/フェデリコ・ルッピ

事故で妻と娘を亡くし自らも車椅子生活となったホアキンは、自宅に引きこもり孤独な毎日を送っていたが、貯金が底をついたため自宅の2階を貸し出すことに。そして住みはじめたストリッパーのベルタとその娘に亡き妻子の姿を重ね、少しずつ明るさを取り戻していく。そんなある日、自宅の地下室で奇妙な音を聞いたホアキンは、悪党たちが地下にトンネルを掘って銀行に押し入ろうとしていることに気づく。(映画.comより)

かなりユニークなストーリーでおもしろい。人ひとり主人公で暗い映画の出だしではあったが、なかなかどうして観客の期待を裏切る映画のおもしろさを魅せてくれる。アルゼンチン映画が日本で公開されるのは数少ない。この映画は、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2017」上映作品だという。ヘラルドが1985年に配給したちょっと変わった作品『蜘蛛女のキス』(Kiss of the Spider Woman)がアルゼンチン映画かと思い出したが、そうではなくブラジル映画だった。大雑把な記憶はいつも健在。

安楽死させようとしていた飼い犬のために作った毒入り菓子が冒頭に出てくる。これをどこで使うのかな~、とずーっと観客の脳裏に埋め込みながら、巧みに映画が進行して行った。アメリカ映画のようにスパッとではなく、日本映画のようにだらだらとでもなく、エンドシーンは絶妙な長さで締めくくられている。監督の力が大きい。

『3月のライオン 後編』

2017年(平成29年)・日本 監督/長野晋也

出演/神木隆之介/有村架純/倉科カナ/染谷将太/清原果耶/佐々木蔵之介/加瀬亮/前田吟/高橋一生/伊藤英明/豊川悦司

前編があまりにもおもしろくなかったのでこの後編を録画するかどうかさえも悩んだ。結局何もなかったように録画予約した自分には、いつもながらの「どうでもいいんだという」一貫性があったようだ。観始まって不思議だったのは、倍速にすることもなく結構おもしろく観たことだった。どういうこと? と、我ながらこの顛末が解せないでいる。

タイトルについて、こんな記載を見つけた。コミックス表紙などには英題「March comes in like a lion」が書かれている。映画『三月のライオン』を羽海野(原作者)は観ていなかったが「おかっぱの女の子が食べかけのアイスをくわえている」映画ポスターと映画タイトルの印象が残っていた。この句はイギリスの天気の諺「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去る(March comes in like a lion and goes out like a lamb)」からであり、羽海野は「物語がつくれそうな言葉」と感じていた。また、監修の先崎(プロ棋士)は、6月に始まる順位戦は昇級、降級を賭けた最終局が3月に行われるため、棋士が3月にライオンとなる旨をコメントしている。

半分くらいは見損なっていた全編だったが、それが役に立ったことは間違いない。全編・後編とも2時間20分を超える長編、後半になってフラッシュバックで振り返る主人公の生い立ちが結構頭に入ってくる。なるほど、そうか、この後編だけで充分だったのかもしれない。または、後編を主軸にして前半のシーンをフラッシュバックしてやれば、もっと面白い一編が出来たのかもしれない。監督の領域を侵せるほど、卓越した才能がある訳ではないのに、何を言う!!

『愛と哀しみのボレロ』(Les Uns et les Autres)

1981年・フランス 監督/クロード・ルルーシュ

出演/ロベール・オッセン/ニコール・ガルシア/ジェラルディン・チャップリン/ジェームズ・カーン

なんといってもジョルジュ・ドンの圧倒的な踊りとフランスの作曲家モーリス・ラヴェル作曲のバレエ曲『ボレロ』(Bolero )が、映像と共にこびりついて頭から離れない。何十年もそのシーンだけを鮮明に覚えている。ヘラルド時代リアルタイムで自社の映画をきちんと観たことを覚えている映画の筆頭に挙げることが出来る。いやぁ~、こういう映画を観ないで死んでしまう人がいたら可哀そうだなぁと思える映画の1本。

1930年代から1980年代にわたり、パリ、ニューヨーク、モスクワ、ベルリンを中心とするフランス、アメリカ、ロシア、ドイツにおいて交錯する、2世代4つの家族の人生が描かれている。親子を一人二役で演じているケースもあり、かなり頭の中は混乱している。第二次世界大戦におけるヨローッパ戦線の国々では多くの悲劇的な人生が。

ジョルジュ・ドンが舞うボレロはこの映画の最大で最後のシーンの見所でだが、最初に観た時は永遠にこの音楽とバレエが終わらないのではなかろうかと思ったほどだった。今回観て、意外と短い時間のシーンだったことにちょっと驚いた。一度観たら誰しも忘れないだろうこのシーンは、映画という世界の価値を間違いなく高めている。

『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』(Pay the Ghost)

2015年・アメリカ 監督/ウーリ・エーデル

出演/ニコラス・ケイジ/サラ・ウェイン・キャリーズ/ヴェロニカ・フェレ/ジャック・フルトン

原題の英語をカタカナ邦題にして、さらに~ハロウィンの生贄~なんていうどうしようもないサブタイトルを付けて得意がっている配給会社はどこのどいつだ。いかにも三流映画ですよ、と自ら宣言しているようなこの構図を由としない。ていうか、もう配給会社の良識を疑うしかない。

まさにテレビ番組の予告編的番組の始まりに酷似している。いつ頃からかドラマだけではなくバラエティー番組でさえ、番組始まりにこれから流そうとしている内容の告知時間がある。まさしく予告編を直前に流すようなもの。お陰様で、バラエティ番組だろうとドラマだろうと、もう観た気になってしまうことが常。かえって都合がよいことは確かだが、それにしても酷い番組づくりだと思っている。

出来の悪い題名ほど言い訳が必要になる。大ヒットしてしまえば忘れてしまうけれど、E.T.だって「宇宙圏外生物」というサブタイトルが付いていた。飛ぶ鳥を落としていた当時の配給会社もまさか「E.T.」だけでは心もとなかったのだろう。結果がよければサブタイトルなんか忘れてくれる。そういう歴史が映画タイトルには。

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(Darkest Hour)

2017年・イギリス 監督/ジョー・ライト

出演/ゲイリー・オールドマン/クリスティン・スコット・トーマス/リリー・ジェームズ/スティーヴン・ディレイン

第二次世界大戦初期の1940年5月10日、ドイツ、イタリアに対し宥和政策をとったネヴィル・チェンバレンはその失策により辞任し、新たに成立した保守党と労働党による挙国一致内閣の首相として就任したのは主戦派のウィンストン・チャーチルであった。しかし、それは有事の際の貧乏くじのような人事で、国王ジョージ6世のチャーチルを迎える立場も冷たいものであった。あくまでもナチス・ドイツらへの徹底した抵抗を訴えるチャーチルだが、チェンバレンとハリファックス子爵を中心とする保守党は、ヨーロッパを侵攻し、拡大するアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツの危機に対して講和の道を探り、チャーチルと対抗する。しかし、事態が進行し、ついにはフランスがナチス・ドイツに敗北する事態になり、ヨーロッパ大陸に展開するイギリス軍も全滅の危機を迎える。更には講和の道を探るか、さもなくば大臣を辞任するというハリファックス子爵とチェンバレンが要求する事態になり、チャーチルは選択を迫られる。(Wikipediaより)

ザ・ブリッツ(The Blitz)ロンドン大空襲は、第二次世界大戦中にドイツがイギリスに対して1940年9月7日から1941年5月10日まで行った大規模な空襲のことで、ブリッツとは、ドイツ語で稲妻を意味するという。日本のように木と紙で作られた家屋は焼夷弾を落とせば戦火は広がるばかりで攻撃側には好都合だったのだろう。ドイツによる空襲は、ロンドンだけではなく、バーミンガム、ブリストル、マンチェスター、ベルファスト、シェフィールド、リヴァプール、ポーツマス、プリマス、サウサンプトン、カーディフ、コヴェントリー、エクセター、スウォンジ、ノッティンガム、ブライトン、イーストボーン、クライド湾岸の都市など、多数の都市が焼き払われたという。

徹底抗戦を訴えながらも戦況不利の中、チャーチルは苦悩しながらも強いイギリス人を演じていた。妻が言う「欠点があるから強くなれる。迷いがあるから賢くなれる」と、かくして彼は言葉を武器に変え戦場に突入したと称された。ヒトラーがもし徹底的にイギリス空襲を継続していたら、歴史は変わったかもしれない。チャーチルの抗戦は終始不安が伴うものであった。議会を説得し、愛国心を煽る演説だけが、彼の武器だったのだ。ノルマンディ作戦の成功後、連合軍はナチスに勝つことになるが、チャーチルも1945年7月の総選挙で敗北し首相を辞任することになった。「成功も失敗も終わりはない。肝心なのは続ける勇気だ。」(ウインストン・チャーチル)。

『ハード・ウェイ』(The Hard Way)

1991年・アメリカ 監督/ジョン・バダム

出演/マイケル・J・フォックス/ジェームズ・ウッズ/スティーブン・ラング/アナベラ・シオラ

マイケル・J・フォックスは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(Back to the Future・1985年)シリーズの主人公マーティ・マクフライを演じ、同シリーズの大ヒットによりハリウッドスターの仲間入りを果たした。バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 が公開された1990年直後の公開作品になる。

30歳の時、パーキンソン病を発症。1990年頃から発症の兆候が見られ、病を隠しながらも、自らプロデュースに参加し主演もつとめたテレビドラマシリーズ『スピン・シティ』などに出演を続けるが、1998年に病気を公表。2000年には『スピン・シティ』を降板し俳優活動から退いた。専門医の中には早くからマイケルの音声や動作に示される特徴からその兆候を認識していたものもいたという。

身長が163㎝とアメリカ人の俳優の中でも際立って低いのが特徴でおもしろい。日本のテレビ・タレントやアイドルなどは身長が高いことが最優先されているのと比べても、アメリカン・ドリームとはそんな差別の中から生まれてくるものではないということが分かるような気がする。イケメンだ高身長だというアイドルとブサイクで醜いお笑い芸人との両極端が最近の日本のトレンドに見える。偏見かなぁ。

『マッキントッシュの男』(The Mackintosh Man)

1973年・イギリス/アメリカ 監督/ジョン・ヒューストン

出演/ポール・ニューマン/ドミニク・サンダ/イアン・バネン/ジェームズ・メイソン

今日は、2019年(平成31年)2月9日(土曜日)、誕生日も過ぎてよもやの71歳となってしまった。マッキントッシュといえば、アップル社が開発してきたパーソナルコンピューター(パソコン)のマックや iPod、iPhone、iPad などのことを想像してしまう。マッキントッシュ (Macintosh, McIntosh, Mackintosh) とは、元々はスコットランドの姓であり、いろいろな製品、人物が知られているということらしい。

今回の映画のマッキントッシュは人物の名前であり主人公に指令をする謎の人物のことだった。一番比較しやすいアクション映画、当時のスピード、テクニックが人間らしくて微笑ましかった。こんな風にすればもっと激しく納得のいくアクションシーンになるだろうということを、我慢して映画製作をしていたこの時代以前の映画と今の映画の映像はあまりにも違い過ぎる。

出来ないことを出来るように努力することより、好きなことをもっと好きになるようにした方がいい、と言われた記憶は中学生の時。そんなもんかなぁと思いながらも、何故か忘れることのなかった言葉。日頃そんなことすら思い出すこともなく生きてきたけれど、なるほどせめて好きなひとつのことくらい他人に優ることを身につけておけば、さらに自信に満ちた人生を送れたのかもしれないなぁ。

『3月のライオン 前編』

2017年(平成29年)・日本 監督/長野晋也

出演/神木隆之介/有村架純/倉科カナ/染谷将太/清原果耶/佐々木蔵之介/加瀬亮/前田吟/高橋一生/伊藤英明/豊川悦司

前編は 2017年3月18日、後編は 2017年4月22日に公開されたという。久しぶりの日本映画だったが、あまりにものらりくらりの展開に録画を倍速にして観た。原作は漫画でテレビ・アニメ化もされていたようだ。ちょうど藤井聡太の現在の活躍を彷彿とさせているような天才棋士が主人公。彼が登場する前にこの原作は世に出ていると思うが、別に先を見越したわけでもない。棋界には天才と称された棋士が既に何人か神から遣わされている。

それにしても酷い。全体のストーリーを忘れてしまうほどのストーリー展開には呆れるばかりだ。しっかりと睡眠時間になってしまった後半だったが、もう一回観直そうという気にはなれていない。しかもまだ後編があるので、録画さえも躊躇したくなるかもしれない。2時間20分も何をもたもたやっているんだ! さっさとせい! と突っ込みを入れるのは当然だろう。

天才と言われる人たちの存在は確かだが、そこまでの天才には会ったことがない。まぁ、自分以外の人たちは、少なくとも自分より才能がある人ばかりに見えるので、天才に囲まれて生活している凡人だと思えばいいのかもしれない。

『グリフィン家のウエディングノート』(The Big Wedding)

2013年・アメリカ 監督/ジャスティン・ザッカム

出演/ロバート・デ・ニーロ/キャサリン・ハイグル/ダイアン・キートン/アマンダ・セイフライド

観終わって記録に残したばかりの『クーパー家の晩餐会』(Love the Coopers)の続きの映画かと勘違いしそうな映画だ。同じような家族もので、しかもダイアン・キートンとアマンダ・セイフライドが同じように顔を出している。クーパー家の方が新しく2015年作品で、この映画は2年早く2013年の製作だという。製作者も、観客が立て続けにこの2作品を観ようとは、想定外だったろう。

また『「グリフィン家のウエディングノート」のネタバレあらすじと結末』というページのお世話になった。今回はさほど混乱し過ぎるほどの人間関係ではなかったが、それでも映画を観終わてから頭の中を整理するためには、こういうネタ晴らし解説を読むことが適当だと感じている。

セリフが厳しくて結構おもしろい。アメリカ映画にしてはわざとらしい言い回しも多く見られ、必死になって映画をおもしろくしようとしている態度が見られる。相変わらず簡単に寝てしまう男と女ばかりのアメリカ人だが、この家族の長男は29歳の産科医なのにまだ童貞という妙な役回りになっている。ロビン・ウィリアムズはこの映画の公開1年後2014年8月亡くなっている。いい役者だったなぁ。

『クーパー家の晩餐会』(Love the Coopers)

2015年・アメリカ 監督/ジェシー・ネルソン

出演/アラン・アーキン/ジョン・グッドマン/エド・ヘルムズ/ダイアン・キートン

『ネタバレ「クーパー家の晩餐会」あらすじ・結末』というページを見て、ようやく人間関係が分かってほっとした。観ている間は心が不安定で困ってしまった。映画製作が外国の場合はよくある話、さすがに日本映画なら誰と誰がどういう関係なのかは、まさか終わりになるまで続くことはない。最近の芸能界の俳優たちは、ごっつうお金をかけて容姿を若返らせようとしているので、こんなことになり易いのではなかろうか。歳をとったらとったなりの顔かたちで出てきてもらわねば、映画そのものが成り立たない。昔たくさん居た腰の曲がったおばあちゃんやおじいちゃんは、どこへ行ってしまったのだろうか。

4世代11人の登場人物が様々な人間模様を見せてくれる。前半の快調なセリフのやり取りが、後半ちょっと息切れしてしまったのが惜しい。この手の映画ではなんといっても『ラブ・アクチュアリー』(Love Actually・2003年)が出色で、事あるごとに他人に喧伝している。どうしてもそれと比較してしまうのがちょっと。

結局人間なんてみんな欠点ばかりで、そこが人間らしくて、というようなことを最後に言っていたような気がする。観たばかりだろうと、突っ込みを入れないで欲しい。観てしまうと、それはもう過去、その時間から次へと繋がる時間だけが現実なのだと、いつもそんな気持ちが強過ぎて、言い訳ばかりしている。まぁ、満足のいく映画であったことは確かだ。

『英雄の条件』(Rules of Engagement)

2000年・アメリカ 監督/ウィリアム・フリードキン

出演/トミー・リー・ジョーンズ/サミュエル・L・ジャクソン/ガイ・ピアース/ベン・キングズレー

極限状態で発砲を命令した軍人と、彼の正義を信じる戦友の苦悩を描く法廷サスペンス映画。原題の「Rules of Engagement」は交戦規定の意。物語の鍵は、在イエメン米国大使館への群集によるデモのシーンでの群集は武装していたか、否か。先に発砲したのは群集か、チルダーズの部隊か。

本作品のアラブ人の特徴の描写は人種差別であると広範囲に及ぶ批判を招いた。アメリカ・アラブ反差別委員会は、「おそらく、これまでのハリウッドの作品で最もアラブ人に対して差別的な作品」と評した。ボストングローブ紙のポール・クリントンは、「悪く言えば、露骨に人種差別的で、風刺漫画の悪役のようにアラブ人を利用している」と評した。映画評論家マーク・フリーマンは、「(本作品において)イエメン人は、考えられるうちの最も人種差別的な描かれ方をした。フリードキン監督は、イエメン人のこわばった表情を誇張し、また、彼らの奇怪な容姿や様式、辛辣な言語、暴力への強い欲求を誇張した。(本作品の鍵となる)"真実"が終盤で開明されるとき、本作品の人種差別的意図はより強調される。本作品のメッセージとは、アメリカに批判的な勢力や女子供を殺すことを活発に許容する必要性のことだ」と評した。

軍法会議も評決で行われる。評決するのも軍人なのが一般裁判と違うところか。関係者は自分の立場に拘泥し、嘘をついてまでも自分の立場を守ろうとする。そのあたりは一般人よりも軍隊の方が顕著に現れている。映画の最後に、嘘をついて映画の中ではそのまま通してきた何人かが、きちんと罰せられたとクレジットがあった。良かった。映画とはいえ正義が負けてしまうのは不愉快でしかない。まだまだ子供心の抜けない自分があるようだ。

『ある天文学者の恋文』(La corrispondenza)

2016年・イタリア 監督/ジュゼッペ・トルナトーレ

出演/ジェレミー・アイアンズ/オルガ・キュリレンコ/シャウナ・マクドナルド/パオロ・カラブレージ

原題のイタリア語は英語ではコレスポンデンス(correspondence)のこと。貿易関連の業務上の連絡で、相手方と英語などの外国語でやり取りすることで、略して「コレポン」と呼ばれていることで有名。この監督は、『ニュー・シネマ・パラダイス』(Nuovo cinema paradiso・1989年)や『海の上のピアニスト』(La leggenda del pianista sull'oceano・1999年)を監督している。

素敵な映画だった。愛にはいろいろな形があるらしいことはうすうす知っているが、不倫と呼ばれる愛には未来がないように思っていた。「ある天文学者」は余計な言い回しで、『恋文』だけで充分なお話だった。まだ生きているときから何かを予測したように愛の便りをプレゼントしていた男だが、死を予感した時から自分の死後も便りやプレゼントが届くように仕掛けていたとは。

愛される女にとっては充分過ぎる環境ながら、家庭を持っていた男の周りの人にはどうだったのだろうか。というあたりは少しだけ触れられるがあまり語られていない。少なくとも、家族ではない友人や知人には絶大な信頼があったらしい主人公の男、死んでからも本人の意図を汲んで動いてくれるなんて。いつまでも忘れないで欲しいと願う心があったとしても、それは無意味に近いだろう。現実に生きている人間は生身、そんな予感を感じさせながら終わりを迎えたこの映画は、なかなかどうして素敵な映画だった。

『シャドウハンター』(The Mortal Instruments: City of Bones)

2013年・アメリカ/カナダ/ドイツ 監督/ハラルド・ズワルト

出演/リリー・コリンズ/ジェイミー・キャンベル・バウアー/ロバート・シーハン/ケヴィン・ゼガーズ

カサンドラ・クレアのベストセラー小説『シャドウハンターシリーズ』の第一作目である『シャドウハンター 骨の街』を原作にしている。ごく普通の高校生であるクラリーは、母親ジョスリンと幸せに暮らしていた。そんなある日、ジョスリンが何者かにさらわれ、クラリーも謎の化け物に襲われてしまう。そこに突然、武器を持った青年ジェイスが現れ、化け物を倒してクラリーの命を救うのだった。ジェイスが言うには、自分は妖魔と戦うために選ばれた戦士「シャドウハンター」であり、実はジョスリンも優秀なシャドウハンターの一人だというのだ。しかも、その血を受け継いでいるクラリーもまた、選ばれしシャドウハンターの一人だと告げる。にわかに信じられないクラリーだったが、ジェイスと共にジョスリンを探す旅に出発する。ジョスリンをさらった敵の目的は、大きな力が秘められた「伝説の聖杯」であり、その行方はジョスリンによって封印されたクラリーの記憶に記されていることがわかる。こうして平凡だった少女は、世界の命運を握る戦いに挑むことになる。(Wikipediaより)

アマゾンプライムの映画紹介欄には「全世界2000万部を売り上げたベストセラー小説を完全映画化!」と謳ってあった。ハリーポッターと同じような匂いがして、一度目は完全に寝落ちした。どこまで観たのかの記憶は薄く、再生再開に苦労した。うっすらと観ながら寝てしまうんだなぁ、と自分の寝落ち姿を想像している。

子供騙しのストーリー展開には辟易している。どうにも我慢がならないことが多い。何故スーパーマンは子供騙しに映らないのだろうか。それは自分だけに特有のことなのだろうか。この手の物語に対する対応が自分でも分析出来ない。初めて観る映画が始まらなければ分からない。事前に活字で知っていたら、たぶんどの映画も観ることはないだろう、とそれだけは言える。

『EMMA エマ 人工警察官』(Emma)

2016年・フランス 監督/アルフレッド・ロット

出演/パトリック・リドレモン/ソレーヌ・エベール/スリマン・イェフサー/サブリナ・セブク

邦題のサブタイトルがネタ晴らしになっていて興ざめする。どこのどいつがこんな題名を許しているのだろうか。映画配給会社の使命は、単に映画を買い付けて劇場に流せばいいというものではない。題名を見ただけで、映画の楽しみの一部を奪ってしまうなんて、相当ひどい配給会社だ。せめて『EMMA/新米警察官』くらいにとどめて欲しかった。

なんといっても、研修生として配属された美女は人工知能を搭載したアンドロイドだったのだ。映画を観始まって彼女がアンドロイドだと、すぐに分からないからこその違和感のおもしろさが全く消えてしまう。わりあい早くにネタ晴らしはされるが、それがストーリーの途中だから許される事。最初から分かっていては、ホントに罪作りな題名だと何度もため息が出てきた。

この映画の中で事件を2つ解決するが、ロボットの解析力は凄い。見た目には人間なのに、いきなり殺された女の遺体を見て「妊娠している」とか言ってしまう。シリーズ化されそうな雰囲気がある。そのせいなのか、あまりスーパーマン的な挙動をしていない。2作目、3作目になったら、もっと漫画チックに彼女が活躍しそうだ。いっそのこと、アメリカでの映画化の方が良さげな。

『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』(A Royal Night Out)

2015年・イギリス 監督/ジュリアン・ジャロルド

出演/サラ・ガドン/ベル・パウリー/ジャック・レイナー/ルパート・エヴェレット

第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の連合国勝利を記念する日「VEデー(英: Victory in Europe Day, V-E Day or VE Day)」は、1945年5月8日に当たる。日本が降伏する3か月前に実質的に第二次世界大戦は終わっていた。ヨーロッパ戦勝記念日の夜、後の英国女王エリザベス2世が、妹マーガレット王女と共に外出を許され、臣民と共に戦勝を祝ったという史実に着想を得て、一夜の経験を通じて王女の成長を描いたフィクションドラマである。現エリザベス女王は、映画『英国王のスピーチ』(The King's Speech・2010年)で描かれたどもりに悩まされたイギリス王ジョージ6世の第一子長女だ。セリフの中に「うちもドイツ系よ」という言葉があったので調べてみた。

ウィンザー朝は、1917年に始まる現在のイギリスの王朝。ウィンザー家(House of Windsor)の元の家名(王朝名)はサクス=コバーグ=ゴータ家(House of Saxe-Coburg-Gotha)といった。これはヴィクトリア女王の夫(王配)アルバートの家名(その英語形)であった。アルバートはドイツのザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト1世の息子であったが、この家系からはベルギー、ブルガリア、ポルトガルの王家も出ている。第一次世界大戦中の1917年、ジョージ5世は敵国ドイツの領邦であるザクセン=コーブルク=ゴータ公国の名が冠された家名を避け、王宮のあるウィンザー城にちなんでウィンザー家と改称し、かつ、王家は姓を用いないとの先例を覆してウィンザーを同家の姓としても定めた。そのため、1917年以降は現在の女王エリザベス2世にいたるまでをウィンザー朝と称し、かつ、その構成員は(必要がある場合には)ウィンザーの姓を用いる。(Wikipediaより)

イギリスの王室に関する映画は数多い。かなり興味を持って観ているが、歴史という縦の線とそこに登場する国王や王女の名前の横線が記憶にとどまることはない。『ブーリン家の姉妹』(The Other Boleyn Girl・2008年)では、自分が離婚をしたいがためにローマ法王下のカトリック教会から離脱して、イギリス国教会を創ってしまったヘンリー8世の話がもの凄くおもしろかったと。

『リベンジ・リスト』(I Am Wrath)

2016年・アメリカ 監督/チャック・ラッセル

出演/ジョン・トラボルタ/クリストファー・メローニ/アマンダ・シュル/サム・トラメル

「I Am Wrath」=「私は怒りです」。いつも Google 翻訳のお世話になっている。「Wrath」=「extreme anger (chiefly used for humorous or rhetorical effect」。「rhetorical effect」=「修辞的効果」。妻を目の前で殺されてしまった夫の気持ちを表している。

主人公は特殊部隊の元工作員であり、戦闘のプロだったので、昔取った杵柄で自分で犯人を探し出して復讐をしようと思い立った。復讐の相手は意外な方向に行った。そこが映画のおもしろいところ。その辺にいるチンピラから始まって、クスリの密売人の胴元、さらには警察内部、そして州知事へと。妻の職業が政府から委託された環境分析官だったことが、話を大きくしていた。

ジョン・トラボルタは1954年2月生まれで6歳下だった。1977年『サタデー・ナイト・フィーバー』(Saturday Night Fever)の大ヒットから数多くの映画に出演している。彼の活躍と自分の人生は同時進行している気がする。この映画ではちょっと違和感のある髪の毛の生え際が気になったが、アクションシーンをうまくこなしてまだまだ若い。羨ましい。

『フィラデルフィア』(Philadelphia)

1993年・アメリカ 監督/ジョナサン・デミ

出演/トム・ハンクス/デンゼル・ワシントン/ジェイソン・ロバーズ/メアリー・スティーンバーゲン

第66回アカデミー賞では主演男優賞をトム・ハンクスが、ブルース・スプリングスティーンが歌曲賞を受賞した。第44回ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)受賞。第51回ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)および歌曲賞受賞。エイズとゲイにまつわる偏見を法廷で覆してゆく物語である。(Wikipediaより)

まだ20年も経っていないことに驚かされる。エイズもHIVも当たり前のように認識されてはいるが、もう過去の病気のように日本社会の中での存在感は皆無に等しいようにみえる。おそらく深く静かに潜航している日本におけるエイズ問題。常時既読スルーのような扱い方で重要事項を先送りしている日本という国、どこかで大きな爆発が起こるに違いない。

同性愛者でエイズにかかってしまったら、会社をクビにされてしまった、と訴えた弁護士事務所の若手弁護士が主人公。この時代にはとうに市民権を得ていてたと思った同性愛が嫌われていた。ただ同性愛者の数は結構多そうな雰囲気を映画は描いている。モラル的というかキリスト教的に許されないと、参考人尋問で答える上司の言葉が一般的だったのだろう。

『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(Locke)

2014年・イギリス/アメリカ 監督/スティーヴン・ナイト

出演/トム・ハーディ/オリヴィア・コールマン(声)/ルース・ウィルソン(声)/アンドリュー・スコット(声)

バーミンガムで建設工事の現場監督を務めるアイヴァン・ロックは、7か月前に一夜限りの関係を持った同僚のベッサンが早期分娩の危機にあることを知る。翌日にはコンクリートの大量搬入が予定され、自宅では妻と息子たちがサッカー観戦のために彼の帰宅を待ちわびているが、ベッサンの出産に立ち会うため、ロックはロンドンへ向かう。子供の頃に父に見捨てられ、いまだに父を許していないロックは、自分は父と同じ過ちを犯すまい、と心に決めている。(Wikipediaより)

スティーヴン・スピルバーグの出世作と言われる『激突!』(Duel・1971年)は、1973年に第1回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭グランプリを受賞しているが、運転中に追い抜いたトレーラーから執拗に追跡されるセールスマンの恐怖が描かれている。それを思い出した。ひたすら、トラックに追っかけられるシーンだけで映画を完成させている。

主人公が{BMW}に乗り込むところだけが映っていて、その後映画全編は車の中で主人公があっちこっちと電話で喋っているシーンだけ。もしかするとそうなのかなぁ、と思っていたがその通りだった。喋っている内容がおもしろいので、飽きることはなかった。それにしても立派な主人公だった。15年間でたった1度の間違いの責任を全うしようとしている。「愛」も感情もない相手なのに。愛しているのは妻だけだと直接言っても、女は1度の過ちを決して許さないという。他にも同じようなことをしていたに違いない、と罵ることもする。信じるとは、疑わないことだということが分かっていない。こんな誠実な男なら、間違いなく明るい未来が待っているだろう。

『プリデスティネーション』(Predestination)

2014年・オーストラリア 監督/マイケル・スピエリッグ

出演/イーサン・ホーク/サラ・スヌーク/ノア・テイラー/クリストファー・カービイ

1970年3月、1970年11月、1963年4月、1970年3月、1964年3月、1945年9月、1963年6月、1975年1月、1975年3月、目まぐるしくタイムスリップする時空警察官が主人公。原作が短編小説『輪廻の蛇』というタイトルだと知って納得しなければならない。あまりにも高等な発想が映像化されていて、観客は戸惑うしかない。

過去からタイムスリップして未来の自分に会うなんていうことがあったら、楽しいだろうな。勿論、未来から過去に舞い戻って会ったっていい。そんなことは夢物語でしかないことは誰でも分かっている。でも活字や映画でなら大いに許される事。過去や未来の自分に会ったら、自分は何かを言いたいことがあるだろうか。

人生は一度きり、何をやってもやらなくても全ては自分の為せる技。何が起こっても起こらなくても自分のせい。地球が丸いのも私のせいなどと言っていた昔だが、気持ちは今でも同じようなもの。かといってすべてを自分の中に押し込めてしまうほど自我は強くない。程よいいい加減さが自分の一番いいところだと思っている。基本は真面目ながら、ほどほどの不真面目さを同居させることが理想的だと。

『ラスト・ダイヤモンド 華麗なる罠』(LE DERNIER DIAMANT)

2014年・フランス 監督/エリック・バルビエ

出演/イヴァン・アタル/ベレニス・ベジョ/ジャン=フランソワ・ステヴナン/アントワーヌ・バズラー

Google 翻訳に原題を入力したら「最後のダイヤモンド」と出てきた。陳腐な邦題だと思ったが、原題がこれでは仕方ないか。この題名の如く内容はいつも通りの窃盗のお話。昔、テレビ・シリーズで「泥棒貴族」を楽しんで観ていたことを想い出す。この手の映画でのアメリカ、フランスの違いはほんの少し。手口は同じだが副産物の扱い方に・・・。

1回のどんでん返しではおもしろくないのだろう。2回、3回とどんでん返してようやくおもしろい映画になったようだ。窃盗団と言える大人数で一つのダイヤモンドを奪うには、あっちこっちに内通者と言われる内部潜入者の存在が必要のようだ。欧米では顔や身体つきで違和感を見つけるのは大変なことだろう。日本人の集団では、まだまだ外国人は目立ってしまうから、違和感のある人間が片棒を担ぐのは困難かもしれない。

ダイヤモンドがなぜ価値があるのだろうか。どうして高価なのだろうか、そういう基本的なところが理解できていない。何故昔から「金(きん)」が価値があるのだろうか。人間が作った価値のシステムが受け継がれているのも不思議でならない。ビット・コインなどという訳の分からない新しい価値を生み出すのも、人間の業欲がそうさせているに違いない。そんな人間技にはとてもじゃないけど追いつくことが出来ない凡人で良かった、かもしれない。

『かぞくはじめました』(Life as We Know It)

2010年・アメリカ 監督/グレッグ・バーランティ

出演/キャサリン・ハイグル/ジョシュ・デュアメル/ジョシュ・ルーカス/ヘイズ・マッカーサー

日本公開に関してこんな話があった。ワーナー エンターテイメント ジャパンは2011年3月22日、3月11日に発生した東日本大震災の影響により関東地方を中心に劇場の営業が困難であることなどを理由として3月26日に予定されていた劇場公開の中止を発表した。その後、2011年7月20日にBlu-ray Disc/DVDが発売されることが発表された。

軽い映画もいいなぁ、と思いながら観始まった。気楽に観られる映画もたまにはいい。ナチだホローコーストだというテーマは嫌いではないが、続けて観るもんじゃない。観ていくうちにだんだん良くなっていく映画は希だった。視点が違う恋愛ものは嬉しい。もうほとんど見たことのないパターンなんてないだろうと思っていたが、よくぞこういうテーマを考えついたものだ。

それにしてもアメリカというのは、見事なほどにケース・ワーカーが発達している。夫婦が急死した時に残された子供をすぐに一時預かる社会なんて、日本じゃ考えられない。遺言によりもしそういう場合が発生した場合は、友人の二人に養育を頼むなんてことも書いてあった。その二人はそれぞれ独身で、付き合っている訳でもないのに。そんなドタバタ喜劇が明るさを失わずに、最後まで突っ走るなんて考えもしないことが起こった映画だった。

『ザ・ワーズ 盗まれた人生』(The Words)

2012年・アメリカ 監督/ブライアン・クラグマン

出演/ブラッドレイ・クーパー/ゾーイ・サルダナ/オリヴィア・ワイルド/ジェレミー・アイアンズ

おもしろいんだけどねぇ、また寝てしまった。作家志望ながらまったく売れそうもない生活が続いていた主人公が、たまたまパリの骨董屋で見つけたカバンの中に、誰が書いたのかも分からない原稿に出会ってしまった。そこからは想像通りの物語が始まった。

どう結末に続くのかに興味はあったが、そこそこの展開がそこそこで留まってしまった。だから寝たのだろう。一つの大きな嘘を引きずった人生なんて惨めでしかない。主人公もそこに悩むことになる。実際その原稿を書いた老人が出現して話はおもしろくなるはずだった。

大きな嘘ばかりではない、小さな嘘だって、そんな必要が何処にあるのだろうか。容姿だって頭の中だって、世の中に自慢できるほどのない人間が、どうして虚勢を張らなければならないのだろう。人間が人間たる不思議さの原点のようなものかもしれない。かもしれないけれど、何をどう思われたって人間の中身が変わるはずもなかろうに。

『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』(Odd Thomas)

2013年・アメリカ 監督/スティーヴン・ソマーズ

出演/アントン・イェルチン/アディソン・ティムリン/ウィレム・デフォー/ググ・バサ=ロー

原作は、ディーン・クーンツのオッド・トーマス第一作である『オッド・トーマスの霊感』と聞けば霊的ななにかを題材にした物語だと理解できる。が、その霊的ななにかがよく分からない。副題にあるように死神が見える、ということらしいが、その死神が酷い。エイリアンの焼き直しのような黒いビニールで作られた死神が風のように現れて消える。

子供騙しというよりは、作りが甘い感じがする。二流映画から四流映画に陥落してしまう原因はそのあたりだろう。霊感と言えばちょっとSFに通じるところがあるので、私の好きなジャンルのはずだが・・・。アメリカ映画らしく恋人との話が必ず現れるのは御愛嬌。哀しい結末を用意して泣かせようとでも思っているのだろうか。

霊感や予感が現実になることは恐ろしい。もしそんな力があったとしても自慢する力ではないだろう。毎日テレビやラジオや新聞でさえも、ましてや雑誌くんだりでは生れ月による「運勢」なるものを発表している。遊びの一環として凡人は受けているのは確かだが、遊びなら運が悪いことをことさら言うこともないだろう。面白おかしく時の運を語るなら、もっと訳の分からない表現で遊ばなければ、身近な不運が現実になったら不愉快極まりない運勢伝言ゲームになってしまう。

『ナチスの犬』(Suskind)

2012年・オランダ 監督/ルドルフ・バン・デン・ベルグ

出演/ユルン・スピッツエンベル/ハー/カール・マルコビクス

今日は、2019年1月19日(土)。何度も繰り返し製作されるナチスのユダヤ人狩り、ホロコーストの話は、どの映画を観ても目を覆いたくなるような内容だ。こんなことが赦されるのだろうかと誰しもが思うことを、平気でやってきたヒットラー軍団はまさしく歴史に汚点を黒々と遺した。

オランダにも魔の手は伸びて、着々とドイツに送り込むナチスの所業。自分と家族の身を護るためにナチスの片棒を担ぐ人種が現れたって仕方がない。何故、ナチスの猫ではなく、ナチスの犬なのだろうか。犬というのはもよもと頭の良い動物だとされているからなのだろう。人に懐かず家に懐く猫では、その意味合いも明確ではないのだろう。

アメリカ映画のような明快さがない。只管に同じような毎日を描写して行くこの映画は飽きる。こんな深刻な映画で飽きるはないだろうと思えるが、眠ってしまったところをみるとやはりおもしろさがイマイチ。悲惨な映画でもおもしろい映画はたくさんある。おもしろいというのは笑うということではない。興味が尽きず、どこまでも追いかけていく気持ちが湧き上がるかどうかの問題なのだが、それを映画のおもしろさと私は表現している。

『聖なる復讐者たち』(The Reckoning)

2014年・オーストラリア 監督/ジョン・V・ソト

出演/ジョナサン・ラパリア/ルーク・ヘムズワース/ハンナ・マンガン・ローレンス/ビバ・ビアンカ

「この作品はまじ酷かった。サスペンスとしての展開も動機も陳腐。wowowの未公開作品は外れが多い。もっと選別してほしい。」こんな書き込みが「映画.com」にあった。おもしろくなかったとだけ冒頭に書こうとは思っていたが、映画詳細を調べたサイトでこんな書き込みに出会うとは。

警察ものでおもしろくないものは少ない。そういえば、「NYPD」とか「LAPD」と横書きされたパトカーが出てこなかった。アメリカ映画ではなくオーストラリア警察ものだった。腐敗の仕方や裏切りなど、警察ものはアメリカに限る。それを真似して作ったって、所詮は真似事のストーリーでしかない。畳みかけるような展開を期待したが、終始暗く凄惨な物語だった。

今回のテーマは「復讐」。一人の姉が殺されて、「ヤク」を密売していた連中をことごとく殺していく素人衆が怖い。組織から見ればこんな素人衆なんて屁でもないのだろうが、視点を変えて描けばこんな結末も用意できるのだろう。そんなところがおもしろくない所以かもしれない。プロの暴力団に太刀打ちできる恋人二人なんてあり得ない。無理なストーリーは映画を五流如何に貶める。

『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(Der Staat gegen Fritz Bauer)

2015年・ドイツ 監督/ラース・クラウメ

出演/ブルクハルト・クラウスナー/ロナルト・ツェアフェルト/ゼバスティアン・ブロンベルク

 アドルフ・オットー・アイヒマン:ナチス政権下のドイツの親衛隊将校。ゲシュタポのユダヤ人移送局長官で、アウシュヴィッツ強制収容所(収容所所長はルドルフ・フェルディナント・ヘス(=ルドルフ・へース))へのユダヤ人大量移送にかかわる。最終階級は親衛隊中佐。「ユダヤ人問題の最終的解決」(ホロコースト)に関与し、数百万の人々を強制収容所へ移送するにあたって指揮的役割を担った。第2次世界大戦後はアルゼンチンで逃亡生活を送ったが、1960年にイスラエル諜報特務庁(モサド)によってイスラエルに連行された。1961年4月より人道に対する罪や戦争犯罪の責任などを問われて裁判にかけられ、同年12月に有罪・死刑判決が下された結果、翌年5月に絞首刑に処された。

 アイヒマン逮捕の影の功労者であるユダヤ人のドイツ検事長フリッツ・バウアーの執念と苦悩を描いた作品。西ドイツでは当初は占領軍の手でナチスの追及が行われたが、占領期の後期にドイツ人の手にゆだねられた結果「非ナチ化はいまや、関係した多くの者をできるだけ早く名誉回復させ、復職させるためだけのものとなった」と評価される事態となった。そしてドイツ連邦政府発足後、わずか1年あまりの1950年にはアデナウアー政権の元で「非ナチ化終了宣言」が行われた。その結果、占領軍の手で公職追放されていた元ナチ関係者15万人のうち99%以上が復帰している。1951年に発足した西ドイツ外務省では公務員の3分の2が元ナチス党員で占められていた。

 検事長である主人公だが、ユダヤ人は彼一人、周りは元ナチ親衛隊出身者ばかりで、彼の執念も空回りするばかりだった。一方では戦犯としてのナチス残党があり、一方では堂々と政府の要職に付いているナチス残党がいたらしい。スパッと戦後体制が純潔で進められるほど社会構造は簡単ではない。明治だって、10年も過ぎなければ明治と言えない時代だったことを考えれば、ドイツだって同じようなものだったのだろう。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(The Post)

2017年・アメリカ 監督/スティーヴン・スピルバーグ

出演/メリル・ストリープ/トム・ハンクス/サラ・ポールソン/ボブ・オデンカーク

ジョン・F・ケネディとリンドン・B・ジョンソンの両大統領によってベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に戦争に対する疑問や反戦の気運が高まっていたリチャード・ニクソン大統領政権下の1971年、以前に戦況調査で戦場へ赴いたことがある軍事アナリスト ダニエル・エルズバーグは、ロバート・マクナマラ国防長官の指示の元で自らも作成に関わった、ベトナム戦争を分析及び報告した国防総省の最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を勤務先のシンクタンク、ランド研究所から持ち出しコピー機で複写、それをニューヨーク・タイムズ紙の記者 ニール・シーハンに渡し、ニューヨーク・タイムズがペンタゴン・ペーパーズの存在をスクープする。(Wikipediaより)

主人公は競合紙ワシントンポストの社主、父親が作った新聞社を夫が継承したが、その夫が自殺してからポスト社の経営を引き継いだ。1877年創刊のアメリカ合衆国ワシントンD.C.の日刊紙である。米国内での発行部数は66万部で、USAトゥデイ(211万部 本紙のみ全国紙)、ウォール・ストリート・ジャーナル(208万部)、ニューヨーク・タイムズ(103万部)、ロサンゼルス・タイムズ(72万部)に次いで第5位。首都ワシントン最大の新聞であり特に国家政治に重点を置いている。2013年にAmazon.comの創業者ジェフ・ベゾスに買収された。事実と映画が入り混じる情報。

ベトナム戦争に対する情報は多岐にわたる。このペンタゴン・ペーパーズの趣旨は、「負けると知りながらなぜ続けたのか」「10%南ベトナム支援、20%共産主義の抑止、70%アメリカ敗北という不名誉を避けるため」と暴露される。アメリカの良心が映画の随所に表現されている。「報道の自由を守るのは、報道しかない」。ニクソン大統領は新聞掲載を差し止めるが、「建国の父たちは、報道の自由に保護を与えた。民主主義における基本的役割を果たすためだ。報道が仕えるべきは国民だ、統治者ではない。」1971年7月1日木曜、6対3で新聞勝利、最高裁、とワシントンポスト紙の一面に見出しが躍る。この後、ニクソンはウォーターゲート事件でアメリカ大統領唯一の辞任者という不名誉な記録を作ることになる。政治の闇は深い。日本なんて子供みたいなものだろう。ペンタゴンの機密文書がなぜペリカン文書と言われるようになったのかを知ると、またおもしろい。

『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(Lion)

2016年・オーストラリア/アメリカ/イギリス 監督/ガース・デイヴィス

出演/デーヴ・パテール/ルーニー・マーラ/デビッド・ウェナム/ニコール・キッドマン

ノンフィクション本『25年目の「ただいま」 5歳で迷子になった僕と家族の物語』を原作としているという。インドが舞台でインド人らしき人が登場したので、インド映画のおもしろさを信頼している自分にとっては、かなりおもしろくなるだろうという予感があった。でも、インド映画ではなかった。

自分の名前も正確に覚えていなかった、実際の名前の意味が「ライオン」ということでこの原題が付いたようだ。というのが最後のオチだが、その程度のことではオチにならないだろうが。事実に基づいたストーリーという映画は、残念ながら期待ほどのおもしろさでないことも多い。この映画もその部類に入る。

1600キロメートルも離れたところに回送列車で運ばれて迷子になってしまった主人公、オーストラリア人の夫婦にもらわれるというラッキーがあった。もともと極貧の家族で、母親が一人で3人の子供と暮らしていた。25年後にようやく母親を探すことが出来たが、それまでの人生が映画的ではなく、活字の世界にとどめておくべき物語のように見えて仕方がなかった。映画は劇的な一瞬を切り取ってこそのおもしろさ、ドキュメンタリーを語りたかったら、ちょっとジャンルが違う。

『幸福の罪』(NEVINNOST)

2011年・チェコ 監督/ヤン・フジェベイク

出演/オンドジェイ・ヴェトヒー/アニャ・ガイスレロヴァ/ルデェク・ムンザール/ヒネク・チェルマク

チェコ映画とは珍しい。まぁ、とにかく暗い。ストーリーは結構面白い。ダメな日本映画のようにちょっと間延びするのが。大どんでん返しのような結末を言いたくて、その途中経過があるような感じがする。有無を言わせず逮捕されるシーンがあって、今の日産自動車問題のことをつい考えてしまう。

「この素晴らしき世界」でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた、チェコを代表する若き巨匠ヤン・フジェベイク監督による心理サスペンス。ある“幸せな家庭”を舞台に、人間の抱える「罪と罰」を問いかける。主演は「ダーク・ブルー」のオンドジェイ・ヴェトヒーと「ルナシー」のアニャ・ガイスレロヴァ。  リハビリ医として評価の高いトマシュに、患者である14歳の少女オリンカへの性的暴行疑惑が持ち上がる。捜査にあたることになった刑事ラダは、トマシュの妻ミラダの前夫であり、ミラダはラダとの結婚生活中にトマシュと不倫し、トマシュの子供を身ごもったことからラダと離婚したのだった。果たして本当にトマシュはオリンカと姦通したのか?(allcinemaより)

露骨なセリフが平然と語られるところは凄くいい。日本社会のように忖度や使用禁止用語の設定など、言論の自由には程遠い状況にある国には考えられないこと。素直に頭に入ってきて絶対この方がいい。テレビ画面で観ていたがなかなか終わらず、タブレットを持ち出して寝ころびながらや歩きながら小さな画面で見る映画にぴったんこだった。時代は変わったな~。

『イングリッドとロラ 犯罪との戦い』()

2012年・フランス 監督/Jerome Foulon

出演/Muriel Robin/ Fatou N'Diaye/Christian Hecq

アマゾンプライムの映画手引きは酷い。原題すら書いていないと罵っていたが、この映画なんか何処を見たって上記以上の項目を埋められない。続編『イングリッドとロラ マンタの海』が出来ているらしいことだけはweb上で知ることが出来た。

展開が速すぎて理解するのが難しくもう1回観ないといけない、てなことを書いたページもあったが、展開が速いのではなくセリフが多過ぎるのが最大の問題。しかも殺人事件にかかわる人物の名前が連呼されて、誰が誰だか分からないままに観続けなければいけないことが大問題なのだ。元刑事(字幕では警視総監?)が早期退職して、偶然知り合ったいわくつきの黒人女性とコンビを組んで事件を解決していく。というストーリー自体はおもしろいが、おもしろさを演出する技術が拙い。

人の名前を覚えるのが苦手だ。意識して覚えようとしても忘れることが多い。逆に数字は簡単に頭に残る。一度聞いて必要な数字なら覚えとうとすることなく記憶に残る。勿論、いつもすべての数字を覚えられるわけではないが、人の名前を覚えることに比べたら、はるかに数字の方が覚え易い。得意面と不得意面なのだろう。そうやって得意面だけもっと伸ばせれば、学者にでもなれそうな。なんていうことはあり得ない。

『ブルゴーニュで会いましょう』(Premiers Crus)

2015年・フランス 監督/ジェローム・ル・メール

出演/ジャリル・レスペール/ジェラール・ランヴァン/アリス・タグリオーニ/ローラ・スメット

フランス・ブルゴーニュのワイナリーで生まれたシャルリは束縛を嫌い、パリでワイン評論家として活動していた。ある時、実家のワイナリーが経営不振で売却寸前であると聞き、実家に戻る。農業や醸造には全くの素人であるシャルリだが、妹夫婦や幼馴染に助けられつつ、昔ながらの農法でワイナリーを立て直そうと挑戦する。(Wikipediaより)

辛辣な批評で飯を食べているワイン評論家が、自分の手でワインづくりをしなければならなくなった。そんなことは普通起こらないし、起こらないように本人が画策してしまう。でもどうしてもその状況になってしまったら、一体何が出来るのだろうかと誰しも悩むに違いない。ハッピーエンドに終わるのか、残念でしたとなるのかの興味だけがこの映画の。

隣の家も同じようなワイン醸造農家、娘がアメリカに留学して連れてきたアメリカ人は、オレゴン州でワイナリーを営む家の出、結婚式を挙げるまでになるが、頑固な母親はアメリカ人のワイナリーをまったく信用していない。頑固なフランス人の面目躍如、どこの国でも同じような光景が繰り返される。恋物語も鏤めれれているが、アメリカ映画のような執拗さはなく、さらりとかわすフランス特有のエスプリが曲者。

『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(Tomb Raider)

2018年・アメリカ 監督/ローアル・ユートハウグ

出演/アリシア・ヴィキャンデル/ドミニク・ウェスト/ウォルトン・ゴギンズ/ダニエル・ウー

つまらない。半分以上寝てしまった。トゥームレイダー1作目と2作目の主演だったアンジェリーナ・ジョリーはうってつけの役者で、とても性格俳優ジョン・ボイトの娘とは思えなかった。このジョン・ボイトには苦い思い出がある。1983年、当時のヘラルドの営業部長はたまたまヨーロッパで観た試写でいたく感動して、彼の主演作『5人のテーブル(Table for Five)』を買った。それが大ゴケとなった。中途半端な作品は記憶にないが、ここまでコケると大いに記憶に残る。

日本のコンピューターゲームが原作だとは知らなかったが、1作目・2作目はそれを感じさせない映画的な迫力に満ち満ちていた気がする。そういう期待感の中で観始まったこの作品、残念ながらドメスティック的なテーマがまずうけない。日本周辺の離島が舞台となり、卑弥呼の魔力とかがセリフで聴かれるに至っては、早々と興味が失せていく。幼児的な、子供だましのストーリーが多い日本の漫画原作、そんなものとは一線を画すのが欧米の志向だったはずだが。

ちょっとかわいこちゃんでアクションもそこそここなせる主人公なれど、何故か魅力がない。ストーリーはインディ・ジョーンズの焼き直しのような、しかもさらに退屈な物語が続く。ちょっと面白くないと寝てしまうこの頃の私。老体と体調という二重苦に苛まれながら、来年も映画を観続けることは間違いないだろう。(2018年-平成30年-12月31日)

『デッドマン・ダウン』(Dead Man Down)

2013年・アメリカ 監督/ニールス・アルデン・オプレヴ

出演/コリン・ファレル/ノオミ・ラパス/テレンス・ハワード/ドミニク・クーパー

アクション映画を連続で観た。こちらもなかなか面白い映画だった。相変わらず最初のうちは人間関係とその顔の区別に苦労して、どうやって観て行ったらいいのかという単純なことに悩んでいた。しばらくして、なんとなく筋書きが分かりだしてからは、おもしろさが倍増して行った。

前の映画に女は絡まなかったが、この映画では重要な登場人物。今までにもなかったような女の顔が印象的。交通事故にあって顔の左半分は縫った筋が何本も浮きだっている。外出すれば公園で遊んでいる子供どもが「怪物」と言って石を投げる始末。でもこの女性が主人公の復讐劇の重要なパーツとなって行くあたりが斬新だった。知り合ったのは、隣の高層マンションのベランダ越しあたりもおもしろい設定。

主人公さえ死んでしまうこの頃のアクション映画、やっぱり映画の主人公は無敵でなくてはならない。バンバン撃ち合ったって、弾は主人公には当たらない。まぁ、敵の大将にもなかなか当たらないのが常套句だが。心の優しさを啓示してくれるシーンがあるかないかは大きい。ただアクションだけが羅列されてもおもしろいと感じることはない。そんな些細なことが映画のおもしろい、おもしろくないの基本なのだろう。

『フレンチ・ラン』(Bastille Day)

2016年・イギリス/フランス/アメリカ 監督/ジェームズ・ワトキンス

出演/イドリス・エルバ/リチャード・マッデン/シャルロット・ルボン/ケリー・ライリー

今日は2018年(平成30年)12月27日(木)。かなりおとなし目な映画を4日間くらいかけて観ていたので、その反動でどうしてもアクション系映画を所望した。舞台はパリ、単独アメリカ映画とはどことなく違う匂いがしたが、黒人CIA捜査官の縦横無尽の活躍にやんやの喝采を贈りたくなる。

パリにはいい思い出がない。悪い思い出がある訳ではないが、飛行機から見えるパリの風景が土、埃っぽい感じでいつ行っても馴染めなかった。カンヌ映画祭の時はいつもパリで乗り換えていたが、乗り換え方さえ気にくわなかった。ルーヴル美術館だってあの当時は特に混んでいなかった。気楽に歩き回れたおおらかな時代だったな~。

パリの街で偶然に出会ったヘラルドで働いていた女性はその後自殺をしたと風の便りに聞いた。ロンドン1週間の仕事の中、1日だけパリに日帰りしたことがあったが、帰りの飛行場へのタクシーが渋滞にはまって飛行場で走ってやっと間に合ったことなどを思い出す。いつだってパリの日は、どんよりと暗く重い雲が。

『人生は小説よりも奇なり』(Love Is Strange)

2014年・アメリカ 監督/アイラ・サックス

出演/ジョン・リスゴー/アルフレッド・モリーナ/マリサ・トメイ/ダーレン・バロウズ

 LGBTでも女同士なら興味がわくが、男同士ではキスなんかされたらたまらない。まだ観終わらない。片割れが71歳だと分かった。相棒は60才くらいかそれ以上。この歳になって39年間の同棲のけじめとして結婚式を挙げるのだが、男仲間ばかりではなく夫婦やその子供からも祝福されたパーティーが。この結婚式がばれて、専門学校らしい教師を追われる羽目になった。ニューヨーク市街地に買ったマンションも手放さなくてはならなくなった二人、とりあえず友人の家に分かれて暮らさなければならない。

 久しぶりに再会すると、友人の家の子供部屋の2段ベッドで寝る様子。我慢できず一人が上の段から下のベッドに移り熱い抱擁、キスをする。まさかと思いながらこんな光景を見ることはないと思っていたこの映画。男同士でも肉体を求めることが普通なのかと、改めて記憶する。でもやっぱり見たくないな~、男同士なんて。女同士なら何故かエロチックで見てもいいと思えてしまうのは男だからだろうか。続く・・・

 続くと書いたけれど、今日は一歩も前に進まなかった。何日経ったら観終わるのだろう。ようやく観終わった。最後になって急に71歳の方が死んでしまった。死ぬシーンは一切なく、なぜ死んだかも語られない。それでいいような気がする。映画の流れなんだろう。映画の最後のシーンでは5分くらいセリフがなかった。何を語らなくても何かが分かることが嬉しい。信頼とは裏切らないことだということを想い出した。

『天使にショパンの歌声を』( La passion d'Augustine)

2015年・カナダ 監督/レア・プール

出演/セリーヌ・ボニアー/ライサンダー・メナード/ディアーヌ・ラバリー/バレリー・ブレイズ

しょぼい邦題がひどい、とは思ったけれど観ようと思った動機が我ながら分からない。この映画を観始まる前にそれなりの時間を経過した映画があった。炭鉱での災害で街中が暗くなり経営者と炭鉱夫がいがみ合うというような内容で、暗くて暗くてしょうがなかった。

「アウグスティヌスの情熱」が原題の翻訳。カナダのケベックにある、白銀に囲まれた小さな寄宿学校。同校は音楽教育に力を入れ、コンクール優勝者も輩出する名門音楽学校の側面もあったが、修道院によって運営が見直され、採算の合わない音楽学校は閉鎖の危機に直面してしまう。といった内容。

この映画も中途半端。何か奇跡的なことが起こるのだろうと期待しながら観ているが、何も起こらないなんて観客泣かせ。修道院がそんなに珍しいものでもないし、女同士のいがみ合いも普通だ。最後にはピアノコンテストで優勝するなんて、あまりにも普通過ぎて反吐も出ない。

『僕と世界の方程式』(A Brilliant Young Mind)

2015年・イギリス 監督/モーガン・マシューズ

出演/エイサ・バターフィールド/レイフ・スポール/サリー・ホーキンス

途中でまた深い眠りにおちた。目が覚めたら夜中の3時、そのあとは観る暇がなかった。映画によって、観進む度合いがまったく違うのは仕方のないことだが、やっぱり寝てしまうのはおもしろくないということなのだろう。

自閉症の少年が実は特殊才能があって数学に秀でていた、なんていう物語は映画にはよくある筋書きで、その中でさらなる期待を望むのも仕方のないこと。高校生になって数学オリンピックに出場する世界の高校生が台湾で合同合宿をする、というくだりだけが興味があった。そこで主人公は中国から来た少女と恋に落ちるなんて、ちょっと的を外れれている。

数学オリンピックが始まっていよいよかなと思っていたら、主人公がこの大会をスポイルしてしまう。なんやねん、中途半端にストーリーが途切れてしまうのはつまらない。おもしろくなるだろうと期待してはいたが、まだ序盤に寝てしまった先見性は大したものだ。

『ハロルドが笑う その日まで』(Her er Harold)

2014年・ノルウェー 監督/グンナル・ビケネ

出演/ビョルン・スンクェスト/ビヨルン・グラナート/ファンニ・ケッテル

ノルウェー映画を観たのは初めてかもしれない。北欧にも疎い自分には、スウェーデンが右だっけ、いやノルウェーだったかな程度の地理的知識すらない。まぁほとんどの日本人が同じようなものだろうと高をくくっているが、それにしても知らないことばかりのスカンジナビア半島あたりだ。

スウェーデンにはボルボやサーブといった車が日本でも有名なものがある。一方、ノルウェーはサーモンと森だけと言える人さえ少ない。スウェーデンが他の北欧諸国から嫌われているなんていう情報は聞くのも初めてだが、そもそもどうでもいいことだと思えて、はぁ~と言うのが精一杯。コメディ映画なのだろうけれど、アメリカやイギリス映画の笑いとは雲泥の差がある笑いとなっている。そこらあたりが映画を観る楽しみのひとつだろう。

ノルウェーのオサネで長年質にこだわった家具店を営んできたハロルド。しかし、隣に世界的家具チェーン「IKEA」の北欧最大店舗ができたことで、廃業に追い込まれてしまう。認知症を患っていた妻も喪い、全てをIKEAに奪われたと感じるハロルドは、創業者カンプラードを誘拐し、復讐を果たそうと決意。オンボロなサーブ車でスウェーデンへと向かうハロルドだったが…。

『未来を花束にして』(Suffragette)

2015年・イギリス 監督/サラ・ガヴロン

出演/キャリー・マリガン/ヘレナ・ボナム=カーター/ベン・ウィショー/メリル・ストリープ

世界各国の国政選挙における女性参政権の獲得年次:1893年 英領ニュージーランド,1902年 オーストラリア、1906年 フィンランド、1913年 ノルウェー、1915年 デンマーク、アイスランド、1918年 ソビエト連邦、オーストリア、イギリス、1945年 フランス、ハンガリー、、イタリア、日本、ベトナム、ユーゴスラビア、2005年 イラク、クウェート、2006年 アラブ首長国連邦、2009年 サウジアラビア。

女性参政権とは、女性が直接または間接的に国や地方自治体の政治に参加するための諸権利のこと。かつて婦人参政権と呼ばれていた。革命で権利を勝ち取って行く欧米各国でさえ、女性の参政権どころか社会における基本的な地位が、こんなに低かったのかと驚いてしまう。「洗濯女」と称される低賃金職業が今回の主人公の職業。その当時クリーニング屋で働く女性の地位も権利も微塵たるもの。

今や選挙権なんて当然で、そんなもの行使したって世の中は何も変わらないよ、とうそぶく不届き物の姿が見え隠れする。こういう映画を観て、最初から何も考えずに所有していたものではないことを肝に銘じてほしい。ましてや、日本だって第二次世界大戦が終わって初めて女性の参政権がもたらされたなんて、思っても見なかったことに違いない。まだ70年だよ。

『イコライザー』 (The Equalizer)

2014年・アメリカ 監督/アントワーン・フークア

出演/デンゼル・ワシントン/マートン・ソーカス/クロエ・グレース・モレッツ/デヴィッド・ハーバー

おもしろかった~。休憩をとることなく観続けられる映画は嬉しい、快感だ。クロエ・グレース・モレッツは「キック・アス」の子役時代から気になっていたが、今や大とは言わないまでも売れっ子の女優になったようだ。2日前に見た『アクトレス~女たちの舞台~』でも本物の大女優ジュリエット・ビノシュと堂々と渡り合っていた。

今度はデンゼル・ワシントンとの掛け合い。使い勝手がいいのだろう。なんといっても今回は娼婦役で、ぼこぼこに顔を歪められるシーンをなんなくこなしている。日本で言えば世直し奉行のようなこの映画、主人公は何者なのだろうか、ということを惜しんで語らない切り口がおもしろい。この前映画はマジック、イリュージョンだったが、この映画もそれに近い。スーパーマンのような主人公は元CIA局員だったことで、納得してしまうのも不思議なことだ。

主人公は英雄になることを望んでいないが、世直しのためなら相手が誰だろうと敢然と戦いを挑んでいく。シリーズになることだって書けそうだが、あまりにもスーパーマンぶりが、かえって話を狭めているかもしれない。日常的なスーパーマン、私が昔試写で観て買おうと言ったけれど誰も見向いてくれなかったチャックコナーズの「ザ・ライフルマン」を思い出すことしきり。

『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(Now You See Me 2)

2016年・アメリカ 監督/ジョン・M・チュウ

出演/ジェシー・アイゼンバーグ/マーク・ラファロ/ウディ・ハレルソン/ダニエル・ラドクリフ

2013年劇場公開作の『グランド・イリュージョン』の続編。なんとなく観たことのある感じは、あくまでも感覚だけだが結構正しい。ド派手にマジック、イリュージョンの世界を映像で表現すると、小さなテクニックで不思議がらせるその辺のマジックとはだいぶ違うもののように映る。

そういう意味では、映像でのマジックは嘘にも見えてしまうので、なかなか作る側は大変なんだろうなという苦労がしのばれる。目の前で現実に物が消えたりすれば信用に足るが、映像では説得力に欠ける。どんなに大胆なことでも、創りものだという感が拭えない。それをそう思わせない映像力は、監督の力、発想力の力に委ねるところが多い。

出来過ぎ感満載で、終始飽きさせることのないこの手の映画をおもしろくないとは言えない。ただ笑わせようと必死こいてる日本のテレビに登場するお笑い芸人は、今や巨大な要塞と化している。素人衆はぽかんと口をあけながら、そのおもしろくない「芸」をさも面白そうに見ているしかない。それにしてもおもしろくないよね。R1だM1だと、芸人が内輪で芸人に賞を上げて喜んでいる姿は、昔「一億総はくち」と揶揄されたことに似ている。「はくち」が漢字変換されない。やな時代だ。

『アクトレス~女たちの舞台~』(Sils Maria)

2014年・フランス/スイス/ドイツ 監督/オリヴィエ・アサヤス

出演/ジュリエット・ビノシュ/クリステン・スチュワート/クロエ・グレース・モレッツ

ジュリエット・ビノシュ(Juliette Binoche, 1964年3月9日 - )は、フランス出身の女優。1996年公開の『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー助演女優賞を受賞、また世界三大映画祭のすべての女優賞を受賞した女優でもある。そんな現実感を映画に中に引きずり込む。大女優として今や押しも押される女優となった主人公とその周りを護るマネージャー・エージェントなどが映画界のしきたりを教えてくれる。

フライトの予約やチケットの購入、ホテルの手配ばかりがマネージャー役ではない。主には台本の読み合わせをするだけではなく、そのセリフやセリフに込められた感情、行き着くまでの物語の解釈まで役者と対峙する役割がある。気心を赦せない人には到底できないポジション。時には本当の自分が役者の仮想人物と喧嘩するまでに至る。

映画配給に関してはそれなりに分かっているつもりだったが、こと映画製作に関しては、悔しいけれどほとんど何も分からない。強い人間関係が映画製作の基本だということだけは分かる。嫌な奴と組んで映画を作る必要はないのだし、かといって嫌いな奴でもどうしても外せないキャスティングは製作者の最大の悩みだろう。映画の中で演じる役柄が、現実社会でも同じように生かされる。大役者ほど生意気な人間はいないとよく言われるのは本当だ。いちいち妥協しながら生きていく道は、役者の道ではない。

『教授のおかしな妄想殺人』(Irrational Man)

2015年・アメリカ 監督/ウディ・アレン

出演/ホアキン・フェニックス/エマ・ストーン/パーカー・ポージー/ジェイミー・ブラックリー

今日は、2018年(平成30年)12月1日(土)。おもしろい展開が始まっていたのに、何故か50分近く眠ってしまったようだ。目覚めたときに、最後のシーンだったが、今回はしっかり戻って見直すことにした。監督がウディ・アレンだと知ったのはその時。彼の監督作品は相性が悪い。笑いのツボが合わないと強く感じているせいもあったのかもしれない。観る前に彼の作品だと知らなくても、自然と身体が反応したのには驚いた。私という人間の真骨頂だと褒めてあげたい。

もう一度見直したまでは良かったが、また寝てしまった。今度はどうも最後のシーンを見逃したようだ。もういいや、これ以上見直したって意味がない。教授とは哲学を教える大学教授のことで、久しぶりに「カント」なる名前を聞いた。「デカルト、カント、ショーペンハウエル」と言えば泣く子も黙る偉大な哲学者だったが、今どきはこのような名前を聞く機会がまったくなかった。

明治・大正の帝大生が「デカンショ節」を歌ってはやらせた。当時の学生にしてみれば哲学といえば、デカルトとカントとショーペンハウエルだったらしい。今や専門学科の哲学はあるけれど、一般人が酒場で哲学の話をしているなんてことは聞いたことがない。ゲームやYouTube、ツイッター、インスタグラム、Tik Tok、などなど世界中の庶民が有名人を目指しているようで、ちょっと気持ち悪い。

『アラビアの女王 愛と宿命の日々』(Queen of the Desert)

2015年・アメリカ 監督/ヴェルナー・ヘルツォーク

出演/ニコール・キッドマン/ジェームズ・フランコ/ロバート・パティンソン/ダミアン・ルイス

20世紀初頭、イラクとヨルダン両国の国境線を引いてイラク建国の立役者となり、“砂漠の女王”と呼ばれたイギリス人女性ガートルード・ベルの生涯を描いている。イギリスの良家の子女がそのじゃじゃ馬ぶりを発揮してまだ未踏の地だったアラブ地域を探検し回る話だ。アラビアのロレンスも登場する。第一次世界大戦頃の話になる。

中東の紛争は理解できない。教えられても、勉強しても、頭の中から抜けていく。スンニ派だ、シーア派だと今更ながらに宗教・宗派対立している姿が情けない。あまりにも「神」と口に出して叫ぶので、神は本気で怒っているのに違いない。占領していたかつての大国も無責任に手を引いてしまった。アジアの多くの国々が見事に独立しているのとは正反対だ。独立したって資源がないアジアと独立が危うくても資源が確かな国との差があるが、それは単なる経済的な問題。長期的に見れば民族が統一された後者の方が可能性は高そうに思う。

いつもは観終わってからこの女性は誰と思うのがニコール・キッドマン、今回は最初からクレジットを確認できたので、なるほど彼女かと思いながら。アップになるとだいぶ歳をとった雰囲気が。若い頃は端正な顔立ちに意地悪い特徴がなく、覚えられない顔のNo.1だった。年相応の演技派大女優への入り口を感じさせるが、大袈裟に哀しむシーンを観た時、まだまだかなぁという感想が自然とわきあがっていた。

『クリミナル 2人の記憶を持つ男』(Criminal)

2016年・アメリカ/イギリス 監督/アリエル・ヴロメン

出演/ケヴィン・コスナー/ゲイリー・オールドマン/トミー・リー・ジョーンズ/アリス・イヴ

ケヴィン・コスナーもだいぶ歳をとった。この映画では感情を持たない極悪人として刑務所暮らしをしていたところから始まる。CIA捜査官が重大な任務中に死んで、その脳みその記憶を自分の脳内に移植される手術を受ける羽目になった。邦題の意味はそういうことだが、なかなか演技達者なベテラン俳優にしか出来ないことだろう、と感じる。

CIAでありながら情けないほどのドジを踏む本部捜査陣、どう考えたって違うだろう、と突っ込みを入れたくなるほどのシーンが何か所もあり、二流映画にもなり切れないものが。アクション映画というよりはサスペンス映画のような。アメリカ映画の特徴である家族愛も手堅く描かれている。

トミー・リー・ジョーンは日本ではテレビ・コマーシャルに数多く出ている。自国では間違ってもCMに出ない。日頃の顔や商業的な顔を晒すことを極端に嫌うアメリカの一流俳優たちは、それでも日本でならいいだろうと高をくくっている節がある。日本にだった字幕で映画を観るファンはたくさんいるのだから、同じ映画圏としての尊敬を払ってもらいたいものだ。

『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』(Florence Foster Jenkins)

2016年・イギリス 監督/スティーヴン・フリアーズ

出演/メリル・ストリープ/ヒュー・グラント/サイモン・ヘルバーク/レベッカ・ファーガソン

アメリカ大統領ドナルド・トランプは、メリル・ストリープを「ヒラリーの腰巾着」 で、「最も過大評価されている女優のひとり」だと非難した。そのメリル・ストリープが主演する映画に外れはなさそうだ。そう思いながら観ていると、映画は自然とおもしろくなるものだ。

実在の人物モデルがいたというが、こんな人が本当にいたんだと驚くほかない。歌唱能力が完全に欠落していたことで有名であるのにもかかわらず、76歳にしてあのニューヨーク・カーネギー・ホールの舞台に立った。

彼女の演奏したレコードを聴くと、ジェンキンスは音程とリズムに関する感性がほとんどなく、極めて限られた声域しか持たず、一音たりとも持続的に発声できないこと、伴奏者が彼女の歌うテンポの変化と拍節の間違いを補って追随しているのがわかる。にもかかわらず、彼女はその型破りな歌いぶりで大変な人気を博した。聴衆が愛したのは音楽的能力ではなく、彼女の提供した楽しみであった。音楽批評家たちは、しばしば彼女の歌唱を皮肉まじりに説明し、それがかえって大衆の好奇心を煽る結果となった。音楽的才能が全くなかったにもかかわらず、フローレンスは自分が偉大な音楽家だと固く信じていた。彼女は自分を名高いソプラノ歌手フリーダ・ヘンペルやルイーザ・テトラツィーニに比肩しうると考え、自分の演奏中にしばしば聴衆が笑い出すのを、ライバルが職業的な競争心からやらせているのだと思い込んだ。しかし、彼女は批判に気付いており、「皆さん私が歌えないとおっしゃいますが、私が歌わなかったといった人はいませんわ」などと述べた。(Wikipediaより) といったクスッと笑いそうな物語だった。

『ランナーランナー』(Runner Runner)

2013年・アメリカ 監督/ブラッド・ファーマン

出演/ジャスティン・ティンバーレイク/ジェマ・アータートン/ベン・アフレック

ポーカー用語だという、Runner-runner:最後の2枚のカードで完成した hand(役)のこと。あるプレーヤーが55をもっており、 board(ボード)がAA455の順に開いたとすると、このプレーヤーは、runner-runner(ランナー・ランナー) quads(クワッズ、4カード)を完成させたことになる。ポーカーに造詣が浅く、意味が分からない。

主人公は実在のギャンブラー、ナット・アレムをモデルにしているという。オンラインカジノが舞台だが、取り仕切っている場所はコスタリカ。国全体がギャンブル国家のような描き方がされている。なんでも金次第、賄賂でなんでもが解決してしまう。ひとり彼の地に乗り込んだ主人公が・・・・・。

ギャンブルは魅力いっぱいだ。初めて本格的なカジノに入ったのは、初めての海外旅行で行ったモナコでだった。パスポートを持っていれば入ることが出来た。確か上着とネクタイ着用だった気がする。もちろん、大金を持って遊ぶことなどあり得なかったが、雰囲気だけでも若い時に味わえたことは意味があった。2回目はラスベガス、この時だってお金があるわけではなかったので、遊ぶというよりやっぱり雰囲気を嗅ぐだけだった。ラスベガスといえば、旅行する人の餞別代りに$100を渡して「黒」に1回だけ全額賭けてくれと頼んだことがあった。当たりだったら、当たった分を返してくれたらいい、と言ったのだが、お金は戻ってこなかった。

『奇蹟がくれた数式』(The Man Who Knew Infinity)

2016年・イギリス 監督/マシュー・ブラウン

出演/デーヴ・パテール/ジェレミー・アイアンズ/トビー・ジョーンズ/スティーヴン・フライ

トリニティ・カレッジ (英: Trinity College) は、ケンブリッジ大学を構成するカレッジの一つ。ヘンリー8世によって1546年に創設された。2018年現在33人のノーベル賞受賞者や、フィールズ賞受賞者、アイザック・ニュートンなど数多くの著名人を輩出しているカレッジである。インドマドラス(現・チェンナイ)、数学者であるシュリニヴァーサ・ラマヌジャンは極めて優れた直観によって様々な定理を発見した。しかし、数学者としての正式な訓練を受けていなかったがために、証明には数多くの不備があった。そのため、ラマヌジャンは学会から黙殺されそうになった。そんなラマヌジャンに目を付けた人物こそ、ケンブリッジ大学の数学者、ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディであった。(Wikipediaより)

インド映画はおもしろいし、インド人が主役級の映画もおもしろい。さらに、天才数学者を描いた映画もこれまたおもしろい。天才にしか分からない天才のこと。凡人がその天才の才能について云々すること自体が滑稽だが、神ではない人間の集団にはそれを判別する才能さえ見つからない。

凡人だって同じこと。凡人が凡人の才能を見つけ出すこともある。それはやはり奇跡のようなこと。いつ何処で出会うかも分からない人間同士の中でも、凡人が凡人を知ることも難しい。天才は数少ないからこそ、その存在感が顕著になる。ところが凡人はそんじょそこら中にい過ぎるので、その中から探し出せる凡人は貴重過ぎる。そんな偶然の仕合わせを満喫しながら終末を迎えることは、また仕合わせなことと言えるだろう。

『フェリスはある朝突然に』(Ferris Bueller's Day Off)

1986年・アメリカ 監督/ジョン・ヒューズ

出演/マシュー・ブロデリック/ミア・サラ/アラン・ラック/ジェニファー・グレイ

何かが起こるのだろうと期待しながら観ていたが、とうとう最後まで何も起こらず、そのまま終わってしまった。シカゴに住む高校生が、学校をサボるさまを面白おかしく描いただけなのだが、アメリカ人はこういうのが好きらしい。アメリカでは根強い人気を誇っていて、また、リグレーフィールドやシカゴ美術館などのシカゴの観光名所で撮影していたことも話題となったという。

小学生の時は、テスト以外はただ楽しい毎日だったような気がする。山や川で遊ぶ毎日は、今の子供たちには羨ましがられる状況だった。隣は靴屋さんだったので、靴をゼロから作る作業も見慣れた光景だった。高校生になったときに、お祝いにあつらえた靴を贈られたことは、今から考えればなんと贅沢なことだったのだろうと振り返るばかり。

大学生になって1年間に1回も授業を受けなくても「優」がとれるようになると、授業をサボるというよりも世の中を馬鹿にし始まることが。そんな不真面目な心のうちが今の自分を作ってしまったのかもしれない。もう少しどころか、もっと一所懸命に勉学にいそしんでいれば、人生が少しばかり違っていたような気がしないでもない。

『ファーゴ』(Fargo)

1996年・アメリカ 監督/ジョエル・コーエン

出演/フランシス・マクドーマンド/ウィリアム・H・メイシー/スティーヴ・ブシェミ/ピーター・ストーメア

ジョエル・コーエンとイーサン・コーエンの兄弟制作映画がおもしろくない訳ないと書いたが、前回何故かおもしろくない作品に出逢ってしまった記憶が蘇った。映画の始めに「これは実話である」(原文:THIS IS A TRUE STORY.)という一文が映るがこれも演出の一つで、実際に映画のような経緯を辿った誘拐事件が起きた事実はなく、物語は完全なフィクションである。というのは、ちょっと行き過ぎの演出だろう。

まぁ、映画はおもしろかった。しがない車販売店の営業部長が情けないほどどうしようもない。妻を誘拐させて、金持ちの義父にお金を出させ、その半分をくすめとろうと画策する。ところが頼んだ相手がいけなかった。刑務所上がりの車整備士は悪くはなかったが、彼が依頼した人物が酷過ぎた。トラブルになる前に相手を殺害してしまうので、表立たたない前に事件はどんどん大きなものになって行ってしまった。狂言誘拐が成功しようとするときには、誰も後戻りできない状況となっていた。

世界のどこの国でも罪の重い誘拐をして身代金をなどと考える輩は、本当の極悪人だろう。割に合いそうもないコンビニ強盗や、タクシー強盗をやらかす輩は頭が悪過ぎる。チンピラの常とう手段のカツアゲや出来心が発展したひったくりもたちが悪い。生理中に万引きが多くなる女性心理は学問的研究余地がある。而して、猥雑な人間模様がうようよと世間の空気にまじりあって、いかにも人間らしい社会を形成している。

『ギャラクシー・クエスト』(Galaxy Quest)

1999年・アメリカ 監督/ディーン・パリソット

出演/ティム・アレン/シガニー・ウィーバー/アラン・リックマン/トニー・シャルーブ

『スタートレック』へのオマージュ満載のパロディ映画。宇宙の英雄である『エンタープライズ号』ならぬ『プロテクター号』乗組員を演じる売れない俳優が、実際の宇宙戦争に巻き込まれる二重構造に、現実の『スタートレック』を絡ませた三重構造の形を取っている。前半ではSFシリーズと熱狂的なファンのパスティーシュで、冷静にファンダムの在り様を描いている。批判的にも見えるシーンは中盤からスペース・オペラ活劇になだれ込む。実際の『スタートレック』の俳優や役に重なる部分は多々あり、ウィリアム・シャトナー演じるカーク船長のブリッジでの座り方から、お馴染みのセリフを言うなどのテレビシリーズの場面に始まり、舞台で高い評価を受けている俳優をキャスティングするなど多岐に渡る。トレッキー/トレッカーに対するクエスティー/クエスタリアンの区別がしっかりとされている。実際の『スタートレック』ではエンタープライズ号の設計図や機構図が販売されており、クエスタリアンの助けで船内の構造を知る場面などは、十分在りえる場面。(Wikipediaより)

スター・トレックを観ていない輩には、こういう説明を見聞きしても何のことか分からない。テレビシリーズの子供だまし風宇宙物には興味が行かない。どうしてかは分からないけれど、人形劇などにもまったく反応しない。きわめてはっきりした欲望に、我ながら一貫しているなぁ、と感心することしきり。

劇中劇のようなストーリーがおもしろくて観続けることになった。俳優たちの演じる態度の本音が見て取れたりする。こんな子供騙しは演じたくないな、と思いながらも、役者魂で何年も同じ役を演じている。職業とは言え困難な仕事だ。日本では戦隊ものを演じている役者が、いつの間にかイケメン俳優になっているケースが頻繁にある。そういう夢があるからこそ、なんとかやっていられる仕事なのかもしれない。

『アンストッパブル』(Unstoppable)

2010年・アメリカ 監督/トニー・スコット

出演/デンゼル・ワシントン/クリス・パイン/ロザリオ・ドーソン/ケヴィン・ダン

暴走機関車のようなパニックアクション映画。最初からそういうつもりで観なければいけない映画は、ちょっと興味が減ってしまうのは私だけかもしれない。いずれにしろ助かるのだろうとか、主人公は死にそうになっても死なないに違いないと思いながら観るのは、少し辛い。

どんなシチュエーションでも、どんな映画でも冷静沈着なデンゼル・ワシントンが気になるところだが、それでもそんじょそこらの役者とは桁違いの演技力。いかにして緊急事態を脱するかの見どころは、映画ならではのシーンの連続だった。この歳になると、手に汗握るほどのことはないが、おもしろくなかったとは言えない。

現実の人間力でも緊急事態に如何に対応できるかが真価を問われる場面となる。普段は偉そうにしている輩が、いざとなるとへなちょこになる姿を見ることもある。逆に、日常は木偶の坊にみえる人間が、結構適切な行動をすることがあることも知っている。社会にはいろいろな人間がいて、この人間模様を眺められるのは、生きているうちの最大の喜びかもしれない。

『二ツ星の料理人』(Burnt)

2015年・アメリカ 監督/ジョン・ウェルズ

出演/ブラッドリー・クーパー/シエナ・ミラー/オマール・シー/ダニエル・ブリュール

日本ヘラルド映画は、1978年(昭和53年)アメリカ、イタリア、フランス、西ドイツ合作映画『料理長殿、ご用心』(Who Is Killing the Great Chefs of Europe?)を配給した。新橋駅前ビル1号館3階に会社があったが、その地下街に社員がお茶やランチに利用している喫茶店があった。宣伝部員のアイディアマンがその喫茶店とタイアップして、この映画に出てくる料理をメニューに加えた。

映画の宣伝は何でもあり、担当宣伝マンの知恵と腕が試される。競馬場で試写会をやったかと思えば、クルーズイングの船上でも、武道館や東京ドームなんていうのはお手の物だった。アイディアが卓越していればお金は惜しまない。サンタクロースの時は、会社の入り口を木で包んでしまった。

腕のいいシェフが登場する映画はいつもおもしろい。普段は見ることが出来ない一流店のメニューと料理のさわりだけを見ているだけで仕合わせな気分になれるものだ。ただこの映画の腕のいいシェフは怒りっぽいのが玉に瑕。日本の親分職人のように只管怒っている。美味しい料理も、ちょっと美味しさも半減というシーンの連続で、おいしい映画にはなれなかった。

『潜入者』(The Infiltrator)

2016年・アメリカ 監督/ブラッド・ファーマン

出演/ブライアン・クランストン/ダイアン・クルーガー/ベンジャミン・ブラット/ジョン・レグイザモ

1985年。アメリカ税関の捜査官、ロバート・メイザーはボブ・ムセラという変名を使って、麻薬組織の資金洗浄の現場に潜入していた。やがて、メイザーは世界最大の麻薬カルテルの内部に潜入し、パブロ・エスコバル(コロンビアの麻薬王)の資金洗浄組織の存在を暴き出すことに貢献した。その過程で国際商業信用銀行が資金洗浄において大きな役割を担っていたことが判明し、世界中が驚愕することとなった。本作はメイザーが如何にして潜入捜査に従事していたかを描写していく。(Wikipediaより)

回顧録が原作というから、いわゆる事実に基づく映画なんだろう。こういう映画を観るといつも思うのは、アメリカの観客は頭がいいなぁということ。登場人物が複雑すぎて、とても覚えきれない。同じような顔つきの登場人物で、これもまた分かり難い。そんななか観る映画はおもしろいという域に達する前に萎えてしまう。

原作者が主人公だから、いかにして潜入捜査を成功させたかという一方的な見方による映画になってしまっている。そんなところが随所に見られるのが溜まってくるのかもしれない。2時間7分と長過ぎるのもいけない。もしかすると途中で寝てしまったのが最大の原因かもしれないが、あっけなく大捕り物が終わる最後のシーンにちょっと気が抜けた。

『はじまりへの旅』(Captain Fantastic)

2016年・アメリカ 監督/マット・ロス

出演/ヴィゴ・モーテンセン/フランク・ランジェラ/キャスリン・ハーン/スティーブ・ザーン

なかなか面白い内容の映画だった。子供は6人、一番上は16歳頃だろうか。森を購入して父と母は二人にとって理想的な教育環境を実践している。学校には行かない。まさしく文武両道と思える教育を両親が担当する。身体も鍛え、頭も鍛える。本を読んで内容を暗記するのではなく、自分で理解したことを自分の言葉で喋らせる。

8才の娘にセックスとは、と理詰めに話をする。決して子供だからと隠すようなことをしない。母親が精神病になったこと、自殺をしてしまったこともきちんと伝えるあたりは、並大抵の親では出来ないことだ。ただそんな家族だけの生活はちょっと人間の生活には足りない部分もつくってしまう。何事が起きても一人で生きていける精神力と体力と知恵を教えられても、そこに家族ではない他人が一人いるだけで、人間対人間の対応に苦慮してしまうおかしさがある。

母親の葬式をめぐって家族と母親の実両親との戦いが始まる。このあたりが実におもしろい。母親の遺言は、仏教徒だから火葬にしてその灰をトイレに流して欲しいと。当然実家の両親は反対する。教会でミサが始まり埋葬の霊柩車が墓地に向かう、と戦いがクライマックスを迎えていく。久しぶりに結末への期待が高まった。

『ベネファクター/封印』(The Benefactor)

2016年・アメリカ 監督/アンドリュー・レンツィ

出演/リチャード・ギア/ダコタ・ファニング/テオ・ジェームズ/クラーク・ピータース

日本国内で劇場公開されなかったが、WOWOWで放送されたことがあり、その時の題名は『リチャード・ギア/人生の特効薬』だったようだ。DVD化の際には『ベネファクター/封印』という邦題が使用されて、アマゾンプライムでの放映の際にはこちらの邦題が使われたということらしい。

何が何だか分からない内容で、お金持ちの良きおじさんが親友夫婦と一緒の車で事故にあい、自分だけが生き残ったという事実だけは明確だった。この夫婦に遺された娘と5年後に再会するが、ここから映画は訳が分からなくなってくる。日本での劇場未公開は大正解。当たるはずがない。

何故かお金を持っている主人公。友人の遺児の結婚に家さえ贈ったりするが、その夫は不信感でいっぱいになる。理由もなくお金を贈られたって、自分の教育ローンを勝手に清算してくれたって、嬉しくもない。そんな気持ちを分からないでもないが、映画はずーっと訳が分からない。どうせ訳の分からない人生なら、そんなこともありかな、と、ただエンド・クレジットを眺めてぽか~としていた。

『ノー・エスケープ 自由への国境』(Desierto)

2015年・メキシコ/フランス 監督/ホナス・キュアロン

出演/ガエル・ガルシア・ベルナル/ジェフリー・ディーン・モーガン/アロンドラ・イダルゴ

メキシコからアメリカへ不法入国しようとしている。彼らを乗せたトラックが故障する。映画らしい。仕方がないので、砂漠地帯を乗り切ろうと試みる。何故かそこに、ライフルを抱えたハンターが現れる。ウサギを撃つところを見せておいて、今度は不法移民集団を見つけて岩の上からライフルを放つ。人間狩りへと映画は進行する。

まさか最後まで追いかけっこの映像だとは、つゆ想像だにしなかった。偉そうに人間狩りをしていたアメリカ人が、形勢が逆転するとなんと女々しい人間に変身するのだろうか。トランプが言うメキシコとの国境はこういうのも典型なのだろう。砂漠に3本の鉄条網が張られているだけ。国境を越えるというのがこんなに簡単だったとは。これでは、壁を建造しようという提案も頷ける。

それにしても酷い映画だった。平気で人間を殺すシーンが映し出されるのは困る。銃を自由に使えるアメリカでしかあり得ない映像だ。「フリーズ」と言って止まらなかったからと、ハロウィンの日に日本人の留学生が射殺されてしまった事件を思い出す。なんでも銃で片を付けようとするアメリカ人のDNAがアメリカ・ファーストに繋がっている。

『ゴッド・タウン 神なきレクイエム』(God's Pocket)

2014年・アメリカ 監督/ジョン・スラッテリー

出演/フィリップ・シーモア・ホフマン/リチャード・ジェンキンス/クリスティーナ・ヘンドリックス/ジョン・タトゥーロ

2014年に急逝した名優フィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなる直前に主演したクライムドラマ。と言われても、名優フィリップ・シーモア・ホフマンの名前と顔が一致しない。あぁ、この人かと納得した。数多くの映画に出演している。脇役でいつも出てくる人のように見える。

舞台は、フィラデルフィア南部の荒廃した労働者階級地区ゴッズポケット。トランプのメイン支持層はこういうところかと思わせる町だった。よそ者を受け付けない、が、自分たちも外に出ない。まるで愛三岐と言われるこのあたりの人たちの精神状態のように。大学すら外に行くのを勧めない。結婚なんてもってのほか、近くに住みなさいと親から命令される。

さまざまな価値観を受け入れない心はもう時代遅れだ。LGBTだって後ろめたくはない。今や何でもありの時代になったからの結果ではない。これが人類の進歩というものだと理解する必要があるに違いない。そういう風に、自分もなんとか世間に置いて行かれないようにと、寄る年波を乗り越えて精神状態を研ぎ澄まそうとしている。

『岸辺の旅』

2015年(平成27年)・日本 監督/黒沢清

出演/浅野忠信/深津絵里/蒼井優/小松政夫/柄本明/奥貫薫/村岡希美/赤堀雅秋/首藤康之

湯本香樹実の小説。2009年9月号の『文學界』に掲載され、2010年に文藝春秋から単行本が出版され、2012年には文庫化されたという。まだ観始まったばかり。

まだ観終わっていない。発想はなかなか共感できるものがあるが、話がおもしろく展開していない。日本映画の一番悪いところ、だらだらと切れの悪いシーンが延々と続いている。あと残り1時間もないと思われるが、辛いものがある。早回しは考えていない。そんな宣言をわざわざする必要もないだろうに。

海の藻屑と消えてしまった夫が蘇った。妻だけが見えている訳ではなく、周りの人にもふつうに見える。ただ普通の生きている人間ではなさそうだ。あっちから来た人たちにはお互いに分かるらしい。夫の想い出を辿りながら、人生を回顧する旅に出る。活字の世界だろう! 映像にするには、お金がなさ過ぎる。入り込めない映像は夢物語にもなれない。長々と続くストーリーは凡庸。この手の話には卓越した表現力を期待しているので。

『シンプル・プラン』(A Simple Plan)

1998年・アメリカ 監督/サム・ライミ

出演/ビル・パクストン/ブリジット・フォンダ/ビリー・ボブ・ソーントン/ブレント・ブリスコー

こんな三流映画は久しぶりだなぁ、と観ていた。観終わって調べて驚いた。監督がなんとあのサム・ライミだったからだ。そんなことを言っても通じないだろうけれど、この監督は『死霊のはらわた』(The Evil Dead・1981年)の監督なのだ。製作から約3年半、ようやくヘラルドの手でロードショーされた伝説のスプラッター・ムービー。ニュー東宝シネマ2という小さな映画館で公開されたこの映画は、誰もが予想だにしなかった大ヒットを記録した。

なんといってもこの邦題の名付け親は私なのだ。ほとんどヘラルドの宣伝に寄与したり、痕跡を残したことはないけれど、この題名だけは当時のヘラルド宣伝部では公認されているのが嬉しい。この映画だって三流映画の典型のような映画だったが、だからこそホラー映画として威力を発揮したに違いない。

祖父はヘンリー・フォンダ、父はピーター・フォンダ、伯母はジェーン・フォンダに繋がるブリジット・フォンダを見ても、まったく分からなかった。大金を目の前にして人生が大きく変わってしまうさまが三流映画らしく描かれている。こういう映画を観ると、類は友を呼ぶという諺が見事に生かされている。お金という魔物は人間をどん底にも落としてしまう。

『エブリデイ』(Every Day)

2018年・アメリカ 監督/マイケル・スーシー

出演/アンガーリー・ライス/ジャスティス・スミス/マリア・ベロ/デビー・ライアン

アメリカでは今年公開されたようだが、日本では劇場未公開でいきなりアマゾンでの公開だという。こういう作品が増えることになるのだろう。う~ん、正しい判断だったのかもしれない。おもしろさはあるけれど、劇場で公開するには耐えられない感じ。宣伝費を回収できないだろう。それよりも劇場側が手を挙げない雰囲気。

今日の私は誰? 毎日誰かに乗り移っての日常が繰り広げられる。一種のSFみたいなもので、私の好きなジャンルの映画には甘い点となる。夢物語に見えるが、それこそこういう気分、気持ちで毎日を送っている人もいるかもしれない。

そんな風に100年後の世界を見ることが出来たら嬉しいのだが、さすがにそれは夢物語だと断定されてしまう。それでも、毎度のように100年後を夢見ていれば、その時に気が付いてくれる自分を見つけられるかもしれない。夢物語の中で夢物語を語るようになってしまうと、もう生身の人間ではないのかと? と訝りに苛まれる。

『三度目の殺人』

2017年・日本 監督/是枝裕和

出演/福山雅治/役所広司/広瀬すず/斉藤由貴/吉田鋼太郎/満島真之介/松岡依都美/市川実日子/橋爪功

第41回日本アカデミー賞:最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀編集賞(是枝裕和)・最優秀助演男優賞(役所広司)・最優秀助演女優賞(広瀬すず)・優秀音楽賞(ルドヴィコ・エイナウディ)・優秀撮影賞(瀧本幹也)・優秀照明賞(藤井稔恭)・優秀録音賞(冨田和彦)を受賞した作品をとくと見た。

殺人を認めている犯人、主人公の動機は何だったのかと、弁護士も探しあぐねている。実社会のニュースでいつも語られる犯人の動機について、警察はその動機を調べているというところで終わってしまうが、実はこういう動機だったよという発表を聞くことはまずない。

おもしろいけれど、特段おもしろいと言える映画ではない。この手の映画ならアメリカ映画に到底及ばない。日本映画の特徴は、主要人物に足の悪い高校生を登場させたりするところだろうか。ただセリフを喋っていれば事件が解決したりストーリーが進行する程度の映画にしか見えないのは、観る側の問題なのだろうか。

『リバティーン』(The Libertine)

2004年・イギリス 監督/ローレンス・ダンモア

出演/ジョニー・デップ/サマンサ・モートン/ジョン・マルコヴィッチ/ロザムンド・パイク

原題 The Libertine は「放蕩者」の意味という。ときは1675年ごろ、まだまだ江戸時代の初期、イギリスのロンドンではぬかるんだ道を馬車と人が歩いている。芝居小屋は盛況で現国王様までもが足を運ぶ。国王が舞台を見に来る姿はこの映画ばかりか多くのイギリスものに登場する。ある意味優雅な世界だった。

実際に存在した天才貴族の天衣無縫な生活を描いている。ジョニー・デップにはうってつけの役回り。最後は梅毒で鼻をももがれて若くして死に至る。ちょうど今、大阪での梅毒患者が急増しているというニュースを見た。インバウンドなんて格好良い言葉を遣っているが、結局はその外国人から風俗嬢に梅毒が移り、それを一般日本人がまたうつされるというありきたりな構図が横行しているようだ。

身分階級の甚だしい欧米社会、日本の方が身分制度が厳しいと勘違いしていた若い頃、イギリスなんぞはその典型的な社会のようだ。公・侯・伯・子・男(こう・こう・はく・し・だん)と言われる爵位が敗戦のお陰でなくなったのは、怪我の功名とでも評価できるかもしれない。金持ちはいつまでたっても金持ちでは人間の生きる道がなくなってしまう。アメリカンドリームと称される成功物語は人間の生きる希望だろう。それでも、ドリームなんていらないから目の前の幸せだけを望む人たちだって、相当数いるに違いない。

『復讐のセクレタリー』(La volante)

2015年・フランス/ベルギー/ルクセンブルク 監督/クリストフ・アリ/ニコラ・ボニラウリ

出演/ナタリー・バイ/マリック・ジディ/ヨハン・レイセン/サブリナ・セブク

邦題が物語を説明してしまっている。映画が始まってしばらくすると、あぁこの女性が復讐のためにこの男に近づいてきたのかと。そんな映画がおもしろいはずがない。どうやって復讐をしていくのかの一点だけが見どころになってしまっては、映画も形無しである。

復讐という心情が理解できない。他人に報復の念を抱くことがなかった。自分の方が悪いに決まっていると、常に責任は自分にあるのだと自覚していた。他人を恨めるほど、物事に集中していないのかもしれない。一所懸命他人のために何かをすれば、裏切られた時の心が燃え滾るのかもしれない。

そういう意味では不感症な人間なのだろう、私は。情熱という奴を持ってみたい。パッションという奴を表現したい。夢中になって何時間も喋っていたことは記憶にあるが、何年間も同じ趣味を全うしたことはない。熱中すること、気持ちを持続させることが出来ることも人間のひとつの才能なんだと、つくずく思う。

『禁断のケミストリー』(Better Living Through Chemistry)

2014年・アメリカ 監督/ポサメンティアとムーア

出演/サム・ロックウェル/オリヴィア・ワイルド/ミシェル・モナハン/レイ・リオッタ

薬局の店長を務める主人公、うだつのあがらない風貌で、いつも通り夫婦仲は良くないし、子供にも疎まれる存在。妻の父親が経営する薬局、自分の名前にして欲しいと願っても叶うこともない。薬剤師と言いながら、学校を出ていないというセリフもあり、義父の名義で薬を調合することは可能なのだろうか、と観ている方が不安になってくる。

規制の緩い欧米だって免許を持たない薬剤師が薬を扱うことは出来ないよな、きっと。そんなどうしようもない主人公が、大邸宅に住む有閑マダムと関係を持ってしまう。どうしてこんな組み合わせが出来るのだろうかと訝る暇もなく、二人の仲が急接近する。有閑マダムは夫を殺してくれとまで言い始まる。コメディだが、おもしろい訳ではない。

8週間に1回処方箋を持って薬局に行っている。なんかいろいろなことを訊ねてくる薬剤師だが、なんと答えていいのか分からない。だから、ふんふんとただ頷いてごまかしている。この薬のせいで調子が悪くなったなんていってみたところで、解決策を聞けるわけではないだろう。市販の薬を袋に詰めるだけの薬剤師って、一体どういう意味があるのだろうか。

『ギリシャに消えた嘘』(The Two Faces of January)

2014年・アメリカ/イギリス/フランス 監督/ホセイン・アミニ

出演/ヴィゴ・モーテンセン/キルスティン・ダンスト/オスカー・アイザック

1962年、ハンサムで魅力的に見えるチェスター・マクファーランドとその妻コレットはギリシャに旅行し、アテナイのアクロポリスを訪れた。そこで2人はツアーガイドに扮して観光客に詐欺を行っていたライダルと出会う。2人はライダルをディナーに招待する。ライダルはチェスターの資産とコレットの美しさに魅了されていたため、招待を受けることにした。そして、夫妻のことを自分のガールフレンドに話した。(Wikipediaより)

サスペンス調ながら、サスペンスにならなかったおそまつ物語。ギリシャが舞台でなければ、何の魅力もない映画だったろう。40年前以上、初めての海外旅行でトランジットで立ち寄ったことしかないギリシャ、しょんべん臭いと評判だったあの当時のパルテノン神殿は、今では見違えるような観光名所になっているに違いない。

まさかギリシャまでユーロ貨幣を使うようになるとは思わなかった。ヨーロッパの中でもギリシャの通貨ドラクマは劣等生の最たるものだった。それが一転優等生のようなユーロ圏に入ってしまった。それでも相変わらず、ギリシャが足を引っ張っている状況は変わらないようだ。にもかかわらず、何とかやっていけてしまうことがおもしろい。給料が安いからと結婚を躊躇していた昔の若者、なんとかなるさと結婚に踏み切った人たちが正解だったような状況に似ている。

『幸せになるための5秒間』(A LONG WAY DOWN)

2014年・イギリス/ドイツ 監督/パスカル・ショメイユ

出演/ピアース・ブロスナン/トニ・コレット/アーロン・ポール/イモージェン・プーツ

主人公は4人、いずれも自殺志願者だ。場所はロンドン、飛び降りの名所のビルの屋上、時は大晦日、朝の情報番組の人気司会者や大物政治家の娘、ピザの配達人、寝たきり障碍者の母親まで、映画ならではの話題に事欠かない登場人物たち。日本では劇場未公開だったわけが分かる。

自殺するくらいなら相談してくれればいいのに、とドラマなどでは現実離れしたセリフが多く聞かれる。実際はどうかと言えば、自殺したい人の状況での相談事に親身になってこたえられる人なんているはずもない。そんなことが分かるの、と問われれば、そんなことわかるよと経験者のようなセリフを吐ける。

どう考えたって他人の心の中に入り込むことは不可能だ。したり顔をして分かったようなことを言う奴ほど、信用できない人だ。あくまでも他人であることを意識しなければならない。ちょっと触れ合っただけでもう他人じゃないなんて錯覚する輩もいるだろうけれど、他人であることを意識してこそお互いを尊重し合えるのだと肝に銘ずべし。偉そうなことを言っている。

『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』(Arbitrage)

2012年・アメリカ 監督/ニコラス・ジャレッキー

出演/リチャード・ギア/スーザン・サランドン/ティム・ロス/ブリット・マーリング

原題の「Arbitrage」とは、「裁定取引」を指す英語。と、言われても、日本語のその「裁定取引」の意味が分からない。裁定取引:金利差や価格差を利用して売買し利鞘(りざや)を稼ぐ取引のこと。サヤ取り(鞘取り)ともいう。ある場所では豊富に存在していて安い商品が、ある場所では極めて貴重で高値で取引されていたとする。その事実を知っていれば、安いところで買い、高いところに持って行って売るだけで、利益を得ることが可能となる。と、聞かされてようやく少しわかった気になれる。

主人公は、一代で莫大な富と名声を築き、家族にも恵まれ幸せな毎日を過ごしているかのように思われた。会社経営の嘘ばかりか私生活での愛人の存在など、一皮むけば普通の人々にも劣る実生活があった。よく言う仮面夫婦などはまだましな方で、粉飾決算をしながら優雅な生活をしている経営者もかなり多いことだろう。なんとか一時期を乗り越えられれば、何もなかった如く富裕層でいられる瀬戸際人生を謳歌しているに違いない。

一生貧祖な生活を我慢しているくらいなら、ほんのひと時だけでも裕福を装って生きていければ、それに越したことはない。どうせ最後は元の貧乏生活に戻ろうとも、1回くらいは人生の華やかさを味わって死んでいく方が、人間らしくていいかもしれないと思うこの頃。

『トゥモローランド』(Tomorrowland)

2015年・アメリカ 監督/ブラッド・バード

出演/ジョージ・クルーニー/ヒュー・ローリー/ブリット・ロバートソン/ラフィー・キャシディ

東京オリンピックの1964年4月22日から翌年1965年10月17日まで開催されたニューヨーク万博での発明コンテストが物語のスタート。米Dolby Laboratoriesが2014年に発表した「放送や動画配信における映像の輝度とコントラスト比を向上させ、色の表現力をも高める」、HD/Ultra HD(4K)の映像信号を対象とし、従来とは異なる2つのアプローチで画質向上を図ったドルビービジョンによる映画。

不思議な映画だった。未来に行って過去を眺めるという目線は特に新しい訳ではないが、映像が伴ってくるとだいぶ違う。夢の中に出てくるような幼心が縦横無尽に頭の中を走り回っているような感覚に襲われた。地球の最後を予言するかのような夢想は、一種の知的障碍者にだけ与えられた才能でしか語れないかもしれない。

人々が齷齪と悪戦苦闘して歩む姿は、先人たちの轍を踏んでいるだけのように見えて仕方がない。それでも、自分の人生にしか責任を持てない人間の集まりは、何かの基準や規則の中でうごめく虫たちでしかないのだろう。今度生まれ変わったら本当に虫になって地球圏外生物となっているかもしれない。夢は恐ろしい。

『バニラ・フォグ』(SIMPLY IRRESISTIBLE)

1999年・アメリカ 監督/マーク・ターロフ

出演/サラ・ミシェル・ゲラー/ショーン・パトリック・フラナリー/パトリシア・クラークソン/ベティ・バックリー

アマゾンプライムでは題名がまた原題のまま「SIMPLY IRRESISTIBLE」では発音も出来ないし、意味も分からなかった。調べてみて分かったのは、「RESIST」の否定語なのだと。接頭語としての「ir-」は「un-」や「in-」と同じような意味合いになるのかな、と英語の本質を知りもしないくせに勝手に想定している。

この邦題は映画を観た人に分かる題名。観ていない人には説明するのが難しい。この手の邦題の付け方は独りよがりだと現役時代に罵っていた。語呂合わせのように、意味が不明確でも心地よい言葉なら、題名としてはあり得る。が、意味を持っているようで、実は説明しなければ分からない題名は最低と言える。

シンデレラ・ストーリーのような話は大好きだ。夢物語がどうやって現実になるのかは分からないが、夢か現実か分からない現実は夢うつつで気持ちがいい。ホントに夢ではないという証明は出来ない。昔から『徒然草』の序段『つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。』を繰り返しぶつくさとのたまっている。

『ファング一家の奇想天外な秘密』(The Family Fang)

2016年・アメリカ 監督/ジェイソン・ベイトマン

出演/ニコール・キッドマン/ジェイソン・ベイトマン/クリストファー・ウォーケン/メアリーアン・プランケット

ケヴィン・ウィルソンが2011年に上梓した小説『ファング一家の奇想天外な謎めいた生活』を原作としている。本作は日本国内で劇場公開されなかったが、2017年3月3日にDVDが発売された。2011年10月27日、ニコール・キッドマン率いるブロッサム・フィルムズがケヴィン・ウィルソンの小説『ファング一家の奇想天外な謎めいた生活』の映画化権を獲得したと発表した。2012年5月8日、デヴィッド・リンジー=アベイアが脚色のために起用されたと報じられた。2013年11月1日、ジェイソン・ベイトマンが監督と主演を兼任し、キッドマンも出演するとの報道があった。2014年5月5日、クリストファー・ウォーケンがキャスト入りした。7月14日、本作の主要撮影がニューヨークで始まった。(Wikipediaより)

『マルコヴィッチの穴』(Being John Malkovich・1999年)を観た時と同じような匂いを感じた。いかにも映画的なストーリーと映像。映画評論素人の私にも感じるこの映画のおもしろさ。玄人評論家もかなり評価したらしい。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには78件のレビューがあり、批評家支持率は81%、平均点は10点満点で6.6点となっているという。

子供は親を選べない。それは道理であり真実でもある。一番腹が立つのは、子供がまだ思考していない期間に宗教で染めてしまうこと。イスラム教でもキリスト教でも、本人が意識して選択できるようになってからの入信なら誰も文句は言えない。ところが、気が付いたら何かの宗教を信じるように仕込まれている現状況は、どう考えたって不思議な現象としか見えない。

『ザ・センチネル/陰謀の星条旗』(The Sentinel)

2006年・アメリカ 監督/クラーク・ジョンソン

出演/マイケル・ダグラス/キーファー・サザーランド/エヴァ・ロンゴリア/キム・ベイシンガー

主人公はシークレットサービス(SS)に勤務する20年来のベテラン警護官であり、レーガン大統領暗殺未遂事件では自ら銃弾を受けて大統領を守ったというSS内でも尊敬の絶えない伝説的な人物だが、女への手癖が悪く、親友で同僚の妻を寝取って仲違いし、そして現在は警護対象である大統領夫人サラ・バレンタインと関係を持っていた。大統領夫人とねんごろだなんて陳腐な設定がちょっとうざい。

大統領を警護するシークレットサービスの仕事の一端を垣間見られて楽しい。それにしても異常に大変だなぁと強く感じる。大統領が一般の人たちと接する機会がある場合、無限の警護が必要にみえる。誰もが平気で拳銃を振り回すことが出来るアメリカにおいて、どうやったら警護などということが可能なのだろうか、とさえ思える。

2020年東京オリンピック、再びやってきた東京での五輪という機会に、準備万端でテロをぶちまかしてやろうと計画している集団はいないのだろうか。私が心配したって何も始まらないし仕方がないことだけれど、そんなことを考えていたら夜も眠れない。一人の逃亡犯を逮捕するのに1か月半以上も要している日本の警察力では、テロを未然に防ぐどころか、テロが起きてもあたふたしている警察官の姿しか想像出来ない。

『オーバーボード』(Overboard)

2018年・アメリカ 監督/ロブ・グリーンバーグ

出演/エウヘニオ・デルベス/アンナ・ファリス/エヴァ・ロンゴリア/ジョン・ハナー

この映画は、1987年に公開された映画『潮風のいたずら』をリメイクした作品、日本国内で劇場公開されなかったが、Amazonでの配信が行われている。という奴を観た訳だ。まったくのコメディで、最後まで行き着くことが考えられないような展開だったが、何とか観終えた。最後はほろっとさせるところが、さすがアメリカ映画。

女手一つで3人の子供を育てている主人公、清掃員やピザの配達など生活費を稼ぐ仕事をしながら看護師の試験に臨むために毎日奮闘していた。これだけなら映画にはならない。コメディーにもならない。もう一人の主人公はこの女性とは対照的な大富豪の道楽息子。この二人の接点にアイディアがある。

金がなくても子供はすくすくと育つを見る思い。周りの友達がいい。現実を見渡したって、仕合わせな環境にいられる人が一番仕合わせに違いない。毎日あくせくと人生を悩みながら生きている人々には、自分の生き方をもう一度見直してみなさいと助言する。見直すったって、何を? と思うだろうが、そんなことは自分が最も知っている人だということを知っているだろう。

『サウンド・オブ・サイレンス』(Don't Say A Word)

2001年・アメリカ 監督/ ゲイリー・フレダー

出演/マイケル・ダグラス/ショーン・ビーン/ブリタニー・マーフィ/ファムケ・ヤンセン

原作はアンドリュー・クラヴァンの小説『秘密の友人』。5人組の銀行強盗団が銀行を襲い、貸金庫から運び込まれたばかりの赤いダイヤを強奪するところから映画は始まる。そして10年後というタイトルと共に、本格的なサスペンス・シーンが満載。マイケル・ダグラスはこの手の映画に超向いている。

子供が誘拐されて脅迫されながらしなければいけない主人公の行動、ちょっとばかり辻褄が合わない、設定の未熟さが気になって映画に没頭できない。言うことを聞かなければ子供を殺すと脅しているが、子供を殺してしまったら脅す意味がない。

アメリカ人の家族愛はこの映画でも健在だ。日本人はシャイなのだろうか、ここまで子供への愛情を示すことが出来る人種には尊敬の念が。アメリカ流に表現するなら、元妻への愛情は消えてしまったかもしれないが、3人の子供たちへの愛情は今でも衰えるyことがない。と、格好の良いことを言っている。

『L.A.ジョーンズ』(L.A. JOHNS)

2001年・アメリカ 監督/Joyce Chopra

出演/ブリットニー・パウエル/デボラ・ハリー/ダグ・デイビッドソン/トーマス・キャラブロ

娼婦が主人公のストーリーだった。そういえば、この頃の映画でこの娼婦を描いた作品が極めて少なくなっている気がする。昔は玄人、素人と厳然たる区別があったはずの男と女の関係、今や誰がプロで誰が素人さんなのかが分からない社会状況となっている。

吉原遊廓、五番町夕霧楼、なんていう言葉を読めもしないし、読んでも何のことか分からない世代が闊歩している。昭和33年の売春防止法施行後から日本もようやく欧米の仲間入りとなったが、日本らしく抜け道がその後もずーっと続いている現状がおもしろい。

HIVなんていう恐ろしい病気も社会の底辺で蔓延しているに違いない。プロが適正に認められていれば、こういった病気を未然に防ぐことも可能だが、自分が保菌者かどうかを知らない素人集がたむろしている今の日本はホントにヤバいことになっている。いつの日かそういう事実が公表されて、なんて考えると末恐ろしい未来しか待っていないような気がする。はやくおさらばできる70才には仕合わせな毎日しか待っていない。

『スワンの恋』(UN AMOUR DE SWANN)

1983年・フランス/西ドイツ 監督/フォルカー・シュレンドルフ

出演/ジェレミー・アイアンズ/オルネラ・ムーティ/アラン・ドロン/ファニー・アルダン

19世紀の末、美術に造詣の深いスワンは、ユダヤ人株式仲買人の息子で社交界の花形的存在である。彼は、ある瞬間から一人の女性への恋の妄想にとりつかれていた。馬車の上で、その女性オデットが胸につけていたカトレアの花を直すために彼女に触れた瞬間から彼女にとりつかれたのだ。(Movie Walker より)

フランス映画によくある訳の分からない映画のひとつに見える。たまにはこういう難しそうな映画を観ておかないと、幼稚な世界に浮遊する乞食のような心になってしまいそうなので、仕方なく観始まり仕方なく観終わるという雰囲気。馬車が主な交通機関のこの時代、おおらかなはずの社会の中でも社交界というところは、なんとまー猥雑な世界なのだろうかと眉を顰める。

フランス人のエスプリという奴がよく分からない。日本での粋(いき)のようなものなのだろうか。気分の悪いものに触れただけで本気になって反吐を吐きたくなってくるこの頃、身体はどんどん鈍感になっているのに、神経はますます敏感になって行くような気がしてならない。

『キングダム』(The Kingdom)

2007年・アメリカ 監督/ピーター・バーグ

出演/ジェイミー・フォックス/ジェニファー・ガーナー/クリス・クーパー/ジェイソン・ベイトマン

サウジアラビアの首都リヤドで、警察官を装ったゲリラ集団が外国人居住区を襲撃し、100人以上を虐殺する。死者の中にはFBI捜査官のフランもいた。アメリカのFBI本部では捜査官を送り込むべきかどうかの議論から映画は始まっていく。眠りにおちるのも早かった。どうしようもなく目があけられない状態は意外と気分がいい。

サウジアラビアで殺されたFBI捜査官に関係のある同じ職場の女性に、同僚が慰めの声を掛ける。「やつらを皆殺しにしてやる!」と。結局5日間だけFBI捜査官がサウジアラビアに送り込まれて、死闘の末今回の首謀者を抹殺することに成功する。もうおじいちゃんのその首謀者の最後の言葉を孫娘が聞いていた。「心配するな!必ず仲間が彼らを皆殺しにする!」と。

綺麗ごとで言う殺し合いを止めなければ、というニュアンスは見事にここで実証されているよな気もするが、敵には目には目を歯には歯をという教えがある限り、右の頬を打たれたら左の頬を出せなんて言う教えはどこかへ行ってしまうのも必然。生き物がふたついれば、争いが必ずおこるものなのだろうか。たぶん、そうなのだろう。

『アンリミテッド』(Tracers)

2015年・アメリカ 監督/ダニエル・ベンマヨール

出演/テイラー・ロートナー/マリー・アヴゲロプロス/アダム・レイナー/ラフィ・ガヴロン

あぁ、これをパルクール(仏: parkour)って言うのか、と妙な納得の仕方をしていた。映像を見れば一発で分かる動作なのだが、それを言葉で説明するのは至難の業であろう。「移動動作を用いて、人が持つ本来の身体能力を引き出し追求する方法」とか「パルクールとは、フランスの軍事訓練から発展して生まれた、走る・跳ぶ・登るといった移動所作に重点を置く、スポーツもしくは動作鍛錬である」と言われても、知らない人にとっては何のことだかちっとも分からないことであろう。

もうちょっと、「障害物があるコースを自分の身体能力だけで滑らかに素早く通り抜けるため、走る・跳ぶ・登るの基本に加えて、壁や地形を活かして飛び移る・飛び降りる・回転して受け身をとるといったダイナミックな動作も繰り返し行われる」と聞くと、少し想像できる人もいるかもしれない。

犯罪がらみのストーリにこのパルクールが組み合わされて、結構ダイナミックな話になっていた。いつも通り男と女の物語も挿入されて、しかも今回は中国マフィアがアメリカでもはばを利かせている現実社会の様子が垣間見られた。日本の闇社会の中国占有率はどのくらいになっているのか、知りたくなってきた。

『海賊とよばれた男』

2016年・日本 監督/山崎貴

出演/岡田准一/吉岡秀隆/染谷将太/鈴木亮平/野間口徹/ピエール瀧/綾瀬はるか/小林薫/國村隼/堤真一/近藤正臣

期待した映画は残念ながらおもしろくなかった。百田尚樹による歴史小説、経済小説。第10回本屋大賞受賞作品、2016年(平成28年)12月で、上下巻累計で420万部突破のベストセラーとなっていたという。そういう噂を聞いているからこその期待値なのだが、そもそも題名だけの知識で、何を期待していたのかさえ自分も分かっていない。

おもしろいということはどういうことなのか、と問われても明確な返事は出来ない。ひとつだけ言えることは、映画を観ている心が次へ次へとシーンの期待感が膨らんでいく状況が必要だということ。映画の内容が暗かろうが明るかろうが、観ている心がわくわくすれば、映画はおもしろいと言える、私の場合には。

岡田准一には映画で何度も出逢っているが、この背広姿の経営者には向いていなかったようだ。侍姿はかなり良かった記憶がある。口髭を蓄えた経営者然というシルエットが、ちょっときばり過ぎているように感じた。映画も、いきなり特撮の焼夷弾シーンが気分を削ぐ。特撮も適切な用い方をしないと、違和感を醸し出す道具になってしまう。原作がもともと大したことがないのか、脚本が悪いのか、役者の力量の問題があるのか、監督の力がないのか。凡庸な映画であった。偉そうに語れる第三者庶民は、なんと気楽なことだろうか。

『フェイク シティ ある男のルール』(Street Kings)

2008年・アメリカ 監督/デヴィッド・エアー

出演/キアヌ・リーブス/フォレスト・ウィテカー/ヒュー・ローリー/クリス・エヴァンス

アマゾン・プライムでの映画の題名は「Street King」という原題のみ。先日も同じようなケースがあったが、なぜ既に付けられている邦題を使わないのかは分からない。一風変わった私生活をしているというニュースのあるキアヌ・リーブス、最近の黒人代表選手のようなフォレスト・ウィテカー、アメリカ映画お得意の警察もの、とくればおもしろくない訳がない。毎回様々な警察事情を見せてくれるアメリカ映画に感謝しなければならない。ただ、いつも不正の温床が警察内部に充満している様子が、偏見を助長するようなきがして心配になる。

極悪人を検挙しなければならない警察の仕事というものは、本気になって命を賭けなければやっていけない。普通のサラリーマンだって、自分の地位と名誉をかけて毎日仕事していなければ、真に影響のあることをを成し遂げることが出来ない。そんな大袈裟なことを考えないで生活しているサラリーマンは多数だが、その多数が凡人サラリーマンなのだ。

今や日本の「交番」が一般人に襲われる時代となってしまった。日本から「交番」制度を輸入したアメリカでは、交番は絶対に襲われないのだという。それはそうだ、アメリカだったらちょっとの不審者だっていきなり拳銃で殺されてしまうリスクがある。日本の警察官は滅多に銃を発射しない。それがアダとなって惨劇が起こってしまうのだ。先日あった交番での警察官による銃殺は、抑止の歯止めとして不埒なことを考える極悪人に影響があるといいのだが。

『ブロークン 過去に囚われた男』(Manglehorn)

2014年・アメリカ 監督/デヴィッド・ゴードン・グリーン

出演/アル・パチーノ/ホリー・ハンター/ハーモニー・コリン/クリス・メッシーナ

小さな街で鍵修理屋を営む老人マングルホーン。息子とは疎遠になり、溺愛する孫ともなかなかふれ合う時間が取れない寂しい毎日を送っていた。孤独な独り暮らしを支えるのは愛猫のファニーと、毎週通う銀行で顔を合わせる受付係の女性ドーンだった。交わす言葉は少ないものの、お互いのペットやおすすめのカフェの話をする短いひと時が、彼にとってはなによりも大切だった。ある週末、マングルホーンが通っているカフェに突如ドーンが姿を現し、この日をきっかけに彼女との距離が縮まり始める。一緒にパンケーキを食べ、週末を彼女の家で共に過ごす。彼女との穏やかな時間を重ね、徐々に閉ざされた心の鍵を開き始めるマングルホーン。だが彼の心の奥底は、過去に愛した女性クララへの未練が今なお支配していて…。(Filmarksより)

アル・パチーノの独り舞台のような映画。もともと演技には自信があるし評価も高い。陥る穴に落ちたような映画に、ちょっと飽きが来るのは仕方のないことか。いつの間にか眠ってしまっていたのは、いつものこと。家族愛への思いが強いアメリカ人が、いつもの通り描かれている。

熱烈に愛し合い、子供を可愛がり過ぎているアメリカ人は、それでも平気で離婚して親権を持とうとする。毎週末交互に親の特権を主張するような生活の中で、子供たちは逞しく育っていくのかもしれない。蝶よ花よとはぐくまれるのが日本的な可愛がり方だが、どの点を取ってもまったく正反対の指向が見える日本とアメリカ、それでもお互いに無い物を尊重する文化が根付いているような気がする。

『バッド・バディ! 私と彼の暗殺デート』(Mr. Right)

2016年・アメリカ 監督/パコ・カベサス

出演/サム・ロックウェル/アナ・ケンドリック/ティム・ロス/ジェームズ・ランソン

ヒットマンと失恋女子との恋愛とアクションを融合させたコメディ映画。こんな解説の序を聞いても想定すらできない映画。内容もその通りで、何がなんだか分からない進行、製作者グループだけが喜んでいるような映画作りに見えている。まだ、観終わっていないが、とりあえず最後まで行ってみよう。

最後まで訳の分からない映画だった。難しいというのではなく、登場人物の相互関係がイマイチ分からなかったのだ。そんな中主人公の二人の愛がメインテーマとなっているのだろう。殺しのプロの男と失恋ばっかりしていいるダメ女のプロとの愛は、男と女の世界には他人には推し量ることのできない不思議な世界が存在することを確認させてくれる。

これまでどれだけの女性を好きなって、何度ふられたことだろう。思い返しても、たいした回数を経験していない。それよりも、妄想の世界で恋をして失恋していたのではないかとさえ思える。もしかすると何度かは恋の現実社会もあったのかもしれない。でもそんなことを思い出せないくらい、遠い昔のことだった。

『マイ・ボディガード』(Man on Fire)

2004年・アメリカ 監督/トニー・スコット

出演/デンゼル・ワシントン/ダコタ・ファニング/ラダ・ミッチェル/クリストファー・ウォーケン

久々の骨太映画だった。主人公はかつて米軍の対テロ暗殺部隊に所属していたが、現在はアルコール中毒で生きる目的を失っていた。メキシコで会社経営者の娘のボディーガードの仕事を友人から紹介されて、最初は子供に興味を抱くこともなく、「俺は君の友達じゃない」と冷たくあしらったりもしたが、次第に彼女に対し父親のような感情が芽生え、水泳や勉強を教え、家庭教師的な役割も果たすようになった。

そこから先がこの映画の骨。2時間26分と長尺、もう終わるだろうと思っていたがなかなか終わらない。最後の最後まで主人公の意思を見せたいようだった。デンゼル・ワシントンは勿論だが、普段は悪役の多いクリストファー・ウォーケンの友人がなかなか良かった。

誘拐罪は何処の国でも罪は重い。しかもリスクが大きいのに一向に減らない。どころか、メキシコの子供誘拐事件は頻発しているという。多大な金額を搾取出来ると踏んでの悪行を実行しようとする人間の業が酷い。息をつかせぬ展開が待っていた。70才の爺さんには目の前の自分に起こっている奇跡のような事態に対処するのが精一杯。

『今日、キミに会えたら』(Like Crazy)

2011年・アメリカ 監督/ドレイク・ドレマス

出演/アントン・イェルチン/フェリシティ・ジョーンズ/ジェニファー・ローレンス

ロサンゼルスの大学に留学していたイギリス人のアンナはそこでジェイコブと恋に落ちる。しかし、アンナはビザの期限が過ぎても帰国しなかったために強制送還されてしまい、2人は遠距離恋愛をすることになる。距離と時差に阻まれた2人の気持ちは揺らぎ始め、ジェイコブはサマンサという新しい恋人まで作るが、それでも互いに離れられないジェイコブとアンナはイギリスで結婚する。結婚したことでアンナのアメリカへの入国許可はすぐに得られると思われたが、なかなか許可は下りない。その焦りが2人の間に深い溝を生み、その結果、ジェイコブはサマンサとよりを戻し、アンナは隣人のサイモンと同棲するようになる。しかし、サイモンがアンナの両親の前でアンナに求婚したことから、アンナの気持ちは大きく揺らぐ。そして、ちょうどアンナのアメリカへの入国許可が下りていたことから、アンナとジェイコブはアメリカで2人で暮らすことになる。はた目には上手く行っているように見える2人だったが、2人の間にかつてのような熱い思いはなくなっていた。(Wikipediaより)

ありふれた恋愛物語。初恋のような心がときめく二人だが、映画からはその初々しさが伝わってこない。何とも言えない、あのあまずっぱい気持ちをセリフとしぐさで表現するのが映画の役目だろう。それが出来なくては、大したことのない映画と評価されても文句は言えない。

偶然のように、あるいは必然のように出会う男と女。そこから先へどう進むのかは本人たちにも分かっていない。だからこそ人生は楽しいの一点だが、苦しんだり悩んだりしないで、楽しいことだけがいつも自分の周りにあればいいのにと、思うことは同じでも現実は百人百様。

『セントラル・インテリジェンス』(Central Intelligence)

2016年・アメリカ 監督/ローソン・マーシャル・サーバー

出演/ドウェイン・ジョンソン/ケヴィン・ハート/エイミー・ライアン/ダニエル・ニコレット

アクションコメディ映画と解説されている。確かにアクションはふんだんに用意されているが、まずはコメディーというところだろう。どんな映画か分からい始まりの音楽でもコメディだと分かるのがおかしい、たいしたものだ。

ひとりのCIA職員を大勢のCIA職員が追っかけている。どちらが正義なのか皆目見当がつかない。お笑いにも素直なストーリーでは満足できないアメリカ映画がある。気楽に観られるコメディは本場に限る。おかしな動作やギャグで笑わせよう、笑わせようと無邪気にけたたましい日本のお笑いがとてもじゃないけど我慢が出来ない。

それにしても日本のテレビに出てくる人たちの大半がお笑い芸人とは、どういうことだろう。ワイドショーには別の専門分野の達人が出始まって、ところてん現象のようにお笑い芸人はニュース・ショーにまで足を踏み込んできた。それで十分な話術を観たりすると、今までの専門職たちはいったい何者だったのだろうと、かえって疑ってみたりすることになる。

『Re:LIFE~リライフ~』(The Rewrite)

2014年・アメリカ 監督/マーク・ローレンス

出演/ヒュー・グラント/マリサ・トメイ/ベラ・ヒースコート/J・K・シモンズ

ヒュー・グラントはいい男なのにこの手のコメディ映画がよく似合う。ちょっと猫背気味の格好が終始印象的で、どの映画も同じように映るのが最大の欠点かもしれない。人間はちょっともったいないくらいが一番ふさわしいので、彼の映画人生はこれでいいのだろう。

ハリウッドで一発屋のように成功したかにみえた人生も、柳の下にドジョウの2匹目がそう簡単に生息してはいなかった。片田舎の公立大学に脚本を教える講座を紹介されて、嫌々ながら二足の草鞋を履くことになる。俳優の名前を出して粋がってみたところで、自分の人生の先行きは誰にも分からない。

自分の天職はいったい何なのだろうか、などと真剣に悩んだことがない。自分に出来ることがどれだけあるのか、などと考えたこともない。小学生のうちから、将来はユーチューバーになるんだと宣言できる子供たちが羨ましい。20才過ぎてからだって、自分はいったい何者で、何を職業として生きていくのかをイメージしたことすらなかった。だから、今、70才にもなってまだまだ見知らぬ世界を彷徨い続けているのかもしれない」。

『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』(Maggie's Plan)

2016年・アメリカ 監督/レベッカ・ミラー

出演/グレタ・ガーウィグ/イーサン・ホーク/ジュリアン・ムーア/ビル・ヘイダー

マギー・ハーデンはアート関係の仕事に携わりつつ、大学でデザインを学んでいた。あるとき、彼女は子供が欲しいと思うようになり、旧知のガイ・チャイルダーズから精子の提供を受けた。大学で、マギーは文化人類学者のジョン・ハーディングと知り合いになった。彼はコロンビア大学で教鞭を執るジョーゼットと結婚していたが、全てを研究に捧げる妻に嫌気がさしていた。その後、2人は大学でよく顔を合わせる関係になり、ジョンはマギーに「私は小説を書き進めているのです」という秘密を明かした。ジョンの小説を読み始めるようになったマギーは、それ以来、彼と小説の話をするようになった。

マギーがチャイルダーズの精子を注入しようとした矢先、ドアのベルが鳴った。マギーがドアを開けると、そこにはジョンが立っていた。ジョンは彼女に「君に惹かれているんだ。子供の父親になりたい」と告白した。それから3年後、マギーとジョンは結婚し、娘のリリーとジョンの連れ子2人と共に幸せな生活を送っていた。しかし、マギーは自分の仕事を後回しにして子供3人の世話と夫のサポートに明け暮れている現状に不満を抱いていた。ある日、リリーと散歩に出かけたマギーは、チャイルダーズにばったり会った。リリーの顔を見たチャイルダーズは彼女を自分の娘だと勘違いした。リリーがジョンの娘だと知ったチャイルダーズは複雑な気分になった。

そんなある日、ジョーゼットがまだジョンを愛していると痛感したマギーは、魅力を失いつつある夫をジョーゼットに返す算段を整え始めた。(全部 Wikipedia より) 実は、ほとんど観ていない。すっかり眠りに陥って、気が付いた時にはまだやっていたが、それからまた眠ってしまい、結局観たのは最初の何分だったのだろうか。こうした場合、最初に戻って観直すこともあるのだが、今回はそんな気になれなかったので、こうして観たようなふりをして全文引用という今風学生のような所業と相成った。

『ラストスタンド』(The Last Stand)

2013年・アメリカ 監督/キム・ジウン

出演/アーノルド・シュワルツェネッガー/ロドリゴ・サントロ/フォレスト・ウィテカー/ピーター・ストーメア

シュワちゃんは日本流に言えば同級生の年齢、1947年生まれだ。この映画の撮影時は66才だったろうか。かなりのよぼよぼに見える。アクションはわざわざ年寄り然としている節はあるけれど、顔のしわにねんきを感じる。

FBIというアメリカ全国組織の命令を無視してしまう小さな町の保安官、西部劇でも見ているような面白さ。軽くていい。映画そのものの評判は良かったらしいが、前々年に発覚した隠し子スキャンダルの影響や、前年の銃乱射事件(サンディフック小学校銃乱射事件)の影響で興行は思う通りにはいかなかったようだ。

かつてロサンゼルス市警察の敏腕刑事であった主人公が、歳をとって活躍するのは正義の味方が登場するようなもの。映画の定番ではあるし、老体に鞭を打って頑張っている姿を観ていると、応援せざるを得ない映画になっているような。

『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』(Tom Clancy’s Jack Ryan)

2018年・アメリカ 監督/

出演/ジョン・クラシンスキー/アビー・コーニッシュ/ウェンデル・ピアース/アリ・スリマン

2018年8月31日から配信されたアマゾン・オリジナル・テレビ映画だ。シリーズ1のエピソード1から観始まるわけだが、一体このテレビシリーズがどこまで続くのかをまったく知らないで観始まってしまった。滅多に観ることのないテレビ映画シリーズ、なにしろ観始まったらとめるのが困難だと自分で分かっているから困る。シリーズ2の製作発表はすでになされているらしい。

エピソードは8まであった。一日目に5まで観て疲れ果て、それでも翌日の午前中には6、7と観終わっていた。トム・クランシーの創作した小説シリーズのキャラクターであるジャック・ライアンが主人公、CIA分析官、元海兵隊員で元投資会社勤務。経済学博士。なかなか魅力にあふれる主人公だ。

このシリーズを短縮して劇場用映画にしたものを観たような気がしていたが、あれは幻だったのだろうか。調べても、それらしき映画を探すことは出来なかった。でも間違いなく観ているはずなので、ゆっくりと調査してみよう。その幻想がなければ、このテレビ映画にここまで入り込むことは出来なかっただろう。まぁ、よく7時間も一所懸命観ることが出来た。自分をほめたい。

『フリーランサー NY捜査線』(Freelancers)

2012年・アメリカ 監督/ジェシー・テレロ

出演/カーティス・“50 Cent”・ジャクソン/フォレスト・ウィッテカー/ロバート・デ・ニーロ

アメリカで本作は拡大公開されず、ニューヨークとロサンゼルスの一部の映画館で限定公開された、とWikipediaに書かれていたが、どういう訳で拡大公開されなかったのだろうか。評価の項目には、本作には否定的な評価が多かった。ニューヨーク・ポストのロウ・ルメニックは「名優ロバート・デ・ニーロの2012年に出演した映画の中で『レッド・ライト』の次にひどい作品だった。彼は昔の刑事ドラマのパロディのような演技をしている。」と述べた。と書いてあった。

全米公開に耐えられないと。製作、配給会社が考えたのだろう。映画という商品は、墓穴を掘らないように、当たらないと分かったら余計なことをしないのが鉄則なのだ。映画館で公開するのにどれほどのお金がかかるのかを観客はさほど知る由もない。直接的には宣伝費、フィルムを焼き増す費用があり、間接的にはその時間に仕事を費やす人件費がある。勿論、当たるか当たらないのか、ホントのところは分からない。分かっていればそんな簡単なことはない。宣伝すればするほど評判の悪さが伝わってくる。そういう経験はトラウマだ。

アメリカでは結構一般的な警察ものだからこその、観客の厳しい目なのだろう。警察内部の腐敗を描いた映画が多いのも特徴的だ。この映画はその最たるものかもしれない。そんな姿をもう見せてくれるな、ということではないだろう。おもしろければ、そんな理由で全国公開がなくなるなんてことがないのがアメリカのはずだ。

『はじまりのうた』(Begin Again)

2013年・アメリカ 監督/ジョン・カーニー

出演/キーラ・ナイトレイ/マーク・ラファロ/ヘイリー・スタインフェルド/アダム・レヴィーン

2013年のアメリカ合衆国の音楽映画。監督および脚本は、『ONCE ダブリンの街角で』の監督であるジョン・カーニー。主演はシンガーソングライターを演じたキーラ・ナイトレイと音楽プロデューサーを演じたマーク・ラファロ。マルーン5のアダム・レヴィーンが映画初出演。劇中歌『Lost Stars』が第87回アカデミー賞の歌曲賞にノミネートされた。(Wikipediaより)

こういう説明を読んでもピンとこない。映画は大好きだが、同じ映画を何度も見て考察をする類の映画ファンではない。映画は毎日3度は食べる食事のようなもの。トマトを食べたら、こんな栄養素があって、身体のこういうところにいいんだ、とか思いながら食事をしている訳ではないのと同様。観る映画の何かが身体の底に積もっているはずだ。それでいいのだ。

解説のようないい音楽ではない。アメリカの楽曲変遷を知ったけれど、今の日本の楽曲の方が遥かに優れている。アメリカの曲は何を聞いてもビートが同じ。ラップみたいにただ詩を変えてしまえば違う曲になっているような気がする。おもしろくない。日本の曲だって同じようなものだが、それでもアメリカの楽曲よりはましだろう。

『セイフ ヘイヴン』(Safe Haven)

2013年・アメリカ 監督/ラッセ・ハルストレム

出演/ジュリアン・ハフ/ジョシュ・デュアメル/デビッド・ライオンズ/コビー・スマルダーズ

サスペンス調のストーリーが続いて行くが、殺人犯としてアメリカ全土に指名手配された主人公が、なぜそうなったかの謎解きが他愛なく緊張感が一気に緩む。ドメスティック・バイオレンスから逃れてきた主人公、始末の悪いことに夫は刑事だった。

子供の躾にも暴力は絶対ダメだという世の中になって、げんこつで頭をこつんとやっても暴力だと訴えられる場合もあるのがうざい。明らかなる暴力とこつんが同時に論じられるのが、一般社会では通常あり得ない。法律の専門家は馬鹿だから、暴力は区別できないから、線引きが難しいから、こつんでもダメなんだよと、分かったような御託を並べる。線引きが難しい時はそれこそ裁判をすればいいんであって、こつんが暴力だなんて決めつける方が非常識というものである。だから頭をなでなでしたってセクハラだなんて訴えられてしまうのだ。

人間なんて間違ったって相手の心になることは出来ないのだから、どんな人に対しても初心を忘れず一線を画して接しなければいけない。なまじ馴れ馴れしく振る舞うことは、タガが緩んでしまって失礼な態度に至ることを肝に銘じるべしだろう。甘えるところは甘え、他人の愛を感じることは重要なことだが、それよりも自分が他人をいかに愛せているかの人間力の方が、もっと重要なことなのだ。

『オール・ザ・ウェイ』(All the Way)

2016年・アメリカ 監督/ジェイ・ローチ

出演/ブライアン・クランストン/アンソニー・マッキー/メリッサ・レオ/フランク・ランジェラ

サブタイトルが「JFKを継いだ男」。そう、我が愛するジョン・F・ケネディがダラスで暗殺されて運ばれた病院で、息をひきとるところから映画シーンは始まる。高校時代はケネディーの大統領就任演説にメロディーを付けたレコードを擦り切れるほど聞いて喜んでいた。その大統領演説は、最初の数行を暗記することに悦びを感じていた。

大統領を「引き継いだ」ジョンソン大統領のことをほとんど知らないなぁ、とこの映画を観ながら強く感じた。当時はアメリカ事情を知る術は、高校生では到底かなわなかった。そこらあたりでもっと自分が優秀であるなら、いろいろな手立てを講じて知りたいことを知っただろうに。もっとも、まだ何も知らない人間の出来損ないのような存在には、明日のことさえよく分かっていなかった。

明日のことさえ分かっていなかったことについては、今だって同じようなもの。いつの間にか本人が知らないうちに息をひきとって、知り合いがどう自分を評価していたのかを天国から眺めることになるのだろう。生きている間は、評価されない偉大な芸術家と同じように、凡人たる我々だってきっといつの日にか懐かしんでもらえる時が来るかもしれない。

『マクリントック デジタル・リマスター版』(McLintock!)

1963年・アメリカ 監督/アンドリュー・V・マクラグレン

出演/ジョン・ウェイン/モーリン・オハラ/パトリック・ウェイン/ステファニー・パワーズ

かつての邦題は『大西部の男』だったという。デヴリン役のパトリック・ウェインはジョン・ウェインの息子である。なんといっても西部劇の帝王ジョン・ウェインはいい。安心して映画を観ていられる。時代としての西部劇時代のおおらかさにいつも圧倒される。

珍重される女の存在も見逃せない。この映画でも主役は女。ジョン・ウェインも形無しといったところ。女性の肩に手を触れただけでセクハラと訴えられる時代となっては、男はいつだって両手を挙げて生活しなければならなくなった。

デジタル・リマスター版が出来るようになってから、往年の名作が美しいスクリーンで見られるようになったことは非常によかよか。モーリン・オハラという女優の作品を記憶にとどめていない。たくさんの作品に出ているはずだが、この美しい女優が出演している作品を残念ながら想い出せない。

『ディス/コネクト』(Disconnect)

2012年・アメリカ 監督/ヘンリー=アレックス・ルビン

出演/ジェイソン・ベイトマン/ホープ・デイヴィス/フランク・グリロ/ポーラ・パットン

もう6年も前になると、映画で描かれていることがちょっと古く見えてしまうのが、ITやパソコンの世界。この映画での通信はチャットだ。日本なら今やLINEだろうし、アメリカならワッツアップ(WhatsApp Messenger)が圧倒的に使われているだろうから、チャットだけの世界は考えられない、という恐ろしい世界がITなのだ。

よく言うSNS世界での中傷は大問題。生徒、学生どもはSNS命みたいなところしかなく、年がら年中スマホをいじっているから、やることがなくなり遂には他人に干渉し始まるから始末におえない。面と向かっては言えないことを、陰口のように公にして楽しむすべを覚えてしまう。ネクラが本音の人種程どうにもならない。

映画で描かれることは遅くても2年後には現実化するのが通常。フェイスブックにしてもツイッターにしても、はたまたインスタグラムにしても自分だけで完結していればいいものを他人を巻き込んで悦に入っている奴ばかり。ほっといて欲しい人までも巻き込んで、今やどうしようもないカオスの世界を創ってしまっている。一体、この世界はどうなって行くのだろうか。100年後をこの目で見てみたいと、いつも言っているけれど、特にこのITの世界がどうなっているのかは極めて興味のある事柄だ。

『君の膵臓をたべたい』

2017年(平成29年)・日本 監督/月川翔

出演/浜辺美波/北村匠海/大友花恋/矢本悠馬/桜田通/森下大地/上地雄輔/北川景子/小栗旬

久しぶりに、一気に観た。活字世界に疎い自分には題名の「すいぞう」すら読めなかった。本屋大賞」2016第2位、「ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR 」2位、「2015年 年間ベストセラー」6位、「読書メーター読みたい本ランキング」1位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015」1位、「2016年年間ベストセラー」総合5位、文芸書1位、「2016年 年間ベストセラー」総合4位、単行本フィクション1位と高く評価されていた。

70才のおじいさんが高校生の恋に心が揺さぶられている。主人公の相手方が余命1年という特殊事情がこのストーリーの命となっている。でもおもしろい物語を考えるものだよね。住野よるのデビュー作ということらしいが、活字で読んでもかなり心を惹かれるものなのだろうことが想像できる。原作は高校生時代だけだったようだが、映画ではその12年後がストーリーの表舞台となっている。フラッシュバックの高校生時代の方が時間を多く描かれているのがなかなかいい。

日常的な言葉遣いながら、丁寧に喋り言葉が構築されている。若い頃に「男」と「女」の友情は存在するのか、などとつまらないことを自問自答し実践してきたことを想い出した。物語の二人の主人公が遊ぶ「真実」と「挑戦」ゲームをやってみたくなった。心が少し若返ったような気がする。老いていようと若返ろうと誰にも迷惑を掛けない、そんなことを考えて生きているのはいけないことだと主人公に教えられた。

『トレマーズ』(Tremors)

1990年・アメリカ 監督/ロン・アンダーウッド

出演/ケヴィン・ベーコン/フレッド・ウォード/フィン・カーター/マイケル・グロス

アメリカで制作されたパニック映画のシリーズである。1990年1月にロン・アンダーウッド監督の第1作が劇場公開され、この成功を受けて2015年までにビデオ公開の続編が第5作まで製作された他、『トレマーズ・ザ・シリーズ』というテレビシリーズが製作されている。(Wikipediaより)

三流映画を堪能した、と書いておこう。実際には堪能するという感じではなく、こういう映画がリアルタイムで当たったのだろうか、とか、当たらなかったとしてもこの手の映画はよくよく作られたよな~、なんていうことを想いながら観ていた。映像にしてもストーリーにしても、今から考えれば子供だましの域を超えていないが、映画の発展の中ではこういうプロセスも必要だったに違いない。

『ジョーズ』(Jaws)が1975年に超大ヒットしてからは、これまでの映画の得意分野であるパニック映画は全盛時代を迎えたのだ。その後のCG映画や3D映画、そして4D映画へとよりエンターテインメント性が本格化して行った。そのたびにストーリーは希薄になり、ただの見た目が重視され、本物の映画ファンが映画館から離れてしまったのではなかろうか。そうでなければ、観たばかりの『銀魂』なんていう映画がヒットすることがあり得ないはずなのに。

『銀魂』

2017年(平成29年)・日本 監督/福田雄一

出演/小栗旬/菅田将暉/橋本環奈/柳楽優弥/新井浩文/吉沢亮/早見あかり/ムロツヨシ/長澤まさみ/岡田将生

「世も末だ!」なんていう言葉を自分が吐く年齢になってしまったのか? 小河さん、こんな映画も観るんだ? と問いかけられそうな気がしている。録画したタイトルに「2017年実写邦画No.1 大ヒット作!地上波初放送」と書かれていたので、ひとまず観なくては、と思い立って観た次第。

最初から期待していないが、始まって早々に早回しを使うことになろうとは想定していなかった。それでもモニター画面を凝視することが出来なかった。何をとち狂ってこういう映像が現れるのか、とてもじゃないけど信じられない。こういう映画が大ヒットって、それは嘘だろうと叫んでみた。

何処のシーンを切り取っても同じようにしか見えない。そういえば、アイドルと言われるしょんべん臭い女どもの顔を区別するのにも苦労する。一見可愛い雰囲気は伝わってくるが、よくよく見ると作られた美形のような感じが圧倒的。たまにはホントにかわいい子がいるが、そういう人さえも飲み込んでしまいそうな類似性がうざくて仕方がない。もう年寄りもここまでくれば優等生。はやく墓場に両足を突っ込んで、姿を消してしまわなければならない。

『ブラジルから来た少年』(The Boys from Brazil)

1978年・アメリカ 監督/フランクリン・J・シャフナー

出演/グレゴリー・ペック/ローレンス・オリヴィエ/ジェームズ・メイソン/リリー・パルマー

本日は2018年8月19日(日曜日)。たまに日にちを入れておかないと、あとから見返したときに、この映画はいつ観たんだろうという単純な疑問に答えられない。誰が読むわけではないのに、そんなことを気にする方がおかしい。この『最近観た映画』欄は基本的に観た順に並べれれているので、万が一にこれらの感想欄を見る人がいれば、そういう風に見てもらえれば、どこかに日付が入っていますのでご了承ください、ということになる。

1日で観終わることのないこの頃の映画鑑賞。まったく内容を知らないで観始まるケースがほとんどだが、この映画のタイトルからは想像できない物語だった。なかなか興味深い映画だった。(以下、Wikipediaより)ブラジルでヒトラーのクローンを再生させようとする科学者ヨーゼフ・メンゲレと、それを阻止しようとするナチ・ハンターのユダヤ人・リーベルマンとの葛藤を描く。同じくメンゲレについて取り上げたスレイヤーの「エンジェル・オブ・デス」にフレーズが引用された。

ヨーゼフ・メンゲレ(Josef Mengele, 1911年3月16日 - 1979年2月7日)は、ドイツの医師、ナチス親衛隊 (SS) 将校。 親衛隊大尉。第二次世界大戦中にアウシュヴィッツで勤務し、収容所の囚人を用いて人体実験を繰り返し行った。実験の対象者やただちにガス室へ送るべき者を選別する際にはSSの制服と白手袋を着用し、クラシック音楽の指揮者さながらに作業にあたったと伝えられ、メンゲレの姿を見た人々からは恐れられた。人種淘汰、人種改良、アーリア化を唱えるナチス人種理論の信奉者であったが、その持論はまったく異なった独特の思想である。愛称のベッポ (Beppo) は、Josefのイタリア語読み「ジュゼッペ」 (Giuseppe) に由来する。戦後は南米で逃亡生活を送り、ブラジルで海水浴中に心臓発作を起こして死亡した。

『王様のためのホログラム』(A Hologram for the King)

2016年・アメリカ 監督/トム・ティクヴァ

出演/トム・ハンクス/アレクサンダー・ブラック/サリタ・チョウドリー/シセ・バベット・クヌッセン

デイヴ・エガーズの小説を『クラウド アトラス』のトム・ティクヴァ監督、トム・ハンクス主演で映画化。ティクヴァは原作本が発売されてわずか2日後にエガーズにコンタクトを取り、映画化を申し出たという。(Wikipediaより)

その割にはおもしろくない。活字と映像の違いなのか、監督の力不足なのか。同じことの繰り返しがうざい。不覚にも? また知らぬ間に眠りに落ちてしまった。この頃は眠気を感じないのに、突然寝ていて驚いている。寝覚めはいいが、起きた直後は体調不良になるのも辛い。

舞台はサウジアラビア、アメリカが他国を描く時に、どうも多少の蔑視があるように感じる。日本や日本人が出てくるときはよく分かる。こんな風に日本人は見られているのか、とがっかりすることが多い。もっとも、日本人ではなく中国人や韓国人を日本人に見立てていることも。日本人にだって見かけからは区別のつかない人種なら、致し方ないのかもしれない。

『ダーティ・グランパ』(Dirty Grandpa)

2016年・アメリカ 監督/ダン・メイザー

出演/ロバート・デ・ニーロ/ザック・エフロン/ゾーイ・ドゥイッチ/オーブリー・プラザ

いやぁ~、くそ汚い言葉のオンパレード。ネイティブのアメリカンは顔をしかめたり、大笑いするのだろう。字幕で読んでも、その原点のお笑いを感じられないのが辛い。永久に解決しないこの問題は、ネイティブ以外の人が抱えている。分からない方が良いかもしれないほどの酷いものに見えた。

ロバート・デ・ニーが祖父役を平気で出来る時代となった。死ぬまで役者は職業を続けられる。羨ましいが、役者をやれなくなった時のショックは凡人には及びもつかないことだろう。軍人と本物の戦争を経験しているこの祖父世代の人間は強烈だ。日本人の軍人は全員が敗戦を経験してしまっているので、アメリカの軍人上がりとはちょっと違うのかもしれない。

ここまで人生の一瞬でも謳歌出来たら最高だろうな、と思わせるシーンの連続。つまらない規則や規範を忖度して、なんの自由もない時間を過ごしてきた過去を振り返って、なんとつまらない人生だろうとつくづく思う。守るべきものは何なのか、そういう人間の人生を学んでもう一度人生を出発しよう。

『セル』(Cell)

2016年・アメリカ 監督/トッド・ウィリアムズ

出演/ジョン・キューザック/サミュエル・L・ジャクソン/イザベル・ファーマン

いやぁ~、おもしろくなかった。久しぶりに速回しをしなければいけないほどだった。原作はスティーヴン・キングで、脚本も担当しているというが、とても信じられないような出来の悪さだ。日本の幼稚なホラー映画の影響を受けたのではないかと思われるほどの酷さに驚きを感じる。スティーヴン・キングは、今まで映画界では絶大なる信用と信頼があったはずだ。

なんといってもゾンビが携帯電話を持っている人から増殖していくという、アメリカ人には小さな発想が考えられない。テレビの画面から怨霊が出てきたり、ビデオを見ていたらそうなったとか、よくもそんな稚拙な発想があるもんだ、と歯牙にもかけないのが普通の大人。オタク文化が世界を席巻してくると、それを馬鹿にしていた人種が小さくなっていなければならない。

見えないもの、見えないことを信じる心の存在は理解できるが、現実を見てみればすぐに吹っ切れる幻想だと分かるはずなのに。妄想ばかりを抱いて人生を生きていく人は結構多い。そうでもなければ、生きていかれないのかもしれないし、それが唯一の信じられることかもしれない。人生は奥が深い。

『サウスポー』(Southpaw)

2015年・アメリカ 監督/アントワーン・フークア

出演/ジェイク・ギレンホール/フォレスト・ウィテカー/ナオミ・ハリス/カーティス・“50セント”・ジャクソン

いやぁ~!おもしろかった。贅沢を言ってここのところをもう少し直してくれれば、なんていう見方はそれこそ不謹慎。ボクシング物はそれなりに見ていると思うが、ファイティング・シーンでは一番だろう。なんといっても、スポーツもので最悪なのはその主役となるべきスポーツ・シーンに素人臭がするとき。

アメリカの日常の中で親の育児義務を問う場面がよく出てくる。日本での親の法律的義務はあるようでない印象が深い。何度もチャンスを逃して子供が虐待死しているニュースが時々あるのは、法律の運用に不可があるということなのだろう。その点アメリカでは、強制的に保護施設に預けられるシーンをよく見る。どちらがどうのというより、子供を守るという視点がクローズアップされている法整備の基本がしっかりしているように感じる。

実話に基づく映画のような雰囲気だったが、どこにもそれらしき記載は見つからなかった。上映時間2時間3分と長編だ。1時間45分を超して行くと、やっぱり長いなぁ~と思えるのは習慣病みたいなものなのだろう。昔のテレビ放映は酷かったことを想い出す。2時間の映画放映時間枠だが、実際には1時間30分までのものでないと、無残にもブツブツとフィルムを切って放映していた時期があった。それでも映画の視聴率はキラー・コンテンツだったことがあったなんて、今の若者には信じられないことだろう。昭和の時代の遺物のひとつ。

『殺したい女』(Ruthless People)

1986年・アメリカ 監督/ジェリー・ザッカー/ジム・エイブラハムズ/デヴィッド・ザッカー

出演/ダニー・デヴィート/ベット・ミドラー/ジャッジ・ラインホルド/ヘレン・スレイター

ブラックコメディ映画だとジャンル分けしていた wikipedia だが、その wikipedia にはブラックコメディの説明はなかった。大辞林第三版の解説によるとブラックコメディとは「風刺や不気味さ、残酷さを含んだ喜劇」と定義されていた。ある個人のページには「映画の世界だから許せる!現実じゃ笑っちゃいられない!」映画がブラックコメディ映画だと書いてあって、なるほどと思わせる。

監督が3人もいて不思議な映画だ。なんとも言いようのないドタバタ劇は複数監督のせいかもしれない。ブラックコメディだなんてちゃんちゃらおかしくなる。何処がブラック? と、聞いているのは私だけではないだろう。日本流にいうドタバタ喜劇そのものの映画だ。

ダニー・デヴィートは、シュワちゃんと双子の兄弟になった『ツインズ』(Twins・1988年)の時が結構はまっていた。一人役者だと、どうしてもその風貌からくる演技がくどくなってしまう。日本でのくだらないお笑い芸人が、ひたすら笑わそうと喋ったり演じたりする姿がその代表的なもの。くどいとつまらない。さりげない中に笑いが詰まっていなければ。というのが自分のお笑いに対する偏見である。

『もういない』(Assassinee)

2012年・フランス 監督/ティエリ・ビニスティー

出演/パトリシア・カース/セルジュ・アザナヴィシウス/マリエ・ヴィンセント/Jean-Paul Comart

キャシーは朝からテキパキ準備を進めていました。 娘・エバが二十歳になるので、バースデーパーティーを計画していたのです。 そんな喜びの中、エバが残酷に殺されたという衝撃的な知らせが、キャシーの人生を狂わせます。(Amazonビデオより)

久しぶりのフランス語に懐かしい感じがした。ただひどく誤字だらけでアマゾンの品格すら問いたくなる思いだった。1作3万円くらいで発注しているのではなかろうか。それにしても酷い。チェック機能が全くない字幕スーパーなんだろう。「倒産と母さんが・・・」なんていう字幕、考えられます。勿論、父さんと母さん・・・が本当なのだが、ここまでノーチェックのものを流して「見放題」を謳うアマゾンの神経を疑う。

暗い映画だった。なかなか進展しないストーリーにもイライラする。死んでからでないと分からない「愛」や「絆」が描かれているが、人間の本性なのだろう。無い物ねだりが大好きな人間社会。隣の芝生は青くていいじゃないの、と思える人生の方が幸せなのになぁ~。

『ナイスガイズ!』(The Nice Guys)

2016年・アメリカ 監督/シェーン・ブラック

出演/ラッセル・クロウ/ライアン・ゴズリング/アンガーリー・ライス/キム・ベイシンガー

ラッセル・クロウが免許も持たない探偵役でコメディだなんて、考えたくもない配役。しかも、おもしろくない。アメリカ映画にはよく探偵さんが出てくるが、日本では探偵の広告張り紙しか見たことがない。一体、どんな人種が探偵を職業にしているのか、想像すらつかない。

まぁ~、しっちゃかめっちゃか、まったく支離滅裂な映画だ。製作費は結構かかっていそうだが、どう見ても元を取れるとは思えない。ハリウッドにある映画プロデューサーの邸宅でのパーティーシーンがあるが、おそらく関係者の本当のハリウッド邸宅での撮影だろうと想像がつく。

現役時代一度だけハリウッドのそれらしき映画人宅に行ったことがあったが、それはそれは大したものだった。そういえば、元チャップリン宅を購入した日本人がいたらしく、その知り合いを通して宿泊したこともあった。映画人ならではの特権に酔いしれていた罰が、今頃年老いた身にのしかかってくる。

『スターダスト』(Stardust)

2007年・イギリス/アメリカ 監督/マシュー・ヴォーン

出演/クレア・デインズ/チャーリー・コックス/シエナ・ミラー/ミシェル・ファイファー

ニール・ゲイマンのファンタジー小説(絵:チャールズ・ヴェス)であるという。ニール・ゲイマン(Neil Richard Gaiman, 1960年 - )は、イギリスのSF作家、ファンタジー作家並びに脚本家。現在のアメコミ界を代表する原作者のひとりで現在はアメリカ在住だという。作家としてのデビュー作は、バンド「デュラン・デュラン」の伝記であった。活字世界に疎い私には初耳ばかり。

ヴィクトリア朝時代のイギリス。ロンドンから馬車で一晩かかる距離にある村ウォール。村の東には村の名の由来になる高い壁がどこまでも続いており、その向こう側に入ることは普段禁じられている。そんなあたりが物語の中心。日本の民話、欧米のおとぎ話という感じだった。必ずと言っていいくらい魔女が登場するおとぎ話。宗教の違いは厳然としている。

おもしろいんだけれど、飽きるという雰囲気。やっぱり同じことの繰り返しになるし、魔女の力がどの程度なのか、都合が悪くなると魔力を発揮して狡いと思ってしまう。ミシェル・ファイファーが若さを取り入れるために奮闘する醜悪な老魔女を怪演している。ロバート・デ・ニーロも登場してくるが、もうアドリブ満載の振る舞いに見える。

『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(The Expendables 3)

2014年・アメリカ 監督/パトリック・ヒューズ

出演/シルヴェスター・スタローン/ジェイソン・ステイサム/アントニオ・バンデラス/ジェット・リー

 1作目を観ているが内容の記憶がない。いつものこと。2作目は観ていない。どうせ荒唐無稽な話なのだろうからと観始まったら、想像以上の荒唐無稽さだった。これなら暫くしてからまた観ようと思い立って、映画よりも気になる作業へと立ち向かってしまった。ので、続きは明日。

シルヴェスター・スタローンが大将では品のない映画と言われても仕方がない。アクション映画のどこに品を求めるのか、と問わないで欲しい。相当の製作費がかかっていることを想像させるに十分。ハリソン・フォードの顔のたるみが気になる。アーノルド・シュワルツェネッガーはいつも同じ雰囲気。メル・ギブソンはもう大役者気取り。ギャラだけでいくらになるのだろうか。まだ見ている途中。

今日は進展なし。今日で3日目。ようやく観終わった、4日目だ。何処のシーンを切り取ったって、バカバカと打ち合っている場面ばかりで、変わり映えのしない映画である。こういう映画を観て気分がスカッとなれる人が羨ましい。無い物ねだりの人間の心根は卑しい。満足という心を知らない人は不幸だし、満足しか感じない人はもっと不幸だ。所詮有限な人生の繰り返し、空から眺めている神様がいるとすれば、きっといつもほくそ笑んでいるに違いない。

『バベル』(Babel)

2006年・アメリカ 監督/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

出演/ブラッド・ピット/ケイト・ブランシェット/役所広司/菊地凛子

2006年カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、監督賞を受賞。菊地凛子が米映画批評会議賞新人女優賞を受賞。2006年10月にアメリカで、2007年4月末に日本で公開された。イニャリトゥ監督の過去の作品と同じく、時間軸が交差する作品である。モロッコ、アメリカのカリフォルニア、メキシコのティフアナ、そして日本の東京と、遠く離れた地域の人物たちのそれぞれのストーリーが、ある事件をきっかけに交差する。(Wikipediaより)

観ている、ことが分かったが、ついつい観てしまった。おもしろいというわけではないが、気になる映画だ。ブラピが出ていることも記憶になかった。嫌いな顔の日本人女優が出ているのが嫌だった。日本の女子高校生役で顔を見せている全員が韓国人に見えて不愉快だった。差別ではなく、私が嫌いなのだ。

2時間22分とやたらと長い。3か所の中に東京があるのは、監督のどういう意図なのだろうか。単なる製作費なのか、東京という都市が重要なのか、何も関係ないのか、わからなくてもいいのかもしれない。それにしても日常生活のレベルが違い過ぎて複雑になってくる。そういうところが意図するところかな?

『スピーシーズ 種の起源』(Species)

1995年・アメリカ 監督/ロジャー・ドナルドソン

出演/ベン・キングズレー/マイケル・マドセン/アルフレッド・モリーナ/フォレスト・ウィテカー

約20年前、人類は地球外生命体を求め宇宙に向けて信号を送った。そして20年後に未知の存在から思いがけない返信が届く。そこには無限エネルギー確保を可能にするメタン触媒の構造式と、人類のDNAと結合させることができる未知のDNA情報だった。生命誕生の鍵を解こうとする研究機関はそれを人間のDNAと結合させ、新たな生命体を誕生させようとする。誕生した新たな生命体は3週間で可愛らしい少女へ急成長し名を“シル”とした。しかしその驚異的な成長過程に恐れをなした研究員達は、彼女が成人になる前に毒殺しようと試みるが逃走、霊能力者のダン、ハーバードの人類学者アーデン、分子生物学者ローラ、殺し屋のプレスを招集し追跡する。(Wikipediaより)

あらためてあらすじを読んだが、三流映画の趣はこんなところからも感じられる。「エイリアン」のような傑作SF宇宙ものを知ってしまっている輩には、ちょっとしたことでは驚くことは出来ない。

火星に間違いなく水脈があった、という程度の宇宙開発では、地球圏外生物が攻めてきたら、人間なんてひとたまりもないだろう。生きているうちにそんなことが起こるなんて言うことは、絶対あり得ない。と、絶対を使っていいのか、想定外の災害が多発している現代にはふさわしくない言葉かもしれない。

『アノマリサ』(Anomalisa)

2015年・アメリカ 監督/デューク・ジョンソン/チャーリー・カウフマン

出演/デヴィッド・シューリス/ジェニファー・ジェイソン・リー/トム・ヌーナン

「ストップモーションアニメ」という言葉を初めて知った。これって3Dアニメーションっていうのかなぁ~、と思いながら観ていた。実際の人形を使って撮ったらしい。技術的には相当なものだが、観客がどう思うのかは別問題。技術で映画が語れるわけはなく、何と言っても映画はその物語性に一番の魅力があると思う、私は。

何枚のセル画を描いたとか、ここでこんな新しい技術が使われている、などとアニメ映画の宣伝をもっともらしくやっているのは滑稽に映って仕方がない。そんなテクニックは映画人や映画業界内で語られれば十分で、私が見たいのは映画なのだと、いつも声を大きくしていた。

この映画は、鬼才脚本家チャーリー・カウフマンが監督・脚本をてがけている。あの『マルコヴィッチの穴』で長編映画の脚本を書いた人物だと分かれば納得する人は映画通。奇想天外なストーリー展開で知られている。アニメとは言え、おちんちんをぶらぶらさせているシーンがある。日本の官憲は、アニメなら文句を言わないというのだろうか。もともとおちんちんのない男が異常で、付いているものをそのまま見せてどこが悪い、と私はいつも思っている。R15+指定。そういう言い方をすると極端な例を出して反論する人がいる。限度というものを考慮しないで議論する愚人は無視するしかない。新聞広告で女性の乳首を白塗りしないと広告が出せなかった。乳首がない方が異常なのに、一体なにを考えているんだ、と心の中で強く怒っていた現役宣伝マン時代。「アノマリサ」は日本語だった。たくさんの突っ込みどころがあるこの映画は、やっぱり鬼才にしか理解できないのではと、眠ってしまった自分を。

『捕われた女』(CAPTIVE)

2015年・アメリカ 監督/ジェリー・ジェームソン

出演/ケイト・マーラ/デヴィッド・オイェロウォ/ミミ・ロジャース/マイケル・ケネス・ウィリアムス

逃亡犯によって自宅で人質に取られたシングルマザーの奮闘を描く。実際に起こった事件を基に、逃亡犯によって人質に取られてしまったシングルマザーの奮闘を描くサスペンス・ドラマ。巧みな心理描写に圧倒されること間違いなしの1本。という解説がstarチャンネルに見つかったが、そんな簡単に言葉でいうほどのおもしろさはない。

実話に基づく物語の限界かもしれない。映画オリジナルで描けば、もっと丁々発止のやりあいがあるだろうに、結構迫力のない緊迫シーンが続いて、あくびが出てしまう。実際の緊迫シーンと映画の緊迫シーンとの違いを見せつけられるようだった。目の前であり得ないことが起こったら、「キャー!」という声が無言になってしまうことは、よく言われることだ。

人生も残り少なくなったが、腰を抜かすほどの出来事にはまだお目にかかっていない。他人から見れば青天の霹靂のようなことが私の身に降りかかって見えたかもしれないが、私にはそれも人生の一部のように見えて仕方がない。所詮は100年も生きられない個人の人生、何が起ころうと、何が降ってこようと、驚くほどのことはないのが人生だろう。

『高台家の人々』

2016年(平成28年)・日本 監督/土方政人

出演/綾瀬はるか/斎藤工/水原希子/間宮祥太朗/坂口健太郎/大野拓朗/夏帆/大地真央/市村正親

原作は森本梢子の漫画だった。『YOU』(集英社)にて、2012年12月号に序章掲載後、2013年3月号から2017年4月号まで連載された。単行本は全6巻。心が読めるテレパスという特殊能力を持った家族が「高台家」だった。そこからもうお笑いだが、SF好きの私には興味のあること。自分の周りにいる他人の心の中が見えてしまうということは、どういう問題があるのだろうか、と考えたこともないことをこの物語は映像化している。

漫画っぽく、なかなかあり得ないような設定を施している。日本映画のコメディーはおちゃらけ過ぎちゃって、観るに堪えられないものが多いが、この映画、物語はぎりぎりの一歩手前で踏ん張ってくれている。この頃は「忖度」という現象が社会問題となっている。結局は相手のことを慮って忖度しているのではなく、あくまでも自分のために考えていることだと、分かっていないのは当の本人だけなのだろう。

大地真央の高台家の母親役は品があってぴったんこ。さすが、という感じがしたのには驚いた。なかなかこういう役をやらせられる役者がいないことも事実。ただセリフ回しが上手いとか、顔が美しいとかの問題ではなく、身についた品性とかいうものは、教えられて出てくるものではない。

『チェンジング・レーン』(Changing Lanes)

2002年・アメリカ 監督/ロジャー・ミッシェル

出演/ベン・アフレック/サミュエル・L・ジャクソン/キム・スタウントン/トニ・コレット

新しい映画かと思って観始まったが、存外古い。2000年という節目の年を経過してから、それ以降の年は新しい感覚が抜けない。もう2018年だとは数字の上では理解しているが、まさかもう18年、この映画だって16年前の映画という感覚が鈍い。

アマゾンの誘い文句には高速道路で接触事故を起こした二人の・・・、てな感じで食指がまったく動かなかったが、話は意外と面白い方向に進んで行った。最後はアメリカ映画らしくハッピーエンディングとなってめでたし、めでたしということになるが、そのなり方がちょっと甘い。原作なのか、監督なのか、その原因は分からない。

この映画でも起こった「初動の誤り」は人間生活の原点だ。一つの間違いは3つの修正を要求される。ふたつまちがえば5つの修正が必要だ。どんどんボタンの掛け違えが進んで行けば、戻るには時間も労力も、不必要な周りも巻き込んでの大事件になってしまう。男と女の二人の関係ぐらいなら可愛いものだと思っていたが、いつの世にも夫婦間の殺人事件がニュースになっている。つい最近の夫婦間殺人事件では、夫の母親が息子の手助けをしたという驚きの事件だった。生きていればいろいろな事件にぶつかって、楽しさが増えて行く。

『琥珀』

2017年(平成29年)・日本 監督/雨宮望

出演/西田敏行/寺尾聰/鈴木京香/工藤阿須加/川島海荷

テレビ東京の『浅田次郎ドラマスペシャル』と銘打たれたテレビドラマだった。2017年9月15日に放映された。かなり渋い。

舞台化も出来そうな場所が特定されたドラマ。だが、決して悪くはない。演技の達者な芸人が3人揃って、ちょっとくさい感じがしないわけではないが、この映画を腐すほどの人間力がこちらにあるわけはない。

3人の会話を聞いていると、3人とも話しながら遠くを見つめているような気がしてならない。人生の終末に向けて何かを清算しなければならない人生を見る。そういう年齢になってしまった自分と重ね合わせることが出来るこの映画は、おもしろいとかおもしろくないとかを論じることを。

『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』(Eye in the Sky)

2016年・イギリス 監督/ギャヴィン・フッド

出演/ヘレン・ミレン/アーロン・ポール/アラン・リックマン/バーカッド・アブディ

ドローンを使用した現代の戦争の実態を描いた軍事サスペンス映画。無人航空機(Unmanned aerial vehicle, UAV)は、人が搭乗しない(無人機である)航空機のこと。通称として、短くドローン(英: drone)と呼ばれることもある。もうひとつの武器は、上空2万2千フィートを飛んでいるMQ-9 リーパー偵察攻撃機だ。

戦地から遠く離れた会議室でドローンが映し出す映像を見ながら戦争に加担する人々の葛藤を描き、現代の戦争の闇を浮き彫りにした軍事サスペンス。邦題のサブタイトルは、なるほど現場ではない戦場をモニターの世界で指揮し、決断していく最新型戦場とでも言えるのだろう。

ナイロビ上空を飛ぶドローンを駆使してロンドンから英米合同軍事作戦を指揮しているが、アメリカの責任者とイギリスの軍人は手っ取り早く作戦を実行しようとしている。目の前の重要テロリスト二人をと今まさに自爆テロに出陣しようとしている現地人を目にして、標的近くにパン売りをしている少女の存在なんか気にもしていられないのが本音だった。そこは映画、少女一人の危険性が50%以下にならなければ作戦は実行できないとする反対勢力が、この戦争には横たわっていた。決断をすべき法務大臣や担当大臣、はたまた総理大臣の決断は実に曖昧でどうしようもない軍人には耐えがたき状況だった。

『僕のワンダフル・ライフ』(A Dog's Purpose)

2017年・アメリカ 監督/ラッセ・ハルストレム

出演/デニス・クエイド/ペギー・リプトン/K・J・アパ/ブリット・ロバートソン

犬の映画も歴史がある。日本ヘラルド映画の宣伝部は、主演の犬「ベンジー」をアメリカから招き寄せ記者会見を開いた。犬の記者会見なんて前代未聞、その当時だからこそのネタだったのかもしれない。「ベンジー2」の買い付け交渉にダラスに行くはずだったのに、急に中止になったことが残念で。と、いつも海外出張を遊んでいた現役時代が懐かしい。

この映画のエピソードがひとつ。2017年1月18日、アメリカ合衆国の芸能サイトTMZ(英語版)が、本作の撮影現場でドッグトレーナーらしき人物がジャーマン・シェパードを無理やりプールに飛び込ませようとする映像をリークした。これにより本作は多くの愛犬家や動物愛護団体からバッシングを受けることになり、同年1月21日に予定していたロサンゼルスでのプレミア上映を中止せざるをえなくなった。しかし、その後の第三者機関による調査の結果、「撮影現場の安全対策は十分に講じられていた」ことが発表された。また第三者機関は、リークされた動画が異なる時に撮影された2つのシーンを編集で繋げていることを示し、「誤解を招き、怒りを煽る目的で意図的に編集されたものである」という見解を示している。(Wikipediaより)

一匹の犬の「犬生」を描いているのではなかった。何匹かの犬が生まれ変わって、新しい犬生とパートナーとのおもしろい話が展開される。動物映画に外れはない。もしも動物映画でつまらない映画があったら、それは相当ひどい映画ということになる。犬の目線で、犬の言葉で進行していくこの映画も、それなり以上の安心感でいっぱいだった。


2019年10月4日再び観たので記す。

『僕のワンダフル・ライフ』(A Dog's Purpose)

2017年・アメリカ 監督/ラッセ・ハルストレム

出演/デニス・クエイド/ペギー・リプトン/K・J・アパ/ブリット・ロバートソン

『去り行く男』(JUBAL1955年)、せっかく久しぶりの西部劇を楽しみにしていたが、いきなり牧場主の中年のボスの若い妻がちゃらく、カウボーイたちを弄んでいるシーンが醜かった。たかが映画だけれど、そういう不埒な登場人物がいきなり出てきては、勧善懲悪の西部劇を台無しにしてしまう。ということで、犬が主人公のこの映画にさっさと乗り換えてしまった。

途中で観たことのある映画だと分かったが、結構面白かったのでそのまま観続けることとなった。動物の映画は禁じ手のひとつだ。世界中の人々がペットとして犬を飼っている状況を考えれば、よほど下手な作り方をしなければ映画がこけることはないと思われる。でも現実にはなかなか大ヒットを記録する映画も稀なことも事実。

ヘラルド時代の犬の映画のナンバー・ワンは何と言っても「ベンジー」。何度も同じことを書いていて恐縮だが、犬を記者会見に登場させるという前代未聞なことをやるのがヘラルドの宣伝の真骨頂だった。スポーツ新聞はそんなことを大きく記事にして、ヘラルドを応援してくれるマスコミの意地を発揮してくれたのだ。

『バリー・シール/アメリカをはめた男』(American Made)

2017年・アメリカ 監督/ダグ・リーマン

出演/トム・クルーズ/ドーナル・グリーソン/サラ・ライト/ジェシー・プレモンス

ドラー・ベリマン・"バリー"・シール(Adler Berriman "Barry" Seal、1939年7月16日 - 1986年2月19日)という人物の実話もの。アメリカ映画の得意とする分野だ。ただ、実話に基づいている映画の限界のようなものがあって、映画的にもう少し逸脱したら、と願うことも多々ある。

1970年代後半、バリー・シールは大手航空会社TWAでパイロットとして働いていた。シールの若くして機長に昇進した腕前は一級品かつ裏で検査が緩い立場を利用して密輸に手を染めていた事で、CIAからも注目されるようになった。ある日、シールはCIAに極秘の偵察任務への参加を求められた。野心家でもあったシールは喜んでその依頼を引き受ける事にし、すぐにTWAを飛び出してCIAが用意したペーパーカンパニーの小さな航空会社に転職し、メキシコ湾を航空レーダーを避けるように凄腕を発揮した超低空飛行で通り抜けてアメリカと中米や近隣諸国を秘密裏に往復するスリリングな日々を始める。(Wikipediaより)

トム・クルーズがやるような役柄ではない感じだが、小型ジェット機などを操縦するのはお手の物だろうから、喜んでこの役を演じていたような雰囲気もする。金が余って隠す場所に困っていたなんて、嘘みたいな話だが、実話だという。何処で一転転落する人生が始まるのだろうか、というのが見所になっていた。結局は身内の馬鹿な義理の弟が発端になった。いつでも言っている、信用も信頼もおけない人間と付き合うことは致命傷になると。

『ぶるうかなりや』

2005年(平成17年)・日本 監督/鶴橋康夫

出演/柄本明/宮沢りえ/村上淳/渡辺えり子/井川遥/小島聖/森本レオ/左時枝/六平直政/風間杜夫

WOWOWのテレビ映画のようだったが、結構画面は劇場映画っぽかった。落語の掴みのような最初の話は、突然ちがう話へとストーリーが変化して行った。そういう意味ではおもしろい映画だった。日本映画に出演している役者の数が限られているように感じて仕方ない。

民間企業に勤める主人公が、退職金の何分の一にも達しない報酬で超重要な企業秘密を売ることがあるのだろうか、とそもそもの話にいちゃもんをつけたくなる。バレなければその程度のお金でも人生を賭けてもいいかもしれないが、そこまでやることはあり得ないだろう。

普通の会社でも、なんとか会社の金をくすねようとしている輩がいることを知ったことがあった。そこまでして金が欲しいのか、そんなことは当たり前と思っているのか、なんとも複雑な気持ちになった。そんな会社ばかりではないと信じているが、自分の人生ではとても考えられないこと。どんな貧乏をしたって、生きていく道はある。なければ死ねばいいだけのこと。そんな潔さが奇妙に脳裏にこびりついている。

『テレフォン』(Telefon)

1977年・アメリカ 監督/ドン・シーゲル

出演/チャールズ・ブロンソン/リー・レミック/ドナルド・プレザンス/タイン・デイリー

チャールズ・ブロンソンはまだ生きているのかなぁ、と思って調べてみたら、15年前に81歳で亡くなっていた。一世を風靡した俳優だった。特に日本では映画でもテレビ・コマーシャルでも群を抜いていた。同じように人気を博していたアラン・ドロンは現在82歳で元気なようだ。

映画は、冷戦時代の雪解けムードが漂ってきた時期ながら、ソ連のスパイがアメリカで起こす事件を、自国の秘密組織が沈静化しようとする、この時代ならではのストーリー。チャールズ・ブロンソンがソ連人を演じているのも珍しい。題名の「テレフォン」は秘密指令のコードネームとは、想像だにしない簡易さで驚くばかり。

案の定、アメリカで手引するソビエト人の女性は二重スパイだなんて、今じゃここまでの王道は撮り切れないだろう。単純明快なストーリーは、今風の映画に慣れてしまうと、ちょっと物足りなさを感じるくらい。人間に対する期待も同じようなもの。期待しなければ、裏切られることもないが、期待値が高いと、ちょっとしたことで失望してしまう。もともと期待しているのだから、ちょっとくらい結果が出なくてももっと温かい目で見てあげられればいいのじゃないのかな、と。

『昼顔』

2017年(平成29年)・日本 監督/西谷弘

出演/上戸彩/斎藤工/伊藤歩/平山浩行/黒沢あすか/萩原みのり

もともとは、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』テレビドラマで、2014年7月17日から9月25日まで毎週木曜日22:00 - 22:54に、フジテレビ系の「木曜劇場」枠で放送された、全11話。ストーリーは、ドラマの結末から3年後が描かれているという。

録画の謳い文句にセンセーションを巻き起こしたと本気モードが見えたが、ありきたりの不倫劇のどこがセンセーショナルなのか、まったく伝わってこなかった。だいたいどろどろの不倫劇なのに、映画版でそれらしきシーンがないというのは興ざめとしか。言葉や心のうちだけで表現するのなら、テレビドラマで十分だろう。上戸彩が映画の大画面には向いていないということが分かった。かったるい物語が酷い。

昔の映画人にとって『昼顔』といえばきちんとした劇場用映画があったはずだと思って必死に探した。『昼顔』(Belle de Jour・フランス・1967年)。昼は娼婦、夜は貞淑な妻の顔を持つ若き人妻の二重生活をカトリーヌ・ドヌーブ主演で描き、1967年・第28回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した作品。内容を読んで観ているような気がするが、定かではない。いつものこと。

『マイ・ベスト・フレンド』(Miss You Already)

2015年・イギリス 監督/キャサリン・ハードウィック

出演/トニ・コレット/ドリュー・バリモア/ドミニク・クーパー/パディ・コンシダイン

原題にある「Miss You」という言葉、表現が好きだ。学生時代にはとても知らなかったこのフレーズが、今では一番感じるかもしれない。かといって、そのニュアンスや、どういう場合にどういう使い方をするのかを、きちんと知っている訳ではない。頻繁に喋られる映画のセリフのひとつだろう。臆面もなくこの邦題を付けた宣伝部の顔が見たい。

少女時代の出会いよりずっと、主人公二人は楽しさも悲しさもつねに分かち合う親友同士だった。一人は子供二人の幸せな家庭、一人はなかなか子供が出来ない家庭と対照的。一人の癌が発見されたところから、このストーリーは展開する。が、同じことの繰り返しで、堂々巡りになってしまった。確かに物語はがんの進行とともに前には進むが、残念ながら観客を惹きつけとくほどの切れはなかった。

ベスト・フレンドというタイトルを付けるだけのことはある。苦しい時ほど、ありきたりな慰めで人生を終わらせようなんて思わないのが親友たる所以。最後まで寄り添って生きていけることは羨ましい。誰にも看取られないで死んでいくだろう自分の境遇が、なんとも恨めしい。

『恋の復活術』(THE BOUNCE BACK)

2016年・アメリカ 監督/ユーセフ・デララ

出演/ナディーン・ヴェラスケス/シェマー・ムーア/カリ・ホーク/ビル・ベラミー

映画の題名になっている本を書いてアメリカ全土でキャンペーンを企画している。ベストスラーNo.1になるのが目標。そこに、偶然にセミナーに来ていた女性セラピストが、こんな本は詐欺師と変わらないといちゃもんを付け始める。そこからがこの映画のストーリー、思惑通りにこの二人はアメリカ各地の各テレビショーに招かれて、二人キャンペーンを始めることになってしまった。

イケメン作家と美人セラピスト、誰が見たってくっついてしまうと思われる状況がその通りになっていく。それでいいのだ。現実社会だってなかなかなさそうなストーリーが展開されて、観ている方は安心しきっている。そんな風に目の前の出来事も進んで行って欲しい。相手の思惑とか、気持ちを忖度しなければいけない現実は面倒くさい。

そういう点、アメリカ社会は余計なプロセスが少ない分分かりやすい。セックスなんてスポーツと同じではなかろうかと思えるくらい簡易な行為だ。それでいいのだ。と言いたいところだが、まだまだ日本社会ではそこまでのものにはなっていない。ピルを飲めば子供は出来ないから、セックスだって思いっきり出来るじゃん。という案配に見える。所詮男と女、いや今では男と男、女と女だって恋愛の対象になってしまってちょっと複雑かな。

『ヤング≒アダルト』(Young Adult)

2011年・アメリカ 監督/ジェイソン・ライトマン

出演/シャーリーズ・セロン/パットン・オズワルト/パトリック・ウィルソン

題名がイマイチ何なのか分からなかったが、この映画の主人公が執筆する小説のシリーズの名前らしい。若者の恋愛小説ジャンルのようだ。最後の1冊を編集者からせかされて、ミネソタの出身地に戻って、高校時代の顔見知りに妙な歓迎をされる下りが、この映画の命か。美人で高慢ちきだった主人公は、全国的にも名の知れた小説家になって里帰りした。そこには成長して正直になった元学友がたくさん住んでいたのだ。

昔の元カレとよりを戻そうと、生まれたばかりの赤子を抱える家庭を破壊しようとまで企む。見苦しいその振舞とセリフを聞いているだけで、体調の悪さが悪化してくる。映画と言えど、未練たらたらな人生を見るのは好まない。誰も相手しなくなった大人になって初めて人生の挫折を味わおうとしている。売れていたはずのシリーズ本も、地元の本屋では在庫整理が始まっているという体たらくだった。

人生の中で高校時代が最高だったイヤミな女の話だった。そんな女ってたくさんいそうな気がする。本人の前で嫌なことをバンバン喋っている主人公、孤独な誰も相手にしない人間になってしまったことを哀しむには遅過ぎた。子供のころ「大器晩成」という言葉を書かれたことがあって、そのころは全く意味が分からなかったが、未だもって大器晩成ではない自分の能力を憂いている。

『2010年』(2010: The Year We Make Contact)

1984年・アメリカ 監督/ピーター・ハイアムズ

出演/ロイ・シャイダー/ジョン・リスゴー/ヘレン・ミレン/ボブ・バラバン

1984年制作のアメリカ映画。スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』の続編にあたる。原作はアーサー・C・クラークの『2010年宇宙の旅』。1982年に原作者のクラークが前作『2001年宇宙の旅』の監督スタンリー・キューブリックに電話で「『2010年宇宙の旅』をあなたの仕事で映画化することを私は止めないし気にしない」と冗談めかして語った。その直後にMGMが『2010年』の映画化権を獲得したが、キューブリックはプロジェクトに関心を持たなかった。しかし、興味を示したピーター・ハイアムズはクラークとキューブリックの両方に連絡をとった。キューブリックはハイアムズに「恐れてはいけない。自分の映画を撮れ」と語った。1983年にハイアムズはクラークと連絡を取りながら脚本を完成させた。(Wikipediaより)

『2001年宇宙の旅』(2001: A Space Odyssey)は、アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックのアイデアをまとめたストーリーに基いて製作された、SF映画およびSF小説である。映画版はキューブリックが監督・脚本を担当し、1968年4月6日にアメリカで公開された。正確というか明確に内容を把握しないで観ていると、何が何だか分からない焦燥にかられる。映画を観終わって、すぐにWikipediaで再勉強する羽目になった。それでもよく分からない。偉大な先駆者に導かれて凡人の生活も向上していくのだろう。

フロイド博士がアップルコンピュータのMacintosh、Apple IIcを浜辺で使用するシーンがあり、アップルコンピュータによる映画におけるプロダクト・プレースメント(商品を映画作品などに登場させることで商品を認知させ、商品ブランドを構築する広告手法)の初期の例とされる。ただしこの製品は映画と同じ1984年発売であり、進歩の早いコンピュータ製品で作中の年代まで実用的に使われている可能性があるかどうかは公開当時から疑問視された。前作では土星の輪を映像化出来ずディスカバリー号の目的地が土星から木星に変更になったものだったが、ボイジャー1号の探査によって存在が明らかになった木星の輪も、今回は映像化が実現された。ディスカバリー号が再登場するが、前作で撮影に使われたディスカバリー号の模型は設計図と共に失われていた。これは他の作品への転用を防ぐ目的でキューブリックが破棄させたといわれる。その為映像を基に新たにディスカバリー号が製作された。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(Scent of a Woman)

1992年・アメリカ 監督/マーティン・ブレスト

出演/アル・パチーノ/クリス・オドネル/ジェームズ・レブホーン/ガブリエル・アンウォー

見逃した映画の中で気になっていた映画だった。題名だけはしっかり覚えていたつもりだが、サブタイトルのような文字があるとは知らなかった。映画らしい映画が始まった、と思わせてくれる序盤のあたりがいいですね~。ストーリーも王道に徹していて気持ちいい。説得力のあるセリフが、またいい。

アル・パチーノの独り舞台、アカデミー主演男優賞を受賞した。人間は岐路に立った時にどうやって生きるべきかを教えてくれる、というような陳腐な言い方をしたくない。映画はいつだって、個人がどう感じるのかを強制するものではない。何が言いたいのだろう、と映画を観るのではなく、何かを感じることが重要なのだ。

何から何まで教えてもらわなければ、何も出来ないこの頃の人間には、ここまで懇切丁寧に指針を示してくれる映画はぴったんこかもしれない。日大のアメフト騒動の当事者たちは、間違いなくこの映画を観ていないだろう。もしかすると、正直者だった学生一人だけがこの映画を観ていたのかもしれない。何かを貫くという命題が見えていたのは、あの学生だけだったのだから。上映時間2時間37分。

『ドライブ・アングリー3D』(Drive Angry)

2011年・アメリカ 監督/パトリック・ルシエ

出演/ニコラス・ケイジ/アンバー・ハード/ウィリアム・フィクナー/ビリー・バーク

3Dでなければ映画じゃない、というような時期もあったようだが、この頃の映画はどうなっているのだろうか。この映画のように題名に「3D」が付いているのも、珍しいような気もするが。 ニコラス・ケイジ初の3D映画みたいな記述を見たが、そのおかげもあるのかもしれない。

ど頭からバイオレンス・アクションのオンパレードで、何が何だかちーっとも分からないで進行する。主人公は銃で撃たれても死なない。一瞬死んだようになるが、しばらくすると蘇ってしまう。ゾンビじゃあるまいしと思いながら眺めているしかない。地獄から「脱獄」してきたらしい。と分かるのはようやく最後の頃。悪魔に魂を売る、とかいう宗教的なことを言われても、実感がなくて困る。

何度も書いていることだが、アメリカ映画の骨格は「愛」。子供や家族への愛が主だが、それとは裏腹に離婚率の高さは別格だ。彼らにとってみればそれは別のことなんだよ、と言うに違いない。半端ない愛情を勝手に押し付けられても迷惑だろうけれど、愛情を注がない輩よりは、はるかにマシかもしれないな~。

『ジュリアス・シーザー』(Julius Caesar)

1953年・アメリカ 監督/ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ

出演/ルイス・カルハーン/マーロン・ブランド/ジェームズ・メイソン/ジョン・ギールグッド/デボラ・カー

クレジットに「ウィリアム・シェイクスピア」原作である旨の表示があった。確かにセリフはいちいち堅い。が、イチイチ心に響いてくる。すべてのセリフを書き写して残しておきたいと思えるほどの完成度に見えた。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』の映画化作品だという。

紀元前44年のローマ。ジュリアス・シーザーは終身独裁官となり、市民の圧倒的支持を集めていたが、元老院で刺殺される。王にもならんとするシーザーの所業に元老院たちが危機感を抱いての所業になるが、盟友ブルータスは故人を憎しみ殺すのではなく、あくまでもローマのためだと正当性を訴え支持もされる。「ブルータス お前もか」というシーザーの最後の言葉が未だもって語り継がれていることに驚く。その一言をもってブルータスは悪の暗殺者だとずーっと思ってきた。が、映画では決してそうではなかった。ブルータスはあくまでも「高潔」の士だと誰からも好かれ讃えられていたのだ。

ほんの一言を切り取って発言者を責めたりする現在のマスゴミ(塵)の原点を見たような気がする。もちろん、そこに至る言葉の中にその一言以上の意味があることは充分知っているはず。それでも問題の一言を発する必要性が本当にあったのかを吟味することなく軽率に振る舞う政治屋や官僚屋たちの言動の方が問題に違いない。

『傷だらけの栄光』(Somebody Up There Likes Me)

1956年・アメリカ 監督/ロバート・ワイズ

出演/ポール・ニューマン/ピア・アンジェリ/エヴェレット・スローン/アイリーン・ヘッカート

この超有名な映画、観たことがないとは思えないが・・・。勿論リアルタイムで観ている訳もない。人口1万人の小さな田舎町にも映画館が2館あった。学校からの映画鑑賞日があって、学校側が決めた映画を観ていた。どんな映画だったのかを、これっぽっちも覚えていない。今どきは自分たちの好きな映画を観ることが出来るらしいが、先生や親が見てもらいたいという映画を我慢して観ることの方が、20年後には役に立つのにな~。

アメリカの元・ボクシング世界ミドル級チャンピオン、ロッキー・グラジアノの生涯を描いた作品。ロバート・ワイズ監督、当初主演はジェームズ・ディーンに決まっていたが、撮影前に交通事故で他界、代わってポール・ニューマンが務める事になった。また、スティーブ・マックイーンの映画デビュー作品でもある。こんな話も有名なのだろうが、聞いたことがあるようなないような。

最後のチャンピオンタイトル戦のボクシングは壮絶な打ち合いだった。この当時のボクシングは、ただ相手を打ちのめすことしか頭になかった。防御という概念が感じられない戦いだった。だからおもしろい。今現実にこんなボクシング戦があったら、それこそやんややんやの喝采で、超人気ボクサーの誕生になることだろう。少年の頃の悪ガキ仲間にスティーブ・マックイーンの顔が見えた。本当だったのだろうかと調べたら、Wikipediaにはクレジット無しで彼が出演していたとあった。おもしろい。ポール・ニューマンは彼より5歳上の31才、今のアイドルみたいに10代で芸能界デビューしてしまうほど、世の中は成熟していなかった。

『海よりもまだ深く』

2016年(平成28年)・日本 監督/是枝裕和

出演/阿部寛/真木よう子/小林聡美/リリー・フランキー/池松壮亮/吉澤太陽/橋爪功/樹木希林

今をときめく是枝裕和監督作品。原案も脚本も監督自身がやることが多いが、こういう映画を観るともう少し外部の声を大々的に入れた方がいいのではなかろうかと心配してしまう。一つの価値観に根を下ろした作品の方が好ましいに決まっているが、さほどおもしろくない作品になってしまえば、映画を製作する目的も薄れてしまう。

作家を称する主人公は、確かに小さな文学賞はとったがそれ以降15年は鳴かず飛ばず。ギャンブルに目がなく小説のリサーチと称して興信所の仕事をしているも、せこい脅しのようなことをしながら日銭を稼ぐ始末では、離婚を承知しなければいけない状況に陥ってしまっている。

何処にでもありそうなはなしを芸達者な役者が演じたって、ストーリーが大胆に変わるわけではない。本来そんな平坦なストーリーを映画的に見せる内容にするのが本筋だと思うのだが、この監督は違う手法で描いている。そういうやり方が当たる映画もあるだろうが、人並みの10倍以上の引き出しを持っていなければ、芸術、文化と呼べる偉業を達成し続けることは難しいであろう。

『22年目の告白 -私が殺人犯です-』

2017年(平成29年)・日本 監督/入江悠

出演/藤原竜也/伊藤英明/夏帆/野村周平/石橋杏奈/竜星涼/早乙女太一/平田満/岩城滉一/仲村トオル

犯罪の発生時から一定の期間が過ぎた場合に、犯人の刑事責任を問う事が出来なくなることを根拠にした犯罪物語。連続殺人犯ともう少しのところで捕りそこなった刑事、その妹と恋人、事件の中で死んでいった先輩刑事、このあたりの絡みで、ストーリーが展開される。

時効が成立した翌日に「私が犯人です」と名乗り出て記者会見をして刊行本の発行を発表する。テレビは生中継で大々的に、センセーショナル的に事件を扱っていく。思わぬ展開が後半に凝縮されているが、ちょっと陳腐な展開に映画らしさの原点が飛んでしまった。なにも早々に犯人を捕まえる必要はない。もっとじっくりと見せるところを描かなければ映画とは言えない。

2時間テレビの欠陥のような展開。急激に犯人の過去と動機があからさまになっても、とても映画としてついていくほどのおもしろさにはならない。落ち着くべきところはおちついてストーリーを語らなければならない。フラッシュうバックを遣って過去をむやみに再現する軽率さがテレビ映画の最大の欠点のひとつ。

『今度は愛妻家』

2010年(平成22年)・日本 監督/行定勲

出演/豊川悦司/薬師丸ひろ子/水川あさみ/濱田岳/石橋蓮司

中谷まゆみ作の日本の戯曲。2002年と2014年に板垣恭一演出で舞台化。2010年には行定勲監督で映画化された。まさしく思った通りの経歴だった。どう考えたって舞台劇、映画にする必要が何処にあるのだろうかといったあんばい。

登場人物が少ない。舞台が変わらない。セリフが多い。と、舞台劇には誰にでもわかる特徴がある。少しナルシズムに入り込んだ人にしか出来ない脚本のように見える。死んでしまった妻と会話をし続ける夫が悲しそうに見えれば成功だろう。死んでしまわなければ、その価値も分からない人間がほとんど。死なないのに分かっていても、気持ちが通じなければ同じことか。

どうして世間の夫婦は仲が悪いように表現されているのだろうか。ホントはそんなに仲が悪くないのに、一種のテレのように仲が良いなんてとても言えないのに違いない。せっかく好きになったのにそんなに簡単に嫌いになるのだろうか。自分の見る目の無さでそうなったのなら、相手を嫌いになることで相手のせいにするのではなく、自分の不始末を罵って諦めた方が賢明だろうと思うが。

『一応の推定』

2009年(平成21年)・日本 監督/堀川とんこう

出演/柄本明/平岡祐太/酒井美紀/美保純/ベンガル/鶴田忍/白川和子/上田耕一

原作は広川純(「一応の推定」文藝春秋刊)、第13回松本清張賞作品だという。一応の推定とは保険用語で、自殺の場合、保険金を支払わなくてもよいという免責事項のある保険商品を契約した場合、亡くなった状況が自殺と断定出来なくても、それに足る状況証拠が揃えば「一応自殺と推定される」として保険金は支払われないということだという。推定するには4つの証明が必要1.自殺の動機があったかどうか2.自殺の意思があったと判断できる事実の有無3.事故当時の精神状況4.死亡状況。そんなことが一番のストーリー。

「推定」という言葉でいえば「推定無罪」(Presumed Innocent・1990年)という映画の題名を思い出す。勿論、内容に関してこれっぽっちも覚えていないが、おもしろかったことは確か? 「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」という、近代法の基本原則だが、保険業界ではそれとは正反対のような意味合いで同じ言葉が遣われている。

この映画もWOWOWのテレビ映画。どうして劇場映画とテレビ映画とを気にするのかは、映画業界人だった経歴が大きく影響している。1200人も入る大きな映画館で観るスクリーンと最近だって平均40インチくらいだろうテレビ画面とでは、映像の描き方が違ってくる。将来4kや8kが当たり前となってしまったときには、美しい女優像は肌の綺麗な女性のことだと、言われるようになるかもしれない。

『ボクの妻と結婚してください。』

2016年(平成28年)・日本 監督/三宅喜重

出演/織田裕二/吉田羊/原田泰造/込江海翔/森カンナ/眞島秀和/大杉漣/高島礼子

この奇抜なタイトルの原作は樋口卓治の小説だという。活字世界に疎い自分にはどうにも眩しいタイトルに見える。おちゃらけたテレビ番組によく顔を出す役者?が映画に出てくるのを好まない。色のついている人間が別の色を演じようとしているように見えて仕方がないのだ。

あくまでも映画は非日常空間であるはずなのに。テレビドラマに入るコマーシャルの中に登場人物の主人公が出ている、といったことを平気でやってしまうテレビ局やスポンサー、そしてそれをこれまた平気で観ているだろう視聴者の存在が信じられない。ちょっと固いんじゃないの、とおもわれてもいい。嫌なことは嫌なのだ。柔らかいはずの私の頭には、結婚したばかりの役者がコマーシャルで別の人物と夫婦を演じていることすら許せない。

奇抜なタイトルはストーリーもなかなか面白かった。不覚にも感極まることはなかったが、日本映画らしく単なるコメディーではないよ、というアピールが堂に入っている。放映の最後の頃クライマックスシーンに、「東海テレビニュース速報 2018年FIFAワールドカップ 日本は2対1でコロンビアに勝利 東海テレビニュース/終」というテロップが音と共に流れた。なんという無粋なテレビ業界だろう。

『エブリシング』(Everything, Everything)

2017年・アメリカ 監督/ステラ・メギー

出演/アマンドラ・ステンバーグ/ニック・ロビンソン/アニカ・ノニ・ローズ

難しい病名で毎日を暮らさなければいけない主人公、自分の家に入ってこられるのは医者でもある母親、看護師とその娘だけだった。滅菌室を通らなければリビングにさえ入れない。本人は外を眺めるだけで一切の外出を赦されていない。もう18才になろうとしているのに。大きな窓から隣の家は見える。外の景色もみられる。でも直接話も出来ない生活。不治の病の悲劇なのかと思ったら、以外な展開のストーリーだった。

映画は残酷だ。この主人公が部屋に監禁されるように母親に可愛がられたのには決定的な訳があった。主人公には兄がいたが、父親と共に交通事故で死んでしまっていたのだ。母親の異常とも思える娘への愛が、形を変えて娘を拘束するという愚挙に出てしまったようだ。ネタバレになるが、この映画を観る人は少ないだろう。

子供への愛という言い方をよく聞く。3人子供がいれば、3人ともまったく違う性格をしているのがおもしろい。確かに親二人は同じはずなのだが、育て方を変えたつもりもない。もしかすると妻は意識的に変化を持たせていたのかもしれない、と今疑ってみたりもする。身体能力も頭脳も見事に違う。だから人間はおもしろいのだよ、と神から言われているような気がする。

『結婚詐欺師』

2007年(平成19年)・日本 監督/金子修介

出演/内村光良/加藤雅也/鶴田真由/星野真里/満島ひかり/鈴木蘭々/夏樹陽子/秋本奈緒美/東ちづる/遠藤憲一/笹野高史

WOWOWのテレビドラマだった。このベタな題名でどういう内容を描き出しているのかに興味があった。原作は、直木賞作家の乃南アサの小説だという。結婚をすることはまさしく偶然のたまもの、小学生の時に隣り合わせた異性にずーっとぞっこんだってあり得る。中学校、高校、大学、会社と知り合う機会はどんどん増えていく。ただ、あぁ、この人だなとお互いに思えるのは奇跡なのだろうな、きっと。

色事師の手練手管は凄い。おだててるだけではない、怒り、なだめ、すかして女の歓心を縦横無尽に受ける。金にはきれいだ、いらない、と言って突き放しながら、相手からの申し出を待っている。こんな男に掛かったら、どんな女だってイチコロだろう。男の嘘、というより人間の嘘を見抜けるほどの能力を持った人間にはなかなか出会えない。

第三者から見ればどう考えたって騙されている状況なのに、自分は決して騙されているとは思っていない。思いたくないのだろう。被害届が出されなければ警察もそれ以上は動けない。詐欺師本人が曰く、「彼女は仕合わせだったはずだよ」という言葉にこの結婚詐欺の本質が見える。

『チェスターフィールド』(cigarettes et las nylon)

2011年・アメリカ 監督/Fabrice Cazeneuve

出演/Yeelem Jappain, Nina Meurisse, Anna Mihalcea

1945年、戦線から戻って来たアメリカ兵士に、休息とレクリエーションを提供する「シガレット・キャンプ」がノルマンディーに設立された。 キャンプはアメリカ兵士と結婚したフランス人女性のための訓練所となり、彼女たちはアメリカ人になるための特訓を受ける。(AMAZONビデオ解説より)

久しぶりの洋画で字幕を読むのが大変。「チェスターフィールド」で検索するとソファの情報ばかり出てくる。地名にもフランスは出てこないが、アマゾンの解説にあるように第二次世界大戦の連合軍の反撃上陸拠点ノルマンディーの近くらしいと察するしかなかった。原題はいつも明記されていない。映画のタイトルを見直して、たぶんこれだろうというものを書いた。4日間のアメリカ人になるための訓練場にはタバコもナイロン・ストッキングも用意されていた、というところから来た題名なのだろう、と想像するるしかない。

アメリカに旅立つ直前で一人の女性がバスから降ろされた。夫が終戦2日前に戦死したという報告を受けた。ひとりだけフランスに残された彼女のもとには、アメリカに渡った訓練場でともに学んだ友達から毎日のように手紙が届いた。居てもたってもいられず、アメリカに渡った主人公の身に起こる事柄は想定外のことばかりだった。日本女性の多くもアメリカの兵隊さんと結婚してアメリカに渡って行った。人間模様の様々な色具合は、戦争という理不尽な出来事の中でも、あるいは人間らしく息ずいているようだ。

『チキンレース』

2013年(平成25年)・日本 監督/若松節朗

出演/寺尾聡/岡田将生/有村架純/鹿賀丈史/松坂桃李/松坂慶子

これまたWOWOWのドラマWとして放送されたテレビドラマ。もうテレビドラマだからだなんて目線を下に見るようなことは出来ない。テレビドラマ・シリーズといい、役者だって普通に映画とテレビ映画を区別していないようにも見える。極端に内容が落ちるわけでもなく、映像的にはこれから、4k、8kとどちらが本筋か分からない映像業界になっていくことは必至。

結構おもしろかった。なまじ中途半端な役者が賑わす日本の劇場映画より、はるかに質の高い作品に見える。45年間も寝たきりの老人、事故にあったのが19才の時だったから今や64才になってしまった。そんなことが現実にあるとは思えないところが、映画のいいところだろう。

女を賭けてチキンレースをした末路が寝たきり老人だが、相手の男はその女と結婚して45年間にもわたり病院の個室代を振り込んでいたという話だ。なかなかわかりやすく、余計なことに気を揉むこともない。ダメな男看護師と厳しい可愛い女性看護師も登場させて、映画をおもしろくしている。

『チチを撮りに』(Capturing Dad)

2013年(平成25年)・日本 監督/中野量太

出演/柳英里紗/松原菜野花/渡辺真起子/滝藤賢一/二階堂智/小林海人/今村有希

家族を題材とした自主短編映画を手がけてきた中野量太監督の劇場用長編映画デビュー作。当初は自主映画として公開・配給も未定のまま製作されたが、2012年、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012で国際長編コンペティション部門にてSKIPシティアワードおよび日本人初の監督賞を受賞したことから「SKIPシティDシネマプロジェクト」第3弾作品として2013年の劇場公開が決定した。また、一般公開を前に第55回アジア太平洋映画祭で渡辺真起子が最優秀助演女優賞を受賞し、第63回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門に正式招待された。日本公開後も第39回シアトル国際映画祭、第62回メルボルン国際映画祭、第7回グラナダ国際映画祭、第2回Peace & Love Film Festival、第30回エルサレム国際映画祭と多数の日本国外の映画祭に正式招待され、第3回サハリン国際映画祭ではコンペティション部門でグランプリを受賞した。イスラエル、台湾では劇場公開された。タイトルの「チチ」は父親だけでなく母性の意味が含まれている映画であることからカタカナ表記にした。(Wikipediaより)

母親は14年前に既にお別れを言っていた。女が出来て家を出て行った父親の顔を20才になる姉はかすかに覚えている。妹は父親の姿を意識できないでいる。末期がんで余命わずかだから見舞いに行ってきなさいと、母親に背中を押されて初めて父親に会いに向かった。父の住む家に到着する前に、父親が死んだという伝言が入った。見舞いは葬儀に変わってしまった。

なかなか面白い話だった。新しい家族になって、そのあとのファミリーとはどういうものになるのだろうか。我が家でも一人だけ再婚をした娘がいる。2人の子供を連れての再婚だが、まだまだ二人とも小学生。このあと新しい家族が増えたりしたら映画のような物語が出来るかもしれない。せっかくの1回だけの人生だもの、好きなように生きればいいさ。

『その時まで、サヨナラ』

2010年(平成22年)・日本 監督/初山恭洋

出演/北村一輝/栗山千明/清水美沙/大塚シノブ/若林豪/銀粉蝶/北見敏之/河相我聞/佐戸井けん太/寺田農

WOWOWのオリジナルドラマ製作プロジェクト・ドラマWの作品として製作され、2010年2月14日に放送されたものらしい。原作は、2008年4月30日に文芸社より刊行された山田悠介の小説。登場人物も少ないし、物語の起伏もないが、どことなく納得しながらの映画といった雰囲気だった。

人の心が入れ替わるといったテーマの映画はよくある。この映画はちょっと色付けがあって、そこが題名の由来にもなっている。現実にそんなことが目の前に起こることがあれば信じることもあるのだろうが、そんな簡単には奇跡は起こらない。他人が自分に入り込んできたら、大パニックになってしまうだろう。

期間限定で死んだ妻が他人の姿の心になって現れて、映画は穏やかに進行することとなった。こういう日本映画はいい。馬鹿なコメディ映画ばっかりの日本映画の中、劇場用映画として作っても公開すら出来ない運命に逢うのかもしれない。

『合葬』

2015年(平成27年)・日本 監督/小林達夫

出演/柳楽優弥/瀬戸康史/岡山天音/オダギリジョー/門脇麦

杉浦日向子の漫画を原作にしたものだった。幕末、将軍徳川慶喜の身辺警護と江戸の秩序守護を目的とした武士組織・彰義隊のやり場のない、行き場のない状況を描く物語だった。「明治」が公布されても、まだ侍姿の彰義隊は、どうやって自分たちの思いを遂げられるのかの方向すら見えていなかった。

突然今までの300年の徳川幕府は終わった。これからは明治という時代で、刀を捨てて髪をおろせ、と言われた庶民たちはいったいどういう気持ちになったのだろうか。この時代、夏になったらネクタイを外していいよ、と政府が号令を出してしたり顔している。そんな時代に育った青年たちに、自らの判断力はあるのだろうか。

激動の時代を生きた世代は強い。明治は大正よりはるかに堂々とした人たちが多かった。大正生まれの人だって青春時代から戦争にまみれて、逞しい人たちばかりだった気がする。それに引きかえどうだ、戦後生まれの世代なんて、せいぜい食料に少々の難があったくらいで、何もしないで好景気の中に生きてきただけのような。

『快盗ルビイ』

1988年(昭和53年)・日本 監督/和田誠

出演/小泉今日子/真田広之/水野久美/加藤和夫/伊佐山ひろ子/天本英世

原作はヘンリー・スレッサーの『快盗ルビイ・マーチンスン』。小泉今日子が可愛い。彼女の若い頃はガリガリの小さな女の子のイメージだった。声量もなくプロ歌手としてはアイドル歌手を脱しない存在に見えていて、さほど興味がなかった。嫌いではなかったが。

この映画の時は22才、ちょうど一番ふくよかな年齢の時期だったようだ。この映画の4年前、ヘラルドが配給した「生徒諸君」のキャンペーンで名古屋の劇場事務所の中で小さな机で一緒に弁当を食べたことを、ことあるごとに書いてきた。その時は18才だったんだなぁ~。彼女がそういう経験をしたことがあったなんて覚えているわけではないが、こちらさんは素人さんだから40年経っても覚えて懐かしんでいる。

この映画の題名はリアルタイムで記憶にある。イラストレーターの和田誠が映画監督をしたことも記憶にある。マッチングはしていない。小洒落た都会風が吹きまくる映画だった。時々、映画界ではないところから監督が登場するが、やはり特徴があり過ぎて、たかが映画・されど映画という雰囲気には撮れないことを感じている。大人の絵本のような映画だった。

『真夜中の五分前』(five minutes to tomorrow)

2014年(平成26年)・ 監督/行定勲

出演/三浦春馬/リウ・シーシー(二役)/チャン・シャオチュアン

原作は本多孝好の小説。三浦春馬が孤軍奮闘中国語で演技している。だいたいは分かるが中国語は完璧ではないという設定ながら、独り言の日本語だけでやってのけている姿に感動する。監督が日本人だということも、大きかったかもしれない。

相手は中国人の双子。どちらが姉で、どちらが妹なのか分からない。一人二役とは思えない映像が素晴らしい。今の技術はここまで来たのかと驚く。同時に二人を登場させることが、まったく不自然には見えなかった。どちらが姉か妹か分からないことが、映画の重要なポイントなので、技術の進歩は映画の内容も確かなものにしていると言えるだろう。

話は終始、姉と妹の話になってしまって、ちょっと飽きる。

『スコア』(The Score)

2011年・アメリカ 監督/フランク・オズ

出演/ロバート・デ・ニーロ/エドワード・ノートン/マーロン・ブランド/アンジェラ・バセット

スコアとは「泥棒」を意味する隠語であるという。たぶん観たことがある映画だと思うが、おもしろかったので、また観ることにした。舞台はカナダのモントリオール、地元で「仕事」をしないことにしている主人公、引退前の最後の仕事として自分の住む町での仕事となった。

緻密な仕事を心掛けてきた人生でも、映画で観る緻密さは生半可ではない。到底あり得ない用意周到な準備が出来るのも映画ならでは、かもしれない。それでも、実生活においても、何も準備しないで物事にあたる人間に出逢うと、いったいこの人は何なのだろう、と疑問しか起こらないことがある。

実際の仕事の中で、さらに、進行中に思いがけない判断を迫られることがある。その時が人間の真価を問われる時だ。普通に物事が進むときには女子供で十分、と今では差別用語だと責められる言葉を遣うのが日常だった。イマージェンシーの時に如何に臨機応変に対応できるかが人間力というやつだ。そんなことを考えながらサラリーマン生活を送っている人はどれだけいるのだろうか。

『体脂肪計タニタの社員食堂』

2013年(平成25年)・日本 監督/李闘士男

出演/優香/浜野謙太/宮崎吐夢/小林きな子/吉田羊/壇蜜/草刈正雄

レシピ本としては異例の売上累計485万部を突破し、社会現象となった『体脂肪計タニタの社員食堂~500kcalのまんぷく定食~』を映画化したものだというが、タニタの騒動?を遠くで聞いていた気がするが、そんな発端だと今知った。映画は完全にコメディーで、漫画原作の映画に見えた。

タニタは本社を撮影場所として提供し、映画の告知イベント等で協力していたというが、いい宣伝になったことだろう。映画がさらなる躍進を助長できるのは嬉しいことだ。当たり前のように体脂肪がどうのこうのと、何かにつけてデータが公表されるようになったのは、このベストセラー以降なのだろう。

世の中は何でも数値化することが好まれる。なんとなくとか、たぶんという言い方は今風ではなく、嘘でもいいから数字をバックボーンに他人を納得させようとしている。時にはその数字を偽って、誰にもわからないだろうと、他人をだますことをする輩もいることを忘れてはならない。それが、政治屋だったり、官僚だったりすると、もうどうしようもない脱力感を覚える。

『天国の本屋~恋火』

2004年(平成16年)・日本 監督/篠原哲雄

出演/竹内結子/玉山鉄二/香里奈/新井浩文/香川照之/原田芳雄

原作の『天国の本屋』(松久淳と田中渉の共著)は、かまくら春秋社から2000年に刊行されたものの売れ行きは芳しくなく、在庫品となっていたものを岩手県盛岡市の「さわや書店」店長が偶然読んで感動し、独自に宣伝して評判を広めたことによりロングセラーとなった変り種。これに『恋火』のストーリーを加え、篠原哲雄と狗飼恭子が共同で脚本を担当して映画化したロマンティック・ファンタジー映画。 後半の設定と新井浩文と原田芳雄のシーンの脚本を、原田芳雄が「気に入らねぇ、これだ」と自ら書かれた脚本を監督に渡して、それがそのまま通った。主演を務めた竹内結子は、一人二役に初挑戦。(Wikipediaより)

へぇそうだったんだ~! かまくら春秋社刊の月刊『かまくら春秋』という小冊子を毎月知人から頂戴して読んでいるのだが、こういう話があったことはこれっぽっちも知らなかっら。舞台は天国、SFチックなところは好きだ、地上での同時進行のような出来事も交えて、面白おかしく、ストーリーが展開して行く。

天国があったらおもしろいよな~、という希望的観測をもっているが、実際にあるわけもなく、物語の中での空想を楽しむほかない。故人の風や雰囲気を現世の中で感じることはあるのだろうか。そう思えば思える程度のことはあるだろうが、見えない何かが今生きている人に実際に影響があるほど、この世は神秘的ではないような気がする。

『南風』

2014年(平成26年)・日本/台湾 監督/萩生田宏治

出演/黒川芽以/テレサ・チー/コウ・ガ/郭智博/ザック・ヤン

日本人と台湾人の少女が自転車での旅を通して成長していく姿を描いた、日台合作のサイクリングロードムービー。台湾でもロケを敢行し、九フン、淡水、日月譚といった風光明媚な観光地が登場するほか、日本のサイクリングロードとして有名な広島県と愛媛県を結ぶ「しまなみ海道」も舞台となる。恋人にふられ、仕事では希望しない担当に異動になってしまった26歳のファッション誌編集者・風間藍子は、取材のため台北を訪れる。藍子は自転車を借りるために立ち寄った店で、16歳の少女トントンと出会い、モデルになることを夢見るトントンは、オーディション会場に行くため21歳と偽り、藍子のガイドとして自転車の旅に同行する。最初はなかなかかみ合わなかった2人だが、旅の途中で台湾人の青年ユウや日本人サイクリストのゴウとも出会い、旅を続けていくなかで心を通わせていく。「帰郷」「神童」「コドモのコドモ」など、繊細な人物描写で定評のある萩生田宏治監督が、6年ぶりに長編映画でメガホンをとった。(映画.comより)

台湾ロードムービーの趣向。一度行ったきりで、しかも雨にたたられた台湾だった記憶しかない。仕事と称して国際部長と一緒だったような気がする。自由だったよなぁ~。香港の美味しい食べ物に魅了されていた頃だったので、台湾の庶民食堂の味を評価できなかった。

故宮博物館の存在さえ思い出せずに訪れそこなった。残念だった。何故その存在を思い出せなかったか、今でも謎だ。何のために日本中を旅したり、海外旅行をしてきたのか、自分の根力の無さを嘆くしかない。

『ヘンゼル & グレーテル』(Hansel and Gretel: Witch Hunters)

2013年・アメリカ/ドイツ 監督/トミー・ウィルコラ

出演/ジェレミー・レナー/ジェマ・アータートン/ファムケ・ヤンセン/ピーター・ストーメア

日本の童話ばかりか世界の童話をほとんど読んでいない私にとって、この映画題名は一番食指の動かなかった映画だ。ところがどうだ、この映画には魔女がいっぱい出てきてSF映画ではないのかと見まごうばかりの状況になっていた。

魔女の姿がこれほどまでに明確に顔を現すのは珍しい、と思う。それほどこの手の映画を多く見ていないので、自信はないが、もっと神秘的に扱われるのが魔女のような気がする。魔女は超人間的らしいが、どうしたら倒れるのか一貫性がなく、観ている方が戸惑う。魔法もどこまでが限界なのかの境が見えない。

「魔女狩り」をする兄と妹という設定がおもしろい。童話とはまったく違うものなのだろう、きっと。当たるかどうかは分からないけれど、これだけのものが日本未公開だったとは驚いた。結果的にはアメリカ公開から半年後の2013年7月19日にブルーレイとDVDが発売されることになったらしい。

『K-9/友情に輝く星』(K-9)

1989年・アメリカ 監督/ロッド・ダニエル

出演/ジェームズ・ベルーシ/メル・ハリス/ケヴィン・タイ/エド・オニール

熱血漢の刑事と『名犬リンチンチン』や『名犬ラッシー』のような相棒犬との物語というかコメディですね。垂れ流し的鑑賞にも耐えうる利点がある。そんなことを言いながら、しばらく眠ってしまったのは御愛嬌と製作者に謝らなければならない。

犬を飼ったことがない。猫とはだいぶ長い間一緒だったが、高校を卒業してからは動物との生活は終わりになった。実家のすぐ前に住んでいた兄の家には犬も猫もそれなりにいたので、まったく犬猫と遊ばなかったわけではない。ただ、もう50年近く動物との生活をしていないことも確かだ。

不思議なもんだね。犬や猫は人間に飼われたり一緒に住むことがDNAとなっているから、こんなに簡単に現代ではペット状態にあるのだろう。ほかの動物だって、長い間にそうなる可能性はある。次回のペット候補はこの動物だ、と意識的に人間がペット化すれば4、5百年もすればどんな動物だってペットになるかもしれない。

『ハード・ラッシュ』(Contraband)

2012年・アメリカ/イギリス/フランス 監督/バルタザール・コルマウクル

出演/マーク・ウォールバーグ/ケイト・ベッキンセイル/ベン・フォスター/ジョヴァンニ・リビシ

ドジな奴のためにせっかくまっとうな人生を送ろうとしていた主人公が、また悪に手を染めなければいけなくなった。父親と共に裏社会では凄腕の運び屋だったが、その父親は現在牢屋の中。妻と二人の息子との仕合わせな日々が夢となってしまいそうになる。

アメリカ映画で語られる家族の愛は異常にも見える。毎日、毎時間のように「愛してるよ」と言わなければ、妻も子供も納得してくれない。妻の弟がドジな奴だったが、それでも家族は家族、そんな奴のために家族を犠牲にする方が愛を捨てているようにも見えるが。

普通の人間社会にだっているドジな奴。そのせいで周りの人がどれだけ迷惑を被っているのか本人だけが知らない。周りの人は、結局後始末をしなければ自分のところにも迷惑が戻ってくるから仕方がない。周りがなんとかしてくれたおかげで、なんとかなったのに、自分の手柄だと言い張る連中までいるのが実態。どこまで人間は自分勝手なのだろうか。身心脱落という言葉を先日学んだばかりだった。自我なんて捨ててしまわなければ。

『コンファメーション』(Confirmation)

2016年・アメリカ 監督/Rick Famuyiwa

出演/Kerry Washington/Wendell Pierce/Jennifer Hudson/Greg Kinnear/Jeffrey Wright

この映画を観る前に『愛のラスト・チャンス 』というイタリア映画らしい緩い映画を観たが、情報がアマゾン・ビデオサイトの極くわずかな項目しかなく、とりあえず観たという記録さえできない状況に陥った。アマゾン・ビデオサイトは、ちょっとひどい。外国映画にオリジナル題名が表記されていない。製作国もない。出演者は、主演:という表記とヨコ文字の名前が2、3人だけ。

クラレンス・トーマス(Clarence Thomas、1948年6月23日 - )は合衆国最高裁判所の陪席判事であり、1991年10月23日に就任した。最高裁判所でのトーマスは、アフリカ系の祖先を持つ判事としては2人目であり、保守的な判断傾向を持っている。1991年6月にサーグッド・マーシャル判事が退官を発表したことに伴い、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領が後任として当時43歳のトーマスを同職に指名した。しかし、トーマスの指名に際して、トーマスの元部下で弁護士でもあったアニータ・ヒルという女性がトーマスからセクシャルハラスメントを受けたと訴え出た。その結果、この人事案の採決は歴史的な僅差で決まることになったが、最終的には1991年10月のアメリカ合衆国上院の本会議において52対48の採決で承認を受け、トーマスは宣誓を経て就任した。(Wikipediaより)

1991年当時のセクハラ告白は衝撃的だったようだ。黒人の女性が黒人の男性を告発している。アメリカ上院司法委員会の委員は全員白人の男性だ。セクハラ問題を人種問題に挿げ替えたりして、委員会の裏では丁々発止の取引や策略がうごめいていて、大変興味がある。この後からアメリカの議員に女性が明らかに増えていったらしい。26年後に「Me Too!」運動となって、再びセクハラ問題が白日のもとにさらされることになろうとは。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』(St. Vincent)

2014年・アメリカ 監督/セオドア・メルフィ

出演/ビル・マーレイ/メリッサ・マッカーシー/ジェイデン・リーバハー/ナオミ・ワッツ

監督と脚本を担当したセオドア・メルフィは、本作が劇場公開映画のデビュー作。2014年のトロント国際映画祭で「最優秀ピープルズ・チョイス・アワード」の次点に選出された。メルフィによって2011年に書かれた脚本は、2011年における映画が未製作で出来がいい脚本のリストであるランクリン・レオナルドの「ブラック・リスト」に含まれていた。

ジャック・ニコルソンが本作に出演すると噂されていたが、2012年7月にビル・マーレイが契約を行った。2013年3月11日、メリッサ・マッカーシーが主演の女性役としてオファーされ、キャストに参加した。3月22日、クリス・オダウドが神父役でキャストに加わった。ナオミ・ワッツは4月22日にロシア人売春婦役でキャストに加えられた。7月19日、スコット・アドシットがマッカーシー演じるキャラクターの元夫役として参加した。オリヴァー役は約4回のオーディションを行った結果、オリヴァーと同様に母子家庭のジェイデン・リーベラーに決定した。ヴィンセント役のマーレイは猫アレルギーのため猫が苦手だったが、ヴィンセントの飼い猫フィリックス役に起用されたテディとジャガーの2匹はフケなどがなく清潔だったため撮影を乗り切り、マーレイは後に2匹を「プロの猫」と褒めている。登場人物はメルフィの家族が元となっており、ヴィンセントはメルフィの妻で本作にアナ役として参加しているキンバリー・クインのベトナム帰還兵だった亡き父がモデルで、妻は父の死の直前に再会して親友になったという。オリヴァーはメルフィの11歳の姪を元とし、メルフィの兄弟である姪の父親が死去した後メルフィが養子にとり、彼女はシャーマン・オークス・カトリックスクールに入学した。

主人公がが、エンドロールでウォークマンを聴きながら歌うボブ・ディランの「嵐からの隠れ場所(Shelter from the Storm)」、オリヴァーがオシンスキーに反撃するシーンで流れるグリーン・デイの「アイ・フォウト・ザ・ロウ」等多くの楽曲が使用されている。(以上すべてWikipediaより) 久しぶりに映画らしい映画を観たような気がしている。もう少し評価されてもいいような気もする。あるいは、こんな単純なストーリーでは高得点は獲れないよ、と映画専門評論家たちは言うのだろうか。

『手紙は憶えている』(Remember)

2015年・カナダ/ドイツ 監督/アトム・エゴヤン

出演/クリストファー・プラマー/ブルーノ・ガンツ/ユルゲン・プロホノフ/ハインツ・リーフェン

ストーリーを知らずに観るべき映画の1本だった。常にそういう状況で映画を観ている私にはぴったんこ。まさかと思える結末に拍手を送りたいくらいだった。ネタばれになってしまったら台無し、万が一にこの映画をこれから見ることがあるかもしれない人のために、これからは少しだけ。

第二次世界大戦が終わった時から多くのドイツ人がアメリカに移民している。その中にユダヤ人と偽った元ナチ党員、しかもユダヤ人を大量虐殺した捕虜収容所で働いていた者もいたという設定だ。たぶん本当にそういう輩もいたのだろう。ユダヤ人の姓名を奪って、成りすましてのうのうとアメリカ市民として、孫まで持つ家族をつくっていたらしい。

主人公はドイツ人。先日観た物忘れ病の人間ではなく、老人性痴ほう症だ。朝になれば自分が誰かも分からない。「君の妻は残念ながら先週亡くなった。」と始まる友達からの手紙を見て、ようやく自分の今の状況を認識する毎日だった。そんなことは起こり得る。起こっても本人がそれを認識できないことが悲劇であり、喜劇でもある。こんな風に拙い文章を書けることは、仕合わせ期間の絶頂にいるのかもしれない。

『オケ老人!』

2016年(平成28年)・日本 監督/細川徹

出演/杏/黒島結菜/坂口健太郎/笹野高史/左とん平/小松政夫/藤田弓子/石倉三郎

梅が岡高校に赴任してきた数学教師の小山千鶴は着任早々、地元の文化会館にアマチュアオーケストラのコンサートを聴きに行く。学生時代にオーケストラでバイオリンを弾いていた彼女は演奏に感銘を受け、入団を決意する。後日、千鶴が楽団の拠点に行ってみると、そこのメンバーは老人ばかりであった。実はこの町にはアマチュアオーケストラが2つ存在しており、彼女が聞いたコンサートはエリート集団の「梅が岡フィルハーモニー」のものだったのだが、誤って老人ばかりの素人オーケストラ「梅が岡交響楽団」の拠点に行ってしまったのだ。若者の入団を喜ぶ老人たちを前に、勘違いだと言い出せなくなった千鶴はそのまま楽団に入団することになり、ついにはなりゆきから、心臓の調子が良くない野々村に代わり、指揮者をつとめるハメになってしまう。(Wikipediaより)

もう映画を観なくても十分です。中学生が書いた本を映画化したような流れ。日本映画の70%はコメディ映画じゃないのと勘ぐっている。映画としては不十分だが、日本人の好きな「安定」「穏便」「静寂」などが鏤められている。アメリカ映画に必ずある「ユーモア」とは一線も二線も隔している。

音楽はいい。もしもピアノが弾けたなら、と歌の文句のような思いをしているのは私だけではないだろう。せめて2、3曲ピアノ独奏と弾き語りが出来れば、人生はもっと豊かになるような気がする。それじゃ、習えばいいじゃん、と思うのだが、どうにも難しい両手の動き、なんとか弾いているギターでもレベルアップしようか?!&%$#

『ブルースの女王』(BESSIE)

2015年・アメリカ 監督/ディー・リーズ

出演/クイーン・ラティファ/モニーク/マイケル・ケネス・ウィリアムス/トリー・キトルズ

実在したアメリカの黒人女性歌手ベッシー・スミス(Bessie Smith, 1894年4月15日 - 1937年9月26日)の物語。アーティストの成り上がりものを映画で観るのはおもしろい、はずだが、ちょっと期待外れ。テレビ映画ということもあるのだろうか。

このベッシー・スミスは、ブルースの女帝やブルースの皇后とまで呼ばれたらしい。建造物を揺るがすほどの圧倒的な声量と芳醇な情感を保つ歌唱力で聴衆を魅了し、偉大なブルース・シンガーとして現代でもその人気と名声は語り継がれているという。近代アメリカのポピュラー音楽史上、スミスの存在は後に活動する多くの歌手たちへジャンルを問わず幅広く巨大な影響を与えていた。スミスを尊敬したという歌手にビリー・ホリデイ、マヘリア・ジャクソン、ジャニス・ジョプリン、ノラ・ジョーンズ達が挙げられる。

確かに映画はそういう描き方をしているが、名声を得るまでのストーリーがめちゃめちゃおもしろいはずなのに、そこらあたりが上手く描かれていない。いつの間にか有名になっていて、いつの間にか世界恐慌期に入ってしまったりしていた。YouTubeには現役の時の歌声がたくさん上がっていて、なんと便利な世の中なのだろうと驚くばかりだ。

『ひるなかの流星』

2017年(平成29年)・日本 監督/新城毅彦

出演/永野芽郁/三浦翔平/白濱亜嵐/山本舞香/小野寺晃良/室井響/小山莉奈/大幡しえり/西田尚美/佐藤隆太

やまもり三香による日本の漫画作品。『マーガレット』(集英社)2011年12号から2014年23号まで連載された。単行本全13巻。主人公の与謝野すずめは、田舎でのんびりと暮らす高校1年生。しかし、両親が海外に転勤になったのを機に、東京に住むおじ・諭吉のもとにあずけられることとなった。上京初日に東京で迷子になり、熱を出して公園で倒れたが、偶然出会った獅子尾に助けられる。その獅子尾の第一印象は「あやしい人」であったが、転入先の学校で担任教師となり、何かと助けてもらったりと関わっていくうちに、獅子尾に惹かれるようになる。一方、転入してはじめて友達となった馬村にも、恋心を持たれるようになる。(Wikipediaより)

コイバナに終始していて、ちょっと意外だった。さすがに、こんな話だけでは映画として興味が持てない。もう少し人生に関係する出来事がなければ、おちゃらけた世間話で埋もれてしまいそうだ。こちらが若くても、ピンポイントの年齢でなければ、余計敬遠しそうな感じがする。

テレビ映画で十分過ぎる内容。出だしは面白そうだったので、少し残念。まぁ、本気になってこの手の映画を語れるほど実人生が既に終わってしまっている。もう一度、新しい自分の人生が始まることを願っている。

『われらが背きし者』(Our Kind of Traitor)

2016年・イギリス 監督/スザンナ・ホワイト

出演/ユアン・マクレガー/ステラン・スカルスガルド/ダミアン・ルイス/ナオミ・ハリス

モロッコでの休暇中、イギリス人の大学教授ペリーとその妻ゲイルは、偶然知り合ったロシア・マフィアのディマから、組織のマネーロンダリング(資金洗浄)の情報が入ったUSB をMI6(イギリス秘密情報部)に渡して欲しいと懇願される。突然の依頼に戸惑う二人だったが、ディマと家族の命が狙われていると知り、仕方なく引き受けることに。しかし、その日をきっかけに、二人は世界を股に掛けた危険な亡命劇に巻き込まれていく・・・。(AMAZONビデオ解説より)

この邦題はどういう意味なのだろうか? 正確には理解できないのが私の頭の中身らしい。イギリスMI:6ものなのに、進行するにつけイライラする。監督が下手なのか、もともと原作が詰まらないのか。ジョン・ル・カレ原作の同名スパイ小説の映画化だという。瞬間瞬間にはおもしろさを感じるが、何故か乗り切れない。ロシアン・マフィアの顔とMI:6の顔がイマイチそれらしくないことが問題だった。

権力のない諜報員と裏切りの約束をしても始まらない。どの世界でもそうだ。いかにも自分が実力があるようなことを言われても、本当のところは結果でしか証明できない。自分は何も出来ないくせに、他人が計画したことを認可するだけの能力しかない輩が偉そうにしていることもある。勘違い人生の典型だが、勘違いがなければ生きていけない人は多い。死んでも本当の自分の評価を知ることのない人がたくさんいる。それでいいのだ。

『時をかける少女』

2010年(平成22年)・日本 監督/谷口正晃

出演/仲里依紗/中尾明慶/安田成美/勝村政信/石丸幹二/青木崇高/石橋杏奈/千代將太/加藤康起/柄本時生

2006年にまだヘラルドの名称がかすかに残っていた角川ヘラルド映画はこの映画のアニメ版を配給したらしい。このアニメ版は、原作は同じ筒井康隆の小説『時をかける少女』であるが、原作の物語の映画化ではなく、原作の出来事から約20年後を舞台に次世代の登場人物が繰り広げる物語を描く続編であった。本映画は4度目の映画化だという。

原田知世初主演の『時をかける少女』は、1983年(昭和58年)大林宣彦監督の「尾道三部作」(『転校生』・『さびしんぼう』)の2作目として公開された。主演の原田知世は、第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、配收は28億円を記録し邦画では年間2位となったという。この原田知世版を観ている気になっていたが、ストーリーをまったく思い出さなかったので、観ていなかったかもしれない。もっとも、観ていたって3年もすればすっかり忘れるのはいつものことなので、観ていなかったかどうかは分からない。

SFストーリーにはとりあえず興味があり、ちょっと出来が良ければ飽きもせず観ることが出来るのは嬉しい。この映画の主演仲里依紗は、アニメ版の声の主演をしている。コケティッシュな風貌が楽しい雰囲気。この映画で共演をした中尾明慶と2013年に結婚している。そういう実生活があるという想定があるとは、二人にも想定外だったのだろうか、それとも。

『エンド・オブ・キングダム』(London Has Fallen)

2016年・アメリカ 監督/ババク・ナジャフィ

出演/ジェラルド・バトラー/アーロン・エッカート/モーガン・フリーマン/アロン・モニ・アブトゥブール

アメリカ合衆国は、世界各国でテロを扇動している武器商人のアミール・バルカウィに対するドローン攻撃を行った。2年後、ベンジャミン・アッシャー大統領のシークレットサービスであるマイク・バニングは、妻レアの出産を前に、危険な今の仕事を辞めようと考えていた。そのおり、イギリス首相のジェームズ・ウィルソンが急逝したとの一報が、ホワイトハウスに入る。大統領は他の主要国首脳も参列する葬儀に出席するため、アメリカ合衆国シークレットサービスのマイク・バニング、シークレットサービス長官のリン・ジェイコブズと共にロンドンへ渡る。厳重な警戒体勢が敷かれているロンドン。葬儀会場のセント・ポール大聖堂に向かっていたカナダ首相とその妻を乗せた車が、突如、爆発した。それと同時に、他の首脳たちも、警官や近衛に紛れていたバルカウィの手下らによって一斉に攻撃を受ける。一方で、バニングとジェイコブズは大統領を守って、セント・ポール大聖堂から車で逃走する。(Wikipediaより)

『エンド・オブ・ホワイトハウス』(Olympus Has Fallen・2013年)の続編だということなのだが、その作品を観たと思うが、あらすじを読んでも思い出せないでいる。この映画は主人公シークレットサービスの独り舞台というところだろうか。悪くはない。

9.11アメリカへのテロは現実だった。この映画ではロンドンの有名な建物がどんどん破壊されていく。警察官を装ったテロ集団が殺戮を繰り返す。日本のテロ対策を考えると、こんなことも簡単に出来そうな気がして心底怖くなる。2020年東京オリンピック、大丈夫かな~。

『皆殺しの流儀』(WE STILL KILL THE OLD WAY)

2014年・イギリス 監督/サシャ・ベネット

出演/イアン・オギルビー/アリソン・ドゥーディ/スティーヴン・バーコフ/ジェームズ・コスモ

どこかで観たような雰囲気の映画だが、この映画そのものは見事な5流映画でおもしろい。時間も短いし、余計などんでん返しもないことがいい。昔取った杵柄てな感じで、ロンドンの古い街で活躍していた往年の暴力団またはマフィアとでもいう輩が、歳をとった兄が最近のしてきた若造暴力グループに殺されたのをきっかけに、もう一度昔にかえって仕返しをする話。

人生のどんでん返しは、良い方向に行くのなら誰でも「喜んで!」と居酒屋の注文を聞く店員のような返事が出来るだろうが、想定外の方向へ行ってしまう結末には苦々しい顔しか出来ない。どうせ100年も生きているはずもないことを分かっているのに、目に前の損得に拘泥する人間がほとんどで、それはく普通のことに違いない。

なにしろ、人間は自分の人生を1度しか生きられない。そんなことは誰にも分る。分かっているはずなのに、自分の身の回りのことにしか目がいかないのはどういうことなのだろう。他人のことを考えている風を装っても、そんなことはすぐにバレる。他人の話に耳を貸すことさえ、上手く出来ないような人が多いのには、本当に驚くばかりだ。

『ファントム/開戦前夜』(Phantom)

2013年・アメリカ 監督/トッド・ロビンソン

出演/エド・ハリス/デイヴィッド・ドゥカヴニー/ウィリアム・フィクナー/ランス・ヘンリクセン

「キューバ危機では、米ソの核戦争は回避されたが、1968年5月ソ連の核搭載潜水艦が消えた時、世界は核戦争突入の危機に K・シーウェル 歴史家」 というテロップが映画の冒頭に流れる。そして、「ルイバチー原潜基地 ソビエト連邦」という光景と文字が現れる。その後に「史実に基づいた物語」と続くのだった。

東西冷戦下にあった1968年に、ソ連の潜水艦K-129が通常の作戦海域を大きく逸脱した末にハワイ近海で謎の沈没事故を起こした事件を題材にしている。映画の大半は潜水艦の中での出来事。艦長の威厳と実行力がよく分かる。こんな話が本当にあったということを知るのはいつだって後の祭りの時点だ。

映画のエンド・クレジットには以下のような文言が。「冷戦時にソ連の核搭載潜水艦が南太平洋で行方不明に。後に引き揚げられた時、艦の行動目的は米露の政府間で極秘にされた。ミサイルは不発のまま海底から米国が回収したとの話だ。」 そう、ソ連の開戦主義者らしきテロ集団が一時潜水艦を乗っ取り、ミサイルを発射してしまったのだ。恐ろしきかな事実。

『フライトSOS ロスト・イン・ザ・パシフィック』(蒸発太平洋 Lost in the Pacific)

2015年・中国 監督/ビンセント・チョウ

出演/ブランドン・ラウス/キティ・チャン/ラッセル・ウォン/バーニス・リウ

AMAZONサイトには、「・・・巨大な嵐に遭遇した機体は、まさに空中版タイタニック号!・・・」と、書かれていた。恐れ多いタイタニックを出してくるとは、笑止千万どころではない。映画を観るすべての人を愚弄している。なんともチンケで、5流作品の下を走る映画の存在を初めて知った。あまりの陳腐さにそのまま観続けていたが、この映画の存在そのものがコメディだ。

もしかすると、2歳児が生まれて初めて見る映画にはちょうど良いかもしれない。難しいことは分からないだろうから、猫のようなオオカミのような張りぼて集団が人間を襲うシーンは、もしかすると人生のトラウマになってしまうかも、と危惧することもあるが。

特撮やCGといった表現は当てはまらない。どれだけ少ない予算で映画を製作できるかのテスト・パターンのような風さえある。同じストーリーで、有名どころを5人くらい配役して、同じストーリーでリメイクしたら、結構見られる映画になったりすることもあり得る。そこが映画製作の妙といえるものだろう。

『ランスキー アメリカが最も恐れた男』(Lansky)

1999年・アメリカ 監督/ジョン・マクノートン

出演/リチャード・ドレイファス/エリック・ロバーツ/アンソニー・ラパリア/オクタビア・L・スペンサー

マイヤー・ランスキー(1902年7月4日 - 1983年1月15日)はユダヤ系ロシア人のギャング。邦題が大袈裟だが、大物マフィアにはぴったんこかもしれない。当時ロシア帝国領だったフロドナ(現在のベラルーシ、グロドノ)でポーランド系ユダヤ人の両親の間に生まれる。1911年、一家で渡米し、1928年9月に国籍を取得した。

職業は非合法だが、一種のアメリカン・ドリームを体現した人物になるだろう。1960年代、ギャンブル、ホテル・ゴルフコースへの投資などで3億ドルを儲けたと言われる。1960年代からFBIのターゲットとなっていたが、1970年に脱税容疑を受けてイスラエルに逃亡した。2年後、帰化申請が却下され、国外追放されると、アメリカ政府は訪問先の中南米諸国にランスキーを入国させないように圧力をかけた。アメリカに強制送還されたが保釈された。このあたりが描かれている。フラッシュバックが甚だしく、時代と、それでなくとも判別し難い外国人の顔が交叉して、いつもの分かりにくい映画の典型のようになって行った。

チンピラからのし上がる手段は単純だった。それは暴力。上の人を殺してのし上がるという、これしかないという方法がとられていた。それしかないよね。マフィアだから許される手段。平々凡々とした人がのし上がるためには、東大でも出て社会に出て行くのが手っ取り速いかもしれない。

『柘榴坂の仇討』

2014年(平成26年)・日本 監督/若松節朗

出演/中井貴一/阿部寛/広末涼子/高嶋政宏/吉田栄作/藤竜也/中村吉右衛門

楚々として美しい着物姿の女性がチャンバラ映画には必ず出てくる。ところがこの映画に出てくる広末涼子が美しくない。内から出てくる美がない。有名ではない女優らしき出演者がいつも美しく感じられていたので、今回は特別にこんな印象論を書いてしまった。

時は明治6年、明治になったからといってみんながすぐに侍姿を捨ててしまったわけではない、ということがようやく実感できた映像だった。歴史を学ぶだけでは時代が明確に変わっているが、実社会はカオスの時期が相当なんだったんだなーと思い浮かんできた。滑稽な光景が広がる明治初期をこの目で見てみたい衝動にかられた。

桜田門外の変で暗殺された大老・井伊直弼が実はいい人だったんだと映画は語っている。ちょうどNHKの大河ドラマ「西郷どん」ではこの井伊直弼が権力をかざして世の中を席捲している最中なので、この人の人物像がまったく正反対のように見えて、ちょっと頭の中が混乱している。いずれにせよ、大変革の時代を想像だに出来ない。それは敗戦を経験した自分の親世代の人たちにも同じように向けれれている。

『クーデター』(No Escape)

2015年・アメリカ 監督/ジョン・エリック・ドゥードル

出演/オーウェン・ウィルソン/レイク・ベル/スターリング・ジェリンズ/ピアース・ブロスナン

映画では舞台が東南アジアの某国ということになっているが、なんとか最後に川を下って脱出した国がベトナムだったので、想定としてはラオスかカンボジアということになりそうだ。このあたりの国と境界線がまったく覚えられず、今回も地図を検索して確かめてみた。記憶に残りそうではないが、覚えようとしていないので仕方がない。

その某国に赴任するために降り立ったアメリカ人家族が、クーデターに遭遇し外国人を狙った殺人襲撃にあう話だった。観始まってすぐに5流作品の匂いがプンプンしてきたが、映画はその雰囲気を携えながらどんどん進んで行った。アメリカから初めて東南アジアに仕事で赴任するなんて、いったいどういう気持ちなのだろうか。想像もつかない。日本人だって同じ東南アジアの国のくせに、日本だけ進化していると思ってしまっている節がある。

香港は何度も行って、その美味な食事に魅了されていた。マカオもついでに一度だけ行ったことがある。そのほかの東南アジアと言われる国には行ったことがないが、今でもあまり行ってみたいと思わない。アメリカよりもヨーロッパ、歴史のある場所に行くのが好きだ。

『フォレスト・ガンプ/一期一会』(Forrest Gump)

1994年・アメリカ 監督/ロバート・ゼメキス

出演/トム・ハンクス/サリー・フィールド/ロビン・ライト/ゲイリー・シニーズ

テレビ放映にこの題名を見つけ、久しぶりに観てみたいなと強く思った。リアルタイムで観ている数少ない映画の1本。ガチャガチャと五月蠅くて忙しないこの頃の映画に、ちょっと苛立っている自分がいることは確かだ。24年前の映画、午後11半に観始まったが、一気に終わりまで観続けてしまった。おもしろい、というのはこういうことを言うのだ。

キャッチコピーは、劇中にセリフとしても登場する「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない(Life is like a box of chocolates. You never know what you're gonna get.)」。このセリフは、『アメリカ映画の名セリフベスト100』において第40位となっている。タイトルの「フォレスト・ガンプ」は主人公の名前。「フォレスト」はクー・クラックス・クランの結成者として知られるネイサン・ベッドフォード・フォレストからの由来で、「ガンプ」("gump") はアラバマ州の方言で、「うすのろ」「間抜け」「愚か者」を意味する。(Wikipediaより)

1996年、劇中に登場する「ババ・ガンプ・シュリンプ」をモチーフにしたシーフードレストラン「ババ・ガンプ・シュリンプ・カンパニー」が設立された。2012年現在アメリカを中心に世界で20店舗を展開。とWikipediaに書いてあったので調べてみたら、現在日本店舗3店を含め全世界に41店舗を展開しているという。機会があったら、是非行ってみたい。

『シャーロック・ホームズ』(Sherlock Holmes)

2009年・イギリス/アメリカ/オーストラリア 監督/ガイ・リッチー

出演/ロバート・ダウニー・Jr/ジュード・ロウ/レイチェル・マクアダムス/マーク・ストロング

一体何日観ているのだろうか。一向に観終わる気配がない。観始まって10分もしないうちに、なんかすぐに飽きが来てしまうので、とりあえず観るのをやめてしまうのだ。先日観たこのシリーズの2作目、『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(Sherlock Holmes: A Game of Shadows・2011年)が酷く面白くなかったのがトラウマになっている。

なんとか観終わったが、どうしておもしろくないのか分からない。最後の頃になってようやく謎解きが一気に語られて、それまでもやもやしていた気分がようやく晴れて、なるほど!これだったのか!と合点がいった。話の途中経過が独りよがりなのだ。映画の中の人たちはもくもくと、すいすいと演技をしているだけで、何の感情もないような風景が見えているだけのようになっているのが、一番つらい。

まぁ、私がおもしろくないと思った映画はだいたい評価が高い。この映画も同様だった、概ね高評価でアカデミー賞・作曲賞、美術賞にノミネートされるが受賞したのはそれぞれ『カールじいさんの空飛ぶ家』と『アバター』であった。という解説が的を射ている。評価は高かったが、賞までは行き着かなかった、ということに安堵した。

『ビッグゲーム 大統領と少年ハンター』(Big Game)

2014年・フィンランド/ドイツ/フランス 監督/ヤルマリ・ヘランダー

出演/サミュエル・L・ジャクソン/オンニ・トンミラ/フェリシティ・ハフマン/ヴィクター・ガーバー

アメリカ合衆国大統領を乗せたエアーフォースワンが、フィンランドのとある山岳地帯を飛行中ミサイル攻撃を受けて墜落してしまう。間一髪脱出ポッドで逃げ出した大統領は、偶然近くにいた少年と行動を共にすることになる。そんな流れだが、アメリカ映画なら複雑に絡み合った敵と味方、現在と過去をどんどん映像化して、何が何だか分からなくしてしまう映画になっていただろう。

そこはフィンランド、と言ったってフィンランドの何かを知るわけではないが、話が単純明快で分かりやすい。ここまで簡素化されたストーリには近頃めったにお目に掛かれない。北欧にも一度足を延ばしたかったな~。

税金は高いけれど、教育費や医療費を考えれば圧倒的に住みやすそうな北欧諸国。成熟していない日本のたどる道はどうなるのだろうか。10年後は見えたとしても100年後はまったく見えない。生活のどの方面が著しく変わるのかを見たい。そういつも願っているが、自覚のない私の未来の分身が、時空を超えてバーチャル風景を送ってくれないだろうか。馬ッ鹿みたい?!

『追憶の森』(The Sea of Trees)

2016年・アメリカ 監督/ガス・ヴァン・サント

出演/マシュー・マコノヒー/渡辺謙/ナオミ・ワッツ/ケイティ・アセルトン

主人公がgoogle検索で「a perfect place to die」と入力すると、一番上に表示されたのは「Aokigahara Forest - The Perfect Place to Die - Oddity Central」だった。日本人には有名な富士山の麓にある青木ヶ原樹海のことだった。有名だけれど、本気になって自殺しに行かなければ、青木ヶ原樹海がどれだけ危険なのかを知る由もない。

2015年カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品されたが、多くの観客からブーイングを浴びたらしい。何故ブーイング?なのかと調べてみたら、単純明快な理由だった。主人公は最愛の妻を亡くし、自殺しようとアメリカから富士山の青木ヶ原樹海にやってきた。そこで森を彷徨っている渡辺謙に出逢うのだが、この森の中の単調で退屈な二人芝居が原因だということが分かった。それは尤もな話だ。実際、観ていて詰まらないのが、この二人の青木ヶ原脱出行なのだ。何故主人公が自殺しにやってきたかをフラッシュバックするが、そちらの方がドラマらしくて、青木ヶ原のシーンになると暗く、闇の中に入ってしまうのだ。

全世界からこの樹海に死にに来る人たちがたくさんいるらしい。2013年には105遺体が発見され、首つり自殺と服毒自殺が大半だと統計を映し出している。どうせ死ぬのなら、美しい富士山の麓で天国に召されたいと思うのもありかなと思う。もともとキリスト教では許されない自殺行為だが、自分の人生ならそんなことを言っている暇はない。幸せなようで仕合わせでなかった主人公の夫婦関係、浮気が原因と言っているが、そんなことで破綻するような結婚生活なら、浮気がなかったとしても別の理由で別れてしまうに違いない、と私が断言する。

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(Sherlock Holmes: A Game of Shadows)

2011年・イギリス/アメリカ 監督/ガイ・リッチー

出演/ロバート・ダウニー・Jr/ジュード・ロウ/ノオミ・ラパス/ジャレッド・ハリス

映画を観て書くこの欄の内容は、映画の中身を説明したり評論したりすることではない。そんなことはネット上に山のように折り重なっているので、そちらを見れば極めて適切な描写に出逢えることと思う。私の書くのは、当該映画を観て、そこから感じる自分の人生と重ね合わせた感慨である。情緒的な自分の人生訓であり、映画とは直接関係のないことも多く含まれる。と何度も書いておかねば。

それにしても途中で寝てしまうと、もういけません。あまりにも予定調和のようなストーリー展開で面白みがない。シャーロックホームズの本来持っているであろう推理能力に驚嘆するようなシーンに出くわさない。この前見たこの映画の前作もそんな感じだった。

ありきたりで、誰がやったって変わりのない所業には興味がない。誰がやっても同じはずなのに、酢飯ではない海鮮丼を平気でメニューにしている名古屋の食堂が不思議で堪らない。実績のないと思われる若造が、これ見よがしに講釈を垂れる言葉を聞いていると腹が立つ。自分の頭の悪さを本気で信じていない人間が多い。まさか、そこまで頭は悪くないよ、と思っているようだが、実は本人が考える以上の頭の悪さを他人が認知している。

『イントルーダー 怒りの翼』 (Flight of the Intruder)

1990年・アメリカ 監督/ジョン・ミリアス

出演/ダニー・グローヴァー/ウィレム・デフォー/ブラッド・ジョンソン/トム・サイズモア

ベトナム戦争中の1972年。ベトナムにあるトンキン湾で展開している空母インディペンデンスでは、艦上攻撃機イントルーダーことA-6がいつものようにベトナムへ飛び立っていた。A-6のパイロットだが和平協定を理由にハノイへ飛べず、何の変哲も無い場所での軍事行動で次々と戦友が亡くなることに辟易していたグラフトン大尉は、新しくインディペンデンスにやってきたコール少佐に現状を訴える。初めこそ時期尚早だと諭していたコールは、軍事作戦中に仲間の死を目の当たりにしたことからグラフトンに共鳴し、彼と共に独断でハノイへ出撃する。(Wikipediaより)

誰のために、何のために爆撃しているのかと疑問しかない主人公。爆撃目標は何もない森だったりすることが多いのに、一方では迎撃されて死亡する仲間がたくさんいる。圧倒的な軍事力が、地べたを這って戦うベトナムに敗れてしまった一端が、この映画でも見ることが出来る。

戦争を知らない世代の先頭を行っている我々世代だが、戦争の影響をかなり受けていたはずに違いない。みんな生まれてきているからの人生なのだろうけれど、生まれてこれなかった人間も相当数いたのだろうし、生まれてきても短い人生で終わってしまった同級生もかなりいたのではないのだろうかと。

『ザ・ウィザード・オブ ライズ』(The Wizard of Lies)

2017年・アメリカ 監督/バリー・レヴィンソン

出演/ロバート・デ・ニーロ/ミシェル・ファイファー/アレッサンドロ・ニヴォラ/ハンク・アザリア

2008年に米国中の投資者たちを揺るがせた悪徳資本家、バーニー・マードフ。史上最大級の巨額詐欺事件の犯人。自身が興した証券会社「バーナード・L・マドフ・インヴェストメント・セキュリティーズLLC」(バーナード・マドフ証券投資会社、Bernard L. Madoff Investment Securities, LLC)の会長兼CEOとして、30年にもわたって人々を騙し続けて巨大な金額の金融詐欺事件を引き起こした人物。すべての訴因で有罪を認め禁固150年の判決をうけた。現在、ノースカロライナ州の刑務所で服役中であるという。

マドフが自ら運営する投資ファンドについて、「(運用によって)10%を上回る高利回り」などと虚偽の内容をうたい、投資家たちから多額の資金を集めたという。また、マドフは集めた資金を金融市場などで運用することをせず、既存の顧客たちへ支払わなければならない配当に自転車操業的に回し、それによって巨額の損失を隠していた。古典的なしかも今の日本でも時々出現する詐欺事件だったようだ。規模が大き過ぎる、被害総額については見解が分かれているが、一説には500億ドル(約5兆円)だという。罪を問われたのはマドフ一人だが、妻や子供2人、その妻の人生をも狂わせてしまったプロセスがドキュメンタリーのように描かれている。胸が苦しい。

HBOフィルム(アメリカ合衆国のケーブルテレビ放送局HBO(Home Box Office))作品がアマゾンプライムの目玉のようになっている。今や劇場用映画ではなくテレビ映画がネット動画の主流になってしまったことを以前書いたことがある。役者だって劇場用映画と遜色のない人たちだ。ちょっと現役を引退したばかりの大物俳優たちも大挙してHBO作品に出演しているような匂いもある。こういう大きな事件を扱った映画には大物俳優が似合っている。映画ジャーナリスト成田陽子さんがSNSでミシェル・ファイファーにインタビューしているページが検索に引っかかった。

『殿、利息でござる!』

2016年(平成28年)・日本 監督/中村義洋

出演/阿部サダヲ/瑛太/妻夫木聡/竹内結子/羽生結弦/松田龍平/草笛光子/山崎努

今日は、2018年4月10日火曜日。この映画の存在をまったく知らなかった。連日の大谷翔平騒動の後遺症で眠気が優先されてしまった。まぁ見直すこともなく話が繋がっていたような気もする。落語を聞いているというより観ているような雰囲気、確か前にも似たような感覚があったことを思い出した。Wikipediaにおもしろい記述があったので以下はすべて引用となる。

原作は18世紀に仙台藩の吉岡宿で宿場町の窮状を救った町人達の記録『国恩記』(栄洲瑞芝著)を元にした歴史小説『穀田屋十三郎』(磯田道史著)である。映画『武士の家計簿』を見た宮城県大和町の元町議・吉田勝吉が、原作者・磯田道史に「この話を本に書いて広めて欲しい」と手紙で託したのをきっかけに「穀田屋十三郎」含めた『無私の日本人』を出版。2014年、東日本放送が開局40周年記念事業の一環で、映画製作を中村義洋に依頼。「無私の日本人」を読んだ京都の読者が東日本放送に勤務している娘に送り、感動した娘が同社勤務の同僚に薦め、同僚が元同僚に薦めた。その元同僚が中村義洋の妻で「無私の日本人」を中村に見せた。「無私の日本人」に感動した中村が東日本放送に映像化を掛け合うが、最初時代劇に難色を示す。映画化した決め手は、東日本放送社長が「無私の日本人」に感動して映像化を許可したことだった。磯田はこの流れを「感動のドミノ」と称した。

この作品は東日本大震災から5年目を意識した地方再生もテーマにしている。クランクインは2015年7月6日、宮城県と山形県を中心に8月末まで撮影された。伊達重村役を演じた、仙台出身のフィギュアスケート選手羽生結弦の特別出演は、中村が「役者陣を圧倒するのはもはや役者ではない」と言い出したのがきっかけ。羽生は故郷の仙台に実在した人物の感動秘話に出演を快諾。撮影当日まで羽生の特別出演は極秘扱い、リハーサルで現れた羽生の姿に役者陣は歓声をあげた。

『ワーテルロー』(Waterloo)

1970年・イタリア/ソ連 監督/セルゲーイ・ボンダルチューク

出演/ロッド・スタイガー/クリストファー・プラマー/ジャック・ホーキンス/オーソン・ウェルズ

大谷翔平騒動で朝早くから大リーグを見ていると、映画が二の次になっている。しかもこの映画は往年のイタリア・プロデューサーが作ったものなので、当時のつくりかたが踏襲されていて、今どきではちょっとかったるいストーリー展開に見える。戦争映画も時代により描き方が大きく違うことが分かる。

垂れ流し的に観ているが、なかなか終わりそうにない。ナポレオン・ボナパルトのかの有名なワーテルローの戦いに至る戦争映画である。ナポレオンがどのようにして皇帝にまで成り上がったのかを描いてくれればよかったのだが、昔の戦争・戦闘シーンに重きをおかれてもさほどの興味が湧いてこない。

日本なら戦国時代のおもしろさに匹敵するのだろうが、歴史を後の世界から見つめなおすことは、人間の歓びなのかもしれない。目の前のことには誰も打つ手が見つからないのが現実。一歩、いや半歩先に精神を集中させられれば、人の上に立つような解決策が見えてくるような気がする。でも誰もそんな人は登場しないところを見れば、おおむね人々は凡庸なるものなのだということも分かるような気がする。

『ミルドレッド・ピアース』(Mildred Pierce)

1945年・アメリカ 監督/マイケル・カーティス

出演/ジョーン・クロフォード/ジャック・カーソン/ザカリー・スコット/イヴ・アーデン/アン・ブライス

ミルドレッド・ピアースは主人公の名前、いきなり主人公の夫が拳銃で殺害されるシーンからこの映画は始まった。まだ戦争中なのにアメリカはこんな映画を作っている。日本では長らく劇場未公開であったが、『深夜の銃声・偽りの結婚』や『ミルドレッド・ピアース 深夜の銃声』といったタイトルでテレビ放映されたこともあるという。日本では2013年にDVDが発売になった。ジョーン・クロフォードの名前を知らなかったが、彼女はこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞している。

この時代のアメリカでは離婚もそう多くはなかったような感じだった。他人に離婚を知られたくないというようなセリフが喋られる。また、離婚手続きにも時間がだいぶかかるようだった。今や離婚大国のアメリカ、社会の変化は100年というキリのいいスパンでも大きく変化することが分かる。

自分はお金持ちでも裕福な出でもない主人公、子供には何不自由なく物を与えてしまう。2人の娘のうちの小さな子供を亡くしてしまってからも、もともと贅沢に育ててきた長女の我儘ぶりが酷くなっていった。その代償のように自分の成功が何の意味も持たなくなるほどの人生の困難に出くわすことになる。物を与えるだけが仕合わせを呼ぶ行動ではないよ、と宗教的な教えをストーリーが語っているような。

『フューリー』(Fury)

2014年・アメリカ/イギリス 監督/デヴィッド・エアー

出演/ブラッド・ピット/シャイア・ラブーフ/ローガン・ラーマン/マイケル・ペーニャ/ジョン・バーンサル

1945年4月ドイツ戦線、誰もが戦争の終わることを予想し、想定していた時期だが、連合軍は最前線でドイツに優位だったわけではない。最後の抵抗を無鉄砲に仕掛けられ、ドン・「ウォーダディー」・コリアー軍曹が車長を務めるM4A3E8 シャーマン戦車「フューリー」号は孤軍奮闘壮絶な戦争をしている。

砲手、装填手、操縦手はいずれもつわものだ。副操縦手は戦闘で死亡し、補充として送り込まれてきたのは、戦車を見たことも入ったこともない新兵だった。映画らしくストーリーは進んでいくが、今までに見たことのないような実践戦争シーンだ。だから戦争はダメなんだ、なんていう言葉はまったく似合わない表現。狂気の沙汰の世界が繰り広げられる。人道だ慈悲だなんていう言葉はクソくらえ、殺るか殺られるかの世界だった。実話に基づいているという。

1945年4月30日にナチス・ドイツ総統アドルフ・ヒトラーは総統地下壕で自殺した。海軍総司令官カール・デーニッツ元帥が大統領に指名され、新たな政府を組織した。5月7日0時15分、ヨードルの連絡を受けたデーニッツはドイツ軍全軍の降伏を決意した。中央ヨーロッパ時間午前1時41分(英国夏時間午前2時41分)、無条件降伏文書に調印。無駄な戦いだったように見えるこの映画の戦闘、だがこのような無駄の積み重ねが終戦をもたらしたのだろう。

『ダーク・プレイス』(Dark Places)

2015年・イギリス/フランス/アメリカ 監督/ジル・パケ=ブランネール

出演/シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/クリスティーナ・ヘンドリックス/クロエ・グレース・モレッツ

フラッシュバックが頻繁に使われ、せっかく盛り上がった気持ちがそのたびに元に戻ってしまうことを繰り返していた。28年前主人公は8才、母親と妹二人が殺害されたカンサスシティー一家殺害事件の当事者だった。逮捕されたのはまだ高校生だった兄だった。裁判で有罪になり、兄はまだ刑務所暮らしという状況。真犯人がいるのではないかと、犯罪オタク族が主人公に問いかけたことから、事件が再び動くこととなった。

こんなトラウマを抱えて人生をおくる自信がない。「普通であること」を希望して過去の事件に向かう主人公の苛立ちが、手に取るように伝わってくる。気持ちのいい映画ではないが、人間の心のうちを凄くうまく表現している。原作があるようなので、その活字を読めばさらに一人一人の心が見えるような気もする。

何を好んで事件にぶつからなければいけないのか分からない。神の思し召しは、今のことではなく累々と受け継がれる血の証かもしれない。それは過去を見るだけではなく、これからの将来にもかかわる重大な遺産である。心して人生をおくらなければ、神の思し召しを素直に受けられないのだ。

『ナイトクローラー』(Nightcrawler)

2014年・アメリカ 監督/ダン・ギルロイ

出演/ジェイク・ジレンホール/レネ・ルッソ/リズ・アーメッド/ビル・パクストン

追っかけなんて生易しい世界ではなかった。事件が起こると、車につけて常時監視している警察無線受信機から情報が瞬時に入ってくる。いち早く駆け付けた先にはまだパトカーさえ到着していない。そんな生々しい現場をビデオカメラに収めてテレビ局に垂れ込む。というよりより高い値段を付けたテレビ局に売るのだ。

Wikipediaでは、事故、犯罪や火事をフリーランサーのジャーナリストとして撮影する社会病質者と断定しているのも驚く。まぁ、殺人があった現場でも警察に通報する前にビデオ撮影を優先してしまうのだから、そう決めつけられても文句は言えない。取材手法はどんどんエスカレートしていくのは明らか、個人住宅の盗聴シーンはなかったけれど、犯罪すれすれの行動がなければ他人を出し抜くことは出来ない。

おもしろかったのは、テレビ局にはそんな際どい映像を流すことの法的根拠を即断するスタッフがいたことだ。その判断に基づいて、オン・エアーすることを決断する番組プロデューサー、このあたりはテレビ局のダイナミックさだろう。日本のテレビ局ではとてもじゃないけど、そんな切羽詰まった状況は考えられない。何事にも無難に収めることしか頭にない日本のテレビ局、明らかに犯罪を犯している映像の犯人の顔にモザイクをかけることは、どこにプライバシーの侵害があるのか素人には理解できない。

『隣人は静かに笑う』(Arlington Road)

1999年・アメリカ 監督/マーク・ペリントン

出演/ジェフ・ブリッジス/ティム・ロビンス/ジョーン・キューザック/ホープ・デイヴィス

大学でテロリズムの歴史を教えているマイケルは、ある日、路上で大ケガを負ったブレディという少年を助ける。ブレディは隣に越してきた設計技師を名乗るオリヴァーと妻のシェリルのラング家の息子だった。これが縁で、ファラデイ家とラング家の交流が始まる。マイケルの息子グラントはブレディと親友になり、さらにマイケルの恋人である大学院生ブルックも交え、交流は深まっていく。だがやがて、マイケルはオリヴァーが何か隠し事をしていると疑うようになる。彼の過去を調べたマイケルは、オリヴァーの恐るべき素性を知る。(Wikipediaより)

中途半端なおもしろさだな~、と思って調べていたら、なんとヘラルド配給作品だった。なかなか本物のおもしろい映画を買えないのは私が辞めてからでも変わりがないようだ。昔はお金で作品を買うよりも、その前に人間関係で映画を購入できる環境を構築する方が難しかった。さらにその前には、アメリカン・メジャー作品を日本の独立会社が手に入れることすらシステムとして登場していなかった。

だから、ヨーロッパ映画が独立会社の主流作品になっていた。フランス映画、イタリア映画はヘラルドや東和の買う映画のほとんどだった、時代が変わり始め、生活様式もアメリカ化された日本では、イタリアやフランスのかったるい生活を映す映画が流行らなくなって行った。なんでもアメリカ物が持て囃され、マクドナルドで昼食を済まそうとする人たちが現れて、日本の食生活も大きく変わっていったのだ。

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(The Mummy)

2017年・アメリカ 監督/アレックス・カーツマン

出演/トム・クルーズ/アナベル・ウォーリス/ソフィア・ブテラ/ジェイク・ジョンソン

この映画は1932年に公開された映画『ミイラ再生』をリブートした作品であり、ダーク・ユニバースの第1作目となる作品でもあるらしい。ダーク・ユニバースって? 2014年7月、ユニバーサルは過去に製作したホラー映画をリブートしたフランチャイズ作品を制作することを発表し、シリーズ第1作としてこの映画を発表したということだ。

トム・クルーズは稼ぎまくっている。この映画の後にも既に3本が完成している。「インディジョーンズ」のような色調が全体を覆う。古代エジプトのアマネット王女は生きミイラ化されていたが、現代のロンドンに蘇る。奇想天外なSFアドベンチャーとでもいうのだろうか。子供だまし嫌いな私には、ちょっと追いていけない展開になっていった。

漫画チックなストーリーとアクションは現代映画の潮流。うまくはまればやんややんやの喝さいを受けるが、どこかでボタンの掛け違いが見つかると、そっぽを向かれる。際どい勝負は映画興行の宿命だ。中途半端でしかもおもしろくない日本映画の現状は悲惨だ。本数だけ多く製作されているのすら不思議だ。


2019年(令和元年6月28日再び観たので記す。

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(The Mummy)

2017年・アメリカ 監督/アレックス・カーツマン

出演/トム・クルーズ/アナベル・ウォーリス/ソフィア・ブテラ/ジェイク・ジョンソン/ラッセル・クロウ

1932年に公開された映画『ミイラ再生』をリブートした作品であり、ダーク・ユニバースの第1作目となる作品でもあるという。このあたりの話がおもしろかったので以下Wikipediaより大部分を引用した。2014年7月、ユニバーサルは過去に製作したホラー映画をリブートしたシェアード・ユニバース作品を制作することを発表し、シリーズ第1作として『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が2016年6月24日に公開されることも発表された。アメリカでの実際の公開は、2017年6月9日だった。

2017年、ユニバーサルは公開が延期されていた『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が公開される直前に、シリーズの名称が「ダーク・ユニバース」であることを正式に発表し、同時に『透明人間』『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタインの花嫁』『大アマゾンの半魚人』をリブートすることを発表した。また、『オペラの怪人』『ノートルダムのせむし男』をリブートすることが発表された。

しかし、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』は興行成績が振るわず批評家からも酷評され、ダーク・ユニバースの専用オフィスは活動停止状態となっているらしい。そうなんだよね、映画は当たらなかったら、途端に予定は未定にして決定にあらず、という状態になって行くのだ。今後の方針として、シリーズとしての繋がりのない独立したリブート作品を製作していくことが有力視されているという。

『だれかの木琴』

2016年(平成28年)・日本 監督/東陽一

出演/常盤貴子/池松壮亮/佐津川愛美/勝村政信/木村美言/小市慢太郎

「きごと」ってなんのこと? 何? きごとって・・・? 漢字をそのまま検索窓に入れてボタンを押したら、写真ともっきんという文字が見えて ハッ!となった。そうか! なんで「もっきん」と読めなかったのだろう、とそのことが気になって仕方がなかった。これも認知症の一種なのかもしれない。認知症の始まりはもう自覚しているので、一歩進んだ症状なのかもしれないな~。

映画化されるきっかけは、監督・東陽一が本屋でいろいろな小説の題名を眺めていたとき、この本だけは題名を見ても内容がわからなかったと購入し読んでみたところ、様々な解釈が持てる余白のある内容に惹かれ、映画化が実現したのだという。普通の主婦がストーカーのような振る舞いをして、家庭を壊していく姿が上手く描かれている。

ストーカーまがいになってしまった主婦の行動が良く理解できた。何事にも一途に向き合っていると、相手には何でもないことがこちらにとっては是非とも反応しなければいけないことだと、このギャップが思わぬ誤解を生むことになるのだろう。気になって仕方がない、そのことを行動に起こしてしまうと、それはストーカーだよ! ということになるのかもしれない。ただ気になるから、何かをしてしまうだけなのに。こういう心のうちを描写できる作家が凄いと思った。原作者は井上荒野。

『カイト KITE』(Kite)

2014年・アメリカ 監督/ラルフ・ジマン

出演/インディア・アイズリー/サミュエル・L・ジャクソン/カラン・マッコーリフ/カール・ボークス

今日は2018年(平成30年)3月30日金曜日。よもや大谷翔平のメジャーリーグ・デビューを見られるとは想定していなかった。朝5時台でも、ちょっと昔なら起きだしてリアルタイムで見ることを由としていた。だがもういけません、そんな元気があるわけではないので、しっかり録画を忘れずにセットした。目が覚めたらその時間によってすぐに見るかどうかを考えればいいかな~、と。

7時過ぎに目覚めて、そのことを覚えていたので、ほかのメディアにはまず触れないように注意しながら録画を見始まった。結果は、まぁ~こんなものでいいんじゃないの。第一打席にいきなりヒットを打って、そのあとは凡打。これくらいのデビュー戦は理想的かもしれない。オープン戦の結果があまりにも良くなかったので、この1戦で目立ち過ぎるのもあとあと苦労すること必至だから。

ということがあって、この映画を観るころには疲れが出ていたのだろう。見事に長時間の眠りに陥って、観てない時間の方が長かったに違いない。日本のアニメが原作だみたいなことが書いてあったが、そんなことにはまったく興味がない。なにが原作だろうが、誰が監督だろうが、役者は誰だろうが関係ない。映画はおもしろければいいのだ。この映画がおもしろくないのは、すぐに分かってしまったが。

『バラバ』(Barabbas)

1961年・イタリア 監督/リチャード・フライシャー

出演/アンソニー・クイン/シルヴァーナ・マンガーノ/アーサー・ケネディ/ジャック・パランス

原作は小説だが、バラバという主人公人物は新約聖書の福音書に登場するユダヤ人の囚人。イエスの代わりに恩赦を受け、釈放された。マルコによる福音書によれば、過越し祭のたびの慣例となっていた罪人の恩赦にあたって、総督ピラトはイエスの放免を期して、バラバかイエスかの選択を民衆に迫った。しかし祭司長たちにそそのかされた群集はバラバの赦免とイエスの処刑を要求。ピラトは不本意ながらこれに従ったため、バラバは釈放された。

バラバは、イエス・キリストが磔刑にされるところを見ている。その後バラバはシチリアの硫黄鉱で強制労働させられたり、剣闘士養成所からグラディエーターになったりしながら何とか生き延びるのであるが、まだ異教として迫害を受けていたキリスト教が心の中から離れなくなってきたのだった。

キリスト教が生まれる周りの風景を見ているような気持になってきた。新興宗教はすべて邪教だ。せめて100年、200年、400年続けば一つの宗教として認識されるだろう。キリスト教が入ってきていながらメジャーにならない日本の国の宗教観が分からない。自分自身がそうなので、いったいどういう人生観なのだろうと訝るしかない。

『四月は君の嘘』

2016年(平成28年)・日本 監督/新城毅彦

出演/広瀬すず/山﨑賢人/石井杏奈/中川大志/甲本雅裕/本田博太郎/板谷由夏/檀れい

マンガが原作なのだろうなぁと思いながら観ていた。まったくその通りだったが、結構面白く観た。バイオリンを弾く主人公の女子高校生と、ピアノを弾く男子高校生、嘘っぽく見えてしまうパフォーマンスがそんなに違和感なく見えていたのがいいのかもしれない。

「定番」の不治の病の悲恋ものになってしまうが、それまでの展開はやけに明るく、結構スカッとするストーリーで気に入った。ピアノが弾けたらいいな~、と今でも思い続けている。あの時代の田舎町では男の子がピアノをやっているなんていう子供はいたのだろうか。考えもしなかったが、ひとりや二人いたかもしれない。

ピアノが弾きたい。弾けるようになりたい。ギターをボロン、ボロンと鳴らして演歌を歌っているだけでは満足がいかない。すごい欲求がある。来世の私は、きっと音楽の才能溢れた人間になっていることだろう。と、願わずにはいられない。

『桜並木の満開の下に』

2012年(平成24年)・日本 監督/舩橋淳

出演/臼田あさ美/三浦貴大/高橋洋/松本まりか/三浦力/小澤雄志/林田麻里/石垣光代/柳憂怜/諏訪太朗

東日本大震災の爪痕が残る茨城県日立市で、夫の研次(高橋洋)と暮らす栞は、製鉄工場に勤めている。ある日、工場で事故が起こり、研次が命を落とす。事故の原因となった同僚の工(たくみ)は、栞に謝罪しようとする。栞は頑なに工を拒絶するが、やがて工と恋に落ちる。(Wikipediaより)

こんな解説を読んでしまっていたら、まったく観る気にはなれなかったろう。久しぶりに日本映画の暗さを観た。しかも話が進まない。こういう映画もあることは承知しているが、それにしても遅い。本作に5つ星満点の3.5点をつけた『The Japan Times』のマーク・シリングは「成瀬巳喜男監督『乱れ雲』を想起させる」と指摘した、という記事もあった。

最後まで観続けられれば、悪くないという感想も出るだろう。製作にオフィス北野の名前が入っていて、ちょっと興味をそそられる。こういう映画を映画館でヒットさせるのは至難の業。今や風前の灯火となってしまったらしい「ミニ・シアター」系映画としてはぴったんこだ。暗いけれど、後味は悪くない。まっすぐな男と一線を越えない女がいい。

『エージェント・マロリー』(Haywire)

2012年・アメリカ 監督/スティーブン・ソダーバーグ

出演/ジーナ・カラーノ/ユアン・マクレガー/ビル・パクストン/チャニング・テイタム

原題の「Haywire」の意味は、「干し草を束ねる針金」から俗語で「混乱」だという。なるほどそれで分かった、映画はスタートから人間関係がまったく理解できずにアクションや殺人が横行していたのだ。観客が混乱することを想定した題名だったのか、それとも、登場人物間の関係が混乱しているということなのか。まぁ、どちらにせよ映画の後半まで訳が分からず見る羽目になる。

この映画の監督スティーブン・ソダーバーグは、1989年、初めての長編映画『セックスと嘘とビデオテープ』でサンダンス映画祭観客賞を獲得した。当時ちょうどこの映画祭に行っていたヘラルドの若社長が、この映画を買ってきて、日本ヘラルド映画配給作品になった。そんなことを知っているのはヘラルド社員だけ。

あまり美しくない主人公の女性はアクションにはめっぽうたけている。プロの用心棒男相手に活劇のオンパレード、政府関係の隠密指令が民間に委託されている。でもそこに裏切りがあると、誰が正しくて誰が悪いのかの境目が見えなくなってくる。権力と権威の争いとでも言えるだろうか。

『北の桜守』

2018年(平成30年)・日本 監督/滝田洋二郎

出演/吉永小百合/堺雅人/篠原涼子/岸部一徳/高島礼子/永島敏行/中村雅俊/阿部寛/佐藤浩市

『北の零年』(2005年公開)、『北のカナリアたち』(2012年)に続く「北の3部作」の最終章。監督は滝田洋二郎。主演は吉永小百合で、本作が120本目の映画出演作となる。という宣伝文句が心に刺さることはない。40年前も同じような謳い文句で映画界は生きてきた。

2018年3月10日(土)に公開してからちょうど14日目の3月23日(金)に観た。特別鑑賞券(1100円)をもらったので久しぶりに映画館で映画を観ようという気になった。2、3年前だったかなぁ前回の映画館は? と、思っていたらなんと約4年前だったことが判明して愕然。ちなみに前回のその映画は『ゼロ・グラビティ』、3Dアイマックス映画だった。

「TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ」という映画館に行った。イオンの別館のように建っている。名古屋あおなみ線の駅すぐだが、何年前のオープン知らないがもう場末の映画館の様相だった。受付は12スクリーンもあるのに1人だった。2階のフードコーナーは開いていない、ロビーにあるトイレは2個で1個は故障中だった。映画が始まった直後に1人遅れて入ってきたが、これでようやく11人。毎日チェックしていた上映時間が見るたびに変わっていた理由がこれだ。2週間目にしてキャパは97人のスクリーン、下から2番目の小さなスクリーンだった。最大数クリーンは488人、あの渋谷パンテオンの1200人客席は今から考えると奇跡のようだ。テレビの2時間ドラマを見たことがないくせに、まるでテレビ・ドラマのような内容と役者人だなぁ、と最初からヤケクソ気味。どうにも我慢がならず、1時間くらいで出てきてしまった。日頃席を外して観続けることをしなくなったつけが回ってきたようだ。

『L.A. ギャング ストーリー』(Gangster Squad)

2013年・アメリカ 監督/ルーベン・フライシャー

出演/ジョシュ・ブローリン/ライアン・ゴズリング/ニック・ノルティ/エマ・ストーン/ショーン・ペン

4時間ものかな~、と思いながら観ていた。アマゾンのテレビ映画を一つにまとめた映画のように見えた。「長い、長い」と感じたのはどういうことだろう。話が進まない、停滞映画にはいつもそれを感じるが、この映画は話は進むし結構面白いと思いながらだったが、珍しい感触だった。

最初の予告編は2012年5月9日に公開された。しかし、ワーナー・ブラザースは2012年7月20日にコロラド州オーロラで起きた銃乱射事件を受け、グローマンズ・チャイニーズ・シアターで男たちが観客に向かって短機関銃を乱射するシーンが含まれていたこの予告編の映画館での上映およびインターネットへの掲載を中止した。そして数日後、同社は映画の再撮影を行うため、2012年9月7日とされていた北米における公開日を2013年1月11日へと延期した。当初2012年12月21日とされていた日本での公開も、2013年5月3日に延期された。(Wikipediaより)

正義に命を懸けるというストーリーは大好きだ。命の方が正義より大切だなんて思っているのは凡人。どうせ100年もない自分の命を後々の社会のために使えれば、これこそ天国からの贈り物だ。自分という感覚以外の意識を実際に持つことは不可能。他人が何億人いようとも、他人の気持ちを推し量れない。それでも一所懸命生きているのにはどんな意味があるのだろうか。


2021年7月再び観たので記す

『L.A. ギャング ストーリー』(Gangster Squad)

2013年・アメリカ 監督/ルーベン・フライシャー

出演/ジョシュ・ブローリン/ライアン・ゴズリング/ニック・ノルティ/エマ・ストーン/ショーン・ペン

合法的な警察権力では解決できないのが人間社会。非合法でも構わない暴力行為が気持ちいい。

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(Manchester by the Sea)

2016年・アメリカ 監督/ケネス・ロナーガン

出演/ケイシー・アフレック/ミシェル・ウィリアムズ/カイル・チャンドラー/ルーカス・ヘッジズ

いきなり AMAZON の会社名が出てきて不思議に思ったが、2016年1月23日、第32回サンダンス映画祭で本作は初めて上映され、アマゾン・スタジオズはその会場で本作の配給権を1000万ドルで購入した、ということだった。マット・デイモンが製作にかかわっていた。2時間17分と結構長い。起伏が激しいストーリーではないが、おとなしくてもおもしろい。

ニューハンプシャー州マンチェスターという40万人以上の人口のある大きな都市もあるという。マンチェスターという地名はもともとイギリスにあるのは有名だが、アメリカにはイギリスばかりではなくメキシコなどの地名が都市名や通り名となっていることが多い。この映画のマンチェスターは、マサチューセッツ州エセックス郡ケープアンに位置する町で、1629年に初めてヨーロッパ人により入植され、町の経済は1845年、ボストンの詩人リチャード・ヘンリー・デイナ・シニアが別荘を構えたのを機にボストン周辺の避暑地となることに軸を移したという。

主人公リー・チャンドラーは短気な性格で血の気が多く一匹狼で、ボストンの住宅街で便利屋として生計を立てていた。ある冬の日、リーは兄のジョーが心臓発作で亡くなったとの電話を受けた。故郷の町「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に帰ったリーは、自分が16歳になるジョーの息子の後見人に選出されたことを知らされる。兄を失った悲しみや自分に甥が養育できるだろうかという不安に向き合うリーだったが、彼はそれ以上に暗い過去、重い問題を抱えていた。(Wikipediaより) 結構胸に迫る物語。

『フローズン・グラウンド』(The Frozen Ground)

2013年・アメリカ 監督/スコット・ウォーカー

出演/ニコラス・ケイジ/ジョン・キューザック/ヴァネッサ・ハジェンズ/ディーン・ノリス

事実に基づいたストーリーとは言え、レイプ+猟奇殺人事件を描く映画を観るのは結構辛い。出来れば、こういう事実があったとしても、映画にはして欲しくない、と心から願っている。一方で、こういう事実を映画として残すことが絶対必要なのだと思う。

主人公はアラスカの刑事。映画に登場する土地はロサンゼルスやニューヨークが多く、あるいは日本人には馴染みのないがアメリカ人なら片田舎だと知っているような田舎町の場合もある。アラスカでの警察ものは珍しいが、これが作り事ではなく、事実に基づいているからという証拠でもありそうだ。

何食わぬ顔をして家庭を持ちながら、妻の全く知らないところで日常的に女を買い、挙句の果てにレイプ、殺人まで犯すような人間がいることが恐ろしい。毎日のように盗撮だ下着泥棒だ幼児ポルノだなどとニュースになってキモイ日本だと思っていたが、こういう度を越した猟奇犯罪を見ると日本なんてほんの幼稚園のようなものだと思えてきてしまう。

『アリスのままで』(Still Alice)

2014年・アメリカ 監督/リチャード・グラツァー/ワッシュ・ウェストモアランド

出演/ジュリアン・ムーア/アレック・ボールドウィン/クリステン・スチュワート/ケイト・ボスワース

『ピンピンころり』が合言葉のなっている日本の老人は、この映画の主人公アリスのような姿を決して見たくないに違いない。アリスは50才、バリバリの現役コロンビア大学言語学科教授(ニューヨーク)だ。そんな彼女に突然若年性アルツハイマーが襲う。

夫は医者、3人の子供の末っ子の娘は反抗期が長引いて、演劇の勉強で一人でロスに住んでいるが、全体的には絵にかいたような幸せな家族に見える。長女の不妊活動から妊娠、そして出産と時の流れを知らせてくれるが、それ以上にアリスのアルツハイマー病の進行が速く見える。言語学者が言葉が見つからないという皮肉を込めたストーリー。自分が自分ではなくなっていく恐ろしさが描かれている。監督が二人になっているが、監督のリチャード・グラツァーは企画があがった当時、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を悪化させており、ワッシュ・ウェストモアランドのサポートを得て完成させたという。主演のジュリアン・ムーアが第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した。

自分の人生を自分で看取ることは出来ない。これも人間の皮肉だが、先達は全員同じように人生を全うしている。それだけが唯一の拠り所、仕方がないから、誰かが見つけてくれるまで生きていくしかないかぁ。

『モンスター上司』(Horrible Bosses)

2011年・アメリカ 監督/セス・ゴードン

出演/ジェイソン・ベイトマン/ケヴィン・スペイシー/ジェニファー・アニストン/コリン・ファレル

今日は2018年3月17日(土曜日)。パワハラ上司、セクハラ上司、バカハラ上司。上司に恵まれないすべての人々に贈る痛快復讐コメディ! と、観る前のアマゾンプライム映画での解説が書いてあった。ちょっと引いたが、まぁ体調の良くないときにはこんな映画がちょうどいいかな、と思いながら観始まった。

Wikipediaにはブラックコメディとの記載があったが、とてもじゃないけどブラックというのは恥ずかしい。明らかにドタバタコメディだ。だから観ているのに!&%$ ここまで馬鹿げていると、気持ちがいい。日本のドタバタは騒がしいのが特徴だが、アメリカのドタバタは言葉遊びが多い。

コメディ映画ならこれくらいのハラスメントは適当なのかもしれない。女性の歯科医がアシスタントにするセクハラは、日本では到底考えられないような振る舞いだが、アメリカだとこんなことまであり得るのかと、ちょっと驚いてしまう。普通の事務系会社の上司だって・・・・。

『ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)』(I Don't Know How She Does It)

2011年・アメリカ 監督/ダグラス・マクグラス

出演/サラ・ジェシカ・パーカー/ピアース・ブロスナン/グレッグ・キニア/クリスティーナ・ヘンドリックス

原作本があってその日本語タイトルが『ケイト・レディは負け犬じゃない』というところからこの映画邦題が付いたようだ。アマゾンプライムで観る映画は、劇場用映画は二の次でとりあえず本数を揃えようという意図が見え見えで、多くの作品は劇場未公開というケースが圧倒的。これで映画見放題というお題目を唱えているところが寂しい。

日本での映画館未公開作品は、少なくとも日本の興行会社(映画館側)が劇場公開するのには力がなさ過ぎると判断して配給会社に通告するわけだ。通告された配給会社は、そのままお蔵にするか、せめてビデオ(今やDVDやブルーレイ)作品として世に出すことを画策する。以前なら大作のおまけとしてテレビ局に放映権を売ったりしたが、テレビ局もそんな余裕はなくなって、となって、今回観たアマゾンプライムのようなネット上のフリー・ムービーたる位置に落ち着いてしまうのだ。

そんな映画がすごく面白いわけもなく、ただ垂れ流し的に観る映画にしかならないのは自明の理。まぁ、少し笑えればいいのだろうけれど、深刻なファミリー問題を惹起させるようなストーリーは不愉快なものだ。ピアース・ブロスナンの高級サラリーマン姿も似つかわしくない。焼き付いている役柄のイメージは俳優生命にかかわるような気がする。

『天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~』

2018年(平成30年)・日本 監督/落合正幸

出演/天海祐希/佐々木蔵之介/生瀬勝久/立川談春/笹野高史/寺田農/渡辺哲/内場勝則/萬田久子/泉ピン子

読売テレビ開局60周年スペシャルドラマ。大阪生まれの天才数学者、岡潔(おか きよし)という名前を聞いたことがあるような、ないような。まぁ、そんなに何度も触れた訳ではないことは確かだ。天才であるが故の挙動不審さがおもしろい。実際にあんな天才がすぐそばにいたら、友達になることは出来ないだろうと思う。

日本のテレビドラマをこの欄に書くのは1年に1作品くらいだろうか。劇場映画でもテレビドラマでも、とにかくおもしろければいい。この作品はおもしろいが、ストーリーがちょっと平坦かなぁ。物語を映像化するという大胆な試みを思いっきり実践しないと、誰から見ても不満足な作品になってしまう。もっと思い切った演出が求められる。

なんて、いっぱしのことを言える程のものを持っていないのが実態だが。1960年、岡潔は文化勲章受章を受賞することになるのだが、生きているうちにその才能が評価されるという社会はいいな。死んでからだってすぐに忘れ去られる自分の身に置き換えてみても、意味のないことだと大いに分かっているつもりだが・・・。

『ザ・ガンマン』(The Gunman)

2015年・アメリカス/イギリス/スペイン/フラン 監督/ピエール・モレル

出演/ショーン・ペン/ハビエル・バルデム/イドリス・エルバ/マーク・ライランス/ジャスミン・トリンカ

西部劇みたいな題名だが、Wikipediaにはスリラー映画と書かれている。主人公は元特殊部隊兵士、退役後は大企業に雇われ、表向きではコンゴ民主共和国で治安維持部隊として活動しつつも、裏仕事で暗殺をも請け負う稼業をしていた。時は2006年、コンゴの要人を暗殺してから8年後、今度は主人公を含む暗殺団のメンバーが命を狙われ始めた。ジャン=パトリック・マンシェットが1981年に発表した小説『眠りなき狙撃者』が原作。事実に基づく物語のような雰囲気があったが、さすがに内容が内容では、そんなことはありそうにもない。

ショーン・ペンの顔が嫌いで、彼の名前を見つけると、鑑賞しないようにしていた。それでも何本かは観ているが、この映画を観る限りはその嫌いだという顔立ちの特徴をそれほど気にしないようになっていた。顔の好き好きという面では、男と女の組み合わせでは摩訶不思議なペアを結構見ることがある。あれでいいのだろう。蓼食う虫も好き好きという諺がいつの時代にも生きている。

アフリカのコンゴという国名を聞くと、アフリカの中でもかなり早く発展しているような気がしていたが、実際は違うのだろうか。一応2006年の話ということになっているが、それなり以上に砂ぼこりの多い国に見えていた。都市部とローカルとの差が激しいのかもしれない。アフリカの地に行くことはなかった。行きたいとも思わなかった。一度アフリカを体験すると、病みつきになったり、人生の見方が変わると昔は言われたが、もう今やウォシュレットのない国への旅行は考えられなくなった。

『ちはやふる 上の句』

2016年(平成28年)・日本 監督/小泉徳宏

出演/広瀬すず/野村周平/真剣佑/上白石萌音/矢本悠馬/森永悠希/清水尋也/松岡茉優/松田美由紀/國村隼

競技かるたに打ち込む高校生たちの青春を描き、コミックス既刊29巻で累計発行部数1400万部を突破する末次由紀による大人気コミック「ちはやふる」が原作。最近「まんが」を見ていない、読んでいない。毎週タブレットで読む週刊誌に掲載されている16コマ漫画を見るのが精いっぱい。週刊誌にもそれなりの数の漫画があるが、絵柄がどうも見難いものが多く、自分だけがそう思っているのだろうかと疑問を持っている。

この映画はちょっと興味があって、早く観たいと思っていた。競技かるたが題材だということが一番の的。広瀬すずも映画で見たことがない割にはテレビで見かけることが多かったことも理由のその一つ。冒頭からおもしろく無さが伝わってきて意外だった。監督が下手なのだろうと第一感。広瀬すずもイマイチの演技力で少し落胆。

アメリカのアカデミー賞を獲る役者の中で、演技メソッドを学んだ役者の獲得率が多いという分析があった。日本の芸能界、役者のように、多くがモデル上がり、街でのスカウト上がりでは、間違いなく役者としての勉強が必須になってくる。基礎的な演技力を身につけた人が演じないで映画は成立しない。薄っぺらなテレビドラマで、キャーキャー言っているだけで人気が出るのとは訳が違う。死ぬまで役者をやろうという気力さえあれば、何歳になっても演技者は務まる。そのためにも、最低限の学習をして欲しい広瀬すずちゃん。

『ちはやふる 下の句』

2016年(平成28年)・日本 監督/小泉徳宏

出演/広瀬すず/野村周平/真剣佑/上白石萌音/矢本悠馬/森永悠希/清水尋也/松岡茉優/松田美由紀/國村隼

前作上の句が予想外におもしろくなかったので、垂れ流し的に観ようと思いながらのスタートとなった。ストーリーが新展開になったからなのか、映像のテーストが違って見えて、監督が交代したのかと調べたくなるほどだった。

1995年に653万部という漫画雑誌の最高発行部数を記録した『少年ジャンプ』のキーワードは、『友情』『努力』『勝利』が有名だが、これらのキーワードはしばらくは青春映画にとって必要不可欠なものになっているように感じる。1960年代に製作されたラグビー映画『青春とはなんだ』のような直接的な問いかけ方の青春群像を、今風にするとこうなるのだろう。スポーツものから文化ものへの移行は、単に「飽き」を嫌った手法でしかないだろう。

「一番心あたたまる言葉」「一番大切に思う言葉」「一番嬉しい言葉」から生まれた青春キーワードは、ひとつの教育にも通じる。日本的な学校教育がどのようになされようと、心のうちを成長させる社会的要素は、こうやって漫画や映画などから取り入れられているだろうことは、容易に想像できる。そういう意味では漫画作者、雑誌編集者には社会的に大きな責任があると言える。

『コードネーム:ウルヴァリン』(CODE NAME WOLVERINE)

1998年・アメリカ 監督/

出演/Antonio Sabato Jr./Traci Lind/Danny Quinn

「X-MEN」のキャラクターであるウルヴァリンの情報ばかりで、このテレビ映画の情報はアマゾン・プライムにしかなかった。監督の名前が空白なのはこの「最近観た映画」欄2275本の中で初めてのことだ。1編あたり13分くらいで繋いでいく典型的なテレビ映画のようだった。

主人公は元海兵隊の秘密部隊で勲章も受けている。妻や子供が危険な状況になったとき、主人公は警察やCIAの言うことも聞かず、一人で救出に向かうという活動アクション映画だ。映画ほどの予算があれば、もっとねちっこくアクション・シーンもさらに派手になるのだろうが。

口ばかりで「愛してる」を連呼するアメリカ映画に辟易することがある。深い意味がないのだろうことは想定できるが、そういう人間教育を受けていない私にとって、「愛してる」なんている言葉を真から一度くらい口に出してから死んでいきたい、と思うこの頃。そんなことはありえなことだろうな、と心底諦めてはいるが。

『ドラフト・デイ』(Draft Day)

2014年・アメリカ 監督/アイヴァン・ライトマン

出演/ケビン・コスナー/ジェニファー・ガーナー/デニス・リアリー/フランク・ランジェラ

2014年のNFLドラフトの日、12時間前からカウントダウンの時計が表示されている。アメリカのプロ・ドラフト事情を詳しく知らないので、ものすごく興味があった。アメリカの4大プロ・スポーツ、ベースボール・フットボール・バスケットボール・アイスホッケーのそれぞれに同じようなドラフトがある